AutoCAD研修を法人として導入したいものの、「どこに依頼すべきか」「費用は妥当か」「助成金は使えるのか」と迷っている方も多いでしょう。また、複数ある外部研修を自社で比較できないとお悩みの方もいるはずです。
そこでこの記事では、法人向けとして提供されているAutoCAD研修の選び方・費用相場・助成金活用までをわかりやすくまとめました。社内研修や参加スタイルとの違いも解説しているので、自社に最適な研修を探してみてください。
AutoCADの外部研修を利用する企業が増えている理由
近年、「社内における教育リソース不足の解消」を目的として、AutoCADの外部研修を導入する企業が増えています。
近年、建設業や製造業では、少子高齢化によるエンジニア不足が続いています。
その影響もあり、新たに入社した人材に社内研修としてAutoCADを教える時間や余裕を確保できない企業も少なくありません。
そこで多くの企業は、既存社員の負担を減らすために、プロ講師からAutoCADを学べる外部研修を通じ、新人や未経験者を実務レベルまで成長させようとしています。
実際、AutoCADの外部研修は助成金の対象になっているケースも多く、必要最小限のコストで利用できるのが魅力です。学習リソースの面で同じような課題を抱えているのなら、ぜひ外部研修を活用してみてください。
また、AutoCADのソフト導入から検討したい方は、以下の記事がおすすめです。
AutoCAD研修にかかる費用・期間の目安

AutoCADの研修にかかる費用や時間は、実施されているコースやカリキュラムによって異なります。以下に、目安としての費用や期間を整理しました。
| 研修タイプ | 期間目安 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 講師派遣型 | 1日 | 約10~30万円/複数名 |
| 短期集中型 | 2~3日 | 約3~10万円/人 |
| 長期育成型 | 1~3か月 | 10~30万円/人 |
※あくまで目安です。詳しい金額は研修サービスをご確認ください。
なお、AutoCAD研修は、金額が安いものを選ぶのではなく、自社に最適な研修を選ぶことが重要です。
たとえば、数十名規模の社員にAutoCADを学ばせたいなら、社内に講師を呼べる「講師派遣型」が向いています。また、少人数かつ短期間で実務レベルを磨かせたいなら「短期集中型」、じっくり時間をかけてAutoCADを学ばせたいなら「長期育成型」を選ぶのが良いでしょう。
まずは、社内の業務スケジュールなどをもとに、最適な学習スタイルを検討してみてください。
AutoCAD研修の失敗しない選び方
AutoCAD研修は「どこも同じ」に見えますが、選び方を誤ると費用対効果が変わります。
結論から言えば、以下で紹介する5つのポイントを基準に選ぶことが重要です。
ここでは失敗を防ぐための具体的なチェックポイントを解説します。
オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)か
オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)は、Autodesk社が公式に認定する教育機関のことです。AutoCADの公式カリキュラムや認定講師による指導が行われるため、教育内容の信頼性が高いとされています。
ただし、ATCであれば必ず最適というわけではありません。
学習内容が提供元によって違うため、ATC以外の研修情報も含めて比較することが大切です。
業種特化(建築・機械・電気)か

AutoCADはさまざまな業種で活用できる「汎用型のCADソフト」ですが、建築・機械・電気で作図ルールが異なります。また、提供されているAutoCAD研修で学べる内容も研修ごとに違うため、自社の業種に合っているのかをチェックしましょう。
実際、AutoCADでは上の画像のように、さまざまな業種向けの図面を作成できるほか、2DCAD・3DCADの両方の機能を使えます。
そのため研修を探す際には、建築では建築図面(平面図・断面図)の作成、機械では部品図・寸法公差、電気では回路図などを学べるのか確認してください。
カリキュラムをカスタマイズできるか(目的に合うか)
次のような「レベルの異なる社員」を同時にAutoCAD研修に参加させる場合には、カリキュラムをカスタマイズできる研修を選びましょう。
- AutoCADに初めて触れる未経験者
- AutoCADの基礎を理解している初心者
- 特定の機能だけ苦手意識を持つ中級者
社員の操作レベルがバラバラだと、全員同じカリキュラムでは効果が出にくいことがあります。
対して、ヒアリングを行い、自社図面を教材に取り入れてくれる研修会社であれば、実務定着率を高めやすくなるのが魅力です。
修了後もフォローを受けられるか
AutoCAD研修で確実に実務に活かせる人材を育てたいなら、修了後のフォローに強い研修サービスを選びましょう。以下に、フォローの例を整理しました。
- 質問サポート
- 復習用の教材配布
研修サービスページの確認はもちろん、不安なら無料相談などを利用してフォロー範囲を確認しておくと安心です。
助成金(人材開発支援助成金など)対応の実績があるか
費用を抑えながら研修を利用したいなら、最大70%が助成される「人材開発支援助成金(厚生労働省)」などを利用できるAutoCAD研修を探しましょう。
対応実績のある研修の場合、公式サイトに人材開発支援助成金に関する情報が掲載されています。教育コストの削減につながるため、事前に適用の有無をチェックしてみてください。
人材開発支援助成金の概要や助成額、申請方法は以下の記事で解説しています。
法人向けのおすすめAutoCAD研修6選(比較表付き)

本項では、実際にAutoCADの外部研修を利用したい法人向けにおすすめの研修を6選に絞って紹介します。
なお、法人向けのAutoCAD研修は「業種特化・研修期間・費用・助成金対応」などで差が出ます。以下の比較表と、後述する各研修サービスの特徴をチェックし、自社の目標や予算に合うかを選定してみてください。
| 研修名 | 研修タイプ | おすすめの企業 |
|---|---|---|
| 実践的に学べるAutoCADセミナー講習 (GETT Proskill) |
短期集中型 | 短期間で実務スキルを身につけさせたい |
| 実践的に学べるAutoCAD自動化セミナー (GETT Proskill) |
短期集中型 | 短期間で自動化スキルを身につけさせたい |
| AutoCADコース (大塚商会) |
長期育成型 | 学ばせたい内容を社員ごとにカスタマイズしたい |
| AutoCAD(機械) (Winスクール) |
長期育成型 | 機械系のAutoCADスキルを学ばせたい |
| 機械CADコース/建築CADコース (アビバ) |
要問い合わせ | 業種特化のAutoCADスキルを学ばせたい |
| AutoCAD習得講座 (e-Groove) |
自己学習 | eラーニング形式で基礎・応用を学ばせたい |
GETT Proskillの「実践的に学べるAutoCADセミナー講習」
初心者はもちろん、実践形式の演習まで総合的に学びたい企業に最適なAutoCAD研修です。
短期集中型のカリキュラムを通じて基礎・応用スキルをまんべんなく学習でき、修了後すぐに実務に活かせます。さまざまな業種に合う研修内容であるため、不安を感じずに参加できます。
また、参加方法も複数用意されており、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金を適用することで費用負担を最小限に抑えられるのが魅力です。オプションとして復習用の教材も用意されているため、修了後も継続的にAutoCADユーザーの悩みを解決できます。
AutoCAD未経験者・初心者におすすめなのはもちろん、プロ講師に質問できることから、特定のコマンドがわからないなどスポット的な悩みを抱える社員にも最適です。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 27,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
GETT Proskillの「実践的に学べるAutoCAD自動化セミナー」
現在のAutoCAD操作をさらに効率化したいと考えている企業に、おすすめなAutoCAD研修です。マクロやスクリプト、AutoLISPといった自動化機能の使い方を体系的に学ぶことができます。
実際にAutoCADを操作しながら、自動化をするためのソースコードを書いたり、演習を行ったりと、実務に即した学習スタイルが魅力です。
社内で発生しているAutoCADの繰り返し作業や、時間のかかるデータ整理などをまとめて自動化したいなら、他の基本操作や応用知識を学べる研修に合わせて参加を検討してみてください。
| セミナー名 | AutoCAD自動化セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 27,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
大塚商会の「AutoCADコース」
個人利用はもちろん、法人利用まで幅広いコースが用意されているAutoCAD研修です。
以下のように、特定の範囲・機能を学べるコースを自由にカスタマイズできます。
- AutoCADコース(会場・テレワーク・配信)
- AutoCAD Mechanicalコース(製造・機械向け)
- 企業単位のコース(建設向け)
たとえば、作図だけを数日で学ぶコースや、3DCADとしてのモデリングだけを学ぶコースなど、複数のコースが用意されています。最短1日、長いものでも2週間のコースがあるため、社員のレベルに応じて好きな研修を組み合わせながら参加できるのが魅力です。
なお、金額はコースによって異なります。十万円台のコースから数十万円にのぼる高額かつ高品質な研修も用意されています。
Winスクールの「AutoCAD(機械)」
AutoCADのなかでも、機械設計に特化している研修です。
合計24回(90分ずつ)の3か月間じっくり学べる長期育成型の研修内容であり、初期設定から作図、データ共有まで機械設計で必要となる幅広い知識を得られます。
なお、費用は入学金や教材費込みで218,900円であり、1回当たりに換算すると、約9,120円で参加できるのが特徴です。機械図面作成の実践までをトータルで学びたい企業に向いています。
アビバの「機械CADコース/建築CADコース」
特定の業種向けのAutoCAD研修として、製造・機械設計向けの「機械CADコース」、建築設計向けの「建築CADコース」が提供されています(料金等は要問い合わせ)。
通学型とオンライン型の2種類で参加することが可能であり、学習計画のカウンセリングまで受けられるため、AutoCAD学習の挫折を回避しやすいのが特徴です。
参加できる外部スクールも全国各地にあるため、まずは資料請求や無料体験の申し込みからスタートしてみてください。
e-Grooveの「AutoCAD習得講座」
業種を問わず図面作成を学べるAutoCAD研修です。
場所や時間に縛られないeラーニング形式の研修であり、37,800円でAutoCADの基礎・応用を学習できます。
また、自己学習が中心でありながら実践問題や練習問題が豊富です。
豊富な演習課題が用意されている「トレーニングルーム」を活用することで、実務に役立つ応用スキルを身につけられます。
AutoCAD研修を探す際に気をつけたい違い
AutoCAD研修は、形式や期間によって効果が大きく変わります。
結論から言えば、社内か外部か・短期か長期か・参加形式はどれにするかの3点を整理しないまま比較すると、最適な教育方法を見誤るかもしれません。そこで、法人がAutoCAD研修を実施する前に理解しておきたいポイントを整理しました。
社内研修と外部研修の違い
AutoCAD研修は、社員が講師となって新人などに教育する「社内研修」、外部のプロ講師から使い方を学ぶ「外部研修」の2択があります。そのなかでも、短期間で実務レベルを身につけさせたい場合には、外部研修がおすすめです。
その理由は、社内講師の育成や教材整備に時間がかかるためです。
一方、外部研修は体系化されたカリキュラムと専門の講師により、短期間で一定水準まで引き上げられます。教育のばらつきを抑えたいなら、外部研修を選択しましょう。
長期研修と短期研修の違い
AutoCAD研修は、時間をかけて学ぶ「長期研修」、効率よくスキルを身につけられる「短期研修」の2種類に分かれます。この2つについては、基礎習得は短期、応用定着は長期が効果的です。
なぜなら、AutoCADの基本操作や実務レベルの使い方だけであれば数日で習得可能ですが、実務応用には演習と反復が必要になるためです。ただし、長期研修は業務リソースを割く必要がある点に注意してください。
社員に効率よくAutoCADを学ばせたいなら、短期研修で基礎を固め、その後OJTや長期育成と組み合わせて実務レベルを底上げするのがおすすめです。
参加方法ごとの向いている企業の違い
AutoCADの研修は次のように参加方法が異なるため、自社に最適な参加方法がどれかを比較することも大切です。
| 参加方法 | 向いている企業 |
|---|---|
| 会場・通学 | 近場に会場や通学先がある企業 |
| オンライン・Web | 近くに会場がなくアクセス面に劣る地域の企業 |
| 講師派遣 | 複数名を社内で同時に学ばせたい企業 |
| eラーニング | スキマ時間を利用してAutoCADを学ばせたい企業 |
なお、最適な参加方法は社員のレベルや環境によって異なります。
柔軟に参加方法を選びたい場合には、複数の参加方法を用意しているAutoCAD研修を選ぶと安心です。
AutoCAD研修を導入する流れ

AutoCAD研修を法人で導入する際は、段取りが成果を左右します。
なお、導入の失敗を回避したい場合には、以下のように現状把握→目標設定→形式選定→実施→効果測定の5ステップで進めるのがおすすめです。
- 社員の操作スキルなど現状を把握する
- 研修利用後の目標を設定する
- 最適なAutoCAD研修を比較検討する
- 研修を実施する
- 研修利用前後における効果測定を実施する
AutoCADの研修は選ぶまでがゴールではなく、成長度合いのチェックまで総合的に行うことが重要です。場当たり的に申し込むのではなく、教育設計として進めましょう。
なお、助成金を活用する場合は、事前申請が原則となります。
上記の流れの場合、3番目の比較検討のタイミングで研修サービスの実施機関に相談しておくと安心です。
なお、以下のAutoCAD研修も助成金に対応しています。
研修参加の検討に合わせて確認してみてください。
AutoCAD研修についてよくある質問
ここまで紹介したAutoCAD研修について、よくある質問をFAQ形式で回答します。
AutoCAD研修についてまとめ
AutoCAD研修は、複数の研修機関がサービスを提供しているため、費用・形式・到達目標を整理して選ぶことが欠かせません。
特に法人では、業種特化、助成金対応の有無などを基準に比較していくことで「社員が成長しなかった」「予算オーバーになった」などの失敗を防げます。本記事を参考に、自社に最適な外部研修を選び、設計業務の標準化と生産性向上を実現しましょう。