【2026】MATLABは何ができる?価格や無料で使えるMATLAB Onlineも紹介

自動運転やAI、5Gなどの最先端分野の開発・検証で活用されているMATLAB(マトラボ)。

しかし、MATLABという名前を聞いたことはあっても、「結局どんなツール?」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、MATLABの基本情報、できること、メリット・デメリット、無料で使えるMATLAB Onlineまで、初心者向けに分かりやすく解説します。

MATLABとは?

MATLABとは?MATLAB(マトラボ)とは、数値計算・データ解析のための統合開発環境です。アメリカのMathWorks(マスワークス)社が開発したソフトウェアであり、そこで使われるプログラミング言語(MATLAB言語)に対しても使われます。

Pythonとの違い

MATLABは「プログラミング言語」としても使用されるため、プログラミング言語を代表する「Python」と比較されることが多いです。以下では、MATLABとPythonの違いをわかりやすく一覧表にまとめました。

項目 MATLAB Python
分類 プラットフォーム/言語 プログラミング言語
主な分野 数値解析、シミュレーション、制御システム Web開発、データサイエンス、業務自動化
特性 数値計算・行列演算に特化 汎用性が高い
料金体系 有償(ライセンス購入が必要) 無料(オープンソース)
開発環境 統合環境(専用GUI、ツールボックス有) ユーザー構築型(自分でインストール)

MATLABは、言語と開発環境がひとつにまとまっているため、研究に集中しやすいように作られています。これに対してPythonは、多彩な場面で使える汎用的な言語です。

そのため、Pythonで作ったものをMATLABのテスト環境に取り込み、仕上げや検証に活用することもできます。つまり、この2つは「お互いの強みを補い合う」という関係性にあるのです。

MATLABの価格

MATLABの料金形態は、「MATLAB本体」を購入し、必要な機能をオプション製品として追加購入するシステムです。以下では、個人、および法人・学生向けの価格をまとめました(1ドル145円で計算)。

個人向け

カテゴリ 製品名 価格(ドル) 価格(日本円)
MATLAB本体 MATLAB 105ドル 15,225円
AI・機械学習 Deep Learning Toolbox 29ドル 4,205円
数学・最適化 Optimization Toolbox 29ドル 4,205円
並列計算 Parallel Computing Toolbox 29ドル 4,205円

なお、MATLABのオプションは、全種類29ドル(4,205円)で提供しています。

商用(企業)・学生向け

製品名 価格(ドル) 価格(日本円) 対象ユーザー
Standard 135,000円/年 商業組織(企業など)
Startups 545,000円/年 スタートアップ企業
Academic 38,750円/年 教育・学術分野
Student 69ドル 10,005円 学生

上記のように、学生以外のプランは年単位のサブスク形式で提供されています。

参照:MATLAB HomePricing and Licensing

MATLABは無料評価版がある

MATLABの料金体系は有償ですが、30日間の無料評価版が提供されています。この無料評価版を使うと、以下のことが可能です。

  • MATLAB、Simulink、80以上のオプションを使える
  • オンラインアクセスは無制限で提供される
  • デスクトップにダウンロード・インストールして利用できる

この無料評価版は、MATLABの公式サイトにアクセスし、トップページの「無料評価版を試す」をクリックすれば利用できます。

MATLAB連携の土台・Pythonを効率的に学ぼう!

PythonとMATLABの相互作用を実現するためには、まず連携の出発点であるPythonの基礎知識が必要です。

Python基礎セミナーでは、Pythonの基礎文法、データ分析、そしてAIプログラム実装まで実践的に学べます。受講方法も豊富にそろっているため、短期間で効率的に学びたい方にも最適です。

以下の記事は、Pythonの基本情報やPythonの資格、学習の始め方などをお伝えしています。Pythonの学習に興味がある方はぜひ参考にしてください。

MATLABは何ができる?

MATLABは何ができる?

ところで、MATLABは実際のところ何ができる技術なのでしょうか。ここでは、MATLABでできることを具体的な活用事例から見ていきましょう。

①自動運転システムの設計とテスト

MATLABは、自動運転のシステムの設計とテストで活用されています。具体的には、

  1. カメラやセンサーから得た情報を処理
  2. 「次にどう動くべきか」を判断
  3. 様々な状況(急な割り込みなど)に対応

といった仕組みです。これにより、開発の時間とコストを大幅に削減し、加えて「いきなり開発した車で試す」というリスクもなくなります。

②ディープラーニングによるAI開発

MATLABは、AIの根幹技術・ディープラーニング(深層学習)でも活用されています。これは、

  1. コンピューターが膨大なデータを学習
  2. データからパターン、特徴を発見
  3. その結果から回答を提示

のような手順で自律的に学習する技術です。MATLABでは、監視カメラの映像から人の動きを認識し、「歩きスマホをしている人」を自動で見つけ出すシステムなどが開発されています。

③コンピュータービジョンによる画像・映像の理解

MATLABは、コンピュータービジョン(画像を理解させる技術)でも活用されています。これは、コンピューターに人間の「目」の役割を持たせる技術で、例えば、

  • 工場で流れてくる製品の不良品を検出
  • 医療画像から特定の病変を発見

のように、画像・映像への理解が必要な技術に用いられています。主に、「人間では見逃してしまうような小さな違いを、正確かつ高速に判別したい」というシーンで使われます。

④5G通信の波形作成・送受信機の性能テスト

MATLABは、5Gのような高速通信技術の開発でも使われている技術です。具体的には、実物のアンテナや基地局を作る前に、MATLAB上で「もしこう設計したらどう動くか?」を再現するシーンで活用されています。例えば、

  1. 5Gで使う電波の波形を設計
  2. 送信側・受信側でどれだけ正しくデータが届くかテスト

といったことを、コンピューター上で確認できます。これにより、通信技術の開発を効率化し、失敗した際のリスクも下げられます。

MATLABを導入するメリット・デメリット

MATLABを導入するメリット・デメリット

続いて、MATLABを導入する前に知っておきたい、メリットとデメリットを解説します。

MATLABを導入するメリット

まずは、MATLABの導入による主なメリットを4つ解説します。

計算処理が速い

MATLABは演算が高速であるため、大きなデータや複雑な計算も短時間で実行できます。さらに、公式で提供している「パフォーマンス向上の手法」を活用すれば、計算スピードをさらに高めることも可能です。

開発コストを削減できる

MATLABはコードを短く書けるため、C言語やPythonと比べて記述量が少なく済む場面があります。コードが簡潔になる分、デバッグ(プログラムの誤りを発見・修正)にかかる労力も減り、開発全体の時間やコストを抑えやすくなります。

グラフ作成機能が豊富にある

MATLABは2D・3Dグラフを簡単に作成でき、複数のグラフを重ねたり、一部だけを拡大したりといった操作もスムーズです。Excelよりもデータの可視化機能が充実している点も特長です。

追加オプションで機能を拡張できる

MATLABは分野別のツールボックスを追加することで、音声解析や信号処理などの専門的な処理も実行できます。例えば、信号処理システムの設計やシミュレーションによる検証ができるなど、必要な分野に応じて機能を増やすことが可能です。

MATLABを導入するデメリット

MATLABの導入には、いくつか注意しておきたい点もあります。

有償である

MATLABは、本体のみで約15,225円かかります。ここに、約4,205円で必要な機能(オプション)を追加していくというシステムです。無料のPythonと比較すると、有償であるMATLABのデメリットが際立ちます。

複雑な並列計算が苦手

MATLABは基本的な計算処理は得意ですが、多数の処理を同時に進めるような複雑な並列計算は不得意です。Parallel Computing Toolboxなどのオプションを使用すれば並列計算も可能になりますが、追加の学習やコストがかかります。

オプションの使いこなしが難しい

MATLABのツールボックスは便利な一方で、それぞれに学習が必要です。MATLABだけでは高度な機能をそのまま利用できないというのは、初心者の場合、特に大きなデメリットでしょう。

MATLAB Onlineとは

MATLAB Onlineとは

MATLAB Onlineは、MATLABの機能をクラウド上で利用できるサービスです。パソコンへソフトをインストールする必要はなく、Webブラウザーだけで簡単に使えます。

MATLAB Onlineは、以下のような作業に対応しています。

  • ファイルとプロジェクトの連携
  • Arduinoなどのハードウェアに接続
  • AWSクラスターへ処理を拡張
  • Simulinkや主要アドオンの利用
  • クラウドストレージと連携したチーム作業

MATLAB Onlineは、クラウドの特性を活かした柔軟性が魅力で、「作業を中断せずに続けたい」という方に最適なシステムです。

MATLAB Onlineは無料で使える?

MATLAB Onlineには、無料で利用できる「basic」と有料版の2種類があります。詳しい内容を以下の表で見てみましょう。

項目 MATLAB Online(basic) MATLAB Online
料金 無料 有料(ライセンスに応じる)
バージョン オンラインのみ オンラインおよびデスクトップ
利用可能製品 10製品 ライセンスに応じる
利用可能時間/月 20時間 制限なし
ストレージ容量 5GB 20GB
連続計算時間 15分 90分
アイドルタイムアウト 15分 60分

このように、無料版で使える内容には上限はありますが、学習や軽作業には十分な範囲です。

MATLAB Onlineの使い方

このMATLAB Onlineは、「MATLAB Online」にアクセスし、「MATLAB Online」をクリックすれば利用できます。この際、まずはサインインするために、MATLABのアカウントを作成しておきましょう。

参照:MATLAB Online

MATLABの有料ライセンスをインストールする方法

MATLABの有料ライセンスをインストールする方法

続いて、MATLABの有料ライセンスをインストールする方法をお伝えします。この際、

  1. MathWorksアカウントでサインイン
  2. 「MATLABのダウンロードとインストール」にアクセス
  3. お使いのパソコンに合ったインストーラーをダウンロード

という流れで進めます。以下の解説に入る前に、②の「MATLABのダウンロードとインストール」にアクセスまで進めておきましょう

では、WindowsとmacOSのインストール手順をご紹介します。

Windowsの場合

まずは、Windowsのインストール方法をお伝えしましょう。

  1. MathWorksダウンロードから「MATLABリリース」を選択
  2. インストーラーをダウンロード
  3. ダウンロードしたインストーラーをダブルクリック
  4. 画面の指示にあわせインストールを完了

なお、既定のインストールフォルダーは「C:\Program Files\MATLAB\R20XXy」です。

macOSの場合

続いて、macOSのインストール方法を見ていきます。なお、Apple Silicon搭載のMacでは、別途Javaランタイムが必要です。

  1. MathWorksダウンロードから「MATLABリリース」を選ぶ
  2. インストーラーをダウンロード
  3. ダウンロードしたDMGファイルを解凍
  4. ダブルクリックしてインストーラーをマウント
  5. インストーラーをダブルクリック
  6. 画面の指示に従ってインストールを完了

なお、既定のインストールフォルダーは、「/Applications/MATLAB_R20XXy.app」です。

参照:MATLABのダウンロードとインストール

MATLABの構文

MATLABをはじめとするプログラミングでは、データ処理やシミュレーションのように、同じ操作を何度も繰り返す場面がよくあります。そこで便利なのが「for文」です。

ここでは、MATLABの基本構文として、この「for文」の動き方をわかりやすく紹介します。

「for文」の仕組み

「for文」では、

  • どこから始めるか(開始値)
  • いくつずつ増やすか(刻み幅)
  • どこまで繰り返すか(終了値)

の3つを指定します。指定した範囲に合わせて「カウンター」が1回ずつ動き、処理が繰り返されます

項目 主な内容
構文 for c = 開始値:刻み幅 : 終了
c ループカウンター。繰り返すごとに値が変わる
刻み幅 1ずつ増える場合は省略できる(1:5など)

「for文」の基本の書き方

for文は、「for」と「end」で処理を挟み込む形で記述します。基本的な書き方は次の通りです。

Matlab

for c = 1:1:5
disp(c)
end

上記は、「c」が「1→2→3→4→5」と変わりながら処理を5回繰り返す例です。「disp(c)」は、値を表示すると同時に自動で改行するため、結果は

1
2
3
4
5

のように縦に並んで表示されます。

刻み幅を省略した書き方

for文では、刻み幅が1の場合は省略できるため、先ほどのコードは以下のように書くことができます。

Matlab

for c = 1:5
disp(c)end

このように、「開始」と「終了」だけ書けば、コードがよりシンプルになります。

Pythonの「for文」との違い

MATLABとPythonの「for文」は、どちらも繰り返し処理に使いますが用途が少し違います

  • MATLABの「for文」は数字を順番に数える
  • Pythonの「for文」はリストや文字列などのデータの中身を順番に取り出す

例えば、MATLABでは

for c = 1:5

と書くと、「1~5」をそのまま順番に数えて処理します。

一方、Pythonで

for item in [1, 3, 5]

と書いた場合、リストの中に入っている「1、3、5」を順に取り出して処理します。

このように、MATLABは「数字を数える」、Pythonは「データを取り出す」という用途で「for文」を使っているのです。

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Python基礎セミナー講習 Pythonの「for文」をはじめとした汎用的なデータ処理能力は、MATLABとの相互連携を実現する基礎的なスキルです。Python基礎セミナー講習Pythonの基礎文法、データスクレイピングや画像処理の実装など幅広く学べます。

講義では、実際に手を動かしてコードを実装するので、現場で役立つ実践スキルを身につけたい方にも最適です。

セミナー名Python基礎セミナー講習
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開催期間2日間
受講形式対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング

以下の記事では、Pythonの「for文」について詳しく解説しています。Pythonの「for文」の理解を深めたい方、セミナー前に事前学習をしたい方はぜひ参考にしてください。

MATLABについてまとめ

MATLABは数値計算を得意とするソフトで、その名前はそのままプログラミング言語としても使われています。基本的には有償ですが、無料で使える「MATLAB Online」や無料評価版(30日)もあります。

それぞれ、無料で試せる範囲は限られているものの、本格的なソフトを使ってシミュレーションを体験したい方にはおすすめのサービスです。

【2025】MATLABは何ができる?価格や無料の使い方・MATLAB Onlineも紹介
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