イラレのグラデーションとは、オブジェクトに滑らかなカラーの変化を加えるための機能です。グラデーションをつけることでオブジェクトに深みが加わるため、さまざまなデザインに使用されます。
本記事で、グラデーションをかける基本的な方法から、テキストにグラデーションを適用する手順まで解説するので、イラレのグラデーション機能を使って、テキストやオブジェクトに魅力的な効果を与える方法を学びましょう。
イラレでグラデーションを適用させる方法
イラレでグラデーションを適用させる基本的な方法です。作成したオブジェクトにグラデーションをかけてみましょう。
1.オブジェクトを作成する
まず、グラデーションを適用させるオブジェクトを作成します。長方形ツールや楕円形ツールを使って、自由な形で作成してみてください。
2.グラデーションを適用させる
続いて、メニューバーの「ウィンドウ」から「グラデーション」にチェックを入れて、専用のパネルを開きます。先ほど作成したオブジェクトをクリックした状態で、グラデーションパネル左側にあるアイコンをクリックするとグラデーションが適用されます。
3.グラデーションの調整をする
適用したグラデーションの種類や色を調整します。グラデーションの種類を変更することで、グラデーションの広がり具合を調整できます。
イラレのグラデーションの種類は以下の3つから選択できます。
グラデーションの種類 | 説明 |
線形グラデーション | 直線上にブレンドされているグラデーションタイプ。「角度」からグラデーションの向きを変更できます。 |
円形グラデーション | 円形にブレンドされているグラデーションタイプ。「角度」と「縦横比」でグラデーションの向きや大きさを変更できます。 |
フリーグラデーション | ランダムにブレンドされているグラデーションタイプ。 |
グラデーションの種類のドロップダウンから変更しましょう。
また、グラデーションの色はグラデーションスライダーから変更が可能です。グラデーションスライダーの左下と右下のマーカーをダブルクリックすることで、カラーパネルが開きます。
開いたカラーパネルから任意の色を設定しましょう。ほかにも、グラデーションの位置や傾き、不透明度などもパネルから調節が可能です。
イラレで文字にグラデーションを適用させる方法
イラレでは、文字にもグラデーションをかけられます。しかし、オブジェクトと同じ要領ではグラデーションがかかりません。
イラレで文字にグラデーションを適用させる方法について確認していきましょう。
1.文字を入力する
まず、ツールバーから文字ツールを選択し、任意の文字をタイピングして入力しましょう。フォントや文字サイズは適宜調節してください。
2.文字をアウトライン化する
文字はアウトライン化してテキスト情報をオブジェクト情報に変換することで、グラデーションをかけられます。そのため、入手した文字にアウトライン化を施します。
文字を選択し、メニューバーの「書式」から「アウトラインを作成」をクリックしましょう。もしくは右クリックから「アウトラインを作成」を選択します。
また、イラレで文字やオブジェクトをアウトライン化する方法について知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。
3.グラデーションを適用する
ツールバーのグラデーションツールを選択した状態で入力した文字をクリックすることで、文字にグラデーションをかけられます。
なお、アウトライン化した文字にグラデーションをかけると、一文字ずつグラデーションがかかってしまいます。しかし、文字全体を一つのオブジェクトとしてグラデーションをかけたい場合もあるでしょう。
そのような場合は、メニューバーの「オブジェクト」にある「複合パス」から「作成」を選択して複合パスに変換することで全体的にグラデーションをかけられるようになります。
また、もう一つの方法として、スポイトツールを使用する方法もあります。ほかで作ったグラデーションをスポイトツールで抽出し、テキストに反映させることでもグラデーションを適用できます。
イラレのアピアランスでグラデーションを適用させる方法
イラレのアピアランスを使ってグラデーションをかける方法です。この方法であれば、グラデーションを重ねて複雑な効果を付与できます。
また、アウトライン化をしなくても文字にグラデーションをかけられるのも特徴です。イラレのアピアランスでグラデーションを適用させる方法について見ていきましょう。
1.文字を入力する
イラレの文字ツールを使って、任意のテキストを入力しましょう。このときアウトライン化しておく必要はありません。
2.アピアランスパネルを開く
メニューバーの「ウィンドウ」から「アピアランス」にチェックを入れて、アピアランスパネルを開きましょう。
3.グラデーションを適用する
アピアランスパネルが開いたら、選択ツールで文字を選択します。選択できたら、右側にある三本線のメニューから「新規塗り追加」を選択し、文字に塗りを追加します。
続いて、塗りのアイコンの右側にある下向き三角形をクリックしましょう。最後に、左下の「スウォッチライブラリメニュー」にあるグラデーションから好みのジャンルを選択することで、文字にグラデーションを追加できます。
イラレで画像にグラデーションを適用させる方法
Webデザインやバナーを作成する際に、段々と透明になっていく画像を使用する場合があります。このようなデザインは、イラレのグラデーションを活用することで表現可能です。
イラレで画像にグラデーションを適用させる方法について確認していきましょう。
1.画像を配置する
まずは、加工したい画像をイラレで開きます。メニューバーの「ファイル」から「開く」をクリックし、対象の画像を開きましょう。
2.オブジェクトを作成する
画像の上に、透明にしたい領域分のオブジェクトを作成します。長方形ツールや楕円形ツールを使用しましょう。
3.オブジェクトにグラデーションを適用させる
作成したオブジェクトに黒と白のグラデーションを適用させます。黒い部分が透明になり、白い部分がはっきりと写ります。
はっきり写したい箇所と透明にしたい箇所をグラデーションのかけ具合で調整しましょう。
4.マスクを作成する
グラデーションをかけたオブジェクトが作成できたら、ドラッグもしくはShiftクリックで画像レイヤーと複数選択をしましょう。オブジェクトレイヤーと画像レイヤーが選択された状態で、透明パネルから「マスクを作成」をクリックすることで、徐々に透明になる画像の作成ができます。
透明パネルが表示されていない方は、メニューバーの「ウィンドウ」から「透明」にチェックを入れて表示させましょう。
イラレでグラデーションを追加する方法
イラレのグラデーションを2色以上にしたい場合は、カラー分岐点を追加しましょう。グラデーションスライダーの下にマウスを合わせるとカーソルが+のアイコンになるので、その状態でクリックするとスライダーに分岐点を増やせます。
複数の分岐点を追加してカラーを増やすことで、より滑らかなグラデーションの作成ができるでしょう。また、不要な分岐点は、下にドラッグするかゴミ箱のアイコンをクリックで削除できます。
中間点とは
グラデーションスライダーの上に表示されている菱形のアイコンを中間点と呼びます。中間点を左右にスライドすることで色の領域が変わり、グラデーションの具合が変わります。
初期状態では50%の位置に中間点が設定されているので、仕上がりイメージに合うように変更をかけましょう。
イラレのツールとパネルでかかるグラデーションの違い
イラレでは、ツールとパネルからグラデーションの適用ができます。両者の違いは、パネルは数値で指定できるのに対して、ツールは感覚的に指定できるのが特徴です。
ツールを使えば、ドラッグでグラデーションをつけられるため、微調整がしやすくなります。一方で、パネルでは規則的にグラデーションをつけられるので、状況に応じて使い分けましょう。
また、以下の記事ではイラレの基本的な使い方や学習方法について解説しています。イラレの学習を始めたばかりの方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
イラレのグラデーションでよくある質問
イラレでグラデーションをつける際によくある質問についていくつか確認していきましょう。
イラレ学習に最適な講座
現在イラレの学習をしている方におすすめな講座がIllustrator基礎セミナー講習です。Illustrator基礎セミナー講習は短期集中型のセミナーで、2日間で実務で役立つスキルを習得できます。
カリキュラムには、グラデーションのような基礎的なツールの使い方から、以下のような実践的な内容まで幅広く含まれています。
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イラレのグラデーションについてのまとめ
今回は、イラレでグラデーションを適用させる方法について解説しました。グラデーションを使えば深みのあるデザインや、徐々に透明になるような表現ができるようになります。
そのため、グラデーションを自由に扱えるようになれば、デザインの幅も大きく広がるでしょう。ぜひグラデーションを活用して、魅力的な作品を作ってみてください。