E資格のシラバスとは?試験の出題範囲やおすすめの学習方法を解説

急速なAI技術の普及により、E資格の受験者も年々増加してきました。
しかし、「E資格に興味があるけれどどのように学習したら良いか分からない」または「E資格のシラバスについて知りたい」という人もいるのではないでしょうか?

そこでこの記事では、E資格およびE資格のシラバスについて、E資格のシラバスに対する学習方法について解説します。

E資格とは

E資格とは

E資格とは、AIエンジニアとして必要なディープラーニングの知識および実装技術を保有していることを認定する資格です。E資格に似たAIエンジニアの資格にはG検定がありますが、E資格の方が専門的知識が問われるため難易度も高いといわれています。

近年は、第3AIブームが到来し、様々な企業や業種においてAI人材の育成に注目が集まってきました。同時に注目され始めたのがE資格です。

E資格は2018年から試験がスタートし、以降受験者数は増加の一途をたどっています。
2023年の受験者数は1,065人で、当初の3倍近くまで増えています。
受験費用は、一般が33,000円(税込)、学生は22,000円(税込)となっています。

一般受験をする場合、受験者数が5名以上であれば団体申し込みをすることが可能です。

E資格のシラバスとは

シラバスとは、大学などの授業計画を記した冊子のことです。
具体的には、年間の授業計画、取得すべき単位、成績の評価方法などが記されています。
E資格におけるシラバスとは、E資格の出題範囲のことです。

E資格の出題範囲(シラバス)

E資格の出題範囲は、

  1. 応用数学
  2. 機械学習
  3. 深層学習
  4. 開発および運用環境

に分かれています。E資格を受験する際には、あらかじめ出題傾向をチェックしておくことが重要です。

1.応用数学

E資格における応用数学では、確率・統計、線形代数、情報理論が主な出題範囲です。

確率・統計では、ガウス分布、ベルヌーイの分布などの確率分布とベイズの法則などの推計統計学が出題されます。
ちなみに、ガウス分布は、中央値と最頻値が一致することが特徴で、統計学を代表する確率分布の一つです。ベルヌーイの分布は「成功か失敗か」などのように、2種類の結果しか出ない離散型確率分布のことで、マルチヌーイの分布はベルヌーイ分布を拡張した時に導き出される分布のことです。

線形代数は、線形変換および線形空間の性質に特化した代数学で、情報理論とは「情報」を定義した上で、数学的に論じる学問のことをいいます。

2.機械学習

機械学習の基礎もE資格の出題範囲です。
具体的には、教師あり・教師なし学習アルゴリズム、ハイパーパラメータ、確率的勾配降下法、検証集合、学習アルゴリズムや能力、過剰適合、過少適合などが挙げられます。

教師あり・教師なし学習アルゴリズムとは、教師に見立てたデータの有無によって規則性、および異常の有無を発見する手法のことをいいます。
ハイパーパラメータとは、機械学習アルゴリズムを設定することです。
E資格におけるハイパーパラメータの出題範囲は、ハイパーパラメータの調整を手動で行う方法、グリッドサーチ、ランダムサーチ、ハイパーパラメータの最適化となっています。

3.深層学習

深層学習も、E資格の出題範囲です。
深層学習の中でも、順伝播型ネットワーク、深層モデルの正則化、深層モデルの最適化、回帰結合型ニューラルネットワーク、再帰的ニュートラルネットワーク、強化学習などが主に出題されています。

順伝播型ネットワークとは、入力側から出力側のみに伝達されるニューラルネットワークのことです。E資格では、アーキテクチャの設計、最尤推定による条件付き分布の学習、出力ユニットおよび隠れユニット、線形問題および非線形問題、誤差逆伝搬法が主な出題範囲です。

深層モデルの正則化とは、係数が増大することを防ぐために制限を加えることで、深層モデルの最適化とは、検証したデータの誤差を最小化するためのニューラルネットワークモデルのことです。

回帰結合型ニューラルネットワークとは、出力から入力に戻っていく構造を持ったネットワークのことです。

再帰的ニュートラルネットワークとは、ニューラルネットワークを時系列データとして取り扱えるように拡張したもので、主に翻訳などの言語処理に用いられるアルゴリズムとなっています。

強化学習とは、AIにおける機械学習の一つです。
E資格では主に、価値反復法、方策勾配法が出題されています。ちなみに、価値を繰り返し更新することを価値反復法といい、価値を最大化するための方策を探すことを方策勾配法といいます。

4.開発および運用環境

開発・運用環境も、E資格の出題範囲です。
具体的には、分散処理、深層学習ライブラリ、軽量化技術、アクセラレータなどが挙げられます。

深層学習ライブラリでは、主にNumpypandasなどのようなPython用のライブラリが出題されています。軽量化技術で出題されることが多いのは、データ並列化、モデル並列化などです。

E資格の試験概要

E資格の試験時間は120分で、試験方式はパソコンを使ったCBT方式です。
問題数は毎年100問程度で、解答形式は多肢選択式を採用しています。

受験会場は全国に100か所以上設けられているので、地方在住の人でも受験しやすい試験といえるでしょう。ただし、E資格を受験するためには、事前に日本ディープラーニング協会が定めた認定プログラムを修了しておかなければいけません。
ちなみに、過去2年以内に修了した認定プログラムでなければ無効なので注意が必要です。

E資格のシラバスに対する学習方法

E資格のシラバスに対する学習方法

E資格のシラバスに対する学習方法は、参考書などの書籍を使う、もしくはセミナーなどを活用したスクーリングなどがあります。

E資格の学習方法1.書籍を使う

E資格のシラバスに対する学習方法としては、書籍の活用が挙げられます。
E資格のシラバスに対応しているテキストや問題集は数多く発売されているので、初心者でも学習をスタートできる基礎的な書籍も多いです。

書籍を使うメリットは、やはり自分のスタイルで学習できること、学習に要するコストを抑えられることでしょう。一方デメリットとしては、学習を効率的に進めにくいこと、モチベーションを保ちにくいこと、学習の壁を乗り越えにくいことなどが挙げられます。

E資格の学習方法2.セミナーを活用する

E資格のシラバスを学習するには、セミナーを活用するのも一つの手段です。
セミナーを利用するメリットは、効率的に学習できること、疑問点・不明点があったときはその場で質問できることです。

AI研究所が主催するE資格対策ディープラーニング短期集中講座は、わずか4日間・合計学習時間は24時間のスクーリングでE資格合格を目指せるスクールです。

応用数学やPythonの基礎知識から学習をスタートするので、AIに関する学習が初めてという人でもスムーズに学習をスタートできるカリキュラムとなっています。

受講方法は、対面式で学習する会場受講、ズームでつながりながら学ぶライブウェビナー、アーカイブ動画を視聴して学習するeラーニングの3種類から選択することが可能です。
料金は、会場受講とライブウェビナーが138,600円、eラーニングは76,780円となっています。

E資格のシラバス まとめ

E資格を受験するためには、シラバスをチェックし出題傾向を知った上で対策を取ることが大切です。

E資格受験の学習方法には書籍を使った独学などがありますが、E資格の過去問題をベースとしたセミナーを利用すると効率的に学習を進めることができます。

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