AutoCADのスキル習得を目指す中で、多くの方が「独学で学ぶべきか」「スクールに通うべきか」と悩んでいます。ひとえにAutoCADスクールといっても、受講形式や料金、カリキュラム内容など、選ぶべき基準は多岐にわたります。
本記事ではオートデスク認定トレーニングセンター(ATC)や大手スクールの実例を交えながら、実務で使えるAutoCADスキルを習得できるスクールの選び方を解説します。
AutoCADスクールとは

AutoCADスクールは、Autodesk社の2D/3D CADソフトウェアの操作技術や設計知識を体系的に学べる教育機関です。建築・土木・機械設計など幅広い分野でのCAD活用を目指すスクール受講者に向けて、基礎操作から実務レベルの高度な機能まで段階的に習得できるカリキュラムを用意しています。
オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)では、開発元Autodesk社から公式に認定された高品質なトレーニングを受けられます。認定インストラクターによる指導のもとで業界標準の知識と実践的なスキルを効率的に身につけられるため、就職・転職活動においてもスクールでの受講経験が有利に働くでしょう。
AutoCADソフトでできること
AutoCADは、1982年の登場以来、世界中のものづくり現場で活用される業界標準のCADソフトウェアです。2D図面の作図機能では線分・円・ポリラインなどの基本図形作成に加え、オフセット・トリム・フィレットといった編集コマンドを駆使して精密かつ効率的な図面作成を実現できます。
3D機能においてはソリッド・サーフェス・メッシュモデリングによる立体形状の作成が可能で、3Dモデルからの2D図面自動生成機能も備えています。ダイナミックブロック機能や外部参照機能、レイアウト機能なども充実しており、チーム作業での図面管理や複数の図面シート作成も円滑に進められるでしょう。
AutoCADの使用法については、以下の記事も参考にしてください。
AutoCADをスクールで学ぶ必要性
建築・土木・機械設計・製造業などあらゆるものづくりの現場で、AutoCADは業界標準ツールとして広く採用されています。世界シェアNo.1のCADソフトとして国内外の大手企業や設計事務所で使用されており、スクールで操作スキルを習得すれば就職・転職市場において役立つでしょう。
独学では見落としがちな製図規格や作図ルール、効率的なコマンド使用法などを経験豊富な講師から直接学べる点がスクールのメリットです。業種別ツールセットを活用すれば専門分野に特化した効率的な作図が可能になり、スクールで一度スキルを身につければキャリアの幅を大きく広げられるでしょう。
AutoCADスクールでの学習で期待できる5つの効果

ここでは、AutoCADスクールでの学習で期待できる効果として、以下の5点を紹介します。
- 短期間で基礎から実務レベルまでスキルを習得できる
- 自己流を修正し正しい操作方法が身につく
- 講師に直接質問できるため疑問をその場で解決できる
- 実務に即したカリキュラムで就職や転職に有利になる
- 認定資格の取得を目指せるコースもある
短期間で基礎から実務レベルまでスキルを習得できる
AutoCADスクールの魅力は、短期集中型のカリキュラムで実務に必要なスキルを体系的に習得できる点です。独学では数ヶ月かかる内容を、スクールではプロ講師の指導のもと効率的に学習できるため、すぐに業務で活用したい方のニーズに応えられるでしょう。
スクールでの演習課題は実際の設計現場を想定した内容となっており、受講後すぐに業務で活用できる実践力が身につきます。
自己流を修正し正しい操作方法が身につく
独学でAutoCADを学んだ方の多くは、非効率な自己流の作図方法が身についてしまっているケースがあります。画層を使わずに作図していたり、ショートカットキーを活用せずマウス操作に頼りすぎていたりと、本来数秒で終わる作業に数分かけてしまっている場合も少なくありません。
AutoCADスクールでは業界標準の作図ルールや効率的なコマンド使用法を体系的に学べるため、非効率な作業習慣を根本から見直せるでしょう。
講師に直接質問できるため疑問をその場で解決できる
AutoCADスクールと比べて独学での学習において障壁となるのが、分からないところが分からない状況やエラーの原因が突き止められないまま先に進めなくなる状況です。AutoCADスクールでは経験豊富な講師が常にサポートしてくれるため、つまずいた時点ですぐに質問して疑問を解消できます。
AutoCADスクールでの集合研修やライブウェビナーではリアルタイムで講師とやり取りができ、疑問点をその場で解決できる環境は学習効率を飛躍的に高めるでしょう。
実務に即したカリキュラムで就職や転職に有利になる
AutoCADスクールのカリキュラムは、実際の設計現場で求められる実践的なスキルを習得できるよう設計されています。建築CAD総合コースではAutoCADの基本操作に加えて建築製図の基礎知識や図面の読み書き、実際の建築図面を模した演習課題などが含まれているので、すぐに実践で活かせるでしょう。
2次元CAD利用技術者試験やオートデスク認定資格は履歴書に記載でき、就職・転職活動において客観的なスキル証明としてスクールでの経験が機能します。
認定資格の取得を目指せるコースもある
AutoCADスキルを客観的に証明できる資格には、オートデスク認定資格とCAD利用技術者試験の2種類があります。資格取得を支援するコースを提供しているAutoCADスクールも多く、体系的な学習と試験対策を同時に進められる点がスクールのメリットです。
オートデスク認定資格は全世界共通の資格で20万人以上が取得しており、CAD利用技術者試験は業界で最もポピュラーな資格試験として認知されています。
AutoCADスクールの選定ポイント6つ

ここでは、AutoCADスクールの選定ポイントとして、以下の6点を紹介します。
- 自分の学習目的とスキルレベルを明確にする
- 受講形式を比較して自分に合ったスタイルを選ぶ
- カリキュラム内容が実務に役立つかを確認する
- サポート体制やフォローアップの充実度をチェックする
- 費用対効果と受講期間のバランスを考慮する
- 公式認定校や実績のあるスクールを選ぶ
自分の学習目的とスキルレベルを明確にする
AutoCADスクールを選ぶ際に最も重要なのは、なぜAutoCADを学びたいのか、現在のスキルレベルはどの程度かを明確にすることです。目的とレベルが曖昧なまま選んでしまうと、内容が難しすぎてついていけない、すでに知っている内容ばかりで物足りないといったミスマッチが生じ、スクールにかけた時間とお金を無駄にしてしまう可能性があります。
就職・転職目的なら業界特化型で就職支援付きのプログラムが最適で、業務効率化目的なら実務経験者向けの応用コースが適しているでしょう。
受講形式を比較して自分に合ったスタイルを選ぶ
AutoCADスクールの受講形式は大きく分けて、対面型(会場受講)・オンライン型(ライブ配信)・eラーニング型(録画視聴)・講師派遣型の4種類があります。
対面型は講師と直接対面でき質問がしやすく、同じ目標を持つ受講生との交流でモチベーションが維持できる点がメリットです。オンライン型は自宅や職場から受講できるため移動時間ゼロで、eラーニング型は24時間いつでも学習でき繰り返し視聴して復習できます。
カリキュラム内容が実務に役立つかを確認する
AutoCADスクールを選ぶ際、どんな内容を学べるのかを詳細に確認することは非常に重要です。同じAutoCAD基礎コースという名称でも、スクールによって扱う範囲や深さが大きく異なるためです。
基本操作の網羅性や実務に直結する機能が含まれているか、業界特化の内容があるか、演習課題の質が高いスクールかを確認しましょう。多くのAutoCADスクールでは公式サイトで授業計画を公開しているため、事前に詳細を確認することをおすすめします。
サポート体制やフォローアップの充実度をチェックする
AutoCADスクールを選ぶ際、授業内容だけでなく受講中・受講後のサポート体制も重要な選定基準です。特に初心者の方や独学で挫折した経験のある方にとって、スクールの充実したサポート体制は学習の継続と成功に直結します。
- 質問対応の方法と時間
- 受講期間と視聴制限
- 欠席時のフォロー
- 受講後のフォローアップ
- 就職・転職サポート
- 資格取得サポート
上記について重点的に確認しておきましょう。サポート体制の充実度はAutoCADスクールの公式サイトだけでは分かりにくい場合もあるため、無料カウンセリングや資料請求で詳細を確認することをおすすめします。
費用対効果と受講期間のバランスを考慮する
AutoCADスクールの受講料は数千円から数十万円まで幅広く、安ければ良いというものではありません。重要なのは、投資した費用に見合う効果が得られるスクールかという点です。
一般教育訓練給付制度やリスキリング支援制度などの給付金・助成金を活用すれば、AutoCADスクールの受講料を大幅に抑えられるでしょう。
公式認定校や実績のあるスクールを選ぶ
AutoCADスクール選びでは、信頼性・実績も重要な判断基準です。特にオートデスク認定トレーニングセンター(ATC)かどうか、合格実績や就職実績が豊富かどうかを確認しましょう。
ATC認定校ではオートデスク認定資格試験の受験が可能で、認定インストラクターによる質の高い指導が受けられます。開校年数・受講者数・口コミ・評判・認定資格取得実績なども判断材料となるため、AutoCADスクールを選ぶ際の参考情報としましょう。
おすすめAutoCADスクール10選
ここでは、おすすめのAutoCADスクールとして、以下の10校を紹介します。
| スクール名 | 主な特徴 |
| ProSkill | 短期集中で基礎〜応用まで習得可能 |
| 大塚商会 | IT大手運営・30年以上の教育実績 |
| Winスクール | 就職率90%・企業研修実績多数 |
| e-Groove | 課題230以上・自分のペースで学習 |
| ヒューマンアカデミー | 就職率96.2%・資格実績豊富 |
| Udemy | 買い切り型で永久アクセス可能 |
| KENスクール | 少人数制・実務重視カリキュラム |
| AVIVA | 満足度97.7%・全国展開スクール |
| 日建学院 | 建築分野特化・短期間学習可能 |
| 諒設計アーキテクトラーニング | 建築特化・資格取得対応 |
なお以下では、AutoCADについて学ぶ方法も解説しています。AutoCADスクールでの学習も視野に入れつつ、自身でのスキルレベル向上を行ううえで役立つ内容です。
ProSkill|AutoCAD基礎セミナー

GETT Proskillが提供するAutoCAD基礎セミナー講習は、AutoCADの基礎から応用まで習得できる短期集中型のプログラムです。2023年度オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)の受講者数で、日本ナンバー1を獲得した実績があります。
AutoCAD初心者でも応用操作までスキルを習得できるため、長期間通学する講習が苦手な方でも受講しやすい内容となっています。
セミナー名 AutoCAD基礎セミナー講習 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 27,500円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
大塚商会|AutoCAD(オートキャド)コース
大塚商会は99年以上の歴史を持つ国内最大級のITソリューション企業で、AutoCAD教育においても30年以上の実績を誇ります。オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)として、東京・名古屋・大阪・福岡の4会場でAutoCADスクールを開催しています。
Stageコースは初心者向けに段階的に学べる人気コースで、各1日間・33,000円で受講可能です。速習コースは2日間で55,000円、配信型コースは各7日間・26,000円からのeラーニング形式も用意されています。
Winスクール|CAD (機械・建築)・インテリアコース
Winスクールは全国約50校の教室展開とオンライン対応を両立した、通いやすさが魅力のCADスクールです。1,073社の企業研修実績に基づいた実践的なカリキュラムで、未経験者でも短期間で即戦力となるスキルを習得できます。
AutoCAD LTコースは24回で175,000円、28回で200,000円(入学金・教材費別)で、一般教育訓練給付制度の対象となっており受講料の20%(最大10万円)が支給されます。dodaと共同でキャリアサポートを提供しており、就職率90%という高い実績を誇るAutoCADスクールです。
e-Groove|CAD講座
e-GrooveはCAD学習に特化したオンライン型AutoCADスクールで、230個以上の練習課題と解説動画により場所を問わず自分のペースで実践力を養えます。サブスク会員プランは月額3,800円(初月のみ18,000円)で複数CAD講座を学び放題、AutoCAD習得講座は43,000円(5か月)です。
全ての講座にWord・Excelを習得するカリキュラムも含まれており、資格取得サポートも充実しています。公式ガイドブックを無料で入手可能、基礎試験を無料で受験可能な点もAutoCADスクールとしての魅力でしょう。
ヒューマンアカデミー|CAD講座
ヒューマンアカデミーのCAD講座は、就職率96.2%、2次元CAD利用技術者試験の合格者数20,000名突破という圧倒的な実績を誇ります。
建築CAD総合コースは633,160円、機械CAD総合コースは631,400円(受講期間6から12ヶ月)で、リスキリング補助金最大70%適用で実質230,240円から受講できます。オンライン、通学(全国24校舎)、ブレンドの3種類から学習スタイルを選択できるので、自身のライフスタイルにあわせたAutoCADスクールを探している方におすすめです。
Udemy|AutoCAD講座
Udemyは世界最大級のオンライン学習プラットフォームで、AutoCAD関連の講座も多数提供されています。買い切り型で一度購入すれば永久にアクセス可能な点と、頻繁に開催されるセールで大幅割引価格で購入できる点が特徴のAutoCADスクールです。
通常価格は数千円から2万円程度ですが、セール時には数千円以下で購入できる場合が多く非常にコストパフォーマンスが高いのがAutoCADスクールとしての魅力です。
KENスクール|AutoCAD建築初級
KENスクールは開校34年の実績を誇る老舗のCADスクールで、AutoCAD建築初級コースは受講期間3ヶ月(32時間)、料金は135,520円です。現役設計者が監修したカリキュラムで実務に直結する実践的な内容を学べます。
少人数制で一人ひとりに合わせた丁寧な指導が受けられ、一社向けや合同企業研修として7から21日程度のカスタマイズプログラムも提供しています。各種助成金にも対応している点もAutoCADスクールとして見逃せない魅力でしょう。
AVIVA|AutoCADコース
AVIVAは全国100校以上を展開する大手パソコンスクールで、CAD系講座受講生の97.7%が満足したという高い評価を得ています。機械CADコースと建築CADコースではAutoCADを使った2次元CADスキルを習得でき、実務において使用頻度の高い機能を厳選して学べます。
通学スタイル・オンラインスタイル・ハイブリッドスタイルの3種類から選択可能で、かつオートデスク認定トレーニングセンターのため業界スタンダードなソフトを正しく学べるAutoCADスクールといえます。
日建学院|AutoCADコース
日建学院は建築業界でのCAD活用に特化した内容が特徴のAutoCADスクールです。入門Webコースは33,000円(2ヶ月間・全8回)でAutoCAD初心者向け、実践Webコースは33,000円(2ヶ月間・全12回)でAutoCAD経験者向けの講座です。
講師はAutodesk Certified Instructor(ACI)の資格を持つプロフェッショナルで、2ヶ月間で33,000円という価格設定は他のスクールと比較しても非常にリーズナブルなAutoCADスクールといえます。
諒設計アーキテクトラーニング|実践建築CAD建築技術者資格取得講座
諒設計アーキテクトラーニングは一級建築士事務所が母体の通信教育型AutoCADスクールで、建築設計に特化した実践的な学習が特徴です。基本講座は120,000円、スペシャル講座は140,000円で、AutoCADとJw_cadの両方を学習可能です。
スペシャル講座を受講すれば卒業時に「建築CADインストラクター」と「CADデザインマスター」の2資格が同時取得可能です。質問は無制限で24時間365日メール受付、実際の建築図面を使った教材で実践的なスキルが身につくAutoCADスクールといえます。
AutoCADスクールについてまとめ
AutoCADスクールは、短期間で実務レベルのスキルを体系的に習得できる重要な学習環境です。独学では見落としがちな製図規格や効率的な操作方法を学びながら、就職・転職や資格取得のメリットを引き出せます。
本記事の内容を参考に自分の学習目的やスキルレベルに合わせたAutoCADスクールを選び、確実なスキルアップとキャリア形成を実現していきましょう。