iPad版のイラストレーターは、PC版の機能を一部簡略化しながら、タッチ操作に特化したデザインツールです。
直感的な操作で、ベクターグラフィックの作成や編集が可能で、特にペンを使ってスムーズに描画を行えます。
本記事では、iPad版イラストレーターでできることや、PC版との違いについて解説します。タブレットを使ったデザインに興味がある方はぜひご覧ください。
iPad版のイラストレーターでできること
iPad版のイラストレーターでは、以下のようなことができます。
- 図形や線を自然に描画できる
- ベクター形式に変換できる
これらについて見ていきましょう。
できること①図形や線を自然に描画できる
Apple Pencilを使うことで、図形や線を滑らかに描画できるため、自然なデザインを作成できます。描画した線は自由に編集できるので、思い通りに仕上げることができます。
普段からアナログのイラストを描くことに慣れている方にとっては、マウスではなくペンを使ってフリーハンドで描画できるのはメリットとなるでしょう。
また、イラストレーターの使い方に関しては、以下の記事で解説しています。
必ず押さえておきたい基本的な使い方から、覚えておくと便利な応用的な使い方まで解説しているので、イラストレーターを使い始めたばかりの方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
できること②ベクター形式に変換できる
iPad版のイラストレーターは、PC版と同様に、手描きスケッチやラスター画像をベクター形式に変換できます。
これにより、紙やデジタルで描いたイラストを写真に撮影し、それをベクターデータとしてイラストレーターに取り込むことが可能です。
アナログで描いたスケッチをiPadに取り込んで下書きにすることで、作品作りの効率を高められるでしょう。
また、イラストレーターでイラストを描くのに使えるツールについては以下の記事で紹介しています。
AIを使ってイラストを描く方法についても解説しているので、イラストレーターを使ったイラスト制作をしたい方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
iPad版とPC版のイラストレーターの違いは?

iPad版とPC版のイラストレーターには、以下のような違いがあります。
- PC版の方が機能が豊富にある
- iPad版はタッチパネルに最適化されている
これらのiPad版とPC版の違いについて確認していきましょう。
違い①PC版の方が機能が豊富にある
PC版のイラストレーターは、プロ向けに多くの機能が備わっているため、複雑なデザインや高度な編集作業を行えます。
レイヤーの操作やカスタム設定の幅広さ、詳細な描画ツールにより、細かなデザイン作業にも対応可能です。
一方、iPad版は一部の機能が省略されており、簡略化されたインターフェースが特徴です。そのため、複雑なデザイン作業を行うにはPC版のほうが適しています。
しかし、iPad版でも主要な機能は搭載されているので、ラフな使い道では十分活用できます。
さらに、すっきりしたインターフェースによって、機能の使い方もPC版と比較してわかりやすいでしょう。
違い②iPad版はタッチパネルに最適化されている
iPad版のイラストレーターは、タッチ操作に最適化されたインターフェースをしているため、直感的な操作が可能です。タッチスクリーンを活用して、拡大縮小や移動、描画が自然な感覚で行えます。
特に、スケッチやラフなアイデアを素早く形にしたい場合には便利です。また、PC版のようにマウスやキーボードを使わなくてもスムーズに操作できる点も魅力です。
この最適化されたインターフェースにより、移動中やデスク環境以外でも快適にデザインを進められるのがiPad版の大きなメリットといえるでしょう。
iPad版とPC版のイラストレーターは連携できる?

Adobeが提供するCreative Cloudストレージを利用すれば、PCとiPad間でもデータをスムーズに同期して連携できます。
そのため、iPad版のイラストレーターがあれば、PCが使えない状況でも作業を中断せずにすみます。
しかし、PC版でしか使えない機能はiPadを使って編集できない点には注意が必要です。
iPad版のイラストレーターの料金は?
イラストレーターには、現在買い切り版は存在しておらず、月額支払い制のサブスクリプション版での契約が必要です。
iPad版のイラストレーターのみを使用したい場合は、月額1,080円(税込み)を支払うことで利用できます。
しかし、PC版も一緒に使用したい場合は、以下のプランのいずれかを選択する必要があります。
| プラン | 料金(税込み) |
| Adobe Illustrator単体プラン |
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| Creative Cloudコンプリートプラン |
|
一番お得に利用するならiPad版のイラストレーターのみが使えるプランですが、ほかのAdobeソフトを使いたい場合や、PCでもイラストレーターを使いたい場合は、Adobe Illustrator単体プランや、Creative Cloudコンプリートプランも検討しましょう。
iPad版のイラストレーターはどういう人におすすめ?
iPad版のイラストレーターは、主に以下の用途で使いたい人におすすめです。
- PC版のサブとして使いたい人
- タッチペンでイラストを描きたい人
- 安価でイラストレーターを使用したい人
- パソコンを持っていない人
これらの、iPad版のイラストレーターがおすすめな人の特徴について見ていきましょう。
おすすめな人①PC版のサブとして使いたい人
iPad版のイラストレーターは、PC版のイラストレーターと同期できるため、PC版で作成したデータを外出先で確認したり軽微な修正を行ったりしたい際に便利です。
ほかにも、移動中や外出先で浮かんだアイデアをiPadを使ってすぐに反映させられるのもiPad版ならではの魅力です。
PC版ほどの機能は必要ないが、手軽に編集したい場合にiPad版のイラストレーターがあれば、作業の利便性が高まるでしょう。
おすすめな人②タッチペンでイラストを描きたい人
Apple Pencilとの高い互換性を持つiPad版Illustratorは、タッチペンで直感的にイラストを描きたい人におすすめです。
特に、スケッチやラフデザインを作成する際に便利で、紙とペンのような感覚でデザイン作業を進められます。
PC版では得られない自然な描画体験が得られるため、デジタルイラスト初心者にも使いやすいでしょう。これらの特徴から、フリーハンドでの作業スタイルを求めるユーザーにiPad版のイラストレーターは向いているといえるでしょう。
おすすめな人③安価でイラストレーターを使用したい人
iPad版のイラストレーターは、月額約1,080円(税込み)で利用でき、PC版よりも手軽に導入できるため、低コストでイラストレーターを試してみたい方に適しています。
この料金設定は、Creative Cloudのほかのアプリと比較しても安価なので、手軽に利用できるでしょう。
特に、趣味でデザインを楽しみたい方や、業務の補助ツールとして活用したい場合に安価なiPad版は最適です。
初期投資を抑えながら本格的なデザインができるため、初心者から経験者まで幅広い用途で活用できるでしょう。
おすすめの人④パソコンを持っていない人
パソコンを持っていないが、本格的なデザイン作成がしたい人は、iPad版のイラストレーターがおすすめです。
iPad版ならiPadとApple Pencilがあれば本格的なデザイン作業ができるため、新たにパソコンを購入する必要がありません。
PC版に機能は劣りますが、スマートフォンのアプリでデザインをするよりは高クオリティな作品を作成できます。
iPad版のイラストレーターの作業効率を高める方法
iPad版のイラストレーターで作業効率を高めるには、キーボードとApple Pencilを組み合わせるのが効果的です。特に、左手でキーボードを操作し、右手でペンを使うスタイルにすることで、ショートカットキーをシームレスに活用できます。
ペン操作のみだと不便な操作も、キーボードを使うことでミスを減らせるため、プロジェクト全体の精度も高められます。
イラストレーターの使い方は講座で習うのがおすすめ

イラストレーターは、iPad版、PC版問わず使える機能が多いため、使いこなすにはしっかり学習することが大切です。
Illustrator基礎セミナーでは、2日間の講座期間で、イラストレーターの使い方を作品作りを通して学べます。
基礎だけでなく、実際に名刺やバナー、イラストの作成なども行うので、講座修了後はプロとしてイラストレーターを扱えるようになるでしょう。
また、講座は自宅からでも参加できるライブウェビナーコースも用意されているので、会場まで足を運ぶことが難しい方でも安心です。
一からイラストレーターを学びたい方は、ぜひIllustrator基礎セミナーをチェックしてみてください。
iPad版のイラストレーターとAdobe Frescoの違いは?
iPad版のイラストレーターと似たソフトとして、Adobe Frescoがあります。Adobe Frescoは、イラストレーターと同じAdobe社が提供しているアプリでイラスト制作に強いのが特徴です。
Adobe FrescoとiPad版のイラストレーターは、それぞれ異なる用途に特化されたデザインツールです。イラストレーターは、ベクター形式でのロゴやポスター作成に強く、正確なパス編集やデザイン作業に強みがあります。
一方、Frescoは水彩やピクセルブラシを使用して繊細なイラストを作成するのに向いています。イラストレータはデザイン作業に、Frescoはイラスト制作に向いているので、用途に合わせて使い分けることが大切です。
iPad版のイラストレーターについてのまとめ
今回は、iPad版のイラストレーターでできることや、PC版との違いについて解説しました。
iPad版のイラストレーターは、タッチ操作に特化しており、Apple Pencilを活用した自然な描画や直感的な操作ができます。
PC版と比べて機能は簡略化されていますが、軽快な操作性と優れた携帯性が魅力です。外出先でのアイデア作成や軽微な編集、フリーハンドでのイラスト制作に最適です。
用途に応じて使い分ければ、デザインの幅を広げられるでしょう。
タブレットでのデザインを検討している方は、ぜひiPad版のイラストレーターも試してみてください。