みなさんはBlender(ブレンダー)というソフトウェアを知っていますか?
Blenderとは世界で300万人以上が利用している、非常に高機能の動画編集ソフトウェアです。
オープンソースソフトウェアのため、無料で使えるという大きな魅力があります。
この記事では、Blenderの特徴や機能、使い方を詳しくみていき、学びたい方向けのセミナーもご紹介します。ぜひ参考にしてください。
Blenderとはどんなソフトウェア?
Blender(ブレンダー)とは、1998年にオランダのトン・ローセンダール(Ton Roosendaal)氏が発表したオープンソースの動画編集ソフトウェアです。
完全に無料で利用できますが、その機能と性能は商用のハイエンドクラスのソフトウェアにも遜色ありません。3DCG製作、2Dアニメーション製作、VFX向けデジタル合成等ができ、必要とされる機能が網羅されていることから、全ての作業がこのソフトウェアひとつでノンストップで完結できる高スペックなソフトウェアです。
標準機能に加え、アドオンを追加していくことで自分の編集内容に特化したソフトウェアにしていくことができる拡張性の高さも大きな魅力です。
また、Blenderはこまめにアップデートされているので、OSにより対応しないというエラーはほぼ起こりません。
Blenderの特徴や機能について
それでは、Blenderの特徴や機能を解説していきます。
オープンソース
Blenderの最大の特徴はオープンソースソフトウェアであることといえます。
オープンソースソフトウェア(Open Source Software)とは、頭文字を取って「OSS」と略され、商用、非商用の目的を問わずソースコードの利用や改変、再配布が自由に認められている無償のソフトウェアです。代表的なものにプログラミング言語の
- Java
- Perl
- PHP
- Python
Webブラウザの
- Firefox
等があります。
動画編集ソフトウェアは一般的にとても高額になりますが、このソフトウェアの「誰でも完全無料で利用できる」という点はBlenderを使う大きなメリットのひとつです。
多機能性と高い拡張性
Blenderは、前述の通りハイエンドクラスの商用ソフトウェア同等の内容があります。
- 3Dアニメーション
- モデリング
- レンダリング
- ポストエフェクト
- ビデオ編集
- VFX
といった思い通りの編集を可能にする機能が揃っています。
Blenderは標準仕様のままでも魅力的な機能が揃っていますが、アドオンという追加機能を使うことでより効率的に作業ができます。
「アドオン」とは、自分に必要な機能を選び、ソフトウェアの機能に追加するものです。
作業の内容によって自分仕様にカスタマイズができるので、より効率的に編集ができるようになります。オープンソースコミュニティでは、コードやアドオンの開発にも自由に参加できます。
Blenderの基本的な使い方
Blenderは、一般的なソフトウェアとは操作方法が大きく異なる部分が多く、慣れるまでに時間がかかるという面もありました。
しかし2018年リリースのバージョン2.8x以降は一般的な編集ソフトウェアと同じ操作が可能になり、操作性は格段に上がっています。基本的な操作方法についてみていきましょう。
Blenderの基本操作1.テンキーを使った視点の変更
テンキーを使うことで視点の切り替えが簡単に行えます。
テンキー | 切り替え |
1 | カメラ視点 |
2 | 正面 |
3 | 下に15°回転 |
4 | 左に15°回転 |
5 | 投影方法の切り替え |
6 | 右に15°回転 |
7 | 真上 |
8 | 上に15°回転 |
9 | 反転 |
これらはキーボードの数字キーで代用も可能ですが、感覚でわかるように設定されているため、操作性は大きく落ちてしまいます。
テンキー付きのキーボードもしくは外付けのテンキーがない場合は購入をおすすめします。
Blenderの基本操作2.オブジェクトの追加と削除
Blenderでは、3Dの立体物やカメラ、光源などを「オブジェクト」といいます。
オブジェクトの追加
オブジェクトは「shift+A」のショートカットキーで追加できます。
「オブジェクトモード」で画像やカメラ、「編集モード」ではメッシュオブジェクトのみの追加になります。
左下に現れるウィンドウを使うとオブジェクトを詳細に設定することができます。
ウィンドウが消えてしまった場合は「F9」で再度表示されます。
この方法の他にも、ツール・シェルフの「作成」タブにあるボタン、3Dビューの下部に表示されるヘッダにある「追加(Add)」メニューからもオブジェクトの追加が可能です。
オブジェクトの削除
オブジェクトは、左クリックで選択したうえ「X」または「Delete」で削除できます。
「オブジェクトモード」ではオブジェクト自体が削除され、「編集モード」では、すべての頂点を選び削除しても、ポリゴンが0のオブジェクトという形になります。
画面上では消えていてもオブジェクトと自体は存在しているので注意が必要です。
Blenderの基本操作3.3Dカーソルの移動
3Dカーソルを任意の場所に移動する方法は3つあります。
3Dカーソルの移動方法1.左クリック
1つ目は「左クリック」です。
3Dビュー上で左クリックしたままドラッグさせることで任意の位置に移動できます。
3Dカーソルの移動方法2.shift+C
2つ目は「shift+C」です。
原点に移動し、全てのオブジェクトが映るように視点が変わる効果があります。
3Dカーソルの移動方法3.shift+S
3つ目は、「shift+S」です。
ショートカットキーを押すとメニューが表示されます。
カーソル → 選択物 | 現在選択中のオブジェクトの原点への移動 (複数の場合複数のオブジェクトのピボットポイントへの移動) |
カーソル → 原点 | 原点(XYZが0の位置)への移動 |
カーソル → グリッド | 最も近いグリッド位置への移動 |
カーソル → アクティブ | 現在選択中のオブジェクトの原点への移動 (選択なしの場合、最後に選択したオブジェトの原点への移動) |
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受講方法 |
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料金(税込) |
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- UV展開の基礎の理解とテクスチャの設定
を目標とし、基本操作を中心に学んでいきます。2日目は中級者~マスターレベルとし、
- スカルプトの基礎モデリング
- 3Dプリンターへの出力プロセスの理解
- アドオンを使った背景の作成、Webサービスを使った自動アニメーションの作成
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Blenderとは?特徴や機能、使い方のまとめ
Blenderとは、商用ハイエンドソフトウェアにも負けない機能性が特徴の動画編集ソフトウェアです。
ここまでの機能を無料で使えること、その拡張性の高さはとても大きな魅力で、世界中で愛用されています。現在は使い方も他のソフトウェアと変わらず、難しい点はほぼありません。
Blenderに興味がある方は、この機会にBlenderの導入や、セミナー講習参加を考えてみませんか?より、自分らしい魅力的な動画が作れるようになるはずです。