2Dの図面制作ができるJw_CADは、WindowsだけでなくMacのパソコンでも使用可能です。Mac用のJw_CADは、Windows用とは少し仕様が異なります。では、どのようにすればMacでJw_CADを使えるようになるのか、Jw_CADの基本的な内容や、Macで使用するメリットなどと一緒に解説していきます。
Jw_CADをMacのパソコンで使用するための方法は複数ありますが、最も手軽なのはJw_CAD for Macを使ったものです。有志によって作成された移植版のJw_CADで、簡単にインストールができます。その詳しい手順を、確認していきましょう。
Jw_CAD for Macは、専用のWEBサイトに用意されています。まずはサイトにアクセスしましょう。そうすると、画面の中央部分にダウンロードボタンがあるので、それをクリックしてください。そうすると、自動でダウンロードが開始されます。ダウンロードするファイル自体は、どこに保存しても問題はありません。意図しない場所にダウンロードされた場合は、移動させましょう。
ダウンロードしたJw_CAD for Macは、zip形式となっています。そのため、解凍する必要がありますが、その解凍先に要注意です。ユーザーのアプリケーションフォルダを選択するようにしてください。MacOSの種類によっては、ユーザーアプリケーション以外のフォルダだと作動しない怖れがあります。そして、ダウンロードしたJw_CAD for Macには、安定して稼働するバージョンと、最新バージョンの2通りが同梱されているため、その内ひとつを選びましょう。ユーザーアプリケーションのフォルダに移動させたら、Jw_CAD for Macのインストールは完了です。
インストールが完了したら、実際に稼働するかどうかを確かめましょう。最初に開く場合は、通常の動作ではなく、右クリックのメニューから開くようにしてください。そうすることで、Jw_CADで使用するjww形式のファイルを、Jw_CADに紐付けられます。検証を行った後に、紐付けをするかどうかの確認画面が出るので、全て承認してください。そうすると、紐付けが完了した状態でJw_CADが開くはずです。初回に紐付けができれば、それ以降は通常通りに開いて問題ありません。
ここで、Jw_CADの特徴や機能について簡単に解説します。
Jw_CADは、2Dでの製図ができるCADソフトで、日本人によって開発されました。1997年に初めて世に出てから、開発が続けられていて、世の中の設計環境を取り込んでいるのが特徴です。そして、建築士が開発に携わっているため、特に建築業界で使用されることが多いという特徴もあります。CADソフトの中でも比較的早い段階で世に出た上に、建築設計に必要な機能をひと通り備えているということで、建築業界のシェア率は高いです。
Jw_CADは、無料である点が大きな強みとなっています。CADソフトとしての高い性能を持っている上に、商用にも使えるにもかかわらず、使用するための費用はかかりません。そのことも、建築業界でJw_CADが使用される大きな理由となっています。無料であれば、複数の会社で同じJw_CADを扱うことも容易です。その結果、複数社での図面データのやりとりや、設計エンジニアとの連携もしやすくなっています。そのため、建築業界でJw_CADが浸透することになりました。
Jw_CADの基本的な使い方は、他の2DCADソフトと大差ありません。マウスで線の形や図形を選択して、図面の上に描いていく形です。Jw_CAD独自の機能としては、クロックメニューが挙げられます。マウスをクリックすると、時計の文字盤のように様々なメニューが出てきます。クリックした状態でマウスを移動させることによって、特定のメニューを使うことが可能です。クロックメニューはマウスボタンの左右で異なる機能を設定できるため、24のショートカットをマウスだけで呼び出せることになります。さらに、AMとPMで切り替える機能もあり、それを駆使すれば48のショートカットを用意可能です。
また、あくまでも2DCADソフトですが、立体的な図面を描く2.5D機能というものも備わっています。作成した図面を元に、立体的なモデルを作れる機能です。3Dソフトのように立体モデルを細かく編集するようなことはできませんが、具体的にどういった建築物ができるのかをイメージすることは容易になります。よって、Jw_CADだけで基本的な設計から、クライアントへのイメージを用いた説明まで、ひと通りの作業を済ませることも不可能ではありません。
そして、日影図を作成できる機能も、建築業界では重宝されています。建築予定の場所に関するデータと、建築物の高さや面積などの情報を組み合わせて、簡単に日影図を作成可能です。人力での計算を必要とせず、コンピュータが自動で結果を出してくれるため、建築物設計の作業がスムーズに進みます。その他にも、建築物で使用されることが多い図面の登録機能など、建築業界で活用できる機能が非常に豊富です。
Jw_CADは、Windowsで使用されることが多いソフトです。ただ、Macのパソコンで使用することには、いくつかのメリットがあります。では、具体的にどのようなメリットなのかを確認してみましょう。
2DCADソフトの中には、Windowsのパソコンにしか対応していないものもあります。そのようなソフトを使用する場合、わざわざWindowsのパソコンを用意しなければなりません。その分コストがかかる上に、置き場所にも困ってしまうでしょう。
もし、CADを使用するためだけに新しいパソコンを用意するのであれば、手間が非常に大きいです。そのような手間は、Mac版のJw_CADを使用することで省けます。Jw_CADは、スペックが低すぎなければ、既存のMacパソコンに問題なくインストール可能です。よって、新しくパソコンを用意して、使い分けをする必要がありません。
Macパソコンは、Apple製品との互換性が非常に高いです。Jw_CADを使用する際にも、その互換性の高さを活かすことができます。特にiphoneは、Jw_CADのサポートツールとして活用できる場面が多いです。
MacパソコンとiPhoneは、AirdropやiCloudを使って簡単にデータのやり取りができます。そのため、パソコンを持ち歩くのが大変な状況であっても、Jw_CADで作成した図面をiPhoneに入れれば、簡単に確認が可能です。
また、iPhoneで撮影した写真を図面に落とし込む場合も、簡単にデータ共有ができます。ケーブルの接続やUSBメモリの仲介を必要としないので、スムーズな設計作業を実現できるでしょう。さらに、iPhoneにはJw_CADと連携させられるアプリもあります。
アプリでは、図面を確認するだけでなく、カメラ機能を駆使して測定をしたり、設計に必要なデータを図面に付与させたりすることが可能です。アプリと組み合わせることで、現場に足を運びながらの設計作業も、負担が少なく済むでしょう。
Macパソコンは、ディスプレイの性能に定評があります。ディスプレイに表示される色味と、実際に出力される色が近いため、グラフィックデザイナーなどから重宝されることが多いです。その強みを、Jw_CADを使用する際にも活かせます。
建築に関するひと通りの設計をJw_CADで済ませてしまう場合、外観などのサンプルを作ることも多いでしょう。その際に使用する色が、実際の建築物の色と大きく離れてしまうという問題を、未然に防げます。
Jw_CADは、高度な設計にも使えます。そして、無料なので、2DCADとはどういったものなのかを確かめるために使うのも良いでしょう。
手元にMacのパソコンしかなくても、Jw_CAD for Macが使えるので問題ありません。パソコンが必要なスペックを満たしているのであれば、まずはインストールをしてみましょう!