チェックボックスとは、項目を選択したかどうかを判断するために用いられる、升目状のGUI(Graphical User Interface)のことです。
さて、エクセル(Excel)においてもチェックボックスが挿入できることをご存じでしょうか。
この記事ではエクセルのチェックボックスについて、必要な場面や作成方法について解説します。
あわせてセルと連動させる方法や活用方法にも触れているので、エクセルのスキルに興味がある方は、ぜひご覧ください。
エクセルは、グラフを作ったりデータ整理などに用いるツールとして、一般的に認知されています。そのため「チェックボックスが何の役に立つの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
エクセルのチェックボックスは、基本的にデータのフィルタリングが必要なシーンで役立ちます。
例えば、特定の商品やプロジェクトの一覧から、必要なものだけを選択する際、チェックボックスがあれば大変便利です。
確認したデータをチェックして、ほかのデータと混ざらないように分けられるようになるからです。
チェックのオン・オフで色分けすれば、ワークシートを視覚的に見やすくすることもできます。
どのようにチェックボックスを用いればよりエクセルを活用できるか、その具体的な方法を以下に示します。
入力フォームやアンケートにおいて、利用者が特定の事項にチェックを入れた場合、その数値やデータを集めて一目でわかるように表示することが可能です。
集まったデータを自動的に集約したり、特定の条件を迅速にピックアップするのにも役立ちます。
進捗管理において、タスクが完了した場合にチェックを入れ、未完了の場合はチェックを外すことで、進捗が一目でわかるようになります。
契約や約款において、特定の条件やオプションを切り替える必要がうまれたとき、チェックボックスを使えば、条件やオプションの有効・無効を簡単に切り替えられます。
特に、択一的に条件やオプションを選択する場面において、チェックボックスを設定しておけば、複数の項目が選択されるミスがなくなりますよ。
複数の参加者がいる会合において、参加者をエクセルに登録してチェックボックスを設定すれば、チェックのオン・オフで簡単に出席管理が可能になります。
チェックボックスを作成・編集・削除する方法は難しいことではありません。以下でその手順を見ていきましょう。
まずエクセルの画面を開いたら、多面上部のタスクバーに「開発タブ」が表示されているかを確認してください。開発タブは初期状態のままでは表示されていません。
開発タブが無いのであれば、画面上部のリボン(ツールバーやタブが表示されているエリア)上で「右クリック→リボンのユーザー設定」を押します。
「リボンのユーザー設定」のダイアログが表示されるので、その中から「開発」を選びチェックを入れます。最後に「OK」をクリックしてください。これで準備段階は終了です。
「開発タブ」をクリックし、リボン上にある「挿入」を押します。「フォームコントロール」が開くので、その中から「チェックボックス」を選んでください。
次にワークシート上の任意の位置にあるセルをクリックもしくはドラッグすると、チェックボックスの挿入ができます。
デフォルト状態ではチェックボックスの真横に「チェック(数字)」とタイトルが記入されています。必要に応じて変更するとよいでしょう。
チェックボックスを編集するには、一度右クリックする必要があります。
チェックボックスのサイズを編集する場合は、周囲に浮かんでいる枠(サイズ変更ハンドル)をドラッグしてください。
テキストを変更するには、チェックボックス上で「右クリック→テキストの編集」を選び、任意のテキストを入力します。
もし文字列が隠れてしまうのであれば、サイズ変更ハンドルをドラッグして調整するとよいでしょう。
なお、チェックボックスのサイズをセルに合わせるには「Alt」を押しながら任意のセルをクリックしてください。
このようにすることで、微調整せずとも自動的にセルのサイズに合わせたチェックボックスが挿入されます。
チェックボックスをコピーして使いたい場合は、チェックボックスが置かれたセルの右下にマウスポインターを合わせ、十字のカーソルを表示させてください。
十字のカーソルをドラッグすると、チェックボックスがコピーされます。
もちろん「右クリック→コピー」を選ぶ、もしくはショートカットキー「Ctrl+C」を押すことでも、コピー可能です。こ
の場合、任意のセル上で「右クリック→貼り付け」を選択、あるいはショートカットキー「Ctrl+V」を押すことで、コピーしたチェックボックスの張り付けができます。
まず「Ctrl」を押しながらチェックボックスをクリックし選択状態にします。その上で「Del」を押してください。するとチェックボックスは削除されます。
右クリック押すと開かれるメニューから「切り取り」を選ぶのもよいでしょう。
ただし、ActiveXコントロールを用いてチェックボックスを作成した場合は、この方法でチェックボックスを削除できません。一度「開発」タブをクリックし「デザインモード」を選択してから削除してください。
チェックボックスを便利に使いこなすには、セルと連動させる必要があります。
以下では基本的な連動のさせ方を解説します。
また、連動において頻繁に使うであろう、チェックしたセルの「色の変え方」「個数を数える方法」「数値を合計する方法」についての手順についても説明します。
まず、チェックボックス上から「右クリック→コントロールの書式設定」し、コントロールの書式設定のダイアログを表示させます。ダイアログ内の「コントロールタブ」をクリックし、「リンクするセル」に連動させたいセルの「行番号・列番号」を入力してください。これでチェックボックスとセルが連動するようになります。チェックボックスにチェックが入力されると「TRUE」、入力されない状態だと「FALSE」と表示されるようになります。
「条件付き書式」を用いれば、チェックボックスのチェックの有無によって、セルの色を変化させられます。
タブより「ホーム→スタイル」と進み「条件付き書式」を選択してください。表示メニューから「新しいルール(N)」をクリックし、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。「次の数式を満たす場合に値を書式設定(O)」の欄に「=(連動させたいセルの行と列の番号)=TRUE」と記入します。例えば、D行の4列目のセルを連動させたいなら「=D4=TRUE」としてください。次に画面右下にある「書式」からセルの背景色を選択します。これでチェックボックスにチェックが入っているときに、指定したセルが任意の色に変化するようになります。
COUNTIF関数を使えば、チェックが入った数を数えることが可能です。TRUEやFALSEが表示されるセルの行と列の番号が、E行の2列目から5列目であるとします。この場合、結果を表示させたいセルをクリックし「=COUNTIF(E2:E5, TRUE)」と記入すれば、チェックボックスにチェックが入っている場合の数が数えられるようになります。もしチェックされていない数が知りたいのであれば「=COUNTIF(E2:E5, FALSE)」とするとよいでしょう。
SOMIF関数を使えば、チェックが入った項目の数値を合計して出力できます。E行の2列目から5列目にTRUEやFALSEが、数値がD行の2列目から5列目に表示されているものとします。数値の合計を表示したいセルを選択し「=SUMIF(E2:E5, TRUE, D2:D5)」と入力してください。これでチェックボックスにチェックが入った場合に、チェックが入った項目の合計された数値が出力されるようになります。
エクセルのチェックボックスはデータのフィルタリングに非常に役立つ機能です
。ぜひ作成方法や使い方を覚えて積極的に活用してください。
チェックボックスはエクセルの使い方に柔軟性を与えてくれます。アイデア次第で、従来とはまったく違ったエクセルの使い道が生まれるかもしれませんよ。