Pythonは、初心者も扱いやすいシンプルな構文のプログラミング言語です。
Pythonはバージョンによって利用できる機能や構文が異なるため、事前のバージョン確認は必須です。
しかし、コマンドの入力ミスや環境設定の問題などにより、バージョン確認がうまくいかないこともあります。
この記事では、Pythonのバージョンを確認できない原因とその解決策について解説します。
Pythonとは
Python(パイソン)は、誰でも無料で利用・改変できるオープンソースのプログラミング言語です。1991年にオランダのグイド・ヴァンロッサム氏によって開発され、「Python」という名前はイギリスのコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』に由来します。
Pythonは、分かりやすい文法と、初心者でも簡単に環境構築できる手軽さ、そしてデータベース操作やデータ分析、AI開発、Webスクレイピングなど、多彩な用途に対応できる汎用性の高さが魅力です。
Pythonは、Google社内で公式言語として採用され、さらに国家試験での選択言語にも加わるなど世界中の開発者から広く利用されています。
Pythonのバージョンとは
Pythonのバージョンとは、Python言語の構成要素を表す番号です。
Pythonのバージョン番号は3つの数字(バージョン)で構成されていて、言語に変更や修正があったときに数字が変わります。バージョンと数字が変わる要素は以下の表の通りです。
数字(バージョン) | 内容 |
メジャーバージョン | 言語の大規模な変更があるときに増加 |
マイナーバージョン | 言語の小規模な変更があるときに増加 |
マイクロバージョン | バグ修正やセキュリティパッチなどの修正時に増加 |
例えば、Python 2.7.18の場合は、メジャーバージョンが2、マイナーバージョンは7、マイクロバージョンが18です。
また、メジャーバージョンが異なるPython 3.0とPython 2.7は互換性がありません。
Python 2.7で書かれたコードをPython 3.0で実行するには、コードを変更する必要があります。
Pythonのバージョンが確認できない原因は?
Pythonのバージョンが確認できない原因はいくつかあります。
ここでは、以下の3点について解説しましょう。
Pythonがインストールされていない
Pythonのバージョンが確認できない場合、Pythonがインストールされていない可能性があります。インストールされていないときは、Python公式サイトからダウンロードしましょう。
Pythonのインストーラーをダウンロードし、指示に従ってインストールすればOKです。
Pythonの詳しいインストール方法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
コマンド入力が間違っている
Pythonのバージョンが確認できない場合、コマンド入力が間違っている可能性もあります。
コマンド入力が間違っていれば、通常はエラーメッセージが表示されます。エラーメッセージには、正しいコマンドの形式や使用法が示されるケースもあるので、必ずチェックしておきましょう。
環境変数PATHが適切に設定されていない
Pythonのバージョンが確認できないときは、環境変数PATH(コマンド実行場所を指定する変数)が適切に設定されていない可能性もあります。
この場合、コンピュータはPythonの実行ファイルの場所を正しく特定できないため、Pythonのバージョン確認コマンドが見つからずにバージョンが表示されません。
Pythonのバージョンを確認する方法
次に、Pythonのバージョンを確認する方法について解説します。
Pythonのバージョンを確認する方法は複数ありますが、以下では代表的な2つの方法を紹介します。
コマンドライン
Pythonのバージョンを確認する方法の一つは、コマンドラインを利用することです。
この方法はシンプルで汎用性が高く、環境に依存せずに実行できます。
手順は、ターミナル、もしくはコマンドプロンプトを開き、「python –version」というコマンドを入力すればOKです。
Python 3系の場合は、「python3 –version」と入力してください。
これで、Pythonのバージョン情報が表示されます。
ソースコード
Pythonのバージョンを確認する主な方法は、ソースコードを使うことです。
ソースコードは、コマンドラインがない環境でも使用できます。
ソースコードを使うと、コマンドラインよりも詳細なバージョン情報を確認できます。
さらに、複数のPython環境をインストールしている場合、それぞれ異なるバージョンを確認できるなどメリットが多いです。手順は、以下の通りです。
- テキストエディタを開き、「import sys」「print(sys.version)」のコードを入力
- ファイルを「.py」拡張子で保存
- コマンドプロンプトまたはターミナルで、保存したファイルの場所に移動
- Pythonファイルを実行
これで、Pythonのバージョン情報が表示されます。
Pythonのバージョン確認をするメリット
Pythonのバージョンを確認すると、さまざまなメリットが得られます。
ここでは、具体的なメリットを3点お伝えします。
問題を回避できる
Pythonのバージョン確認は、互換性やセキュリティの問題を回避できます。
スムーズな開発環境を維持するためには、問題を未然に防ぐことが重要です。
例えば、異なるバージョン間ではコードの互換性が保証されない場合がありますが、バージョン確認を行うことで、コードと実行環境のバージョンが一致していることが分かります。
また、古いバージョンのPythonではセキュリティが脆弱なケースも見られますが、バージョンを確認することで脆弱性情報をチェックできます。
トラブル時に解決しやすい
Pythonのバージョン確認をするメリットは、トラブル時に解決しやすいことです。
例えば、エラーメッセージが発生した際、正確なバージョン情報を把握することで、原因や問題点を素早く特定できます。
問題の報告や解決策の共有においても、バージョン情報を含めると情報の伝達もスムーズです。迅速な対処は、開発プロセスの全体的な効率を向上させ、生産性を高める要因となります。
Pythonのバージョンを確認できない時の解決方法
Pythonのバージョンを確認できない時の解決方法は、バージョンの切り替えです。
切り替えの方法は以下になります。
コマンドを使う
Pythonのバージョンは、コマンドを使って切り替えることが可能です。
Pythonはプロジェクトの要件によって、異なるバージョンを使うケースがあります。
プロジェクトごとに異なるPythonバージョンを使うには、「pyenv」や「py」などのコマンドを使ってシステム全体または特定のディレクトリでバージョンを切り替える必要があります。
具体的なコマンドと役割は以下の表の通りです。
コマンドの種類 | 役割 |
pyenv global | システム全体のバージョンを変更する |
pyenv local | 特定のディレクトリのバージョンを変更する |
py | 特定のバージョンのPythonを実行する |
py -0 | インストール済みのバージョンの一覧を確認する |
各コマンドの詳細については、公式ドキュメントを参照してください。
VSCodeを使う
Pythonのバージョンを切り替える際、VSCodeを使うことも可能です。
この手法を使うと、プロジェクトごとに適切なPythonのバージョンを切り替えることができます。具体的な手順は、
- 画面右下のPythonのバージョンをクリックします。
- VSCodeが認識しているPythonのバージョンの一覧から変更したいバージョンを選択
これで完了です。プロジェクトごとに異なるPythonバージョンを管理できるようになりました。
Pythonを学習する方法
Pythonは幅広い用途で使用される言語なので、学習方法もさまざまです。
それでは、Pythonを学習する方法をご紹介します。
書籍・テキストを使う
Pythonを学習するには、書籍を利用する方法があります。
Pythonを学習するのに役立つ書籍は数多くあり、基礎から応用まで内容も幅広く、Pythonのバージョン確認に関する書籍も数多く出版されています。
書籍を選ぶ際には、自分のレベルや目的に合ったものを選ぶことが重要です。
購入時には、書籍の内容や目的を理解し、レビューなどを確認したうえで決定しましょう。
Pythonを学べるおすすめ書籍は、以下の記事に詳しく書いています。
セミナーを利用する
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Pythonのバージョンを確認する方法まとめ
本記事では、Pythonのバージョン確認方法、確認が必要となる原因、そしておすすめの学習方法について解説しました。
Pythonのバージョン確認は、本記事で紹介したコマンドラインやソースコードをはじめとして、さまざまな方法で行えます。Pythonのバージョン確認を学びたい場合は、書籍やセミナーなど、自分に合ったものを選びましょう。