GitHubという言葉やサービスを聞いたことはあるけれど、「結局なにができるの?」「難しそうで触ったことがない」とお悩みの方もいるでしょう。また、導入前に注意点や危険性を理解しておきたい人もいるはずです。
そこでこの記事では、初心者向けにGitHubの概要をわかりやすくまとめました。
料金体系やできること、メリット・デメリットや使い方の手順も解説しているので、サービス導入の参考にしてみてください。
GitHubとは?初心者向けに解説
GitHub(読み方、ギットハブ)とは、プログラムのコードを保存・共有・管理するためのクラウドサービスです。
プログラム版の「Googleドライブ」「Dropbox」のようなものであり、「誰が」「どの部分を」「いつ」変更したのかがひと目でわかります。また、GitHubを活用すれば、従来だと手間のかかっていた以下を実現可能です。
- 作業内容を自動で記録・保存できる
- 間違えても簡単に過去の状態に戻せる
- 世界中の人と同じプロジェクトを共同で進められる
もともと開発者のために提供されていたサービスですが、現在ではその便利さが知れ渡り、学生からWebデザイナー、AIエンジニアなど幅広い職種で活用されています。
また、プログラミング&GitHub活用を検討している方は、さらなるDX化のために最新知識・技術をセミナー講習で学ぶのがおすすめです。
Gitとの違い
GitHubとは別にGitというツールもありますが、この2つは次の点が異なります。
- Git
パソコンの中でコードの履歴を管理する仕組み(ツール) - GitHub
Gitをクラウド上で使えるようにしたサービス
たとえばプログラムを保存するとき、Gitは「プログラムの内容を自分のパソコンで記録するツール」、GitHubは「プログラムをインターネット上に置いて、関係者と一緒に見たり編集したりできる場所」というイメージです。
チームでプログラミング開発を実施する際には、インターネット共有が可能なGitHubを利用するのが便利です。
GitHubは日本語にも対応

GitHubはもともと海外発のサービスですが、現在は日本語に完全対応しています。
メニューやボタン、設定画面なども日本語で表示できるため、英語が苦手な方でも問題ありません。さらに、GitHub公式サイトでは日本語チュートリアルも充実しているため、初心者からでも使い方や操作方法をすぐに理解できます。
また、GitHubの前に理解しておきたいのが開発のためのプログラミングです。
詳しくは以下の記事で解説しています。
GitHubの料金体系・仕組み

GitHubは、無料から利用できるクラウドサービスです。
以下に、提供されている3プラン料金体系を整理しました。
| プラン | 料金(税込) | おすすめの人 |
|---|---|---|
| Free | 無料 | 個人・学習者向け |
| Team | 48ドル/年 (1ユーザーあたり) |
小規模チーム・個人開発者向け |
| Enterprise | 252ドル/年 (1ユーザーあたり) |
企業・大規模開発向け |
なおTeam・Enterpriseプランは、新規契約の初年度に割引(1か月無料)が適用されます。
それぞれ使える機能や範囲が異なるため、求めている機能にあてはまるかチェックしたうえでプランを選ぶのがおすすめです。
初心者はFreeプランからの利用がおすすめ
はじめてGitHubに触れる方は、無料で導入できるFreeプランからスタートするのがおすすめです。以下に、Freeプランでできることをまとめました。
- 無料でコードを保存・管理できる
- 世界中のオープンソースプロジェクトに参加できる
- 自分の作品(ポートフォリオ)を公開して実績を見せられる
- パブリックリポジトリを使って共同開発に参加できる
また、Freeプランは、有料プランを導入する前の使い方や操作方法、マッチングを確認する際に役立ちます。小規模開発であれば、Freeプランで対応できる場合もあるため、お試しで導入してみてはいかがでしょうか。
GitHubは何がすごい?メリットをわかりやすく解説
GitHubのすごさは、単なるコード保管ができるサービスだけではなく、共同作業・品質向上・安全管理まで一括でできる点です。
ここでは、初心者にもわかりやすく代表的な4つのメリットを紹介します。
- 過去のコードに戻せる「バージョン管理」ができる
- 仲間と同時に作業できる「チーム開発」ができる
- 「レビュー機能」でコードの品質を上げられる
- 「公開・非公開リポジトリ」で自由に使い分けできる
過去のコードに戻せる「バージョン管理」ができる
GitHubは、編集するたびに自動で「変更履歴」が保存されていくため、間違えて上書きしても簡単に過去の状態に戻せるのがメリットです。
もしGitHubを使わなければ、手動でプログラムを任意の場所に保存しなければなりません。
また複数名で作業をする際には、どれが最新のデータなのかわからなくなってしまいます。
対してGitHubなら、変更履歴が自動で記録されるので、「誰が・どこを・いつ変更したか」が一目でわかります。チームで作業をする際の管理を減らせるのが魅力です。
仲間と同時に作業できる「チーム開発」ができる
クラウド上で管理できるGitHubを使えば、複数人で同じファイルを同時に編集できるようになります。
通常、オフラインで作業をする場合には、1人で1つのデータを編集するのが一般的でした。
また編集を終えた後に、最新版をメールで送り合う必要もありました。
一方でGitHubは、変更点を自動で統合してくれるため、チーム開発を効率化できます。
離れた場所でも同時に進行できるので、リモートワークにもおすすめです。
「レビュー機能」でコードの品質を上げられる
GitHubに搭載されている「Pull Request」というレビュー機能を活用すれば、チームメンバー同士でリアルタイムレビューが可能となります。
もしGitHubを使わなければ、関係者一同に個別でプログラムを共有し、個別でレビューを受けるという手間がかかってしまいます。なかには、指摘やコメントの重複などもあり、修正作業が複雑化しやすいのが問題点でした。
対してGitHubなら、リアルタイムで誰がどこをチェックしたのか、どのようなコメントが書かれているのかがわかります。コメントや指摘の被りを防止できるため、レビューに時間をかける必要がなくなります。
「公開・非公開リポジトリ」で自由に使い分けできる
GitHubでは、誰でもプログラムを閲覧できる「公開リポジトリ」、そして社内限定で閲覧できる「非公開リポジトリ」を使い分けられます。
用途に応じて共有範囲の設定を変えられるので、外部に漏らしてはいけない情報も気軽にGitHub上で共有できるのが魅力です。
GitHubの魅力を理解し、すぐにプログラミングの学習をスタートしたい初心者の方は、以下の記事でおすすめの独学方法をチェックしてみてください。
GitHubに危険性はある?デメリットをわかりやすく解説
クラウド共有ができる便利なGitHubですが、利用する際には事前に次のデメリットを理解しておく必要があります。時には危険性につながることもあるので、あわせてチェックしておきましょう。
- うっかり機密情報を公開してしまう危険がある
- ライセンス設定を間違えるとトラブルになることも
うっかり機密情報を公開してしまう危険がある

GitHubで機密情報を社内共有したいときに、非公開リポジトリではなく、公開リポジトリを選んでしまうと、外部に機密情報が漏れてしまうかもしれません。
トラブルでクライアントの情報が漏れてしまうケースもあり、賠償問題につながることがあるため、設定を誤らないように注意してください。
このトラブルを回避したいなら、非公開設定はもちろん外部漏れを防止するために2段階認証を設定し、セキュリティを強化するのがおすすめです。
ライセンス設定を間違えるとトラブルになることも

GitHubは誰でもアクセスできるクラウドサービスであるため、ライセンスを設定しないまま利用し続けると、悪意のある第三者に無断利用される危険性があります。
社内の技術やプログラムを悪用される(勝手に商用利用される)可能性もあるため、リポジトリを作成するときには「LICENSE」を追加し、「MIT」「Apache 2.0」などの一般的なライセンスを選んでおくのがおすすめです。
GitHubの導入手順・使い方
GitHubを実際に使い始めたいという初心者向けに、Freeプランの導入手順~簡単な使い方までをわかりやすく解説します。
- 無料でアカウントを作成する
- 英語表記を日本語化する(任意)
- リポジトリを作成する
無料でアカウントを作成する

まずはGitHub公式サイト右上にある「サインアップ」からアカウントを作成しましょう。
英語表記となりますが、メールアドレスやパスワード、ユーザー名、国籍を入力するだけですので、初心者からでもすぐに登録が可能です。(Googleアカウントでも登録可能)
英語表記を日本語化する

アカウントの作成が終わったら、自動でマイページへ移動します。
このとき、GitHubの画面上は英語表記である点に注意が必要です。
通常、GitHubは公式トップページを除く作業ページすべてが英語であり、英語の理解がなければ効率よく操作できません。
ブラウザ上で右クリックから自動日本語翻訳をして利用することも可能ですが、Web上で非公式の日本語化インストーラーを自己責任で使う方法で、常時日本語に変えることも可能です。
リポジトリを作成する

GitHubを用いてプログラムファイルを共有したい場合には、リポジトリを作成することからスタートします。まずはリポジトリの作成ボタンをクリックしてください。すると次の画面が表示されます。

なお、ここで設定するのは以下の通りです。
- リポジトリの名称を決める
- リポジトリ全体の概要を記入する
- 公開設定をする(公開・非公開)
- リポジトリの説明文をReadmeとして掲載する(オン・オフ)
- gitignoreで管理しないファイルやディレクトリを指定する
- ライセンスを追加する
すべての設定を終えたら、画面下にある「Create repository」をクリックするだけで準備が完了します。
また、GitHub活用の前に、プログラミング言語の学習が必要なら、初学者からでも学びやすいPythonにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。以下のセミナーでは、Pythonの基礎を学べます。
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GitHubについてよくある質問
GitHubについてよくある質問をまとめました。
GitHubについてまとめ
GitHubは、プログラムの履歴を管理しながら、複数人で安全に開発できる無料からスタートできるクラウドサービスです。コードを戻したり、仲間と共同作業したり、世界中のプロジェクトを学んだりと、さまざまな用途で利用できます。
開発に関わるユーザーに必須のサービスとなってきているため、まずはFreeプランなど、機能性や操作性をチェックしやすいプランから利用を始めてみてはいかがでしょうか。