【2024】エクセルでガントチャートばどう作る?条件付き書式を使って自動入力する方法も解説

「プロジェクトメンバーのスケジュールを一括で管理したい」
「プロジェクトのタスクを視覚化したい」
このようなときに便利なのが、ガントチャートです。

ガントチャートは、プロジェクト管理に使用される便利な図表です。視覚的にスケジュール感を把握できるため、メンバーと共有することで納期遅れなどのトラブルを防止できるでしょう。

エクセルでガントチャートを作る実際の手順を画像付きで解説していきます。プロジェクトの管理を任された方は、ぜひ参考にしてみてください。

エクセルで作成できる「ガントチャート」とは

エクセルで作成できる「ガントチャート」とは

ガントチャートは、プロジェクトや作業の進捗を視覚的に表現できる図表です。横軸に時間を、縦軸にタスクや担当者を設定し、各タスクがどれくらいの期間で行われるかを長方形のバーで表します。

バーの長さは作業の予定期間を示しており、バーの位置や重なり具合から異なるタスクの関係性も把握可能です。ガントチャートはプロジェクト管理やスケジュール管理によく利用され、作業の進捗や予定とのズレを一目で確認するのに役立ちます。

また、どこでスケジュールに狂いが出たのかを簡単に把握できるため、問題の修正も行いやすいのが特徴です。

エクセルでガントチャートを作る方法3つ

エクセルでガントチャートを作る際、横軸のカレンダーに表示させる横棒は以下のような方法で描写できます。

  • セルを塗りつぶす
  • 図形を描写させる
  • 条件付き書式を利用する

作り方によってガントチャートの作りやすさや監理のしやすさが異なるため、それぞれの特徴について確認していきましょう。

セルを塗りつぶす

エクセルでガントチャートを作るうえで最も簡単なのが、セルを手動で塗りつぶす方法です。対象のセルを選択した状態で、ホームタブの「塗りつぶしの色」を選択すると任意の色で塗りつぶしができます。

セルに手動で色をつけていくため、複雑な指定が必要ありません。しかし、手動であるため塗りつぶしに時間がかかる点と、ケアレスミスによるズレが生じる可能性がある点に注意が必要です。

手軽にガントチャートを作成したい場合や、プロジェクトの規模が小さい場合、エクセルの扱いに慣れていない場合に選択肢となる方法です。

図形を描写させる

カレンダーの日付に図形を挿入して、進捗を表現する方法です。挿入タブの「図形」から矢印を選択して、対象のセルの上でドラッグして描写します。

ただの塗りつぶしよりも図形になっている分、一目で進捗が把握しやすいのが特徴です。しかし、図形の高さを統一しておかないと、逆に見づらい表になってしまう点には注意が必要です。

条件付き書式を利用する

条件付き書式とは、値が指定した条件に合う場合に対象のセルの書式を変更するエクセルの機能です。条件付き書式を使えば、日付を入力すると自動でカレンダーに色が反映されるガントチャートを作成できます。

設定にはエクセルの関数が必要となるため、作成の難易度は上がりますが、作成できれば後々の管理が楽に行えます。特に、規模の大きなプロジェクトの場合に効果的です。

エクセルでガントチャートを作る手順

エクセルの条件付き書式を使ったガントチャートの作成方法について見ていきます。関数もコピペするだけで使用できるので、ぜひ参考にしてみてください。

手順1.カレンダーを作成する

まずは、右側に配置するカレンダーから作成していきます。

  1. 1行目のF列に1/1と入力し、オートフィルを使ってO列までコピーする
  2. 2行目のF列からO列までをドラッグして選択し、ホームタブの「配置」から「セルを結合して中央揃え」を選択する
  3. 結合した2行目のF列に2024年1月と入力する
  4. 3行目のF列に「=DAY(」と入力したら1行目のF列をクリックする
  5. 「)」を入力してEnterキーで確定する
  6. オートフィルでO列までコピーする
  7. 4行目のF列に「=TEXT(」と入力したら1行目のF列をクリックする
  8. =TEXT(の後ろに「,”aaa”)」と入力する手順1.カレンダーを作成する
  9. 4行目のF列に日付に対応した曜日が表示されるので、オートフィルでO列までコピーする

エクセルで使えるDAY関数とTEXT関数の特徴は以下の表のとおりです。

関数 特徴
DAY関数 シリアル値から番号で表された、日付の情報を返す。1~31整数で表示される。
TEXT関数 セルの数値をて文字列として変換する。表示形式の値によって曜日の表示が異なる。

また、カレンダーの作成について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。こちらもあわせてご覧ください。

【2024】エクセルでカレンダーはどう作る?テンプレートの使い方や一から作る方法を紹介

手順2.左側の表を作成する

続いて、左側にタスク名や担当者などを記入した表を作成していきましょう。

  1. 4行目のA列から画像のように入力する手順2.左側の表を作成する
  2. 5行目のC列を選択した状態でデータタブの中の「データツール」から「データの入力規則」を選択する
  3. 「設定タブ」の「入力値の種類」を「リスト」に変更する
  4. 「元の値」に「未着手,着手中,完了」と入力してOKをクリックする
  5. 5行目のC列にドロップダウンメニューが表示されるので、未着手を選択してオートフィルで下までコピーする手順2.左側の表を作成する
  6. 枠線を付けたり背景色を付けたりして表の見た目を整える

枠線は、表をすべて選択してホームタブの「フォント」内にある「罫線」から格子を選択することで設定できます。

手順3.開始日と終了日に合わせて棒グラフを表示させる

エクセルの条件付き書式を使って、入力した開始日と終了日に合わせてカレンダーに棒グラフを表示させます。実際に日付を確認しながらセルを塗りつぶす方法もありますが、条件付き書式を使った方が入力ミスを防止できるため、ぜひ挑戦してみてください。

  1. 5行目のF列を選択した状態でホームタブの「スタイル」から「条件付き書式」を選択する
  2. 「新しいルール」を選択する
  3. 「新しい書式ルール」のダイアログが開いたら、ルールの種類を「数式を使用して、書式設定するセルを決定」に変更する
  4. セルの内容に「=AND(F$1>=$D5, F$1<=$E5)」と入力する
  5. 書式を選択して塗りつぶしの色を任意で選択する
  6. O列までオートフィルでコピーしたら、再度オートフィルで7行目までコピーする手順3.開始日と終了日に合わせて棒グラフを表示させる

AND関数を使うことで、開始日と終了日の間のカレンダーにだけ塗りつぶしを適用できます。

手順4.ステータスに応じてタスクを塗りつぶす

ステータスが完了になっているタスクを一目でわかりやすくするために、ステータスの内容によってタスクに背景色をつける指定を行いましょう。

  1. 5行目のA列からE列までをドラッグで選択した状態でホームタブの「スタイル」から「条件付き書式」を選択する
  2. 「新しいルール」を選択する
  3. 「新しい書式ルール」のダイアログが開いたら、ルールの種類を「数式を使用して、書式設定するセルを決定」に変更する
  4. セルの内容に「=$C5=”完了”」と入力する
  5. 書式を選択して塗りつぶしの色を任意で選択する
  6. 5行目のA列からE列までをドラッグで選択した状態でホームタブの「クリップボード」から「書式のコピー」を選択する
  7. 5行目のA列から7行目のE列までをドラッグする
  8. カレンダーの見た目を整えたら完成手順4.ステータスに応じてタスクを塗りつぶす

書式のコピーを行うことで、すべてのタスクに条件付き書式が適応されます。

また、曜日ごとに色を変える方法や、今回使用した曜日を呼び出す関数についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

エクセルで曜日を表示する方法!自動表示・連続表示・曜日ごとの色の変え方を解説

手軽にエクセルでガントチャートを使う方法

エクセルでガントチャートを作るとなると、ある程度の知識と時間が必要です。しかし、テンプレートを使用すれば、誰でも手軽にガントチャートを使用できます。

しかし、エクセルのソフト内にはデフォルトでガントチャートのテンプレートは用意されていません。そのため、テンプレートを使用するには、インターネット上から無料で公開されているファイルをダウンロードする必要があります。

そこでおすすめなのがMicrosoftが提供している無料のテンプレートです。Microsoftの無料テンプレートは以下の手順でダウンロードできます。

  1. Googleで「マイクロソフト ガントチャート テンプレート」と検索すると、テンプレートのダウンロードページがヒットするのでアクセスする手軽にエクセルでガントチャートを使う方法
  2. 好きなテンプレートを選択してダウンロードボタンをクリックする
  3. パソコン内にテンプレートのデータがダウンロードされ、編集が可能になる。

無料のテンプレートを使用することで作業の時短にもつながるため、ガントチャートを一から作りたいという方以外はぜひ試してみてください。

より高度なガントチャートを作成するなら

エクセルでガントチャートを作るために必要な知識である関数や表の作成は、Excel基礎セミナー講習で学習できます。初期設定からデータ入力、グラフ作成まで幅広く網羅しているので、エクセルの総合的なスキルを身につけられるでしょう。

さらに、Excelマクロ・VBAセミナーなら2日間で以下のようなスケジュールをこなしてマクロやVBAを習得できます。

  • 1日目:マクロとVBAの違いやVBAプログラミングの基礎を学ぶ
  • 2日目:自動集計アプリの作成やプロジェクト管理表の作成

Excelマクロ・VBAセミナーには、実際にガントチャートを作るカリキュラムが組み込まれているので、より高度なガントチャートを作成したい方はぜひチェックしてみてください。

エクセルでガントチャートを使ううえでの注意点

エクセルでガントチャートを作る際や、作った後には以下の4点に気をつける必要があります。

  • シートを共有する
  • シートが崩れないようにする
  • タスクを細かくしすぎない
  • 定期的に見直しを行う

せっかく作ったガントチャートが機能しなかったり、崩れてしまったりしないためにも一つずつ確認していきましょう。

シートを共有する

ガントチャートはリアルタイムで進捗を確認できるのが魅力の図表です。1人で管理していても、ほかのメンバーの進捗が把握できません。

そのため、ガントチャートのシートは一枚を複数人で共有して、効果的に使用するようにしましょう。

シートが崩れないようにする

シートが崩れないようにする

ガントチャートは複数人で共有するため、誰かが誤操作してしまうことによって、見た目や機能が崩れてしまう可能性があります。見た目が崩れてしまうと、肝心の進捗を把握できません。

また、機能が崩れると設定していた関数が使えなくなり、進捗の記入ができなくなります。一度崩れてしまったシートを復旧するのは大変です。

そのため、定期的にバックアップを取ったり、シートの保護を設定したりして、シートが崩れないように注意しましょう。また、シートを編集できる担当者を1人決めて、更新を一任するのも対策の一つです。

タスクを細かくしすぎない

設定するタスクを細かくしすぎると、プロジェクトの管理が大変になります。それだけでなく進捗を記入する手間も増えるため、メンバーが面倒くさがって、毎日の記入を怠ってしまうかもしれません。

特に、ルーティン化されている業務に関しては、管理から外してしまっても問題ないでしょう。タスクはメンバーが負担にならない程度に管理することが大切です。

定期的に見直しを行う

作成したガントチャートは定期的に見直しを行いましょう。ガントチャートの本来の目的は、プロジェクトやスケジュールの管理です。

プロジェクトが目標のスケジュールで達成できなさそうな場合は、タスクを見直す必要がでてくるかもしれません。また、場合によってはスケジュールの調整も必要になる可能性もあります。

ガントチャートは作って終わりではなく、作った後もメンバーの進捗をしっかり管理して、柔軟な対応ができるように心がけておきましょう。

エクセルでガントチャートを作る方法についてのまとめ

今回は、エクセルでガントチャートを作る方法について解説しました。ガントチャートは、作業の進捗を管理するのに便利な図表です。

エクセルの機能を使えば、日付の入力だけでカレンダーに進捗状況を表した棒グラフを反映できます。また、関数がわからない方でも、手動でグラフを反映させるガントチャートなら作成の難易度も高くないでしょう。

大きなプロジェクトのスケジュールをエクセルで管理したい場合は、ガントチャートを作成して利用してみてはいかがでしょうか。

こちらから自分に合うExcelの講座をお選びください。

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