DX検定は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連する知識とスキルを評価するための資格試験です。DX検定は複数のレベル(基本、応用、上級)で提供されており、選択式の問題やシナリオベースの問題を含み、実務経験を活かした解答が求められます。試験は実務に即した内容が多く出題されるため、適切な準備と学習が必要です。
今回はそんなDX検定試験の概要や合格率、勉強法・対策方法について解説していきます。
DX検定とは?
DX検定は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる全ての人を対象とした試験であり、日本イノベーション融合学会ITBT検定委員会によって運営されています。
日々進歩するデジタル技術に対応できる人材を増やす目的で2018年7月に創設されました。
試験の概要
DX検定は、デジタル技術、ビジネスプロセス、組織変革など、DXに関連する幅広いトピックをカバーしています。試験は複数の選択肢問題や記述式問題から構成されており、合格するためには幅広い知識と実践的なスキルが必要です。
あらゆる分野においてデジタル化が進められている今日においては、どんな職種の人も基礎知識としてデジタル技術について知っておく必要があります。そのため、DX検定は新入社員から経営者層まで幅広い人を対象とした資格だと言えるでしょう。
DX検定試験に合格すると、自身のプロフィールや履歴書などに合格したことを記載することができます。
受験する前にE資格のような他のIT系の資格を取得しておくと、合格しやすくなるでしょう。
DX検定の種類
DX検定はさまざまなレベルが設定されており、試験の問題に正解したスコア数によって自身のレベルがわかるのが特徴です。設定されているスコアのレベルは以下の通り。
スコア | レベル認定 |
600以上 | DXスタンダードレベル |
700以上 | DXエキスパートレベル |
800以上 | DXプロフェッショナルレベル |
成績認定者には得点に応じて、2年間有効になる「レベル認定証」を発行。レベルごとに試験を受けるのではなく、共通の試験を受けて一定のスコアを獲得することでレベル分けされます。
DXについて学び始めたばかりという方は、まずは600以上のスコア「DXスタンダードレベル」から挑戦するといいでしょう。
受験資格
DX検定には特定の受験資格はなく、DXに興味を持つビジネスプロフェッショナルやエンジニアから、DXを学び始めた初心者の方まで受験できます。
前述したように共通の試験を受けた上でレベル分けされますので、DXについて熟知していれば、始めての受験でもスコア800以上「DXプロフェッショナルレベル」に到達することも可能です。
試験日程
DX検定の試験日程は定期的に設定されており、公式ウェブサイトで確認できます。受験者は試験日程を事前に調査し、受験申し込みを行うことが必要です。
2024年3月28日時点では、直近の試験日程は以下のようになっています。
- 法人:2024年7月11日(木)
- 個人:2024年7月14日(日)
ちなみに上記の試験日程での申し込み開始時期は2024年4月上旬頃です。これから受験される方は公式ウェブサイトにて詳細を確認しておきましょう。
DX検定の合格率・難易度
DX検定に確実に合格するには試験の難易度を把握しておく必要があります。
出題範囲
DX検定の試験範囲は広範であり、デジタルトランスフォーメーションに関連するさまざまなトピックが含まれています。試験の出題範囲を理解し、適切に対策を立てることが重要です。出題範囲は大きく分けてビジネスと技術から構成されています。
ビジネス
ビジネスの出題範囲は以下の通りです。
分類 | 説明 |
次世代ビジネストレンド | 健康や環境、金融、生活にまつわる最新技術や重要ワード |
戦略・理論 | 経営とイノベーション戦略に基づくDX を活用した製品・サービスの概念、ビジネスイノベーションの概念や理論 |
業務 | IT 技術を使用したプロセスイノベーションの活用事例 |
商品 | IT 技術を使用したプロダクトイノベーションの活用事例 |
サービス | IT 技術を使用したビジネスモデルイノベーションの活用事例 |
IT機器 | IT 機器・サービスのイノベーションの活用事例 |
技術
技術の出題範囲は以下の通りです。
分類 | 説明 |
ロボットとスマートマシーン | ロボット技術やドローン・自動運転にまつわる知識 |
AI とソフトウェア | 機械学習、ディープラーニング、ニューラルネットワークや Python にまつわる知識 |
IoT とハードウェア | デジタルツインIoT デバイス、量子コンピューターなどにまつわる知識 |
ビッグデータとデータサイエンス | ビッグデータの種類および解析、データマイニング、データサイエンス、アナリティクスにまつわる知識 |
クラウドと IT 開発/運用 | シンクライアント、コンテナ型仮想化やOSS、マイクロサービス、アジャイル開発にまつわる知識 |
サイバーセキュリティとネットワーク | EDR 情報セキュリティ、IoT セキュリティ、マルウェア対策、5G ネットワークにまつわる知識 |
より詳細なDX検定の出題範囲はDX検定の公式ウェブサイトのシラバスにて公開されています。
試験の合格率
DX検定の合格率は試験の得点分布から推測が可能です。日本イノベーション融合学会が発表している第11回「DX検定」の得点分布は以下の通り。
認定レベル | 第11回 | 累計 |
DXプロフェッショナル レベル(800以上) | 4.1% | 3.3% |
DXエキスパート レベル(700~799) | 9.4% | 9.0% |
DXスタンダード レベル(600~699) | 14.5% | 17.3% |
未達 | 72.0% | 70.4% |
参考資料:第11回 『DX検定™』(日本イノベーション融合学会*ITBT®検定)検定結果と検定概要について
試験の難易度
DX検定は実務に即した内容が多く、難易度はやや高めです。試験の難易度に応じて適切な対策を講じることが求められます。
実際に過去の試験でも7割以上の受験者が認定レベルに未達となっています。そのため、きちんと学習して試験に向けて準備しなければなりません。
DX検定の勉強法・対策方法
参考書で学習する
DX検定に関連する参考書を活用して基礎知識を学習しましょう。適切な参考書を選び、試験範囲を理解することが大切です。
試験用の参考書はDX 検定の公式ウェブサイトにて公開されています。
DX検定が発行している学習シラバスを利用する
DX検定が公式ウェブサイト提供する学習シラバスを活用して、試験範囲を詳細に理解しましょう。
eラーニングでセミナーを受講する
DX検定合格のためには、eラーニングを活用して試験範囲を学習し、スキルを向上させることが有効です。オンラインプラットフォームやウェブサイトを通じて、ビデオ講義やテキスト教材、実践演習などを活用することが効率よく学習できます。
例えば以下のDXセミナーではDXに関する初歩の初歩から学習することが可能です。講義をしっかり受けつつ、ハンズオン形式でソフトウェアを動かしながら実践もできますので、DXを学び始めたばかりの方でも無理なくDXの知識を習得できます。
セミナーの情報はこちらからご確認ください。
DXに関する情報にアンテナを張る
DX検定の合格率を高めるには、日頃からDXに関する情報にアンテナを張り、知識を深めることが大切です。DXは進化し続けています。DX検定試験を受験する前に、最新のトレンドや技術について情報を収集しましょう。これにはウェブサイト、ブログ、業界ニュース、専門書などを活用します。
DXに詳しい専門家や同僚と交流することで、実務的な知識やベストプラクティスを共有可能です。コミュニティや専門家のネットワークに参加して、情報収集を行いましょう。
またDXに特化したセミナーやワークショップに参加することで、専門家から直接学ぶ機会を得られます。これにより、実践的な知識を深められるでしょう。
その他、以下のような他のIT系の資格の学習をすることでもDXの知識を深められます。
DX検定まとめ
DX検定はデジタルトランスフォーメーションに関連する知識とスキルを評価する資格試験です。試験に合格するには、試験や難易度、勉強法などについて知っておく必要があります。
また、勉強・対策方法としては、参考書や学習シラバス、セミナーへの参加をおすすめします。自分に合った勉強法でDX検定の合格を目指しましょう。