3DCGと聞くとゲームや映画に使われる技術というイメージがありますが、実は身近なところでも3DCGは活用されています。そんな3Dモデリングをするときに使えるソフトがBlenderです。どんなソフトなのか、どんなことができるのか確認していきましょう。
Blenderは、3DCGを作ることができるアプリケーションソフトです。最大の特徴は何といっても無料で使えるという点で、手元のパソコンにダウンロードすれば誰でも自由に使うことができます。3DCGを扱うことができるソフトはたくさんありますが、Blenderは無料で使える上有料ソフトにも劣らない機能を持っていることから、世界中で大勢のユーザーに支持されています。そもそも3DCGとは、コンピューター上に作った仮想の三次元空間に、立体的に作り出したグラフィックのことです。立体物なので向きを変えたり光を当てて影を作ることができる他、色や質感を加えたりすることもできます。そして動きを付けることでアニメーションを作ることもできます。これらたくさんの機能を、Blenderは備えているのです。
3DCGの基礎技術の一つが「モデリング」です。パソコン上の仮想三次元空間にオブジェクトを作る作業のことを指し、モデルを構成するポリゴンの頂点や面を操作する「ポリゴンモデリング」や、粘土をこねるように造形できる「スカルプトモデリング」といった手法で行っていきます。ゼロから3Dモデルを作るのは難しいため、ガイドとなる二次元イラストを準備すると作業がスムーズになります。イラストは正面を向いたものと真横から向いたものを別データとして作成し、これをBlenderに読み込んで下絵としてモデルを作っていく流れになります。最初はできるだけ直線的でシンプルなモデルを作り、少しずつ複雑なものに挑戦していくといいでしょう。
3Dモデリングは、パソコン上の三次元空間でオブジェクトを形成していく作業のことを言います。もちろんBlenderはモデリング作業もこなすことができます。Blenderは無料で誰でも使えるので、初心者が3Dモデリングに挑戦する、というときも頼りになるでしょう。ただ他のグラフィックソフトと同様、Blenderもダウンロードしてすぐ活用できるものではありません。3DCGは特に専門用語も多いですし、直感的に描ける2Dグラフィックと異なり、そもそも操作のとっかかりが分らないということも多いです。では、Blenderで3Dモデリングを学ぶにはどのような方法を取ればいいのでしょうか。
最もシンプルかつ手っ取り早いのは、解説書や動画サイトを活用し、自分で勉強していく方法です。Blenderは無料のソフトウェアですがユーザーが多く、解説書や解説動画はたくさんあるので、自分のレベルにあったものを探せば段階的にスキルを学ぶことができます。初心者が解説書を選ぶときは、できるだけ図やキャプチャー図が多いものを選ぶようにしましょう。ビジュアル的な解説が多い方が直感的に分かりやすく、操作も覚えやすくなります。解説動画は操作そのものを見ることができるのでおすすめの方法です。必要に応じて一時停止や巻き戻しができるのも学習の手助けになるでしょう。
インターネットを通じて操作方法を学ぶオンライン講座に申し込むのもおすすめです。独学に比べてお金はかかりますが、インターネット環境さえあればいつでもどこでも学習することができるので便利です。移動時間も必要ありません。近年はオンライン講座も種類が増えており、自分に合ったものを選ぶことが大切になります。オンライン講座には、あらかじめ録画された内容を視聴する「録画タイプ」と、講師や他の生徒とリアルタイムでやり取りしながら学習を進める「ライブ配信」があります。それぞれにメリットがあるので、自分にとって学びやすいスタイルを選択するようにしましょう。
コンピューターグラフィックスに関する仕事に就きたいと思っているなら、思い切って専門学校に通うのもいいでしょう。移動時間が必要になるうえ費用もかかりますが、その分「しっかり学ばねば」という意識が働きやすくなりますし、同じ目標に向かう仲間と交流しより学習意欲を高めることもできます。就職に関するサポートを行っている専門学校も多いので、しっかり確認して学校を選びましょう。
セミナーは、何らかのテーマについて興味を持っている人を広く募集して開催されるイベントのことを指します。基本的に短期間で行われるので、集中して学習することができます。また参加者は自主的に参加している人ばかりなのでみんな学習意欲が高く、刺激を受けたり情報交換をすることもできます。Blenderはバージョンアップする度に機能が追加されていくので、既に基本的な知識を持っていても、技術や知識をアップデートするため定期的にセミナーに参加しているという人も多いです。
株式会社VOSTが提供している「Blender基礎セミナー」は、東京と大阪で二日間に渡って開催されている初心者向けのセミナーです。基本的な操作方法やツールの説明からスタートして、実践的な使い方をマスターすることを目指します。受講形式が三つあり、会場での対面学習ができる「会場受講」の他、オンラインで参加できる「ライブウェビナー」や、申し込んでから一年間視聴することができる「eラーニング」の中から選択することができます。「ライブウェビナー」は、ウェビナー受講者一人につきセミナー会場のパソコンが常時接続されており、講師からいつでもサポートを受けることが可能になっており、おいて行かれる心配がありません。
Blenderは3Dモデリングができるアプリケーションソフトですが、できることはそれだけではありません。作り上げた3Dモデルを使っていろいろなことができるのです。代表例は「アニメーション」でしょう。まず、作った3Dモデルに「ボーン」と呼ばれる骨組みを入れます。この作業を「リギング」と言い、骨組みを入れることで3Dモデルに好きなポーズを付けることができるようになります。そして、このリギング作業を施した3Dモデルに動きを付けることでアニメーションを作ることができるのです。単に3Dモデルを動かすだけではなく、「物理演算」を使うことで、リアルな水や風の動きを再現することもできます。
物理演算とは、現実世界の物理現象を再現することで、よりリアルな表現を行う昨日のことを言います。再現する機能のことを「シミュレーション」といい、物体同士の衝突や重力などを再現する「剛体シミュレーション(リジットボディ)」、液体や煙の挙動を再現する「流体シミュレーション」、布や髪の毛など軟らかい物体の挙動を再現する「クロスシミュレーション」などがBlenderには搭載されています。そして作った3Dモデルを画像や動画に変換するプロセスである「レンダリング」機能もしっかり搭載されているため、Blender一つでいろいろな作業を行うことができるのです。
Blenderには3Dモデリングに必要な機能はもちろん、それを使ったアニメーションやシミュレーションのための機能も搭載されています。とはいえ専門用語も多く初心者には扱いづらいので、使いこなすにはセミナーや解説書、解説動画などを活用し学習する意識を持つことが大切です。