「プロジェクトメンバーのスケジュールを一括で管理したい」
「プロジェクトのタスクを視覚化したい」
このようなときに便利なのが、エクセルのガントチャートです。
ガントチャートはエクセルでのプロジェクト管理に使用される図表として、さまざまな現場で重宝されています。視覚的にスケジュール感を把握できるため、メンバーと共有することで作業ペースのずれや納期遅れなどのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
この記事では、エクセルでガントチャートを作る実際の手順を画像付きで解説していきます。
エクセルで作成できる「ガントチャート」とは

エクセルで作成できるガントチャートは、プロジェクトや作業の進捗を視覚的に表現できる図表です。横軸に時間を、縦軸にタスクや担当者を設定し、各タスクがどれくらいの期間で行われるかを長方形のバーで表します。
ガントチャートと混同されがちなWBSは、ガントチャートにおける縦軸のタスク・担当者・進捗状況などが記載される部分のみを指す言葉です。
ガントチャートのバーの長さは作業の予定期間を示しており、バーの位置や重なり具合から異なるタスクの関係性が把握できます。作業の進捗や予定とのズレを一目で確認できる点もメリットです。
ガントチャートをエクセルで作る3つの方法
エクセルでガントチャートを作る際は、WBSを作成して期間の設定が済んだ後、横軸のカレンダーに表示させる横棒を以下のような方法で描写します。
- セルを塗りつぶす
- 図形を描写させる
- エクセルの条件付き書式を利用する
作り方によってガントチャートの作りやすさや監理のしやすさが異なるため、それぞれの特徴について確認していきましょう。
セルを塗りつぶす
エクセルでガントチャートを作るうえで最も簡単なのが、セルを手動で塗りつぶす方法です。対象のセルを選択した状態で、ホームタブの「塗りつぶしの色」を選択すると任意の色で塗りつぶしができます。
複雑な指定は不要ですが、ケアレスミスによるズレが起きやすい点に注意が必要です。
初めてガントチャートを作った際や、エクセル関数の扱いに慣れていない場合に試してみることをおすすめします。
図形を描写させる
エクセルのカレンダーの日付に図形を挿入して、進捗を表現する方法です。挿入タブの「図形」から矢印を選択して、対象のセルの上でドラッグして描写します。
図形になっていることで前述した塗りつぶしよりも視認性がよく、一目で進捗が把握しやすいのが特徴です。
一点、エクセルのセル幅や図形の高さにばらつきがあると逆に見づらくなってしまうため、入力時に注意する必要があります。
条件付き書式を利用する
条件付き書式とは、値が指定した条件に合う場合に対象セルの書式を自動変更するエクセルの機能です。条件付き書式を使えば、日付を入力すると自動でカレンダーに色が反映される、エクセルならではのガントチャートを作成できます。
設定にはエクセルの関数が必要となるため作成の難易度は上がりますが、後々の管理が楽に行えます。特に、規模の大きなプロジェクトの場合に効果的です。
ガントチャートをエクセルで作る手順
以下からはガントチャートをエクセルの条件付き書式で作る方法について見ていきます。関数もコピペするだけで使用できるので、ぜひ参考にしてみてください。
手順1.カレンダーを作成する
まずは、エクセル画面の右側に配置するカレンダーから作成していきます。
- 1行目のF列に1/1と入力し、オートフィルを使ってO列までコピーする
- 2行目のF列からO列までをドラッグして選択し、ホームタブの「配置」から「セルを結合して中央揃え」を選択する
- 結合した2行目のF列に2024年1月と入力する
- 3行目のF列に「=DAY(」と入力したら1行目のF列をクリックする
- 「)」を入力してEnterキーで確定する
- オートフィルでO列までコピーする
- 4行目のF列に「=TEXT(」と入力したら1行目のF列をクリックする
- =TEXT(の後ろに「,”aaa”)」と入力する

- 4行目のF列に日付に対応した曜日が表示されるので、オートフィルでO列までコピーする
エクセルで使えるDAY関数とTEXT関数の特徴は以下の表のとおりです。
| 関数 | 特徴 |
| DAY関数 | シリアル値から番号で表された日付の情報を返す。1~31整数で表示される。 |
| TEXT関数 | セルの数値をて文字列として変換する。表示形式の値によって曜日の表示が異なる。 |
カレンダーの作成について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。
手順2.左側の表を作成する
続いて、エクセル画面の左側にタスク名や担当者などを記入した表を作成していきましょう。
- 4行目のA列から画像のように入力する

- 5行目のC列を選択した状態でデータタブの中の「データツール」から「データの入力規則」を選択する
- 「設定タブ」の「入力値の種類」を「リスト」に変更する
- 「元の値」に「未着手,着手中,完了」と入力してOKをクリックする
- 5行目のC列にエクセルのドロップダウンメニューが表示されるので、未着手を選択してオートフィルで下までコピーする

- 枠線を付けたり背景色を付けたりして表の見た目を整える
枠線は、表をすべて選択してホームタブの「フォント」内にある「罫線」から格子を選択することで設定できます。
手順3.開始日と終了日に合わせて棒グラフを表示させる
エクセルの条件付き書式を使って、入力した開始日と終了日に合わせてカレンダーにガントチャートの棒グラフを表示させます。条件付き書式を使った方が入力ミスを防止できるため、ぜひ挑戦してみてください。
- 5行目のF列を選択した状態でホームタブの「スタイル」から「条件付き書式」を選択する
- 「新しいルール」を選択する
- 「新しい書式ルール」のダイアログが開いたら、ルールの種類を「数式を使用して、書式設定するセルを決定」に変更する
- セルの内容に「=AND(F$1>=$D5, F$1<=$E5)」と入力する
- 書式を選択して塗りつぶしの色を任意で選択する
- O列までオートフィルでコピーしたら、再度オートフィルで7行目までコピーする

AND関数を使うことで、開始日と終了日の間のカレンダーにだけ塗りつぶしを適用できます。
手順4.ステータスに応じてタスクを塗りつぶす
ステータスが完了になっているタスクを一目でわかりやすくするために、ステータスの内容によってタスクに背景色をつける指定を行いましょう。
- 5行目のA列からE列までをドラッグで選択した状態でホームタブの「スタイル」から「条件付き書式」を選択する
- 「新しいルール」を選択する
- 「新しい書式ルール」のダイアログが開いたら、ルールの種類を「数式を使用して、書式設定するセルを決定」に変更する
- セルの内容に「=$C5=”完了”」と入力する
- 書式を選択して塗りつぶしの色を任意で選択する
- 5行目のA列からE列までをドラッグで選択した状態でホームタブの「クリップボード」から「書式のコピー」を選択する
- 5行目のA列から7行目のE列までをドラッグする
- カレンダーの見た目を整えたら完成

書式のコピーを行うことで、すべてのタスクに条件付き書式が適応されます。
曜日ごとに色を変える方法や、今回使用した曜日を呼び出す関数についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
ガントチャートを手軽にエクセルで使う方法
ガントチャートをエクセルで一から作る場合は、ある程度の知識と時間が必要になります。初心者の方にとっては大きなハードルとなるでしょう。そこで活用したいのがテンプレートです。既存のテンプレートを導入すれば、誰でも手軽にガントチャートをエクセルで使用できます。
デフォルト状態のエクセル内に、ガントチャートのテンプレートは用意されていません。インターネット上から無料で公開されているエクセル用ファイルをダウンロードする必要があります。
おすすめはMicrosoftが提供しているエクセル用無料のテンプレートです。シンプルなガントチャートはもちろん、月次プロジェクト向けやアジャイルなど、カテゴリー別でさまざまなテンプレートが用意されています。ダウンロード手順は以下の通りです。
- Googleで「エクセル ガントチャート テンプレート」と検索すると、テンプレートのダウンロードページがヒットするのでアクセスする

- 好きなテンプレートを選択してダウンロードボタンをクリックする
- パソコン内にテンプレートのデータがダウンロードされ、編集が可能になる。
無料のテンプレートを導入するだけでも、少なからず作業の時短につながります。エクセルで作成する前に、一度ガントチャートを使ってみたい方はぜひ試してみてください。
より高度なガントチャートを作成するなら
エクセルでガントチャートを作るために必要な知識である関数や表の作成は、Excel VBA・マクロセミナーで学習可能です。初期設定からデータ入力、グラフ作成まで幅広く網羅しているので、エクセルの総合的なスキルを身につけられます。
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さらに、Excel VBA・マクロセミナーなら短期間で以下のマクロやVBAのスキルを習得できます。
-
- マクロとVBAの違いやVBAプログラミングの基礎を学ぶ
- 自動集計アプリの作成やプロジェクト管理表の作成
Excel VBA・マクロセミナーには、実際にガントチャートを作るカリキュラムが組み込まれているので、より高度なガントチャートを作成したい方はぜひチェックしてみてください。
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ガントチャートやエクセル・VBAの技術を身につけたうえで、さらに高度・大規模なプロジェクトに携わる場合は、プロジェクト管理ツールの導入を検討するのも一つの手です。
必要に応じてベストなアプローチを模索してみてください。
ガントチャートをエクセルで使う際の注意点
エクセルでガントチャートを作る際、また作った後には以下の4点に気をつける必要があります。
- ガントチャートのシートを共有する
- ガントチャートのシートが崩れないようにする
- ガントチャートのタスクを細かくしすぎない
- 定期的にガントチャートとエクセルシートの見直しを行う
スムーズにガントチャートを作成しつつ実用的なシステムとするために、各ポイントを確認していきましょう。
ガントチャートのシートを共有する
1人でシートを管理していては、ほかのメンバーの進捗が把握できません。ガントチャートはリアルタイムで進捗を確認できるのが魅力です。
エクセルのガントチャートのシートは複数人で共有して、効果的に使用するようにしましょう。
ガントチャートのシートが崩れないようにする

前述のとおり、ガントチャートは複数人で共有することが推奨される図表です。誰かが誤操作してしまうと見た目や機能が崩れてしまい、肝心なガントチャートとしての進捗確認・記入が難しくなってしまいます。
操作ミスに気づけずそのままプロジェクトが進行してしまうと、後々の修正に多大な時間と労力を割くことになるため、注意が必要です。また、最後までミスが修正されず、正しい情報・意思に基づく形とは異なる結果を迎えてしまう可能性もあります。
使用しているガントチャートは定期的にバックアップを取り、エクセルnシート保護の設定を見直してシートの崩れ・ミスの放置を防ぎましょう。
ガントチャートのタスクを細かくしすぎない
設定するタスクを細かくしすぎると、機能が増加することによってプロジェクト管理者の負担が増えてしまいます。進捗を入力する手間も増えるため、収集したデータの内容がずさんになってしまう可能性も無視できません。
また、タスク細分化のためにさまざまな機能を追加しすぎた結果、エクセルのデータ量が肥大化して動作が重くなる可能性もあります。
現場の状況や管理側の負担を加味して、タスクの細分化は必要な範囲に留めることが大切です。
定期的にガントチャートとエクセルシートの見直しを行う
ガントチャートの本来の目的は、プロジェクトやスケジュールの管理です。作成したガントチャートは定期的に見直しを行いましょう。
プロジェクトの進捗状況によっては、ガントチャートを通じてタスクの見直しやスケジュールの改善点に気づくことができるはずです。
ガントチャートをエクセルで作る方法についてのまとめ
今回はエクセルでガントチャートを作る方法について解説しました。ガントチャートは作業の進捗を管理するのに便利な図表です。
エクセルの機能を使えば、日付の入力だけでカレンダーに進捗状況を表した棒グラフを反映できます。エクセルに慣れておらず関数がわからない方でも、手動でグラフを反映させるガントチャートなら作成の難易度も高くないはずです。
プロジェクトのスケジュールをエクセルで管理したい場合は、ガントチャートを作成して利用してみてはいかがでしょうか。
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