便利な表計算ツールであるエクセルは、セルごとにコメントをつけて、指示やメモを共有できます。しかし、コメントをつけたワークシートを紙に印刷した際、コメントが消えた状態で印刷されてしまい困った経験はありませんか。
本記事では、エクセルでつけたコメントを消さずに紙に印刷する方法について紹介します。コメント付きで印刷したい場合は、ぜひ参考にしてみてください。
エクセルのコメント機能のメリットや利用シーン
エクセルのコメント機能を使うことで得られるメリットや、最適な利用シーンについて確認していきましょう。
メモとして使用できる
コメント機能を使えば、作業中のエクセルを一度閉じる場合など、再度開いた際に忘れていては困ることをメモとして残しておけます。ほかのファイルや紙にメモを残している場合、メモをなくしてしまったり、メモを残したことを忘れてしまったりする可能性があります。
一方で、エクセルのコメント機能なら、メモが紛失することも忘れてしまうこともありません。そのため、エクセルで大切な作業を行う際は、適宜コメントでメモを残しながら進めると、予期せぬミスを犯すリスクを低減できるでしょう。
コメントは複数人でエクセルを共有する際に有効
エクセルのコメント機能は、複数人でエクセルを共有する際に便利な機能です。例えば、作成したシートをもとにデータ入力をしてもらう場合、指示がなければ入力箇所や入力方法を間違ってしまうかもしれません。
また、他人が作ったシートを確認して添削する際にも、コメント機能があれば便利です。マニュアルを作ったり、口頭で指示を出したりしてもよいですが、別のファイルを一々開いたり、毎回相手を呼び寄せるのは手間です。
そのため、複数人でエクセルを共有する場合は、積極的にコメント機能を活用するようにしましょう。
エクセルのコメントについて実際の画面を見ながら勉強したい方は、以下の動画が参考になります。ぜひこちらもあわせてご覧ください。
エクセルのコメントを追加・削除・編集する方法
エクセルの印刷をコメント付きで行うには、まずコメントを追加することが必要です。コメントを追加する方法を紹介します。
追加したコメントの削除や編集方法などの基本的な操作も抑えておきましょう。
コメントを追加する方法
まずは、セルにコメントを追加する方法について確認していきましょう。セルにコメントを追加する方法は、以下のとおりです。
- 校閲タブをクリックする
- 「新しいコメント」のアイコンをクリックする
- 表示されたウィンドウにコメントを入力する
また、コメントを挿入したいセルを右クリックして表示されるメニューから「コメントの挿入」を選択しても、コメントの挿入は可能です。
コメントを削除する方法
追加したコメントを削除したい場合は、コメントが入っているセルを右クリックして「コメントの削除」を選択することで削除ができます。ほかにも、「校閲」タブの「コメント」内にある「削除」からでもコメントの削除は可能です。
コメントを編集する方法
コメントの間違いを見つけ、編集をかけたい場合は、コメントをクリックして文字カーソルを表示させることで編集ができます。また、コメントが入っているセルを右クリックして「コメントの編集」もしくは「校閲」タブの「コメントの編集」を選択することでもコメントの編集は可能です。
エクセルの印刷をコメント付きで行う方法
エクセルはページ設定で設定を変更すれば、コメント付きで印刷できます。エクセルの印刷をコメント付きで行う方法は、以下のとおりです。
- ページレイアウトタブをクリックする
- ページ設定の項目の右下にある小さなアイコンをクリック
- ページ設定が開くのでシートタブをクリックする
- 印刷の項目にある「コメント」のプルダウンメニューを開き「画面表示イメージ」を選択する
- 画面下の「印刷プレビュー」をクリックして出来上がりのイメージを確認する
- 問題なければ印刷のアイコンをクリックする
上記の手順でコメント付きの印刷が可能です。また、コメントなしの印刷に戻したい場合は、再度ページ設定から「コメント」を「なし」に変更すればコメントをつけない設定に戻せます。
シートの末尾
ページ設定のコメントには「画面表示イメージ」「なし」「シートの末尾」の3つから選択できます。シートの末尾を選択すると、シートの最後に以下の情報が表示されます。
- コメントが挿入されたセルの位置
- コメントを挿入した人
- コメントの内容
コメントの情報をまとめて表示したい場合や、シートにコメントを被らせたくない場合はシートの末尾を利用しましょう。
エクセルで使えるコメントの便利な機能
追加したコメントは、対象のセルをクリックするかマウスを重ねることで表示ができます。しかし、コメントを常に表示させておきたい場合もあるでしょう。
そのようなときは、校閲タブの「コメントの表示/非表示」のアイコンをクリックすることで表示と非表示を切り替えられます。また、コメントのあるセルを右クリックして「コメントの表示/非表示」を選択することでも、切り替えは可能です。
コメントを常に表示させておくと、マウスをセルに重ねなくてもコメントの確認ができます。
コメント付きで印刷する以外にもエクセルで便利な機能
エクセルには、覚えておくと作業効率が上がる便利な機能がいくつかあります。続いては、エクセルを使ううえで覚えておきたい便利機能について確認していきましょう。
オートフィル
オートフィル機能は、セルに規則性のあるデータが入力されている場合、それに基づいて連続データを自動的に入力できる機能です。例えば、日付や時刻、曜日などが対象となります。
オートフィルを適用させる方法は以下のとおりです。
- セルに連続データを入力する
- セルの右下にマウスポインターを合わせる
- マウスポインターがプラスのアイコンに変わったらオートフィルを適用させたいセルまでドラッグする
- セルの右下にあるオートフィルオプションを開いて「連続データ」を選択する
また、ホームタブ内にある「フィル」の「連続データの作成」からも連続データの入力ができます。連番など手入力だと時間がかかるデータは、オートフィルを使って効率的に入力しましょう。
行列を入れ替える
表を作成した際に、行と列の項目が逆の方が良かったと感じる場合もあるでしょう。そのような場合に、わざわざ手入力で入れ替える必要はありません。
以下の手順を行えば、一度作ってしまった表の行と列の項目を入れ替えられます。
- 表全体を選択してコピーする
- 行列を入れ替えた表を張り替えたい位置のセルを選択する
- 表示されたメニュー内の「貼り付け」の項目にある「行列を入れ替える」をクリックする
行と列が入れ替わった状態で貼り付けがされます。このように、行と列は後から変更ができるので、表を作る際は一度形にしてから微調整するのもよいでしょう。
選択範囲内で中央
表を作成する際、見た目を整えるためによく使う機能がセルの結合です。しかし、セルを結合してしまうと、コピー時に思った動作が行えないなどの不便さを感じる場合があります。
選択範囲内で中央を利用すれば、セルを結合させずに文字を中央に揃えられます。選択範囲内で中央の使い方は、以下のとおりです。
- 結合させたいセルをドラッグで選択する
- ホームタブから配置の右下にある矢印のアイコンをクリックする
- 配置タブの「文字の配置」を「選択範囲内で中央」を選択する
- OKをクリックする
セルの結合で思うような動作ができない場合は、選択範囲内で中央を試してみてください。
エクセルで使える便利なショートカットキー一覧
エクセルを使ううえで、ショートカットキーの使用は作業効率向上のために大切な要素です。一度の動作で数秒の短縮でも、一日の作業となるとかなりの時間を節約できます。
以下はエクセルで使える便利なショートカットキーの一覧です。
- コピー:Ctrl + C
- ペースト:Ctrl + V
- 切り取り:Ctrl + X
- すべて選択:Ctrl + A
- 元に戻す:Ctrl + Z
- 上書き保存:Ctrl + S
- データの検索:Ctrl + F
- データの置換:Ctrl + H
- 上のセルをコピー・貼り付け:Ctrl + D
- 左のセルをコピー・貼り付け:Ctrl + R
- コメントの挿入:Shift + F2
- セル内で改行:Alt + Enter
- 閉じる・キャンセル:ESC
- 複数選択:Shift + クリック
- ウィンドウの切り替え:Alt + Tab
よく使う動作は繰り返し使用して、スムーズに使えるようにしましょう。
エクセルで使える便利な関数一覧
エクセルの機能をより引き出すためには、便利な関数を覚えることが大切です。関数を使えば選択した範囲の四則演算や、最大値・最小値の取得などが簡単に行えます。
以下はエクセルで使える便利な関数とその特徴をまとめた表です。
関数名 | 特徴 |
SUM関数 | セル範囲の数値を合計する。離れた複数セルも計算可能。 |
AVERAGE関数 | 指定した範囲の平均を計算する。 |
MAX関数 | 指定した範囲の最大値を取得する。 |
MIN関数 | 指定した範囲の最小値を取得する。 |
ROUNDDOWN関数 | 数値を指定桁で切り捨てる。金額の消費税計算などに利用される。 |
VLOOKUP関数 | 検索値と一致する行の指定列のデータを表示する。データ入力に利用される。 |
IF関数 | 条件を満たす場合と満たさない場合で表示内容を変更する。データ処理に利用される。 |
TEXT関数 | 数値を指定書式に変換して表示する。通貨記号などを追加する際などに利用される。 |
作業効率を上げるためにも、これらの関数を使いこなせるようになりましょう。また、「エクセルの便利な関数21選!高度なエクセル関数8種とエラー対処法も紹介」ではエクセルで使用できる関数の使い方について詳しく解説しています。関数についての理解を深めたい方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
エクセルの基礎を学ぶのにおすすめの講座
初心者からエクセルの基礎を学ぶならExcel基礎セミナー講習がおすすめです。Excel基礎セミナー講習なら、わずか2日で実務で使えるようなエクセルのスキルを身につけられます。
また、受講形式は対面で学習できる会場受講、オンラインで受講できるライブウェビナー講座、場所に縛られずに講義を受けられるeラーニング講座の3つから選べるのが特徴です。豊富な受講形式によって、対面での受講が難しい場合でもオンラインで参加できるため、忙しい方や地方に住んでいる方でも安心です。
さらに、講座を受講するのはエクセルを触ったことのない初心者の方も多いため、講座についていけなくなる心配も必要ありません。これからの仕事でエクセルを使う必要のある方は、ぜひExcel基礎セミナー講習を受講してみてください。
エクセルの印刷をコメント付きで行う方法のまとめ
今回は、エクセルの印刷をコメント付きで行う方法について紹介しました。エクセルの初期設定では、ワークシートを印刷しても挿入したコメントは印刷されません。
そのため、エクセルをコメント付きで印刷したい場合は、ページ設定で設定を変更する必要があります。コメント付きで印刷できると、コメントに記載した指示やメモを共有できるため、用途に合わせて設定を変えてみてください。
また「エクセルのグラフの作り方を画像付きで詳しく解説!編集方法も紹介」エクセルでよく使うグラフの作り方について紹介しています。グラフ作成について詳しく知りたい方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
