【2026】光造形3Dプリンターのおすすめ12選!初心者でも使える最新製品を徹底比較

3Dプリンターには「光造形」「FDM(熱溶解積層)」「インクジェット」など複数の方式がありますが、その中でも高精度な造形ができるのが「光造形(SLA・DLP・LCD)」方式です。しかし、仕組みや製品の種類がわからないとお悩みではないでしょうか。

そこでこの記事では、光造形3Dプリンターの仕組みや種類、おすすめモデル12選を徹底解説します。失敗しない選び方や導入手順も解説しているので、新たな3Dプリンターを運用する参考にしてみてください。

光造形3Dプリンターとは?仕組みをわかりやすく解説

光造形3Dプリンターとは、紫外線(UV)を照射して樹脂(レジン)を硬化させ、立体形状を積み上げる造形方式です。「光重合反応による高精度造形」が最大の特徴であり、他の方式と比べて造形誤差を±0.02mm以下に抑えやすいなど、精密さが必要な造形に対応できます。

そのため、光造形3Dプリンターは、医療試作・ジュエリー原型・マイクロ流体デバイスなど、精密さを求める分野で多く採用されています。

他の造形方式(FDM・インクジェット方式)との違い

光造形3Dプリンターは、他の造形方式よりも圧倒的に「精度と表面品質」が高いのが特徴です。一方で、FDM(熱溶解積層)やインクジェット方式と比べると、コストや後処理に次のような違いがあります。

光造形 FDM方式 インクジェット方式
材料 UVレジン 樹脂フィラメント 樹脂粉末+結合剤
精度(目安) 高(2〜10μm) 低(0.1〜0.3mm) 中(0.05mm前後)
表面仕上げ 滑らか 積層痕(凹凸)が目立つ 比較的滑らか
造形速度 速い(面照射) 遅い(線描) 中速(列照射)
コスト 中〜高
後処理 必須(洗浄・硬化) 少ない 洗浄が必要

用途に応じて方式を選ぶことが重要です。

光造形3Dプリンターの種類と方式別の特徴

光造形3Dプリンターの種類

光造形3Dプリンターには、以下より紹介する3種類の造形方式があります。
どの方式も紫外線(UV光)でレジンを硬化させて造形しますが、光の当て方や解像度、スピードが違う点に注意が必要です。

ここでは、それぞれの種類と方式別の特徴を解説します。

  • SLA方式(レーザー走査方式)
  • DLP方式(デジタル光処理)
  • LCD方式(液晶マスク方式)

SLA方式(レーザー走査方式)の特徴

SLA(Stereolithography Apparatus)方式は、レーザー光を1点ずつ走査してレジンを硬化させる方式です。最も歴史のある光造形技術であり、レーザーの出力を制御することにより、積層の厚みを0.025mm以下まで抑えられます。

表面が非常に滑らかにできることから、電子部品や医療用モデル、金型の原型などに適用可能です。

DLP方式(デジタル光処理)の特徴

DLP(Digital Light Processing)方式は、プロジェクターのように光を面全体に照射してレジンを一括硬化させる方式です。光源に鏡の向きを動かして光を反射する「DMD(Digital Micromirror Device)」という反射素子を用いることで、短時間での大量造形を実現できます。

他の光造形技術の中でもスピードが速く、高出力の光源に設定すれば、積層の厚みを0.05mm程度でも安定して硬化できます。ただし、SLA方式よりも精度が落ちるため、研究・教育に用いるシンプルモデルの試作品を量産する際におすすめの方式です。

LCD方式(液晶マスク方式)の特徴

LCD(Liquid Crystal Display)方式は、液晶パネルをマスクとして光を選択的に照射する方式です。近年は、低価格で購入できる高解像度(4K〜8K)モデルが登場し、個人ユーザーや教育機関でも人気が高まっています。

また当方式では、ピクセル単位の露光制御が可能であり、細部の再現性に優れます。
コストパフォーマンスも高いことから、SLAやDLPの中間的な目的で使いやすいのが魅力です。

なお、安く導入で精度も安定していることから、ホビー制作やフィギュア制作などに用いられています。

おすすめの光造形3Dプリンター12選を徹底比較

光造形3Dプリンターは、精度・速度・コストのバランスが機種によって大きく異なります。
そこで、製品の導入を検討している人向けに、おすすめ製品を用途別に比較しました。

  • 業務用(高精度)のプリンター3選
  • コスパ重視のプリンター3選
  • 業務・量産対応のプリンター3選
  • 特殊・用途特化のプリンター3選

また、自社(自身)に必要な光造形3Dプリンターがわからないとお悩みなら、以下のサービスをご利用ください。導入する目的やニーズをお伺いしたうえで、最適な3Dプリンターをご提案いたします。

試作品から最終製品まで幅広いニーズに対応した3Dプリンターを取り扱っています。
ランニングコストなどについてもお気軽にご相談ください。

超高精度タイプの光造形3Dプリンター3選(研究・医療・産業向け)

精密な光造形3Dプリンター
出典:BMF Japan microArch® S240公式サイト

医療製品など、精密なモデルを造形する必要がある場合には、以下に示す光造形3Dプリンターの製品がおすすめです。

モデル名 方式 材料 積層厚 造形サイズ おすすめの用途
BMF Japan microArch® S240 PµSL 光硬化性樹脂、セラミック 10~40μm 100mm×100mm×75mm 超精密な造形
3D Systems ProJet 6000 HD SLA ABS樹脂 50~125μm 250mm×250mm×50mm 強度重視のABS系による産業用途の高精度パーツ製作
ASIGA MAX X43 DLP 豊富な素材に対応 記載なし 82.5mm×46.4mm×76mm 医療や産業向けの微細構造モデル

積層の厚みを抑えた精密な造形をしたい場合は「BMF Japan microArch® S240」、強度が高いABSの樹脂を用いたい場合は「3D Systems ProJet 6000 HD」、小サイズの造形から対応したい場合は「ASIGA MAX X43」が向いています。

コスパ重視タイプの光造形3Dプリンター3選(小型・個人・教育向け)

性能や品質よりも費用を重視したい方は、コストパフォーマンスに優れる以下の光造形3Dプリンターをおすすめします。

モデル名 方式 材料 積層厚 造形サイズ おすすめの用途
Anycubic Photon Mono 4K LCD・SLA UV硬化樹脂 10~15μm 132mm×80mm×165mm 精密模型や小型パーツの個人・教育利用
ELEGOO Mars 3 Pro MSLA レジン系全般 10~200μm 143mm×89.6mm×175mm 初心者でも扱いやすい教材・ホビー
Phrozen Sonic Mighty 4K 記載なし レジン系全般 10~300μm 200mm×125mm×220mm 大きめ造形

積層の厚みを抑えた精密な造形をしたい場合は「Anycubic Photon Mono 4K」、幅広いレジン系材料に対応して安定した造形を行いたい場合は「ELEGOO Mars 3 Pro」、大きなサイズのモデル造形を行いたい場合は「Phrozen Sonic Mighty 4K」が向いています。

業務・量産対応タイプの光造形3Dプリンター3選(企業・工場向け)

業務・量産対応タイプの光造形3Dプリンター
出典:ETEC Pro XL公式サイト

業務用途に用いるほか、大量生産にも対応できる光造形3Dプリンターをお求めの方は、以下の製品がおすすめです。

モデル名 方式 材料 積層厚 造形サイズ おすすめの用途
ETEC Pro XL DLM ポリウレタン樹脂等 25~100μm 249.1mm×140.1mm×165.1mm 工業用樹脂部品の短納期量産・治具製作
Formlabs Form 3L SLA レジン系全般 25~300μm 335mm×200mm×300mm 多素材試作、大型造形、医療・建築分野など
NOVA3D Whale3 Ultra 14K 記載なし レジン系全般 20~160μm 223mm×126mm×250mm 高精細×大面積造形

ポリウレタン樹脂を用いた造形がしたい場合は「ETEC Pro XL」、積層厚を調整しながら造形したい場合は「Formlabs Form 3L」、大量生産かつ精密な造形に対応したい場合は「NOVA3D Whale3 Ultra 14K」が向いています。

特殊・用途特化タイプの光造形3Dプリンター3選(企業・工場向け)

特殊・用途特化タイプの光造形3Dプリンター
出典:SprintRay Pro 55S公式サイト

歯科・医療・大型造形など、特定分野や特殊な用途に特化した光造形3Dプリンターを導入したい方には、以下の3機種がおすすめです。

モデル名 方式 材料 積層厚 造形サイズ おすすめの用途
SprintRay Pro 55S
(歯科専用)
DLP 樹脂系レジン 50~170μm 105mm×59mm×200mm 補綴物や模型の高速・高精度造形(歯科専用)
Prusa SL1S
(高速+再調整不要)
LCD UV感応液状レジン 25~100μm 127mm×80mm×150mm 再調整不要のスピード造形(研究・試作に最適)
Phenom XXL V2(Peopoly)
(大型造形対応)
LCD・SLA レジン系全般 記載なし 527mm×296mm× 550mm 建築・展示模型などの大型一括造形

歯科用の高精度な補綴物や模型製作を行いたい場合は「SprintRay Pro 55S」、再調整不要でスピーディーな試作を行いたい場合は「Prusa SL1S」、大型造形や一括生産を重視したい場合は「Phenom XXL V2(Peopoly)」が向いています。

光造形3Dプリンターの失敗しない選び方

光造形3Dプリンターの選定では、以下の5項目を必ずチェックしましょう。

  • 印刷サイズと造形精度を確認する
  • 積層ピッチ・XY解像度・加工公差を比較する
  • 対応レジンと材料特性を確認する(UV・ABS・可溶性樹脂など)
  • 消耗品の入手性・サポート体制をチェックする
  • 設置環境・換気・電源要件も考慮する

印刷サイズと造形精度を確認する

光造形3Dプリンターで大型パーツを造形するならサイズの広い機種、小型精密部品なら積層ピッチが細かい機種を選びましょう。

目安として、精密模型には10〜50μm、試作品には100μm前後が最適です。

積層ピッチ・XY解像度・加工公差を比較する

造形品質を決めるのが積層ピッチとXY解像度です。ピッチが細いほど表面が滑らかになります。

また加工公差(誤差許容範囲)も重要で、±25μm以下なら産業・医療用途でも高精度造形が可能です。メーカーの試験資料やカタログを比較して選定しましょう。

対応レジンと材料特性を確認する(UV・ABS・可溶性樹脂など)

光造形3Dプリンターは、材料の種類によって、仕上がり・強度・用途が変わります。

たとえば、UVレジンは一般的向けの造形、ABSライク樹脂は耐久性が必要な試作品に最適です。
また、可溶性樹脂は複雑構造のモールド製作に活用できることから、まずは使用可能なレジンについてメーカー公式サイトや問い合わせで確認しましょう。

消耗品の入手性・サポート体制をチェックする

光造形3Dプリンターは、稼働後のメンテナンスも重要です。
レジンやFEPフィルムなどの消耗品が国内でスムーズに入手できるか、故障時のサポート対応が早いかを確認しましょう。

また製品を購入する際には、サポート体制が充実した正規代理店経由の導入が安心です。

設置環境・換気・電源要件も考慮する

光造形では、紫外線硬化型のレジンを使用するため、換気と防光環境が必要です。

小型機であれば家庭やオフィスでも設置可能ですが、業務用の製品だと200V電源や専用ブースが必要な場合もあります。購入前に設置スペースと環境条件を必ず確認しましょう。

また、3Dプリンターの選定に合わせて実施したいのが、3Dデータを作成するためのソフト選びです。以下の記事では、おすすめの3DCGソフトを紹介しています。

【2025】おすすめ3DCGソフトを無料・有料別に紹介!基本的な使い方から転職におすすめのソフトまで

光造形3Dプリンターの費用相場

光造形3Dプリンターの費用相場

光造形3Dプリンターの価格は、利用する目的と性能レベルによって大きく異なります。

まず個人・教育用途では、おおよそ5万〜15万円前後で購入が可能です。
コスパ重視モデルが人気であり、品質よりもお手頃な値段を重視されています。

一方で、業務用・産業向けモデルは50万円〜300万円、さらに研究・医療レベルの超高精度機種では500万円以上するものもあります。導入時には本体価格だけでなく、レジン・洗浄液・交換部品などのランニングコストも考慮することが重要です。

多くのメーカーが見積もりが必要となるため、必要スペックを満たす製品について、3つほど見積もり依頼を出してみましょう。

光造形3Dプリンターのメリット・デメリット

光造形方式は、高精度な造形と滑らかな表面仕上げを実現できるのが強みです。
一方で、後処理やレジンの扱いには注意が必要なため、以下に整理したメリット・デメリットを正しく理解して選ぶことが大切です。

メリット デメリット
・微細なディテールまで再現できる
(試作品や医療モデルに最適)
・研磨などの二次加工を軽減できる
・特定の方式では高速造形が可能である
・造形後の後処理(洗浄・二次硬化)が必要になる
・レジンの臭いや光硬化時の安全対策が必要になる
・大型造形ではコストと時間がかかる場合がある

光造形の3Dプリンターは「高精度・デザイン重視」「複雑形状モデルの再現」に特化しているため、メリット・デメリットを理解したうえで、プロトタイプ製作や医療模型、精密部品の造形に活用してみてください。

光造形3Dプリンターの導入手順

光造形3Dプリンターの導入手順(ソフトとデータの準備)

光造形3Dプリンターを導入する際には、単に本体を購入するだけでなく、目的設定・機種選定・環境整備・運用体制を設計することが重要です。以下に失敗しない導入の流れをまとめました。

  1. 造形の目的や用途を明確にする
  2. 機種を選定し、見積もりを取る
  3. 設置環境を整える(換気と防光対策)
  4. ソフトウェアとデータを準備する(STL・OBJ形式)
  5. テスト造形・品質検証を実施する
  6. 運用・メンテナンス体制を構築する

製品を提供しているメーカーによっては、事前に3Dモデルのデータを送信することで、購入前にサンプルを取得できる場合もあります。特に初期段階では、専門スタッフによる「操作研修」「テスト出力サポート」を受けて、初期トラブルを最小限に抑えましょう。

なお、光造形3Dプリンターを活用するためには、3Dモデルをつくるためのモデリングツールが必要です。新たにAutodesk Fusionを導入する予定がある方は、以下のセミナー講習で、実践的な使い方を学ぶことをおすすめします。

初心者から参加できるカリキュラムで、基本操作はもちろん実務で役立つ使い方を網羅的に学べるのが魅力です。

セミナー名Autodesk Fusionセミナー講習
運営元GETT Proskill(ゲット プロスキル)
価格(税込)41,800円〜
開催期間2日間
受講形式対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング

また、3Dプリント用のデータのつくり方を知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

【2025】3Dプリンター用データ作成方法!モデリング時の注意点も紹介

光造形3Dプリンター導入前によくある質問

ここまで解説してきた光造形3Dプリンターについて、導入前に確認しておきたいポイントをFAQ形式で整理しました。

光造形3DプリンターとFDMの違いは何ですか?
光造形(SLA・DLP・LCD)は紫外線でレジンを硬化させる方式で、高精度で滑らかな造形が可能です。一方、FDMは樹脂フィラメントを熱で溶かして積層する方式で、強度に優れますが層の段差が出やすい点が特徴です。
光造形3Dプリンターではどのレジンを選べばいいですか?
用途に応じて選ぶのが基本です。精密模型には標準レジン、強度が必要な場合はタフレジン、透明部品にはクリアレジン、耐熱性が求められるなら耐熱レジンがおすすめです。硬化後の仕上がり特性も比較しましょう。
初心者でも扱える光造形3Dプリンターの機種はどれですか?
家庭用では「Anycubic Photon」や「ELEGOO Mars」などが扱いやすく、ソフトも直感的です。自動レベリング機能やWi-Fi出力対応モデルなら、初めてでも安定した造形を行えます。コスパも高く人気です。
光造形3Dプリンターで造形した後の洗浄や硬化に注意すべき点は?
造形後はアルコール洗浄で未硬化レジンを落とし、紫外線で完全硬化させるため、洗浄不足や硬化不足はベタつき・変形の原因になります。手袋・マスクを着用し、直射日光下での作業を避けるのもポイントです。

光造形3Dプリンターについてまとめ

光造形3Dプリンターは、紫外線でレジンを硬化させて造形する「高精度・滑らか仕上げ」に優れる方式です。家庭用モデルから業務用まで幅広く展開されており、医療模型・試作・ジュエリーなど微細形状の再現にも対応しています。

なお選定する際には、造形サイズ・積層ピッチ・対応レジン・サポート体制を重視するのがポイントです。種類やスペックが異なるため、製品の比較検討から始めてみてください。

光造形3Dプリンターのアイキャッチ
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