表計算ソフトであるエクセルには、標準で四則計算ができる機能が備わっています。そのため、当然割り算をすることも可能です。ただ、エクセルの割り算に関する機能は、複数あります。
その複数のエクセル割り算機能について、詳しく確認していきましょう。
エクセルには、元々割り算ができる機能が備わっています。その機能を上手に使えば、パソコン内にある電卓を起動させたり、手元にある電卓を使ったりして計算する必要はありません。
そして、エクセルの割り算には、記号を使ったものと、関数を使ったものの、大きく分けて2通りがあります。どちらか一方だけが優れているわけではなく、それぞれ異なる特徴があるため、状況に応じて使い分けた方が良いです。
エクセルの割り算機能を使うシーンとして、ビジネスシーンとプライベートシーンに分けて説明していきます。
エクセルの割り算機能は、主にビジネスシーンで必要となります。
例えばひと月の売上を1日単位で換算する場合、30や31で割る計算をしなければなりません。
また、1時間単位の作業効率を把握するのであれば、売上や製造した製品の数を、時間で割る必要があります。
いずれの場合も、ひと月に数回は割り算が欠かせず、状況次第では1日に何度も割り算をしなければならないでしょう。
プライベートシーンでも、主に家計簿を付ける際に割り算が必要です。
セットの商品を購入した場合は、ひとつ当たりの価格を計算するために割り算をしなければなりません。
その他にも、1日当たりの光熱費の計算や、税金に関する計算など、割り算が必要になる場面は多いです。
こまめに家計簿を付けるのであれば、月に何度も割り算をすることになるでしょう、その際にエクセルの割り算機能を使用すると便利です。
また、頻度はあまり高くはないかもしれませんが、何らかのイベント予算を管理する際に、参加者ひとり当たりの出費を計算するといった場面でも、割り算が必要です。
エクセルで最もシンプルな割り算をする場合、記号を用います。その詳しい手順を、確認していきましょう。
割り算を行う場合、まずは計算を行う空白のセルを選択してください。
そして、そのセルに「=」を入力します。全角ではなく半角でないと認識されないので注意しましょう。
「=」を入力したら、それに続いて分母の数字を入力します。
「20÷5」という割り算計算をしたいのであれば、「20」と入力しましょう。
分母の次に割り算記号を入力しますが、使用するのは「÷」ではなく「/」です。
「÷」だと割り算記号ではなくただの文字だと認識されてしまって、正しく計算されないので注意しましょう。
「/」の後に入力するのは、分子です。「20÷5」の計算をするのであれば、「5」を入力してください。
ここまでの手順で、割り算の計算式はできています。
「20÷5」という割り算をするのであれば、入力されているのは「=20/5」のはずです。それが確認できたら、Enterキーを押してください。
そうすると、割り算の結果として「4」が表示されるでしょう。
また、数字ではなくセルを指定して計算することも可能です。「A1」セルに「20」、「B1」セルに「5」が入力されている場合、空白のセルに「=A1/B1」と入力すれば、数字を使った場合と同じ結果の「4」が出ます。
エクセルで関数を用いて割り算をする場合、使用するのは「QUOTIENT」関数です。その手順を詳しく解説します。
最初に空白のセルを選んで、半角の「=」を入力します。全角では正しく認識されない点は、記号を使った割り算と同じです。
「=」に続いて、「QUOTIENT」という文字列を入力しましょう。綴りを間違えないことと、半角であることが大切です。
「QUOTIENT」の文字はキーボードで直接打ち込んでも良いですし、数式バーの横にある筆記体の「fx」から「関数の挿入」ダイアログボックスを開いて入力することも可能です。
「関数の挿入」では、最近使用した関数が記憶されるので、毎回入力する手間が省けます。
「QUOTIENT」関数の右側に、半角で「()」を入力してください。
全角ではいけません。その「()」の中に入力する数字を元に、割り算の計算が行われます。
入力した「()」の中に、分母と分子を入力しましょう。その際に、間に「,」を挟んでください。
「20÷5」という割り算をするのであれば、「(20,5)」と入力する形になります。
ここまでの手順を正しく行えていれば、セルには「=QUOTIENT(20,5)」と入力されているはずです。
その状態でEnterを押せば、割り算の結果として「4」が表示されます。
「QUOTIENT」関数の強みは、数字だけではなく、セルを使って割り算を行うことも可能です。
例えば「A1」セルに分母の「20」、「B1」セルに分子の「5」が入力されているとします。
その状態で「=QUOTIENT(A1,B1)」と入力してEnterキーを押すと、「4」と表示されるでしょう。
割り算を行う際に、全ての計算が割り切れるとは限りません。
例えば「11÷3」の計算をするために、「=11/3」と入力したとします。そうすると、「3.666666…」と、セルの端まで延々と続く形になってしまいます。
それを見栄え良くするためには、四捨五入や切り捨て、%表示をするというテクニックを使うと良いでしょう。
では、エクセルでどのようにすればそういったことができるのか、詳しく解説します。
エクセルで出た割り算の結果を四捨五入する場合、「ROUND」関数を使用します。そして、「=ROUND(計算式,小数点以下の桁数)」という形にしてください。
「11÷3」の計算を小数点以下第一位で四捨五入する場合は、「=ROUND(11/3,1)」となります。そうすると、四捨五入された「3.7」が表示されるでしょう。
「=ROUND(11/3,2)」の場合は「3.67」、「=ROUND(11/3,3)」だと「3.667」という風に桁数で表示は変えられます。
また、「=ROUND(A1/B1,1)」のように、別のセルに入力されている数値を用いて、四捨五入ありの割り算も可能です。
割り算の結果を整数で切り捨てするのであれば、「QUOTIENT」関数を使用しましょう。「QUOTIENT」は元々小数点以下を切り捨てて、整数で計算結果を表示させる関数だからです。
もし、小数点以下のどこかで切り捨てたい場合は、「ROUNDDOWN」関数を使用します。まずは、切り捨てたい計算結果をすでに出しておきます。
「A1」セルに「=11/3」の計算結果を出しているのであれば、空白のセルに「=ROUNDDOWN(A1,1)」と入力しましょう。
そうすると、A1の計算結果である「3.666666…」が、小数点第一位のところで切り捨てられて「3.6」となります。
関数に入力する数字が基準となっているので、「=ROUNDDOWN(A1,2)」だと「3.66」、「=ROUNDDOWN(A1,3)」の場合は「3.666」と、自由に切り捨て位置を変えられます。
エクセルで割り算の結果を%で表示したい場合、セルの書式設定を変更しましょう。
セルを右クリックして、「セルの書式設定」を選択しましょう。そして、「カテゴリー」の欄を見てみてください。
「数」になっているはずなので、「パーセント」を選んで「OK」を押します。そうすると、そのセル内で行われた割り算の結果は、%表示されるはずです。「=11/3」と入力したら、「367%」となります。
エクセルを使ってただ割り算をすることは、決して難しくはありません。ただ、状況に応じて、記号を使った割り算と、関数を用いた割り算を使い分けることが望ましいです。そのため、エクセルの割り算機能に関することはひと通り覚えて、必要な時に使えるようになっておいた方が良いでしょう。