3Dモデリングは、様々な分野での用途があり、特に建築デザインにおいてはその有用性は言うまでもありません。
Blenderは、この3Dモデリングを可能にする無料のソフトウェアであり、その中でも建築モデリングには多くの特長と機能があります。
この記事では、Blenderを使った建築モデリングの基本を初心者でも理解しやすいように解説します。
Blenderを使った建築モデリングの基本を解説します。
建築モデルの簡単な流れを理解し、イメージを掴みましょう。
それでは、具体的にBlenderでの建築モデリングの手順を見ていきましょう。
ここでは、一軒家を例にします。
今回は、無料アドオンArchimeshを利用し作成します。
EditからAdd-Onを選択、Archimeshを選択してインストールできます。
以上の手順により、初心者でも簡単にBlenderで建築モデリングを行うことが可能です。
Blenderに限らず、建築モデリングでよく注意される、気を付けるべきことを3つ紹介します。
リアルな建築物をモデル化する際には、実際の建築物と同じ比率と規模を保つことが最も重要です。
Blenderでは、単位設定を使用して、シーンのスケールを正確に設定することができます。
長さ(Length)で単位の固定が可能です。
モデリングの際には、トポロジー、つまりモデルの形状を作るための頂点、エッジ、面の配置と流れを適切に管理することが重要です。
適切なトポロジーにより、モデルの見た目を向上させ、アーティファクト(モデリングやレンダリングの際の不具合)を減らすことができます。
建築モデリングはイラストと同じく、光と影が重要視されます。
これは、素材の選択と照明設定の二つの側面から考慮する必要があります。
適切な素材を設定することで、建築物の表面がどのように光を反射または吸収するかを制御可能です。
初心者向けのBlender学習には、公式ドキュメントやチュートリアルがおすすめです。
以下に、初心者向けのBlender公式ドキュメントとチュートリアル、および他のオンラインチュートリアルと本の紹介をまとめます。
分らないことがある時に役立つBlender公式ドキュメントと、チュートリアルを紹介します。
Blender公式サイトには、Blenderの操作方法や機能について丁寧に解説されたドキュメントがあります。
リンク: https://docs.blender.org/manual/ja/3.0/index.html
Blender公式YouTubeチャンネルには、公式の解説動画が多数公開されています。
ビギナー向けのチュートリアルもあります。
リンク:
https://www.youtube.com/watch?v=MF1qEhBSfq4&list=PLa1F2ddGya_-UvuAqHAksYnB0qL9yWDO6&index=1
1部有料ですが、オンラインチュートリアルもおすすめです。
CG WORLDのチュートリアルは日本人講師による丁寧な解説で、建築物のモデリング方法やマテリアルの作成方法、HDRIの取り込みなど、基本的な技術を学ぶことができます。
UdemyではBlenderの講座が豊富で、建築物の製作に特化したチュートリアルもあります。
英語の解説でも、Udemyの英訳機能を活用すれば内容を理解できるでしょう。
自分に合った教材を見つけて、楽しく学習してください。
ここでは、Blenderを使って平面図や立面図などの2D図面を作成する手法を紹介します。
さらに、Blenderのグリッドスナップ機能を活用して、正確な寸法を持つ図面を作成する方法も解説します。
2D図面の作成方法
Blenderを使って平面図や立面図などの2D図面を作成する方法を紹介します。
これは建築プロジェクトにおいて非常に役立ちます。
以下の手順に従って、簡単に2D図面を作成しましょう。
Blenderを起動したら、右下のドロップダウンメニューから「2Dアニメーション」を選択します。
これにより、2D図面の作成に適した設定に切り替わります。
3DビューポートでShift + A キーを押して、「平面」を選択し、必要なサイズにスケールします。
これが図面を描くキャンバスとなります。
「編集」モードに移行し、上部メニューから「スナップ」を選択します。
次に、「グリッドスナップ」を有効にします。
これにより、オブジェクトがグリッドにスナップするようになります。
「線」ツールを選択し、2D図面の輪郭を描き始めます。
グリッドスナップが有効なため、直線や角度を正確に描くことができます。
「編集」モードで、描いた線を必要に応じて調整します。
頂点を追加・削除したり、辺を移動させたりして図形を完成させます。
必要に応じて、テキストや寸法を追加します。
これにより、図面に必要な情報を付加できます。
図面が完成したら、ファイルメニューから「エクスポート」を選択し、適切なフォーマットで図面を出力します。
これで2D図面の作成が完了しました。
グリッドスナップを利用した正確な図面作成方法
Blenderのグリッドスナップ機能を活用して、より正確な寸法を持つ図面を作成する方法を解説します。
グリッドスナップを有効にしていると、図面のオブジェクトや線が自動的にグリッドにスナップされるため、手動での微調整が不要になります。
上記の手順で2D図面の作成を行う際、ステップ3でグリッドスナップを有効にします。
以下の手順に従って、Blenderでグリッドスナップを有効にすることが可能です。
グリッドスナップが適用される要素を選択します。例えば、「Vertex」を選択すると頂点がグリッドにスナップします。
スナップ先の位置を選択します。例えば、「Increment」を選択すると、グリッドの単位で移動します。
オブジェクトを選択します。
Gキーを押して移動モードに入ります。
移動する方向にマウスを動かし、グリッドに自動的にスナップします。
これで、オブジェクトや頂点などがグリッドにスナップして移動することができます。グリッドスナップを無効にするには、「Toggle Snap」ボタンをオフにします。
Blenderを使った建築モデルのレンダリング方法を解説します。
建築モデルをリアルに、そして、より美しく表現するためのレンダリング技術を紹介します。
BlenderにはEEVEEやCyclesなどのレンダリングエンジンがあります。
それぞれ特性が異なるため、レンダリングの目的に合わせて選択します。
リアルタイムレンダリングに適しており、プレビューやアニメーション制作に便利です。
レンダリング速度が速く、シンプルなシーンやモデルに適しています。
シャドウやリフレクションの表現が高速で実現できます。
フォトリアルなリアルな表現を得ることができる高品質なレンダリングエンジンです。
レンダリングに時間がかかる場合がありますが、詳細な表現やリアリティを求める場合に適しています。
グローバルイルミネーション、リアルなシャドウ、フォトリアルなマテリアルなどが得意です。
エンジンの選択は「レンダリング」タブの「エンジン」で変更できます。
使用するエンジンに合わせた設定を行います。
建築モデルにリアルな質感を与えるために、マテリアルと照明の設定が重要です。
オブジェクトに対して適切なマテリアルを割り当てます。
建築物の外壁や内部の床、天井などに応じてマテリアルを作成します。
マテリアルの設定では、テクスチャやノードを駆使して質感や色、反射率などを調整します。
レンダリング結果に大きな影響を与える照明を設定します。
建築モデルの目的や雰囲気に合わせて適切な照明を配置します。
EEVEEではリアルタイムライトプローブや環境マップを活用し、Cyclesではシーンに適した光源を慎重に配置します。
これらの設定により、建築モデルのレンダリングがより美しくリアルなものとなります。
建物ジェネレーターは、Blenderのアドオンやスクリプトを用いて自動的に建築モデルを生成するツールです。
これにより、手作業で建築物を作成する手間を省き、効率的に多様な建築モデルを生成することができます。
建物ジェネレーターの概要について以下に解説します。
建物ジェネレーターを利用するためには、Blenderのアドオンやスクリプトをインストールする必要があります。
Blenderのアドオンは、Blenderの機能を拡張するためのプラグインです。
まず、建物ジェネレーターのアドオンをダウンロードし、Blenderにインストールします。
アドオンの導入方法は、Blenderのバージョンによって異なる場合がありますが、通常は「編集」→「設定」→「アドオン」からインストールできます。
建築の自動生成アドオンは、Building ToolsやBuildify がおすすめです。
Blenderを使った建築モデリングや図面作成、レンダリングについての基本的な方法と初心者向けの学習リソース、さらに建物ジェネレーターの概要について解説しました。
これらの知識を活用して、Blenderを使って建築のデザインやモデリングをスムーズに行いましょう。