家計の収入と支出をまとめた家計簿は、お金の出入りを把握するために大切な帳簿です。
普段から何にお金を使っているのかを知ることで、計画的に貯金ができるようになります。
しかし、家計簿は計算が面倒だから続かないという方も多いでしょう。
本記事では、エクセルを使って自動計算が可能な家計簿の作り方を解説いたします。
エクセルで家計簿を作るメリット
家計簿をエクセルで作るメリットは以下のとおりです。
- 計算が楽になる
- 自由にデザインできる
- 管理がしやすい
それぞれのメリットについて詳しく確認していきましょう。
家計簿をエクセルで作るメリット①計算が楽になる
紙の家計簿では、一つひとつの計算に時間がかかり、毎月家計簿をつけるのが億劫になりやすいです。エクセルを使えば、支出や収入を入力するだけで自動で合計や差額を計算してくれるため、手作業で計算する手間が省けます。
また、自動化することで計算ミスを防止できるので、正確な家計管理が可能です。
素早くかつ正確に家計簿をつけたい場合は、エクセルを活用してみましょう。
家計簿をエクセルで作るメリット②自由にデザインできる
エクセルではセルの結合や色の変更、枠線の設定などをすることで、自由にデザインをカスタマイズできます。また、家庭によって必要な項目も異なりますが、エクセルなら自由に並べ替えや追加が可能です。
自分好みの見栄えにしたり、使いやすさに合わせて家計簿をデザインしたりすることで、オリジナル性の高い家計簿を作成できるでしょう。
家計簿をエクセルで作るメリット③管理がしやすい
データを表形式で整理することで、支出や収入の項目ごとに管理しやすくなります。
また、エクセルの検索やフィルター機能を使えば、特定のデータを素早く見つけることができ、家計簿の管理を効率的に行えるでしょう。
さらに、ファイルで管理することで、紙と違ってどこにしまったか忘れてしまうリスクも低くなります。効率的かつ簡単に家計簿を管理したい場合は、エクセルを活用しましょう。
エクセルで家計簿を作る手順
エクセルで家計簿を作る手順は以下のとおりです。
- レイアウトを考える
- データを入力する
- 収入と支出の合計を関数で挿入する
- 収支を関数で挿入する
それぞれの手順を詳しく確認していきましょう。
エクセルで家計簿を作る手順①レイアウトを考える
家計簿を作る際は、あらかじめどのようなレイアウトにするのかを決めておきましょう。
特に、支出の項目を細かく分けて詳細を見える化するのか、固定費として一つにまとめておくのかでレイアウトは大きく変わります。
詳細なデータを残しておきたい場合は、項目を細かく分けるのがよいですが、その分データの入力箇所が多くなり、管理の手間がかかります。
そのため、継続のしやすさを重視したいのか、詳細な帳簿をつけたいのかによって、レイアウトを決めましょう。
今回は、縦軸に「収入」「支出」「収支」の大きな項目を設け、その中で把握したい固定費や変動費を追加しました。また、わかりやすいように見出しをつけたり、項目ごとに背景色をつけたりしてデザインを整えています。
また、エクセルで表を作成する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。こちらもあわせてご覧ください。
エクセルで家計簿を作る手順②データを入力する
続いて、設定した項目に必要なデータを入力していきましょう。
この時、C3からO13までをドラッグで選択した状態で、ホームタブの「数値」から「桁区切りスタイル」をクリックすると、数値がカンマ区切りになりデータが見やすくなります。
エクセルで家計簿を作る手順③収入と支出の合計を関数で挿入する
入力したデータを自動計算するために関数を挿入します。
この工程では、「旦那と妻の一ヵ月の収入の合計」「旦那(妻)の一年間の収入の合計」「支出の項目と月ごとの合計」を関数を使って自動計算していきます。
まず、C5のセルをアクティブにした状態で、ホームタブの「編集」からシグマのアイコンをクリックしましょう。すると、C5にSUM関数が挿入され、C3とC4のデータを自動で合計してくれます。
Enterキーで確定したら、C5のセルの右下をクリックした状態でO5までドラッグすることで、オートフィルによって収入の合計の欄にすべてSUM関数が反映されます。
続いて、O3にもSUM関数を挿入し、O3の右下をO4までドラッグして挿入した関数をコピーしてください。
これで収入の合計を関数で計算できるようになったので、同じ要領で支出の合計を関数で計算しましょう。C12とO6にSUM関数を挿入し、オートフィルで関数をコピーしてください。
エクセルで家計簿を作る手順④収支を関数で挿入する
最後に一ヵ月の収入と支出の差額を関数で計算していきます。
C13のセルをアクティブにした状態で「=C5-C12」と入力しましょう。
すると、C5に出力されている一ヵ月の収入の合計から、C12に出力されている一ヵ月の支出の合計を引いた数値が自動で計算されて表示されます。
収支がマイナスになった場合は、データが赤く表示されるので、一目でプラスマイナスが把握しやすいでしょう。C13をドラッグでO13までオートフィルすることで、13行に収支の関数を反映させられます。
また、編集から設定できる関数は合計を含めて5種類あります。
家計簿に使えるものがあれば活用してみましょう。
関数 | 説明 |
合計 | 数値の合計を計算する。 |
平均 | 数値の平均値を計算する。 |
数値の個数 | 数値の個数を数える。 |
最大値 | 数値の最大値を求める。 |
最小値 | 数値の最小値を求める。 |
エクセルのテンプレートで家計簿を使用する
エクセルで一から家計簿を作るのが難しいという方は、エクセルに初期から収録されているテンプレートを活用しましょう。テンプレートを利用することで、高機能かつおしゃれなデザインの家計簿を誰でも活用できます。
エクセルから家計簿のテンプレートをダウンロードする方法は以下のとおりです。
- ファイルタブをクリック
- ホームの新規にある「その他のテンプレート」をクリック
- 「オンライン テンプレートの検索」に「家計簿」と入力して検索をかける
- 月間家計簿や食費の家計簿などさまざまなテンプレートがヒットするので、好きなシートをクリックして選択
- 作成ボタンをクリック
- エクセル上でテンプレートが開く
手軽に家計簿を作成したい方は、ぜひテンプレートも活用してみてください。
エクセルで作った家計簿をグラフに変換する
エクセルで作った家計簿であれば、ワンクリックでグラフに変換ができます。
グラフを利用すれば、以下のような比較も簡単に行えます。
- 収入と支出の比較
- 月ごとの収入の比較
- 支出の割合の比較
今回は、以下の手順で一ヵ月の支出の割合をグラフ化してみましょう。
「エクセルで家計簿を作る手順」で作成した家計簿を元に進めていきます。
- B6からC11までをドラッグで選択
- 挿入タブの「グラフ」から「円またはドーナツ グラフの挿入」をクリック
- 表示された円グラフから好きなデザインのグラフを選択
切り抜く箇所によってさまざまなグラフが作成できるので、ぜひ試してみてください。
また、エクセルでグラフを作成する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。こちらもあわせてご覧ください。
エクセルの家計簿にプルダウンを挿入する方法
エクセルで家計簿をつける際は、項目をプルダウンメニューに設定しておくと毎回手入力する必要がなくなるため、作業効率が向上します。
エクセルでプルダウンメニューを挿入する際は、データの入力規則からリストを選択することで行えます。
家計簿にプルダウンを挿入する方法について確認していきましょう。
エクセルの家計簿にプルダウンを挿入する方法1.表を作成する
まずは家計簿の体裁を整えるために、表を作成します。
今回は、日付ごとにいくらの支出があったかを把握できる家計簿を作成します。
日付、項目、金額を入力する列を作成し、見出しや罫線などを設定して見た目を整えましょう。
エクセルの家計簿にプルダウンを挿入する方法2.項目を設定する
続いて、プルダウンに表示させる項目を設定していきます。
画像のように項目という表を別に作り、その中に必要な項目を入力しましょう。
また、作成した項目の表はテーブルに変換しておくことで、後から追加があった場合でも書式設定が自動で適用されるため、追加のたびに書式を変更する必要がなく便利です。
テーブルは表内のセルを一つ選択した状態で、挿入タブから「テーブル」をクリックすると適用できます。「テーブルの作成」のダイアログが開いたら「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックを入れ、OKボタンで確定しましょう。
エクセルの家計簿にプルダウンを挿入する方法3.プルダウンを設定する
C列にプルダウンを設定していきます。
- C3からC8までをドラッグで範囲選択
- データタブ内の「データツール」から「データの入力規則」をクリックして、専用のダイアログボックスを表示
- 設定タブの「入力値の種類」を「リスト」に変更
- 「元の値」という項目が追加されるので、カーソルを合わせた状態で項目のテーブルに設定した内容をドラッグで選択
※今回のケースでは、G3からG8までが範囲です。 - 範囲を選択したらOKボタンをクリックしダイアログボックスを閉じる
- C列の項目のセルを選択
するとプルダウンが選択できるようになり、支出の項目を毎回手入力する手間が省けました。
エクセルでさらに高度な家計簿を作るには
エクセルの便利な機能を盛り込んで高度な家計簿を作るなら、講座を受講してエクセルのスキルを磨くことが大切です。Excel基礎セミナー講習では、家計簿作りに大切なデータの入力やグラフ、関数の作成方法について詳しく学習できます。
他にも、条件付き書式の設定やフィルター機能についてのカリキュラムもあるので、講座を受講した後は、より高度な家計簿が作れるようになっているでしょう。
また、マクロやVBAを活用して、自動集計アプリやプロジェクト管理表の作成をしたい方は、Excelマクロ・VBAセミナーがおすすめです。
マクロやVBAの知識は専門性が高く就職や転職に有利に働くので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
エクセルで家計簿を作る方法のまとめ
今回はエクセルで家計簿を作る方法やメリットについて解説しました。
エクセルを使えば、家計簿の計算も自動で行ってくれるため、計算ミスの心配がありません。
また、毎回電卓で手入力する必要もないため、作業効率も格段と向上します。
他にも、ファイルで管理することで紛失のリスクも減らせるでしょう。
このように、エクセルで家計簿を作ることには利点が多いので、ぜひ本記事を参考に家計簿作成にチャレンジしてみてください。