エクセルのドロップダウンリストの作成方法を基礎から応用まで!動作しない場合の対処方法も紹介

エクセルで使いこなしたい機能のひとつが、ドロップダウンリストです。
エクセルのドロップダウンリストを使うと、データの入力や選択肢を制限することができます
いろいろな人にエクセルを入力してもらうときや、毎月決まった内容を入力する場合など、ぜひ使ってみてください。

この記事ではエクセルのドロップダウンリストの基礎的な作り方と、基礎を踏まえた上での応用的な使い方を解説しています。

エクセルのドロップダウンリストとは

エクセルのドロップダウンリストとは
エクセルのドロップダウンリストとは、エクセルのセル入力時に出てくる選択肢のことです。
エクセルのドロップダウンリストが設定されているセルをクリックすると、選択肢が表示され、入力する人はリストから入力内容を選択することができます

入力がドロップダウンリストに含まれていない場合に、エラーメッセージを表示することもできます。
エクセルのドロップダウンリストを使えば、作成されるデータの正確性を向上させたり、入力時のエラーを減らすことができます。

エクセルを使って表の作成したい方は以下の記事をご参考にしてください。この記事ではエクセルを使った表づくりの基本をお伝えしております。

エクセルで表を作るには?関数やレイアウトのコツを解説

エクセルでドロップダウンリスト作成する基礎

それではまず、エクセルでドロップダウンリスト(ドロップダウンメニューやプルダウンと呼ばれることもあります)を作る基本的なやり方を解説します。
エクセルでドロップダウンリストを作成する手順をまとめると次の通りです。

  1. エクセルのドロップダウンリストを配置したいセルを選択
  2. 「データ」タブの「データの入力規則」を選択
  3. 「データの入力規則」ダイアログボックスで設定
  4. 「元の値」ボックスで選択肢を指定
  5. エクセルのドロップダウンリストの動作を確認

①エクセルのドロップダウンリストを配置したいセルを選択

まずエクセルのドロップダウンリストを配置したいセルを選びます
図のように、選択するとセルの色が変わります。マウスカーソルを合わせただけでは選択されたことにはならないので注意してください。

エクセルのドロップダウンリストを配置したいセルを選択

②「データ」タブの「データの入力規則」を選択

エクセルの上部に並んでいるタブのなかから「データ」を選びます。
「データツール」ボタンのなかにある「データの入力規則」を選択しましょう

「データ」タブの「データの入力規則」を選択

③「データの入力規則」ダイアログボックスで設定

「データの入力規則」ボタンをクリックすると、ダイアログボックスが出てきます
上に並んでいるタブのなかから「設定」タブを選び、入力値の種類から「リスト」を選択してください。

「データの入力規則」ダイアログボックスで設定

④「元の値」ボックスで選択肢を指定

「リスト」を選ぶと、自動的に「元の値」と書かれたボックスも表示されます
ここに入力したものが、エクセルのドロップダウンリストで表示させる選択肢になります。
リストに表示させる内容はいろいろな方法で指定できますが、まずはもっともシンプルな方法で設定してみましょう。

選択肢を直接入力する

いちばん簡単なのは、「元の値」と書かれたボックスにエクセルのドロップダウンリストの選択肢を直接入力する方法です
たとえば「東日本」か「西日本」かという選択肢なら、「東日本, 西日本」と入力します。

この「,」(半角カンマ)で選択肢を区切るのがポイントです。選択肢があまり多くないときは、このやり方で十分です。

選択肢を直接入力する

セル範囲を参照して選択肢を指定する

エクセルのドロップダウンリストの選択肢が多い場合や、今後も選択肢が増えそうだったり、変更される予定があったりする場合には、直接入力は非効率です

たとえば「東日本」か「西日本」かであれば、2つ入力すればよいですが、47都道府県を選択肢にしたい場合、「北海道, 青森県, 秋田県...」とすべて半角カンマでつないで書いていくのは骨が折れますよね。漢字の間違いや、選択肢の記入漏れが発生しそうです。

また、あとから選択肢の内容を修正したり、追加したりするときにも、また「データツール」から「データの入力規則」のダイアログボックスを開かなければなりません。

こういった場合は、セル範囲を参照して、エクセルのドロップダウンの選択肢を設定しましょう。やり方は簡単です。エクセルのドロップダウンリストの選択肢が、シート上のどこかのセル範囲とつながるように設定すればよいのです。手順は以下の通りです。

先ほど選択肢を直接入力していた「元の値」ボックスに、セル範囲を入力しましょう。
たとえば「=A1:A3」と入力すれば、A1からA3までのセルに入力されている項目が選択肢になります。

セル範囲を参照して選択肢を指定

今回は別シートに都道府県一覧を用意して、それを指定する形にします。
たとえばシート3のB列に都道府県の一覧表を準備してあれば、入力する値は「=Seet3!$B:$B」です。
慣れないうちはこの入力方法は難しいので、マウスクリックで設定しましょう。
まず、「元の値」の入力ボックスにある「↑」のようなボタンをクリックしてください。

「元の値」の入力ボックスにある「↑」のようなボタンをクリック

すると、エクセルのシート上のセル範囲を選択できるようになります。選択肢が描かれている列を選択すると、自動的に「元の値」ボックスに値が入ります。これで「OK」を押せば終了です。

エクセルのシート上のセル範囲を選択できるように

⑤エクセルのドロップダウンリストの動作を確認

選択肢の指定が終わったら、エクセルのドロップダウンリストがうまく機能するか確認しましょう。
図の写真のように、エクセルのドロップダウンリストを設定したセルに小さな下向きの三角ボタンが表示されます

エクセルのドロップダウンリストの動作を確認

これをクリックしたときに、選択肢が出てくればOKです。

選択肢が出てくればOK
ちなみに、三角ボタンをクリックする代わりに「Alt」キーを押すこともできます。

また、エクセル作業の効率を高めるためには、ショートカットキーを覚えることをおすすめします。以下の記事にてエクセルで使用する便利なショートカットキーを紹介しています。参考にしてみてください。

【2024】エクセルで覚えておきたいショートカット!定番から覚えておきたい36個を厳選

エクセルでドロップダウンリスト作成する応用の方法

エクセルのドロップダウンリストの基礎的な作成方法をお知らせしました。
ここからは、エクセルのドロップダウンリストの応用的な使い方を解説します。

応用の方法①リスト以外の内容を許可しない

選択肢以外の入力をしてもらうと困るときは、リスト以外の内容をそもそも入力できないようにしてしまいましょう
これは「エラーメッセージ」タブから設定ができます。

リスト以外の内容を許可しない

「エラーメッセージ」タブをクリックすると、ダイアログボックスが表示されますので、「タイトル」に「エラー」、「エラーメッセージ」に「選択肢から選んでください」と入力してください。

「エラーメッセージ」に「選択肢から選んでください」と入力

すると、選択肢以外の入力をしようとするとエラーメッセージが表示されるようになります。たとえば下の図では「ほっかいどう」と平仮名で入力したときの様子です。

「ほっかいどう」と平仮名で入力したときの様子

こうした処置をしておくことで、入力ミスを事前に防ぐことができますね。

応用の方法②エクセルのドロップダウンを連動させる

いくつかのドロップダウンを連動させることもできます。たとえば1列目のドロップダウンで「西日本」を選ぶと、その隣のドロップダウンでは西日本の都道府県しか出てこないようにする、といった設定です。

これには、選択肢として参照するセルの設定に少しコツが必要です。手順は次の通りです。

1.セル範囲に名前をつける

まず、1列目に東日本、2列目に西日本をまとめたシートを作ります。下の図のような形です。

セル範囲に名前をつける

続いて、東日本の列全体を選びます。「Ctr」キーと「↓」キーを同時に押すと選択しやすいです。
選択したら、シートの左上、下の図で赤い四角で囲まれたところに「東日本」と打ちます。

赤い四角で囲まれたところに「東日本」と打ちます

この操作で、セル範囲に名前を付けることができました。
同じように、西日本の列についても「西日本」という名前を付けます。下の図を参考にしてください。

西日本の列についても「西日本」という名前を付けます

2.1段階目のエクセルのドロップダウンを設定する

次に、1段階目のドロップダウンとして、東日本か西日本かを選択するドロップダウンを設定します。これはすでに解説した通りです。
「データ」タブから「データの入力規則」を選ぶと、ダイアログボックスが表示されます。

「データの入力規則」を選ぶと、ダイアログボックスが表示

入力値の種類は「リスト」、元の値には「東日本, 西日本」と入力しましょう。

3.2段階目のエクセルのドロップダウンを設定する

最後に、2段階目のエクセルのドロップダウンを設定します。設定方法はここまで解説したものと基本的に同じなのですが、元の値に「INDIRECT」という関数を使ってください。

2段階目のエクセルのドロップダウンを設定

INDIRECTは、参照先のセルを文字で指定できる関数です
いろいろと応用できる関数ではあるのですが、今回は元の値に「=INDIRECT(B2)」と入力してください。
こうすると、B2セルに表示されている文字列に沿って、エクセルのドロップダウン用の選択肢が表示されるようになります。

OKを押すと「元の値はエラーと判断されます。続けますか?」というメッセージが出ますが、気にせず「はい」を押してください。

「はい」を押してください

4.エクセルのドロップダウンの動作を確認する

では、エクセルのドロップダウンがうまく動作しているか確認しましょう。
B列のエクセルのドロップダウンで東日本を選択してみてください。次に、隣のC列でエクセルのドロップダウンを表示してみましょう。
下の図のように、東日本の都道府県だけが表示されていれば設定完了です。

エクセルのドロップダウンの動作を確認

西日本を選択した場合も確認しておきましょう。下の図のように西日本の都道府県だけが選択されていれば、設定完了です。

エクセルのドロップダウンの動作を確認

エクセルのドロップダウンが動作しない場合の対処方法

エクセルのドロップダウンがうまく表示されない場合どうしたらよいでしょうか。
いくつかの原因が考えられます。注意すべきポイントを解説しますので、確認してみてください。

対処方法①エクセルのドロップダウンの設定が間違っている

エクセルのドロップダウンの設定を確認してください。ドロップダウンの設定画面を開き、「元の値」の内容をチェックしてください。

よくある間違いが「=」(半角イコール)が全角になっていたり、選択肢を区切る「,」(半角カンマ)が「,」(全角カンマ)になっているなどです。
セル範囲を設定する「A1:A5」の中央の「:」(コロン)がセミコロン「;」になっていることもあります。

対処方法②シートが保護されている

シートが保護されていると、、エクセルのドロップダウンが動作しないことがあります。
もしそのシートの保護が必要でない場合は、シートの保護を解除してください。

エクセルのドロップダウンまとめ

今回は、エクセルのドロップダウンの基礎的な設定方法から応用まで、具体的な操作手順を紹介しました。
エクセルのドロップダウンは、設定しておくことで入力値を制限できるので、同じような書類を毎月作るときや、複数の人に入力を依頼する場合などに便利です。
設定されていない値を入力したときにエラーメッセージを表示することもできます。

エクセルのドロップダウンの基本的な設定はいずれも、データの入力規則から「リスト」を選び、「元の値」の入力を行うことで完結します。
応用として紹介した、2段階にわたるドロップダウンは、少し工夫が必要ですが、選択肢が絞り込まれていく分、入力ミスを減らすことにもつながります。

慣れてしまえば、今回紹介した2段階だけではなく、3段階、4段階の絞り込みもできますので、ぜひトライしてみてください。

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