ゲームやVR開発など、さまざまな分野で活躍している「Unity」。初心者でも使いやすいことから、世界中で多くのシェアを獲得しています。
本記事では、そんなUnityの詳細について紹介します。また、Unityの初め方や基本的な使い方も解説しているので、これからゲーム開発にチャレンジしてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
Unityとは
Unityは、Unity Technologies社が提供するゲームエンジンです。個人のクリエイターによる小規模な開発から、大手スタジオによるプロの現場まで幅広く利用されており、数多くの人気タイトルがUnityを通じて生み出されています。
主な用途はゲーム制作ですが、その高い汎用性から、建築や医療、自動車といった分野でも活用が広がっています。
Unityは無料で使える?
Unityは無料プランである「Unity Personal」が提供されているため、条件に当てはまる方は無料で利用できます。Unity Personalを利用するための条件は以下のとおりです。
- 過去1年間の収益や調達した資金が20万米ドル未満
- 個人開発者および小規模企業
無料プランでもゲーム開発に必要なほぼすべての機能が提供されているため、Unityならお金をかけずにゲーム開発にチャレンジできます。
Unityの推奨スペック
Unityを使ったゲーム開発には、高めのスペックが求められます。以下はUnityを使う際のパソコンの推奨スペックです。
| 項目 | 推奨スペック |
| CPU | Core i7-11700以上 |
| GPU | GeForce RTX 2060以上 |
| RAM | 16GB以上 |
| ストレージ | SSD 500GB以上 |
上記の性能を備えたパソコンなら、ある程度快適にゲーム開発を行えるでしょう。
Unityのメリット
Unityのメリットには、以下のようなものがあります。
- 初心者でも扱いやすい
- 無料素材が豊富にある
- マルチプラットフォームに対応している
これらのメリットについて見ていきましょう。
①初心者でも扱いやすい
Unityは、専門的なプログラミングスキルがなくてもゲーム制作を始められる点が特徴です。マウスやキーボード操作で直感的にオブジェクトを配置したり動かしたりできるため、ゲーム開発が初めての方でもスムーズに取り組めます。
また、C#やJavaScript、Booといったプログラミング言語を組み合わせれば、より高度で複雑なゲーム制作にも対応できます。
②無料素材が豊富にある

Unityには、アセットストアと呼ばれる公式マーケットが用意されており、ほかのユーザーが制作した素材を誰でも利用可能です。無料で使える3Dモデルやテクスチャ、エフェクトなどが数多く提供されているため、開発者はゼロからすべてを作らなくても高品質なゲームを構築できます。
これにより、制作コストや時間を大幅に削減しながら、ゲーム開発に取り組めます。
③マルチプラットフォームに対応している
Unityで開発したゲームは、スマートフォンやパソコン、家庭用ゲーム機など、さまざまなプラットフォームで動作させることができます。
これにより、プラットフォームごとにプログラムを修正する手間がかかりません。
実際に、世界中でリリースされているスマートフォン向けゲームの半分以上がUnityで作られているといわれています。
Unityでできること
Unityでは、主に以下のようなことができます。
- 2D・3Dゲーム開発
- VR・ARコンテンツ制作
- ゲーム以外の分野での活用
これらのUnityでできることについて見ていきましょう。
①2D・3Dゲーム開発
Unityは2Dと3Dの両方に対応しており、シンプルなパズルゲームから複雑なRPGまで、多彩なジャンルのゲームを開発できます。直感的な操作でキャラクターやオブジェクトを配置できるため、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。
さらに高度なスクリプトを組み込めば、より複雑で本格的な作品の制作もできます。
また、Unityを使ったゲーム開発のスキルを身につけるなら、Unity基礎セミナーがおすすめです。さまざまなジャンルのゲームを作りながら、Unityの操作方法について学べます。
②VR・ARコンテンツ制作
UnityはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)のコンテンツ制作にも対応しています。代表的な事例としては「Pokémon GO」が挙げられ、Pokémon GOはリリース直後から世界的なヒットを記録しました。
公式が提供するVR対応テンプレートも用意されているため、専門知識が少ない初心者でも開発にチャレンジできます。
③ゲーム以外の分野での活用
Unityはゲーム業界以外でも幅広く導入されているのが特徴です。例えば、建築業界では完成前の建物をVRで再現し、事前にシミュレーションを行えます。
また、医療分野では手術のトレーニングシステムとして利用されることもあります。Unityを使えば、さまざま試作をデジタル空間で行えるため、時間やお金のコスト削減につながるでしょう。
Unityの始め方
Unityは、以下の手順で始められます。
- Unity IDを作成する
- Unity Hubをインストールする
- Unityエディタをインストールする
これらの始め方の手順を詳しく見ていきましょう。
①Unity IDを作成する
Unityを使用するには、Unity IDの作成が必要です。まずは、Unityの公式サイトから「UnityIDを作成」をクリックしましょう。

AppleやGoogle、Facebookなどのアカウントを使用するか、メールアドレスを使った登録ができますが、既存アカウントでのログインが簡単です。
ほかサービスの既存アカウントを使用する場合は、使用したいサービスのアイコンをクリックして、登録済みメールアドレスとパスワードを入力しましょう。ログインができれば、Unity IDが作成されます。
②Unity Hubをインストールする
続いて、Unityのバージョンを管理するUnity Hubをインストールします。Unity公式サイトのダウンロードページから「Windows(Mac)用ダウンロード」のボタンをクリックしてください。

エクスプローラーやFinderからインストーラーを開き、指示に従ってインストールを進めます。「インストール」ボタンをクリックしたらインストールが開始されます。

③Unityエディタをインストールする
インストールされたUnity Hubを起動したら、「Sign in」ボタンをクリックし、先ほど取得したUnity IDでサインインします。
Unity Editorのインストール画面が開くので、保存先のフォルダーを選択して「Install Unity Editor」をクリックしましょう。

数分から数十分ほど放置したらUnityエディタがインストールされ、Unityを使用できるようになります。
また、Unityはデフォルトで英語設定になっていますが、以下の記事では日本語設定に変える方法について解説しています。利便性を上げるためにもぜひチェックしておきましょう。
Unityの使い方
Unityの使い方として、以下の操作方法について見ていきましょう。
- ゲームオブジェクトを作る
- ゲームオブジェクトを動かす
①ゲームオブジェクトを作る
Unityで開発を始める際にまず行うのがゲームオブジェクトの作成です。Unityのエディタ画面から「GameObject」メニューを選択すれば、3Dオブジェクトやライト、カメラなどをシーンに追加できます。
3Dオブジェクトを追加する方法として、立方体を追加する手順について見ていきましょう。
- 「GameObject」メニューをクリックする
- 「3D Object」をクリックする

- 「Cube」をクリックする

作成したオブジェクトを組み合わせて配置しながら、ゲームの世界を作っていきます。
②ゲームオブジェクトを動かす
作成したオブジェクトには、移動や回転、拡大・縮小などが行えます。C#スクリプトを使って自由に挙動を制御することもできますが、ツールを使えばプログラムを書かなくても感覚的に編集が可能です。
ゲームオブジェクトを動かす例として、立方体に回転を加えてみましょう。
- 立方体をクリックで選択する
- シーンビュー左のツールから回転ツールを選択する

- 回転させたい軸をドラッグする
また、詳細な編集を行いたい場合は、Inspectorから数値での設定を行いましょう。
Unityの学習方法
Unityの学習方法としては、以下のようなものがあります。
- Unity Learnを活用する
- 書籍で学ぶ
- セミナーで学ぶ
これらの学習方法について詳しく見ていきましょう。
①Unity Learnを活用する

引用:Unity Learn
Unity Learnは、Unityが提供する無料の学習プラットフォームです。さまざまなゲームの作り方がチュートリアルとして紹介されています。
Unityをインストールしたはいいが、なにから始めたらよいのかわからないという方は、まずUnity Learnから初めてみるのがおすすめです。
②書籍で学ぶ
Unityを体系的に学びたい方は、書籍を利用した学習も効果的です。書籍なら基礎から応用まで順序立てて解説されているため、初心者でも理解しやすく、独学で進めたい方に向いています。
入門書では、Unityのインストール方法や基本操作、簡単なゲームの作り方などが紹介されており、初めて触れる方でもスムーズに学習を始められるでしょう。
一方、中級者向けの書籍になると、C#スクリプトを使った高度なゲーム開発や、VR・ARコンテンツ制作など応用的なテーマも扱われています。
また、書籍は一度購入すれば何度でも参照できるのも大きなメリットです。
Unityが学べるおすすめの本については、以下の記事で紹介しています。選び方も解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
③セミナーで学ぶ

セミナーなら、短期間かつ低コストでゲーム開発の技術を習得できます。特定のテーマに特化したセミナーも多く、初心者向けから実務者向けまで幅広く開催されています。
特に、Unity基礎セミナーでは、Unityの使い方から、実際のゲーム開発までを網羅的に学習可能です。複数のコースから自分に合った形態で受講できるのも魅力なので、気になる方はぜひ詳細をチェックしてみてください。
セミナー名 Unity基礎セミナー 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 41,800円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング
Unityについてのまとめ
今回は、無料のゲームエンジンであるUnityについて紹介しました。Unityは2D・3Dゲームの開発はもちろん、VRやARコンテンツ、さらには建築や医療などゲーム以外の分野でも利用されており、その汎用性の高さが大きな特徴です。
また、アセットストアを活用することで高品質な素材を手軽に利用でき、複雑なプログラミング知識がなくても直感的に開発を進められます。
Unity初心者は、まず基本操作や簡単なゲーム制作から始め、少しずつ応用的な技術へ挑戦していくのがおすすめです。