エクセルを使っている人のなかには、カウント関数の使い方をきちんとマスターしたいと考えている人もいることでしょう。
ここでは、カウント系の関数としてよく用いられる関数やその特徴を分かりやすくご説明します。
エクセルのカウント関数とは
エクセルのカウント関数は、セルの数を数え、引数のリスト内に含まれる数値の個数をカウントできる便利な関数を指します。
カウント関数では、数える対象となるセルの種類によって、いくつかの関数を使い分けます。
カウント関数の基本
エクセルのセル内には、数値が入力されていることもあれば、文字列が入力されていることもあります。また、特に何も入力されていない空白セルも存在します。
そういったセルの違いを区別して、指定された条件に合ったセルを適切に数えるための機能を備えているのが、カウント関数にあたります。
カウント系の関数には、どのような条件のセルを数える関数であるかによって、複数の種類がありますので、下記で具体的にご紹介します。
エクセルのカウント系関数の種類と目的
以下のカウント系関数の種類と目的を解説していきます。
- COUNT関数
- COUNTA関数
- COUNTBLANK関数
- DCOUNT関数
- DCOUNTA関数
- SUMPRODUCT関数
- COUNTIF関数
- COUNTIFS関数
COUNT関数
COUNT関数は、カウント系関数のもっとも基本的なものです。
数値が入力されたセルの数を数え、引数のリスト内に含まれる数値の個数をカウントするのが、COUNT関数の目的です。
COUNT関数では、数値ではない文字列が入力されたセルは、計算の対象外となります。なお、引数の数は30個までです。
COUNTA関数
COUNTA関数は、カウント系関数の中でも使用する機会が多い関数です。
COUNTA関数の目的は、何らかが入力されているセルをカウントすることです。数値、文字列などが入力されたセルを精確に数えられるところが、COUNTA関数の特性です。
COUNTBLANK関数
COUNTBLANK関数とは、BLANK=空白のセルの個数を数える目的を持っています。
数値も文字列も入力されていないセルを知りたいというケースは、意外と多いものです。
例えば、開催が未定の日数をカウントしたいというケースでは、COUNTBLANK関数が役立ちます。
DCOUNT関数
DCOUNT関数は、複数の条件にマッチした数値が入力されているセルを数える目的で使用します。
データベースの指定された列を検索した上で、条件にマッチした数値が入力されたセルの数を返す関数であり、データの分析や傾向の把握を効率よく行うことができます。
DCOUNTA関数
DCOUNTA関数は、データベース関数の一種です。
リストやデータベースの指定された列を検索し、条件にマッチしたレコードのなかから、空白ではないセルの個数を返します。
SUMPRODUCT関数
SUMPRODUCT関数は、対応する範囲や配列の製品の合計を返します。
基本的には、乗算を使いますが、加算、減算、除算も可能です。
商品売上表で、特定のアイテムとサイズの売上合計を知りたいといったケースでは、SUMPRODUCT関数を使うことで、精確な数値を把握できます。
COUNTIF関数
COUNTIF関数は、条件一致しているセルの個数をカウントする目的で使う関数です。
顧客リストから大阪在住の人を知りたい、顧客名簿の女性の数を知りたい、といった特定の条件に一致したセルの個数を数える時に大変便利です。
COUNTIFS関数
COUNTIFS関数は、複数の条件一致のセルの個数を数える目的で使う関数です。
COUNTIF関数で挙げたような条件を複数設定すると、その複数の条件に一致するセルをカウントしてくれます。
セルの範囲と条件を組み合わせて指定することによって、複数の条件一致のセルを数えられます。
例えば、COUNTIFS関数を使えば、顧客リストから東京在住の20代の女性の人数を表示可能です。
エクセルの基本のカウント関数書き方
エクセルのカウント関数の複数の種類についてご紹介したところで、続いては、カウント関数の基本的な書き方についてご説明しましょう。
関数別に簡単にお伝えしますので、ポイントをきちんと押さえてください。
範囲指定を行うエクセルのカウント関数の書き方
まず、エクセルのカウント関数のなかで、範囲指定を行う関数をご紹介しましょう。
=関数名(範囲)という式で表せますので、覚えてしまえば、簡単です。
- 数字の個数を数えるCOUNT関数の基本的な書式:=COUNT(範囲)
- データの個数を数えるCOUNTA関数の基本的な書式:=COUNTA(範囲)
- 空白セルを数えるCOUNTBLANK関数の式:=COUNTBLANK(範囲)
エクセル上でカウント関数を使って計算をする場合、件数をカウントして表示したいセルをクリックした上で、「fx」と記されている関数の挿入をクリックします。
次に、関数の挿入画面で、挿入する関数を選択してください。
COUNT関数の場合、COUNTを選択し、数式=COUNT(A1,A10)と入力すれば、指定のセル範囲(A1,A10)に入力されている数値の個数をカウントできます。
エクセルの応用のカウント関数書き方
基本の書き方が理解できたところで、さらに応用的な書き方をするカウント関数についてもご説明しましょう。
条件一致のセルを数える関数や、複数の条件にマッチしたセルを数える関数の書き方をマスターすると、さらに幅広い用途でカウント関数を活用できます。
条件一致のセルを数える関数の書き方
条件一致のセルを数えるCOUNTIF関数、COUNTIFS関数は類似性のある関数であり、書き方に関しても類似性が認められます。
1つの条件一致のセルを数えるCOUNTIF関数
まず、1つの条件一致のセルを数えるCOUNTIF関数の書き方からご紹介します。COUNTIF関数の式は、=COUNTIF(範囲,条件)です。
範囲にはA1:A10のように指定するセルの範囲、条件には女性などの条件を入力し、=COUNTIF(A1:A10,””=女性””)と書いてください。
複数の条件を設定するCOUNTIFS関数
COUNTIFS関数の場合、複数の条件を設定するため、COUNTIF関数よりも書き方が長くなります。
COUNTIFS関数の式は、=COUNTIFS((範囲1,条件1,範囲2,条件2,…)です。
範囲と条件の組み合わせを、順に記していくというところをしっかり覚えておいてください。
データベース関数とも称されるDCOUNT関数、DCOUNTA関数の書き方
複数の条件にマッチするセルをカウントするためのDCOUNT関数、DCOUNTA関数の書き方を紹介します。
DCOUNT関数の書き方
DCOUNT関数の場合、基本的な書き方は=DCOUNT(データベース, フィールド, 検索条件)です。
DCOUNT関数では、データベース、フィールド、検索条件の全てを指定する必要があります。
DCOUNTA関数の書き方
DCOUNTA関数の場合、=DCOUNTA(データベース, フィールド, 検索条件)です。DCOUNTA関数では、データベースと検索条件は必ず指定することが求められますが、フィールドに関しては省略可能です。
データベースには指定するセル範囲、フィールドには関数で使用する列、検索条件には指定条件が設定されたセル範囲を指定しましょう。
SUMPRODUCT関数の書き方
応用的な書き方の最後にご紹介するのが、SUMPRODUCT関数です。SUMPRODUCT関数の基本的な式は、=SUMPRODUCT(array1, [array2], [array3], …)です。
array1は必須項目、[array2]、 [array3],…は任意指定です。
array1では、計算対象の要素を含んでいる最初の配列引数を指定してください。
[array2]、 [array3],…では、計算対象の要素を含んでいる2から255までの配列引数を指定します。引数となる配列を指定する上でのポイントが、行数と列数が同じ配列を指定するという点です。
行数と列数が同じではない場合、エラーメッセージが表示されます。
例えば、=SUMPRODUCT(C2:C5,D2:D5)のように、列Cの各セルに列Dの各セルが対応するような配列を指定するようにしてください。
エクセルのカウント関数まとめ
エクセルのカウント関数には、複数のバリエーションがあります。数える対象となるセルの種類によって、異なるカウント関数を使用します。
COUNT関数は数値が入力されたセルを数える関数、COUNTA関数は数値や文字列など何らかが入力されたセルを数える関数です。
カウント関数の目的や書き方の違いを理解して、用途に合わせた関数を適切に使うようにしてください。