Node.jsは、大量のアクセスに強い点や非同期処理ができる点から注目されているJavaScriptの実行環境です。WebアプリやIoT関連の開発、Webサーバーの構築など、さまざまな分野で活用されています。
本記事では、そんなNode.jsの詳しい概要について紹介します。インストール方法も解説しているので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
JavaScriptの実行環境「Node.js」とは？
Node.jsとは、JavaScriptを動かすための実行環境です。もともとJavaScriptはブラウザ上でのみ動作する言語でしたが、Node.jsを利用することでサーバーサイドでも動かせるようになりました。
これにより、JavaScriptを活用したバックエンド開発が行えます。実際に使うためには、パソコンにNode.jsをインストールして環境を整える必要があります。
また、JavaScriptの概要については、以下の記事で詳しく解説しています。始め方や学習方法も紹介しているので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
React.jsとの違い
Node.jsのようにWeb開発で使われるライブラリとしてReact.jsがあります。しかし、React.jsは高度なUIの構築を目的としているフロントエンドのJavaScriptライブラリであるため、その役割は異なります。
インタラクティブなUI構築にはReact.js、サーバーサイドでの構築ならNode.jsといったように、目的によって使い分けましょう。
JavaScriptのNode.jsでできること
Node.jsを使うことで、以下のようなことができるようになります。
- Web/スマホアプリ開発
- IoT関連の開発
- Webサーバーの構築
これらのできることについて見ていきましょう。
①Web/スマホアプリ開発
Node.jsは大量のアクセスに強いため、リアルタイム性が求められるWebアプリの開発に適しています。また、クロスプラットフォームに対応していることから、iOSやAndroidでも動作可能です。
さらに、豊富なライブラリが用意されており、開発を効率的に進められる点も魅力です。
②IoT関連の開発
IoTとは、車や家電製品などのモノをインターネットに接続する技術です。Node.jsを使えば、IoTによって収集された膨大なデータの処理もスムーズに行えます。
そのため、IoT関連の開発にもNode.jsは注目されています。
③Webサーバーの構築
Node.jsを使えば、JavaScriptでWebサーバーの構築ができます。Node.jsで構築したWebサーバーは軽いため、アクセス過多にも強いのが特徴です。
これにより、遅延が少なく快適な閲覧を可能とします。
また、バックエンド開発で人気のプログラミング言語にはPythonがあります。以下の記事では、Pythonの概要や環境構築の手順、サンプルコードなどを紹介しているので、気になる方はぜひこちらもチェックしてみてください。
JavaScriptのNode.jsを使うメリット
Node.jsを使うメリットには、以下のようなものがあります。
- サーバーとクライアントサイドで言語統一できる
- 非同期処理ができる
これらのメリットについて見ていきましょう。
①サーバーとクライアントサイドで言語統一できる
Node.jsを利用すると、フロントエンドとバックエンドの両方でJavaScriptを使用できます。これにより、開発全体で使用する言語を統一できるため、コードの管理がスムーズになります。
さらに、PHPやRubyなどのほかのサーバーサイド言語を新たに習得する必要がなく、学習コストを削減できるのも大きな利点です。その結果、プログラマーの負担を軽減しながらプロジェクトを進行できます。
②非同期処理ができる
Node.jsの特徴として、非同期処理ができる点が挙げられます。非同期処理とは、あるタスクの処理が終わるのを待たずに次の処理を進められる仕組みのことです。
これにより、少ないメモリの消費でリアルタイムの応答が可能となります。そのため、Node.jsはチケット予約サイトのような素早い処理が求められるシステムに向いています。
JavaScriptのNode.jsを使うデメリット
Node.jsを使うデメリットには、以下のようなものがあります。
- 大規模な開発に向かない
- Node.jsに対応していないサーバーがある
- JavaScriptとの互換性がない
これらのデメリットについて見ていきましょう。
①大規模な開発に向かない
Node.jsはリアルタイム処理に長けており、小規模の開発に適しています。しかし、1つの処理を枝分かれさせずに実行するシングルスレッドを採用しているため、タスクが多くなるとパフォーマンスが低下するのがデメリットです。
大規模開発の場合は、Node.jsよりもJavaScriptを拡張したプログラミング言語であるTypeScriptの方が向いています。
②Node.jsに対応していないサーバーがある
すべてのサーバーがNode.jsに対応しているわけではない点もデメリットの一つです。サーバーがNode.jsに対応していない場合は、仮想環境を構築する必要があります。
そのため、場合によっては仮想環境に関するVPSなどの知識が求められます。
③JavaScriptとの互換性がない
Node.jsはJavaScriptの実行環境ですが、JavaScriptとの互換性があるわけではありません。そのため、Node.jsを使うには独自のルールを学習する必要があります。
ただし、JavaScriptの基礎知識があれば学習コストは高くなく、基本的な書き方はJavaScriptの知識から流用できます。
JavaScriptのNode.jsをインストールする方法
Node.jsを実際に使えるようにするために、インストールの方法について解説します。手順ごとに詳しく見ていきましょう。
①Node.jsをダウンロードする
まずは、Node.jsの公式ページを開き、「Node.js®を入手」をクリックしましょう。
ダウンロードページに移行したら、「Windows インストーラー (.msi)」のリンクボタンをクリックしてNode.jsをダウンロードします。
②Node.jsをインストールする
ダウンロードが完了したら、エクスプローラーやFinderからインストーラーのアイコンをダブルクリックして起動します。セットアップ画面が表示されたら「Next」をクリックしましょう。
セットアップが進むので、規約に同意の項目にチェックを入れて再度「Next」をクリックします。
続いて、インストール先を指定し、「Next」をクリックしてください。こだわりがなければデフォルトのままでOKです。
次に、インストールをするコンポーネントを選択しますが、特に変更の必要がなければそのまま進めて問題ありません。追加モジュールについても、不明な場合はインストールせずに進めましょう。
最後に「Install」をクリックしてインストールを実行し、完了画面で「Finish」をクリックしたら、Node.jsがインストールされます。
③Node.jsがインストールできたか確認する
インストールが完了したら、正しく導入できているかを確認します。Windowsならコマンドプロンプト、Macならターミナルを開き、「node -v」と入力してEnterキーを押してください。
コマンドプロンプトとターミナルの立ち上げ方は、以下のとおりです。
| 開き方 | |
| コマンドプロンプト | WindowsキーとRキーを押し、「cmd」と入力して「OK」をクリックする |
| ターミナル | CommandキーとSpaceキーを押して、表示された「ターミナル」のアプリをクリックする |
node -vを入力した次の行にバージョン情報が表示されれば、Node.jsのインストールは成功しています。
JavaScriptを学習する方法
JavaScriptを学習する場合は、以下の方法があります。
- 本で学ぶ
- 学習サイトで学ぶ
- プログラミングスクールで学ぶ
- 講座で学ぶ
これらの学習方法について見ていきましょう。
①本で学ぶ
JavaScriptは人気の高いプログラミング言語であるため、初心者向けにさまざまな書籍が出版されています。豊富な選択肢があり、一冊で基礎から応用まで幅広い知識を得られる点が魅力です。
ただし、実際に手を動かして学ぶことが難しく、スキルとして定着しにくいのがデメリットです。さらに、学習を継続するためには自己管理能力も求められます。
それでも、低コストかつ自分のペースで学習を進めたい方にはおすすめの方法です。
②学習サイトで学ぶ
有料の学習サイトでJavaScriptを学ぶのも一つの方法です。学習サイトによっては、エディターを使わずにサイト上でプログラムの記述や実行ができるものもあるため、環境を用意する手間がない点が魅力です。
さらに、講師に質問できるサービスのある学習サイトを利用すれば、独学でもわからない箇所をスムーズに解決できます。
月額1,000円程度で利用できるサイトが多いため、短期間で集中的に学習すれば、本よりもコストをかけずにスキルを習得可能です。
③プログラミングスクールで学ぶ
Web制作やアプリ開発を学べるプログラミングスクールに通うことでも、JavaScriptを学習できます。スクールは体系的に組まれたカリキュラムによって、学習効率の高い学習ができる点やJavaScript以外の言語も学習できる点が魅力です。
ただし、予算は数十万円程度かかるため、コスト面でハードルが高いのがデメリットです。
それでも、就職支援がついているコースなら、学習後のキャリア形成の助けとなります。
④講座で学ぶ
短期間で効率的に学びたい場合は、講座の受講も選択肢の一つです。講座なら、スクールよりも短期間かつ低予算で学べます。
さらに、現役講師による直接指導を受けられるため、効率的な学習ができます。
また、対面式の講座なら同じ学習をしている仲間とのつながりができる点も魅力です。
JavaScriptのNode.jsについてのまとめ
今回は、JavaScriptのNode.jsの概要やインストールの方法について紹介しました。JavaScriptは、Web開発に欠かせないプログラミング言語として広く利用されています。
そのJavaScriptをブラウザだけでなくサーバーサイドでも活用できるようにしたのがNode.jsです。Webやスマホアプリ、さらにはIoT関連の構築やWebサーバーの構築など、幅広い分野で活用されています。
導入も比較的簡単なので、気になる方はぜひインストールして利用してみてください。
