エクセルでデータ入力をする際に、入力内容をリストから選択できたら便利だと考えたことはありませんか?エクセルなら詳しい知識がなくても、誰でも簡単にリストの作成が可能です。
リストを作成することで作業の時短だけでなく、データの入力ミスも防止できます。実際にエクセルでリストを作る方法について確認していきましょう。
エクセルのリストとは
エクセルのリストは、ドロップダウンリストやプルダウンと呼ばれる機能で、入力したいセルを選択した時に、あらかじめ設定しておいたリストから対象の回答を選んでデータを入力する機能です。
リストを活用することで手入力が減り、入力ミスも防げるため、作業効率が向上します。リストは部署名や役職などの定型データの入力に適しており、入力する人によって発生する半角全角の表記の揺らぎも防止できます。
そのため、エクセルのリスト機能を活用することで、手間を省きながら集計や書式の統一などの処理がしやすくなるでしょう。
エクセルで直接項目を指定してリストを作成する方法
エクセルでリストを作成する最も簡単な方法です。性別や血液型など、今後リストの選択肢が増えない項目に適しています。
エクセルで直接項目を指定してリストを作成する方法について確認していきましょう。
1.リストを反映させるセルを選択する
まずはリストを反映させたいセルを選択していきます。今回は、性別のセルをリストにしていきたいので、C3からC7までをドラッグで選択しましょう。
2.データの入力規則を設定する
続いて、データの入力規則からリストの選択肢にしたい項目を設定していきます。データタブの「データツール」から「データの入力規則」を選択してください。
すると、専用のダイアログが開くので、「入力値の種類」を「リスト」にしましょう。そして、元の値の欄に「男,女」と入力します。
元の値に入力した文字列がリストの項目として反映されます。このとき、文字列を区切る際はカンマを使用してください。
OKを選択してダイアログを閉じると、先ほど選択した範囲のセルの右側に下向き三角形のアイコンが表示されます。アイコンをクリックすることで、設定した文字列のリストを使用できます。
また、後からリフトの項目を追加や削除したい場合は、データの入力規則の元の値を変更することで編集が可能です。
エクセルでセルに項目を用意してリストを作成する方法
用意したリストの項目が今後増える可能性がある場合に向いている方法です。リスト化したい選択肢をテーブルで用意して、その内容を反映させていきます。
エクセルでセルに項目を用意してリストを作成する方法について確認していきましょう。
1.リストを作成する
セルに設定するリストの項目を列挙した表をほかのセルに作成していきます。F2に出身地とし、F3以降に東京、京都、大阪とリストの項目を入力しましょう。
F2からF5までを選択して、ホームタブの「フォント」から格子の枠を選択して、見た目を整えます。後は見出しの背景色や文字色もお好みで変更してみてください。
2. データの入力規則を設定する
作成したリストからデータの入力規則を設定していきます。出身地の箇所にリストを反映させたいので、D3からD7までをドラックで選択していきましょう。
そして、データタブの「データツール」から「データの入力規則」を選択します。専用のダイアログが開いたら、「入力値の種類」を「リスト」にしてください。
続いて、「元の値」にカーソルを合わせてF3からF5までをドラッグで選択してOKでダイアログを閉じましょう。すると、D3からD7までの項目に出身地のリストが反映されます。
3.リストをテーブル化する
2までで表は完成しましたが、さらに使い勝手の良いリストにするために、F2からF5までの表をテーブル化していきましょう。表をテーブル化することで、リストに新たな項目を追加しても自動で反映されるようになります。
F2からF5までをドラッグで選択して、挿入タブから「テーブル」をクリックしましょう。「テーブルの作成」というダイアログが開くので、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れてOKを選択します。
すると、表がテーブルに変換されて、項目を後から追加してもリストに反映されるようになりました。試しにF6に「福岡」と入力するだけで、リストに項目が追加されているか確認しましょう。
出身地のリストを開いた際に、福岡を選択できるようになっていれば完成です。
エクセルでリストを連動させる方法
エクセルでは、選択されたリストによって次のリストの中身を変更させることができます。リストを連動させると、選択肢の絞り込みができるため、リストが長くなってしまったり、選択肢を間違って入力してしまったりすることが少なくなります。
今回は、エクセルでリストを2段階連動させる方法について確認していきましょう。
1.リストの中身を用意する
まずは、リストの中身を別のセルで作成します。今回は、出身地域を選択したらその地域に対応する県を項目に表示させるリストを作るので、地域と各地域ごとに対応する都道府県の表を作成しました。
2.一つ目のリストを作る
中身を用意できたら、一つ目のリストを作っていきましょう。出身地域を入力するC3からC7をドラッグで選択して、データタブの「データツール」から「データの入力規則」を選択します。
ダイアログから「入力値の種類」を「リスト」に変更しましょう。「元の値」にカーソルを合わせたら、F3からF7までをドラッグてしてOKを選択します。
すると、出身地域の箇所にリストが作成できるので、適当に地域を選択しておきましょう。
3.地域に名前を定義する
続いて、都道府県を地域に紐付けるために、地域に名前を定義していきます。G2からG9までをドラッグで選択したら、Ctrlキーを押しながら、一列ずつほかの地域もすべて選択しましょう。
すべて選択できたら、数式タブの「定義された名前」の中の「選択範囲から作成」をクリックします。ダイアログが表示されたら「上端行」にチェックを入れてOKをクリックしてください。
これで、地域名の名前をエクセルに定義できました。シートの左上にある名前ボックスの下向き三角形のアイコンをクリックすると、現在定義されている名前を確認できるので、設定した地域名が表示されているか確認しましょう。
4.2つ目のリストを作る
最後に出身都道府県のリストを作成していきましょう。D3からD7までをドラッグで選択して、データタブの「データツール」から「データの入力規則」を選択します。
「入力値の種類」を「リスト」に変更して「元の値」にカーソルを合わせたら、「=INDIRECT(C3)」と入力してOKを選択します。
すると、出身地域に対応した都道府県がリストから選択できるようになります。
今回使用したINDIRECT関数は、文字列を使用してセル参照ができる関数です。入力されているデータに合わせて参照先のセルを切り替えられるため、連動したリストの作成に活用できます。
エクセルでリストを削除する方法
リストを作成後に、やはり入力を自由に行いたいと思った場合、作成したリストは簡単に削除できます。エクセルでリストを削除する方法は以下のとおりです。
- 削除したいリストを含んでいるセルをドラッグで選択する
- データタブの「データツール」から「データの入力規則」のアイコンをクリックする
- 設定タブの左下にある「すべてクリア」をクリックして、OKでダイアログを閉じる
隣接していないセルの場合は、Ctrlキーを押しながらドラッグすることで複数選択が可能です。
また、リストの作成に使用されるデータの入力規則を使えば、セルに指示文やエラーメッセージを表示させたり、半角や全角での入力を制御できたりと、さまざまな制限をかけられます。以下の記事では、入力規則の使い方について解説しています。
リスト以外の使い方を知りたい方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
エクセルのリストで使えるショートカットキー
エクセルを使ううえで覚えておきたいのがショートカットキーです。データの入力規則のダイアログは、以下のショートカットキーを使えば、マウスを使わずに開けるため、作業の時短にもつながるでしょう。
- Alt→A→V→V
- Alt→D→L
Alt→A→V→Vの方が入力するキーは多いですが、リボンから一つずつ辿れるため、ショートカットを覚えておく必要はありません。しかし、Alt→D→Lの方が入力するキーが少ないため、データの入力規則をよく使う方はこちらを暗記しておくとよいでしょう。
そのほかにも、リスト関係で使えるショートカットキーは以下のようなものがあります。
内容 | ショートカットキー |
入力値の種類 | Alt+A |
元の値 | Alt+S |
リストを開く | Alt+↓ |
リストを閉じる | Esc |
ショートカットキーを駆使して、エクセル作業の効率化を図りましょう。また、リスト以外で使えるエクセルのショートカットキーは以下の記事で解説しています。ぜひこちらもあわせてご覧ください。
エクセルの機能は独学で学べる?
エクセルをこれから独学で学ぼうと思っている方も多いでしょう。しかし、エクセルには多くの機能が備わっているため、一人で学ぶのはあまり効率的ではありません。
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エクセルのリストについてのまとめ
今回は、エクセルでリストを作成する方法について紹介しました。定型データの場合は、毎回手入力するよりもリストから選択するようにした方が、作業の時短や入力ミスを防げるためおすすめです。
また、リストの作成は関数や数式など難しい指定が必要ないので、エクセル初心者の方でも簡単に作れるでしょう。普段からエクセルで表の作成や管理をしている方は、ぜひリストを活用して1日の生産性を向上させてみてください。
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