Unityは、ゲームやアプリ開発にとって欠かせないゲームエンジンです。
Unityを使えば、オブジェクトにアニメーションを付与することもできます。
本記事で、Unityでアニメーションを作る方法について解説しています。ほかにも、アニメーション作成にUnityを使うメリットやデメリットについても確認していきましょう。
Unityとは
Unityは、ゲーム開発に使われるクロスプラットフォームのゲームエンジンです。
3D・2Dゲームやアプリ、AR/VRコンテンツの開発など、さまざまな分野で利用されています。
Unityで作られた代表的なゲームにはポケモンGOや原神、Among Usなどがあり、世界的にヒットしたゲームも多く排出しています。
Unityは高度なプログラミング言語の知識がなくても開発ができることから、特にゲーム開発に興味を持った初心者が初めに触るソフトとしておすすめです。
また、Unityで作られたゲームについては、以下の記事で詳しく紹介しています。どのようなゲームがUnityで作られているのかを知ることで、Unityでどういったゲーム開発ができるのかのイメージがつきやすいでしょう。
Unityでアニメーションを作るメリット
Unityでアニメーションを作ることには、以下のようなメリットがあります。
- 処理速度が速い
- アセットが豊富に揃っている
- リアルタイムレンダリング機能がある
これらのメリットについて見ていきましょう。
メリット①処理速度が速い
一般的なゲームエンジンでアニメーションを作成する際は、高スペックなパソコンを求められます。
しかし、Unityは軽量なプラットフォームとして知られており、高品質のアニメーションでも処理速度が速いので、高いスペックのパソコンでなくても開発がスムーズに行えるのが特徴です。
そのため、アニメーション作成のハードルは低いでしょう。
メリット②アセットが豊富に揃っている
Unityは、多数のアセットをユーザーに提供しています。
Unity Asset Storeには、ほかのクリエイターが作成したさまざまなアニメーションや3Dモデル、エフェクトなどのアセットが揃っており、初心者は一からモデリングを行う必要がありません。
また、アセットの中には無料で使用できるものもあるため、コストをかけずに作品の作成に取り組めるでしょう。
既存のアセットを活用することで、アニメーションの制作時間を大幅に短縮できます。
メリット③リアルタイムレンダリング機能がある
Unityには編集の効果をリアルタイムで反映できる「リアルタイムレンダリング」機能を備えているのが特徴です。
そのため、Unityではアニメーションの調整をスムーズに行えます。その結果、多くのアウトプットができたり、アニメーション作成の作業時間が短縮されたりとさまざまなメリットが生まれます。
Unityでアニメーションを作るデメリット
Unityでアニメーションを作る際は、以下のデメリットも考慮しておく必要があります。
- デフォルトでは限定的なアニメーションしか作成できない
- 高度なアニメーションにはプログラミングの知識が必要
これらのデメリットについて見ていきましょう。
デメリット①デフォルトでは限定的なアニメーションしか作成できない
デフォルトのUnityでは、アニメーション作成の機能は限定的です。
複雑で高度なアニメーションを作成するには、Unityの有料版や別途専用の編集ツールを利用する必要があります。
しかし、一般的なアニメーションであれば、問題なく動作するため、まずは簡単なアニメーションから挑戦してみましょう。
デメリット②高度なアニメーションにはプログラミングの知識が必要
Unityでは、簡単なアニメーションであればノーコードでも作成可能です。
しかし、複雑なアニメーションを設定する場合には、プログラミング言語であるC#の知識が必要です。
また、高度なゲーム作成にもプログラミング言語の知識が求められるため、アニメーションやゲーム開発を制限なく自由に行いたいなら、プログラミングの勉強も同時進行で行いましょう。
Unityでアニメーションを作成する方法
実際にUnityでアニメーションを作成します。今回は、オブジェクトにアニメーションをかける初歩的な方法について見ていきます。
Unityでアニメーションを動かすまでの手順は以下のとおりです。
- オブジェクトを作成する
- アニメーションクリップを作成する
- アニメーションを作成する
これらの手順を詳しく見ていきましょう。
ステップ①オブジェクトを作成する
まずは、アニメーションをかけるためのオブジェクトを作成する必要があります。
今回は、アニメーションしていることがわかりやすいように立方体を使いたいので、Hierarchyウィンドウ上で右クリックをして、「3D Object」から「Cube」を選択しましょう。
すると、シーン内に立方体のオブジェクトが追加されます。
ステップ②アニメーションクリップを作成する
続いて、アニメーションを作成する際の根幹となる要素であるアニメーションクリップを作成します。
まず、Projectウィンドウ内の「Assets」を右クリックして表示されるメニューの「Create」から「Animation」をクリックしましょう。
すると、Assets内にアニメーションのファイルが作成されるので、任意の名前をつけてください。今回は、「test」という名前をつけました。
作成したアニメーションクリップとオブジェクトを同期させるために、名前をつけたアニメーションクリップをHierarchyウィンドウにある「Cube」にドラッグ&ドロップしましょう。
これで、アニメーションクリップとオブジェクトの同期ができました。
同期ができれば、InspectorウィンドウにAnimatorコンポーネントが追加されるので確認してみましょう。
ステップ③アニメーションを作成する
Unityでアニメーションを作成する際は、アニメーションビューで作業を行います。アニメーションビューは、Windowメニューの「Animation」内にある「Animation」を選択することで開きます。ショートカットキーは、Ctrlキー+6キーです。
開いたら画面の境界線をドラッグすることでビューの範囲を調整できるので、作業のしやすい大きさにしておきましょう。
今回は、オブジェクトが回転するアニメーションを作成していきます。
アニメーションビューが開いたら「Add Property」をクリックして、「Transform」から「Rotation」の右にあるプラスのアイコンをクリックしましょう。
続いて、再生ボタンの右側にあるボックスに「60」と入力し、「Rotation.x」の数値を「180」に変更してください。
この指定で、オブジェクトに1秒間でx軸方向に180°回転するアニメーションを付与できます。
また、Rotationの後ろについているx、y、zは軸を表しているので、「Rotation.y」ではy軸方向に、「Rotation.z」ではz軸方向に回転をかけられます。さらに、それぞれの軸で同時に回転を指定することも可能です。
回転を指定した状態で再生ボタンをクリックし、オブジェクトが問題なく回転していたらアニメーションの完成です。
Unityはアニメーション以外にどんなことができる?
Unityはアニメーション以外にもさまざまな用途で活用されています。以下の表に、Unityができる主なことについてまとめてみました。
用途 | 説明 |
ゲーム開発 | 2D・3Dゲームの開発に対応しており、幅広いジャンルのゲームを制作できる。 クロスプラットフォーム対応で、PC、モバイル、コンソールなど幅広く開発できるのが特徴。 |
VR/ARコンテンツの作成 | VR(仮想現実)やAR(拡張現実)向けのコンテンツができる。 ゲームやシミュレーションの分野で活用される。 |
製品の設計 | Unityで開発されたVRやシュミレーターを使って製品のデザインや設計が行われる。 Unityなら低コストでシステムを導入できるのが特徴。 |
Unityは、ゲーム開発だけでなく、VRやARコンテンツの開発、製品設計など、幅広い分野で利用されています。
特にVRやARの市場は広がっており、Unityを使った技術は、今後もさまざまな分野で需要を増していくことが予想されるでしょう。
また、Unityはできることが多い反面、スキルを身につけるのも大変なソフトです。そのため、学習の際はしっかり計画を立てて進めることが大切です。
以下の記事では、Unity初心者におすすめの学習方法について紹介しています。Unityを本格的に学習しようと考えている方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
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Unityでアニメーションを作成するには、Unityの基礎的な知識をしっかり身につけておくことが大切です。
しかし、独学でUnityを一から学ぶのはハードルが高いため、Unityを学べる講座を活用しましょう。
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- 画面構成と基礎操作
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Unityのアニメーションについてのまとめ
今回は、Unityでアニメーションを作成する方法について紹介しました。
Unityは、軽量かつ高速で動作するプラットフォームのため、効率的にアニメーションを作成するのに優れています。
また、リアルタイムレンダリングにより、瞬時にアニメーションを確認できたり、豊富なアセットを活用できたりする点も魅力です。
しかし、複雑なアニメーションにはプログラミングの知識が必要で、デフォルト機能の限界を超えるためには追加ツールやスクリプトが必要な場合がある点に注意が必要です。
まずは簡単なアニメーションを作ってみて、オブジェクトがどのような仕組みで動いているのかを確かめるところから始めましょう。
