「社員にChatGPTを活用してもらいたいが、何から教えればいいのか分からない」「おすすめのChatGPT研修が知りたい」という方も多いでしょう。ChatGPTを利用する環境を整えただけでは、使う人と使わない人の差が開くだけで終わってしまいます。
本記事では、ChatGPT研修10選を、受講形式・対象者・カリキュラムで比較します。選び方や研修効果を高めるポイントも解説するので、自社に合う研修を探す際の参考にしてください。
ChatGPT研修とは

ChatGPT研修とは、ChatGPTをはじめとする生成AIを業務で活用できるようにするための、法人・団体向けの教育プログラムです。
個人がスキルアップのために受ける講座とは狙いが異なり、社員の生成AIリテラシーの底上げ・業務への定着・社内ルールの整備までを含めて設計されている点が特徴です。
近年は情報漏洩のリスクや社内ガイドラインの整備といった、ツールの使い方だけでは解決しないテーマも研修に含まれるようになっています。
ChatGPT研修で学べる内容
ChatGPT研修で扱う内容は会社によって幅がありますが、多くの研修は以下の領域をカバーしています。ただ、基礎的な操作から、業務に直結する実践的なテーマまでを段階的に学ぶ構成が一般的です。
| 学べる内容 | 概要 |
|---|---|
| 生成AIの基礎 | ChatGPTの仕組み、できること・苦手なこと、他ツールとの違いの理解 |
| プロンプト設計 | イメージしている回答を引き出す指示の書き方、精度を上げる改善方法 |
| 業務での実践 | メールや報告書のたたき台、議事録の要約、企画のアイデア出しなど |
| 事務作業の効率化 | Excel関数やVBAコードの生成、表計算の修正など |
| リスクと社内ルール | 情報漏洩対策、著作権・個人情報・機密情報への注意、利用ガイドライン |
| 応用・カスタム活用 | GPT、RAG、社内データと連携した高度な活用 |
なお、実務での成果を左右する要素の一つが、目的や条件を適切に伝えるプロンプト設計です。ただし成果はプロンプトだけで決まるわけではなく、入力するデータ、使う機能、業務フローへの組み込み方まで含めて工夫することが重要になります。
個人向け講座との違い
ChatGPT研修を検討するとき、個人向けのオンライン講座で十分ではないかと考える方もいます。しかし個人向け講座とは、主な目的や設計が異なります。個人向け講座は受講者本人のスキルアップが目的で、学ぶ内容も本人の関心に委ねられるということです。
一方、法人向けのChatGPT研修は組織としての活用を前提に組まれています。全社員のリテラシーを一定水準に引き上げること、業種や職種に合わせた活用例を扱うこと、安全に使うためのルールを共有することまでが範囲に入ります。
受講後に各自が職場で使い続けられるよう、フォローアップや定着支援まで用意している会社も少なくありません。
失敗しないChatGPT研修の選び方

ChatGPT研修は数が多く、料金や知名度だけで比べると失敗する可能性もあります。ここでは「目的で選ぶ」「予算で選ぶ」といった一般論ではなく、導入後に成果を出すための基準を3つに絞って解説します。
- 受講のゴールと到達レベルを先に決める
- 受講形式が自社の運用に合うか
- セキュリティと社内ルールまで含むか
①受講のゴールと到達レベルを先に決める
ChatGPT研修で多い失敗が、目的を決めずに「とりあえず生成AIを学ばせる」ことです。ゴールが曖昧なまま受講すると、翌日から誰も使わない状態に戻ってしまいます。
まず、研修後に社員が何をできるようになってほしいのかを具体化します。例えば、「メール文面の作成時間を半分にする」「会議の議事録を要約して共有する」といった、業務に即した到達点を先に決めることが重要です。
到達レベルを言語化してから研修を探すと、カリキュラムが自社に適しているか見極めやすくなるでしょう。
②受講形式が自社の運用に合うか
ChatGPT研修には複数の形式があり、それぞれ向き不向きがあります。人数・拠点・スケジュールに照らして、自社の運用に合う形式を選ぶ必要があります。形式を間違えると、内容が良くても参加率が上がりません。
| 受講形式 | 向いているケース | 向いていないケース |
|---|---|---|
| 集合・対面型 | 質問しながら進めたい | 拠点が分散している、日程を合わせにくい |
| オンライン・ライブ型 | 複数拠点で同時に受講したい、移動する費用を抑えたい | 手を動かす演習の比重を高くしたい |
| eラーニング型 | 各自のペースで学びたい | 議論やその場での質疑を重視したい |
| オーダーメイド型 | 自社業務を題材にし、定着まで踏み込みたい | 短時間・低コストで概要だけを学びたい |
たとえば全国に拠点がある企業なら、基礎はeラーニングで統一し、演習だけ集合型にする組み合わせがおすすめです。受講形式は「どれが優れているか」ではなく「自社の運用になじむか」で選ぶのが失敗しないコツです。
③セキュリティと社内ルールまで含むか
ChatGPTを業務で使ううえで避けて通れないのが、セキュリティや情報の取り扱いです。近年では、生成AIのセキュリティの高さが重要になってきています。実際にIPAが公表する「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、AIの利用をめぐるサイバーリスクが組織向け脅威の3位に初選出しています。

出典:IPA
ツールの使い方は独学でも身につけられますが、安全に使うための社内ルールは研修を通じて全員で共有しておく必要があります。導入初期にルールをそろえておくと、部署ごとに使い方がばらつく事態を防げます。
ChatGPTのおすすめ研修10選
ここからは、法人向けのChatGPTが学べるおすすめ研修10選を比較します。
| サービス名 | 運営会社 | 対象レベル |
|---|---|---|
| ChatGPTセミナー | GETT Proskill | 初心者〜上級者 |
| ChatGPTのはじめ方研修 | インソース | 初心者〜中級者 |
| 生成AI活用研修 | リスキル | 全社向け |
| ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用 | トレノケート | 初心者 |
| 生成AI研修 | インターネット・アカデミー | 初心者〜中級者 |
| ChatGPT法人研修・企業研修 | 和から | 初心者〜上級者 |
| ChatGPTビジネス研修 | AVILEN | 初心者〜上級者 |
| ChatGPTの概要と業務活用研修 | JMAM | 初心者 |
| 対話型生成AI講座 | スキルアップAI | 初心者〜中級者 |
| 【集合】体験!ChatGPT | 富士通ラーニングメディア | 初心者 |
①ChatGPTセミナー|GETT Proskill
GETT Proskillの「ChatGPTセミナー」は、生成AIの仕組みから学べる初心者向けの講座です。プロンプトの作り方や出力結果の改善方法といった基礎から、GPTの作成やRAGを使った応用までを短期間でカバーします。1名からでも社内一括でも申し込める柔軟さが特徴です。
このChatGPT研修で目指せる到達点は次の通りです。
- 生成AIの仕組みを理解し、安全に使えるようになる
- 実践的なプロンプトを自分で設計・改善できる
- ChatGPTを使ってオリジナルの生成AIチャットを作れる
初心者の底上げから応用人材の育成まで、対象レベルを問わず学びやすい構成です。文章作成や要約といった日常業務から、社内データを使った活用までを一つの講座で押さえたい企業に向いています。
| セミナー名 | ChatGPTセミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
②ChatGPTのはじめ方研修|インソース

出典:インソース
インソースの「ChatGPTのはじめ方研修」は、アカウント作成から業務での使い方までを半日で体得できる、入門に特化した研修です。研修中に実際にChatGPTのアカウントを作り、実務に近いケースで問いかけを重ねながら、質問の精度を上げていきます。
これから全社員にChatGPTを広げたい企業に向いています。半日という短さで導入のハードルが低く、1名から参加できるため、「まず触ってみる」段階の会社が最初の一歩として選びやすいのが強みです。
③生成AI活用研修|リスキル

出典:リスキル
リスキルの「生成AI活用研修」は、講師派遣型で自社に合わせて実施する研修です。Excel関数やVBAコードの生成、Deep Researchを使った自社業界のリサーチ、NotebookLMによる複数資料の分析など、具体的な業務シーンに直結する内容を扱います。
「概要は分かったが、実務でどう使うかが分からない」という段階の企業に適しています。手を動かす演習を通じて、翌日から使える活用術を全社的に広げたい場合に検討したいChatGPT研修です。
④ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用|トレノケート

出典:トレノケート
IT研修の実績を持つトレノケートが提供するのが、「ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用」です。ChatGPTの概要や基本操作、プロンプトエンジニアリングの基礎を、ハンズオン演習を交えて1日で学びます。
仕事の生産性を高めるAIチャット入門という位置づけで、初学者でも取り組みやすい設計です。会場受講とオンラインの両方に対応し、1名33,000円で参加できるため、受講環境と費用の見通しを立てやすい点も魅力と言えるでしょう。
⑤生成AI研修|インターネット・アカデミー

インターネット・アカデミーの「生成AI研修」は、研修のカスタマイズの柔軟さが持ち味です。ChatGPTの基本的な使い方に加え、強みが活かせる作業と他ツールが向く作業の見極めまで学べます。
金融業界のセールス向けなど、業種や職種に合わせて内容を調整できるのが特徴です。ChatGPTだけでなくGemini、Claudeなど自社が使うツールに合わせた研修を組みたい企業に適しています。費用は内容に応じた見積もりです。
⑥ChatGPT法人研修・企業研修|和から

出典:和から
「ChatGPT法人研修・企業研修」は、導入支援200社以上の実績をもとにしたオーダーメイド型の研修です。業種・対象者・利用プランに合わせてカリキュラムを設計し、座学とハンズオンを組み合わせて実施します。研修時間は2時間から複数日まで柔軟に調整できます。
生成AIの基礎やプロンプト設計だけでなく、
- GPTs
- Projectsの活用
- セキュリティと社内ルールの整備
まで扱う点が特徴です。ChatGPTの活用を全社に定着させたい企業は受講を検討してみてください。
⑦ChatGPTビジネス研修|AVILEN

出典:AVILEN
AVILENの「ChatGPTビジネス研修」は、日本e-Learning大賞の生成AI特別部門賞を受賞した研修です。ChatGPTの機能や、ホワイトカラー業務への影響、情報セキュリティのリスクと対策を、ワークを通じて約2時間で学ぶ構成になっています。
研修にはプロンプトエンジニアリングを体験するワークと、自社業務での活用施策を立案するワークが含まれます。
⑧ChatGPTの概要と業務活用研修|JMAM

出典:JMAM
JMAMの「ChatGPTの概要と業務活用研修」は、講師派遣型で自社に招いて実施する半日研修です。対面・オンラインのどちらにも対応し、基礎知識から丁寧に説明することで、デジタルやAIツールへの苦手意識をなくすことに重点を置いています。
利用ルールの周知と、自業務での活用を考えるワークがセットになっているのが特徴です。ChatGPTのリスクを理解して安全に使えるようになることを重視するため、これから全社導入を始める企業のリテラシー研修として選びやすい内容です。
⑨対話型生成AI講座|スキルアップAI

出典:スキルアップAI
「ビジネスパーソンのための対話型生成AI講座」は、ChatGPTを含む対話型生成AI全般を扱うeラーニング講座です。ビジネスで触れるプロンプトエンジニアリングの知識とテクニックを、実際の業務を想定したワークつきで学べます。法人研修では日程や内容のカスタマイズにも対応します。
各自のペースで学べる形を求める会社に向いています。70以上の講座の中から自社に合う組み合わせを提案してもらえるため、リテラシーから応用まで段階的に育てたい企業にも適したChatGPT研修です。
⑩【集合】体験!ChatGPT|富士通ラーニングメディア

出典:富士通ラーニングメディア
富士通ラーニングメディアの「【集合】体験!ChatGPT」は、まず使ってみることに重きを置いた集合型の体験研修です。文章生成や要約、コード生成といった代表的な使い方を、講義と演習を半々の割合で、実機を操作しながら半日で体験します。
生成AIにまだ馴染みのない社員に、最初の入り口として受けさせたい企業に向いています。長時間の座学ではなく、体験を通じて「業務にどう使えそうか」の感覚をつかませたい場合に検討したい研修です。
個人向けのChatGPT講座については以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。
ChatGPT研修の効果を高めるポイント
ChatGPT研修は、受講するだけで自動的に業務効率が上がるものではありません。研修の効果を高めるためには、導入前後の運用まで含めて設計することが大切です。
- 研修で扱う具体的な業務を決めておく
- 受講者のレベルに合わせて内容を分ける
- 受講後に試す期間と共有の場を設ける
①研修で扱う具体的な業務を決めておく
研修前に、ChatGPTを活用したい業務をいくつか洗い出しておきましょう。先述した通り、業務を効率化するといった広い目標ではなく、現在時間がかかっている作業を具体的に挙げることがポイントです。
たとえば、次のような業務が挙げられます。
- 問い合わせメールへの返信文作成
- 会議の議事録や長文資料の要約
- 営業資料や企画書の構成案作成
実際の業務に近い題材をChatGPT研修で扱えば、受講者が活用場面を理解しやすくなり、研修後の実践にもつながります。
②受講者のレベルに合わせて内容を分ける
全社員に同じ内容を受講させると、初心者には難しく、経験者には物足りない研修になる場合があります。受講者の利用経験や役割に応じて、基礎編と実践編に分けましょう。
| 対象者 | 学ぶ内容 |
|---|---|
| 初心者 | 基本操作、プロンプトの作り方、情報セキュリティ |
| 利用経験がある社員 | 業務フローへの組み込み方、GPTの作成、社内データの活用など |
研修前にアンケートなどで利用経験を確認し、受講者をレベル別に分けておくと、内容の難易度を調整しやすくなります。
③受講後に試す期間と共有の場を設ける
研修で学んだ内容は、実際の業務で使わなければ定着しません。研修後に実践期間を設け、各社員が少なくとも一つの業務でChatGPTを試せるようにします。
その後、ChatGPTを活用できた業務や削減できた時間、うまくいかなかった点を社内で共有します。チャットツールに活用事例を投稿するチャンネルを作ったり、定期的に短い共有会を開いたりすると、他の社員も使い方を取り入れやすくなります。
ChatGPT研修に関するよくある質問

最後にChatGPT研修で、よくある質問についてまとめています。
研修内容や実施時間などの要件を満たせば、人材開発支援助成金を利用できる可能性があります。ただし、すべてのChatGPT研修が対象になるわけではありません。短時間の研修は対象外になる場合があり、研修開始前の計画届も必要です。
以下の記事では、人材開発支援助成金について紹介していますので、チェックしてみてください。
ChatGPT研修のまとめ
ChatGPT研修を選ぶときは、まず「研修後に社員が何をできるようになってほしいか」を言語化することです。到達レベルと受講形式、セキュリティや社内ルールの扱いまでを確認すれば、自社に合う研修は絞り込めます。
本記事ではおすすめのChatGPT研修10選を紹介しましたが、全社員のリテラシーを底上げしたいのか、応用人材を育てたいのか、狙いによって適したサービスは変わります。
まずは自社の中で工数がかかっている業務を一つ挙げ、その業務をChatGPTで改善できるかという視点で研修を比べてみてください。