AIの急速な普及に伴い、G検定の取得を目指す人は年々増えています。E資格の第一ステップとしても人気の資格ですが、G検定の学習を進めるにあたり、「実際の過去問を解いてみたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、ネット上では「G検定の過去問はない」という情報を多く目にします。
そこでこの記事では、G検定の過去問の有無について調査しました。
G検定の過去問対策におすすめの無料サイト・アプリも紹介するので、「G検定の過去問にチャレンジしたい」という方もぜひご一読ください。
まずG検定とは?
G検定とは、ディープラーニングの基礎知識を身につけ、その知識を事業推進に活用できる能力を証明する資格試験です。
G検定のGは「ジェネラリスト」のGで、つまり「幅広い知識を持つAI人材」を意味しています。
G検定が生まれた背景には、2006年に登場したディープラーニングが深く関わっています。
ディープラーニングは2012年ごろから飛躍的に進化し、AIは人間のように「見る」「聞く」といった能力を手に入れました。現在の自動運転や画像認識がまさにこの技術です。
そこで、2017年にAI人材育成を目的として、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)を設立。JDLAは、AIスキルを認定するG検定とE資格という2つの資格を創設し、AI人材育成を本格的に始動させたのです。
E資格の「E」は、エンジニアの頭文字が由来で、つまりAIエンジニア育成を目標とした資格です。以下の記事では、難易度や合格に必要な学習時間など、G検定とE資格の違いについて詳しく解説しています。
G検定に過去問はある?

結論からいえば、日本ディープラーニング協会は、公式でG検定の過去問を公開しています。
しかし、同じ日本ディープラーニング協会が主催するE資格については、公式の過去問は一切公開されていません。
G検定の例題・過去問とは

G検定の例題・過去問とは、日本ディープラーニング協会が「G検定の例題・過去問」で公式に公開している過去問題のことです。各過去問には「G検定2024#4に出題された過去問題」のように出題回が記載されています。
過去問の出題数は20、利用料金は無料です。日本ディープラーニング協会「G検定の例題・過去問」にアクセスすれば誰でもその場で過去問にチャレンジできます。
G検定の過去問はシラバスに沿って構成
G検定の公式サイトでは、AIの基本から最新トレンド、機械学習、ディープラーニングの概要まで、幅広くカバーした過去問を20問公開しています。正解は過去問の最下部に記載されており、G検定の試験範囲(シラバス)に沿って構成されているのが最大の特徴です。
なお、シラバスは社会情勢や技術動向を反映するために随時改訂されています。
直近では、2024年11月8日、9日に実施された「G検定2024 #6」試験から上記の基本的なシラバスに加え、生成AIなどの最新技術を含んだ内容に改訂されました。では、次項でG検定のシラバスを確認しましょう。
過去問対策には多角的アプローチが有効
G検定の過去問は数が少ないため、多角的なアプローチで力を付けていきましょう。YouTube動画、テキスト、AIコミュニティでの情報交換など、多様な学習リソースを活用しながら、過去問に取り組むとより効果的です。
特におすすめなのは、無料で学習できるサイト、短期で効率的に学べるセミナーです。
AIに関する最新のニュースや技術トレンドにアンテナを張りながら、幅広い視点で学習を進めることも合格への近道です。まずは、次項でG検定の過去問について見てみましょう。
G検定のおすすめ過去問対策6選

続いて、G検定の過去問対策におすすめの無料学習サイト・アプリを紹介しましょう。
まずは、各サイト・アプリの一覧表からご確認ください。
| 対策方法 | 運営元 | 主な特徴 |
| G検定 模擬試験 – ディープロ | 株式会社ダイビック |
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| G検定スキルチェックテスト | AVILEN |
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| G検定(AIの検定)模擬テスト | Study-AI |
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| G検定対策テスト | キカガク |
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| G検定対策アプリ | スキルアップAI |
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| G検定対策講座 | GETT Proskill |
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では、それぞれのサービス内容について詳しく解説しましょう。
①G検定 模擬試験 – ディープロ|株式会社ダイビック
ディープロのG検定模擬試験は、全8章91問の例題を利用できるG検定過去問対策サイトです。受験時間120分というボリュームある過去問対策問題は、試験傾向を熟知した伊達貴徳氏が作成しています。
なお、過去問対策問題にアクセスするためには、事前にディープロへの無料登録が必要です。さらに学習を深めたい方に向けて、1ヶ月1,010円で学び放題の学習サービス「D pro」も提供しています。
②G検定スキルチェックテスト|AVILEN
AVILENが提供するG検定スキルチェックテストは、G検定の過去問対策ができる無料サイトです。AI、機械学習、ディープラーニングの基礎知識がどの程度身についているか、20問の問題を通じて客観的に評価できます。
過去問を解いた後は、解答をダウンロードして答え合わせする自己採点方式です。得点に応じて現在の知識レベルが判定され、各レベルに合わせた効果的な試験対策方法も提案されます。
③G検定(AIの検定)模擬テスト|Study-AI
Study-AIが提供するG検定の模擬テストは、豊富な出題数で過去問対策できる学習サイトです。サイトでは、300題以上もの問題が用意されており、直前対策用の200題と新シラバス対応の約100題で構成されています。
120分の模擬試験形式で、40分の機械学習入門動画も無料で視聴可能です。これらのコンテンツは、現在ベータ版として提供されており、公式サイトの「G検定対策教材 無料β版 利用申請」からアクセスできます。
④G検定対策テスト|キカガク
キカガクのG検定対策テストは、事前確認形式でテストに取り組める学習サイトです。100問以上の豊富な問題を通じて、AIの基礎から機械学習、ディープラーニングまで、G検定過去問対策に最適な内容を総合的にチェックできます。
31のコンテンツ・約5時間で学べる構成で、無料登録後は即過去問にチャレンジ可能。Mac・Windowsどちらでも利用できます。
⑤G検定対策アプリ|スキルアップAI
スキルアップAIのG検定対策アプリは、スマホで手軽にG検定過去問対策できるアプリです。新シラバスに完全対応しており、最新のディープラーニング手法やAIプロジェクトの実務知識まで、専門家監修の質の高い問題に取り組めます。
学習進捗の可視化機能が充実しているので、各カテゴリーの理解度がひと目で分かり、苦手分野を効率的に克服できます。正解するとバッジがもらえる仕組みで、学習のモチベーションも維持にも最適です。
⑥G検定対策講座
G検定対策講座は、最短でG検定のシラバスを網羅する効果的な学習カリキュラムです。本格的な試験対策プログラムを通じ、G検定過去問対策に最適な学習環境を提供します。まずAIの基礎知識など、G検定の土台をしっかり固め、ディープラーニングの応用技術など高度な内容に進みます。
こちらのセミナーは、受講形式に選択肢があるため、時間成約のある方にも最適です。ぜひ以下のページでご確認ください。
| セミナー名 | G検定対策講座 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 38,500円〜 |
| 開催期間 | 1日間 |
| 受講形式 | 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング |
G検定取得に対応しているセミナーは他にもあります。多くの選択肢の中から検討したい方は、ぜひ以下の記事をご活用ください。
実際のG検定の過去問

最後に、実際のG検定の過去問と解説・解答をご紹介します。
以下では、3つのカテゴリから過去問をピックアップしました。
- 人工知能とは
- ディープラーニングの応用例
- AIの社会実装に向けて
①人工知能とは
まずは、「2024#4」の過去問題からご紹介します。
人工知能は有限の処理能力しかないため、現実に起こりうる問題すべてに対処することができない ( ) がある
A)フレーム問題
B)ブラックボックス問題
C)シンボルグラウンディング問題
D)最適化問題
解説
人工知能(AI)は、現実世界のあらゆる状況に完全に対応できるわけではありません。この課題は「フレーム問題」として知られています。
例えば、「飲み物を買ってきて」と指示されたAIは、部屋を出るためにドアを開けるという行為だけでなく、壁にぶつからないか、廊下に人がいたらどうするかなど、考慮すべき事項が無限に存在します。
このように、AIが現実世界で柔軟な判断を下すことの難しさが、フレーム問題の本質です。
②ディープラーニングの応用例
こちらも、2024#4に出題された過去問題からピックアップしました。
この前提となる法則として、最も適切な選択肢を1つ選べA)スケーリング即
B)正規化即
C)中心極限定理
D)マルコフ過程
解説
GPTのような大規模言語モデルは、データセット、およびモデルの大きさに比例して性能が向上します。この関係性をスケーリング則といいます。
つまり、大量のデータを使ってモデルを大きくすればするほど、より賢いAIになるということです。ChatGPTは、このスケーリング則を利用して、大規模なデータセットとモデルを用いて学習し、高い性能を実現しています。
③AIの社会実装に向けて
最後に、2022#1の過去問題をお伝えしましょう。
検証データにデータリーケージがあった場合の影響について述べたものとして、最も適切な選択肢を1つ選べ。
A)検証時には精度が良かったが、実際に導入すると精度が悪くなる
B)一定以上、学習が継続できなくなる
C)過学習が起きやすくなる
D)学習にかかる時間が増加する
解説
データリーケージとは、AIの学習データに、本来使うべきでない情報が混在することです。例えば、試験でカンニングをすると実力以上の点数が出ますが、実際の実力ではありません。
AIも同じで、検証データに間違った情報が含まれると、精度が高く見えても、本番ではうまく動かなくなることがあります。そのため、データリーケージを防がないと、信頼できるAIが完成しないのです。
引用元:日本ディープラーニング協会「G検定の例題・過去問」
G検定の過去問を独学で対策する方法

G検定のシラバス(試験範囲)は、G検定の過去問対策の最初のステップとして必ずチェックしておきましょう。
G検定のシラバスを対策しよう
G検定のシラバスは、技術分野と法律・倫理分野の2つのカテゴリがあり、それぞれ項目ごとに細かく記載されているのが特徴です。
つまり、シラバスを見るとG検定取得に必要な学習内容が一目で分かるため、過去問対策に欠かせない学習ロードマップを効率的に作成できます。
以下は、G検定のシラバスをカテゴリごとにまとめたので、この機会にぜひ目を通しておいてください(2025年2月5日調査)。
①技術分野
| 人工知能とは | 人工知能の定義、人工知能分野で議論される問題 |
| 人工知能をめぐる動向 | 探索・推論、知識表現とエキスパートシステム、機械学習、ディープラーニング |
| 機械学習の概要 | 教師あり学習、教師なし学習、強化学習、モデルの選択・評価 |
| ディープラーニングの概要 | ニューラルネットワークとディープラーニング、活性化関数、誤差関数、正則化、誤差逆伝播法、最適化手法 |
| ディープラーニングの要素技術 | 全結合層、畳み込み層、正規化層、プーリング層、スキップ結合、回帰結合層、Attention、オートエンコーダ、データ拡張 |
| ディープラーニングの応用例 | 画像認識、自然言語処理、音声処理、深層強化学習、データ生成、転移学習・ファインチューニング、マルチモーダル、モデルの解釈性、モデルの軽量化 |
| AIの社会実装に向けて | AIプロジェクトの進め方 |
| AIに必要な数理・統計知識 | AIに必要な数理・統計知識 |
②法律・倫理分野
| AIに関する法律と契約 | 個人情報保護法、著作権法、特許法、不正競争防止法、独占禁止法、AI開発委託契約、AIサービス提供契約 |
| AI倫理・AIガバナンス | 国内外のガイドライン、プライバシー、公平性、安全性とセキュリティ、悪用、透明性、民主主義、環境保護、労働政策、その他の重要な価値、AIガバナンス |
G検定の過去問についてまとめ
G検定の過去問は、G検定を主催する日本ディープラーニング協会の公式サイトで20問公開されています。各問題はシラバスに沿って幅広いジャンルから出題されていました。しかし、過去問と解答は公開されていますが、詳細な解説は提供されていません。
G検定の過去問を効果的に解き進めるためには、G検定対策セミナーを活用することが有効です。セミナーでは、過去問に類似した課題一つひとつに対し、丁寧に分かりやすく解説します。
合格を最短距離で目指すためには、ぜひG検定対策講座をご活用ください。