アニメーション、映画、ゲームなど幅広い分野で活用されているハイスペックな3DCGソフト・Blender。本来はパソコン専用のソフトですが、近年iPadで利用する方法が注目され、場所を選ばずに自由に創作活動を楽しむ方が増えてきました。
しかし、iPadにBlenderを直接インストールすることはできません。
そのため「iPadでBlenderは本当に使えるの?」という疑問を抱いている方もいるでしょう。
そこで本記事では、iPadでBlenderを動かす方法を詳しく解説します。
スキマ時間を使って3DCG制作をしたい方もぜひ参考にしてください。
Blenderとは
Blenderは、建築やインテリアデザイン、映画やテレビの特殊効果など、幅広い分野で活躍する3DCGソフトウェアです。ソースコードを一般公開しているオープンソースなので、
- レンダリング
- モデリング
- 彫刻
- アニメーション
- リギング
- シミュレーション
- ビデオ編集
など、3DCG制作に必要な機能をすべて無料で利用できます。Blenderはシンプルで分かりやすいインターフェースを採用し、初心者でも使いやすいよう配慮されています。
さらに、充実したチュートリアルや活発なユーザーコミュニティが存在し、疑問点や不明点をスムーズに解決できる点も特徴です。
Blenderは1998年に誕生して以来、活発な開発コミュニティによって進化し続けてきました。
新機能の追加やパフォーマンスの向上に加え、ユーザーからのフィードバックも積極的に取り入れ、使いやすさも追求されています。
ハイエンドな3DCGソフトウェアですが、AR/VRコンテンツ制作には特化しておらず、製作者による技術的なサポートも受けられません。
以下の記事には、Blenderでできること・できないことについて詳しく記載しています。
Blenderについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
BlenderはiPadで使用できる?
アニメーション制作はもちろん、建築デザインや映画など、Blender活用の広がりは目を見張るものがあります。その圧倒的な機能とオープンソースという魅力に惹かれ、iPadで利用したいと考えるユーザーも年々増えてきました。
しかし、正規の方法でiPadにBlenderをインストールすることはできません。
Blenderの対応OSはWindows、MacOS、Linuxのみで、iOSやAndroidへの対応は未定です。
モバイルデバイスでの3DCG制作は発展途上で、オープンソースという特性を生かし、有志による開発も期待されています。日々進化する技術革新の波に乗り、将来的にはiPadでBlenderがインストールできる環境が整う可能性もあるでしょう。
このように、現時点で公式・非公式問わずタブレット版のBlenderは存在しませんが、別の手法を使えばiPadからBlenderを利用できます。
手軽にiPadで本格的な3DCG制作をしたい方は、ぜひ以下の「BlenderでiPadを動かす方法とは」をご覧ください。
BlenderをiPadで動かす方法とは
BlenderをiPadで動かす方法は「遠隔操作」です。
遠隔操作をするためには、iPadなどのモバイルデバイスから会社のパソコンにアクセスできるリモートデスクトップサービスを使います。
BlenderをiPadで遠隔操作する手順
リモートデスクトップサービスは、SplashtopやAnyDeskなど、さまざまなツールがあります。
ここでは、Splashtopを使った遠隔操作の手順を解説します。
- iPadとパソコンにそれぞれSplashtopアプリをインストール
- 無料版または有料版を選択
- パソコン側のアプリを起動してアカウント登録
- iPad側のアプリで同じアカウントにログイン
これでiPadでBlenderを操作できるようになりました。iPadの解像度に合わせてSplashtopの解像度を変更すれば、さらに操作がスムーズになります。
iPad画面下部のボタンを操作すれば、マウス同様に左右クリックやスクロール操作が可能です。
Splashtopの使用料金
リモートデスクトップサービスはツールごとに機能や料金が異なるため、用途や目的、予算を考慮して選びましょう。
Splashtopの無料版は30日間限定で、有料版の料金は以下のようになります。
プラン名 | 料金 | 対象ユーザー |
Business |
|
個人事業主、小規模チーム |
Business Pro |
|
チームワーク、プロジェクト |
Enterprise Cloud |
|
大企業、組織 |
IT技術者ライセンス |
|
IT部門管理者 |
手軽に操作できるツールを使ってBlenderに触れると、自然とBlenderの基本操作が身につきます。Blenderの基本操作を詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
iPadでBlenderを活用するメリット
モバイル環境でCG制作できるのは、クリエイターにとって非常に魅力的です。
それでは、iPadでBlenderを活用するメリットを3点お伝えします。
メリット①持ち運びやすい
iPadでBlenderを活用するメリットは、持ち運びやすいことです。
軽量でスマートなボディはノートパソコンよりも場所を取らず、ちょっとしたバッグの隙間でも収納できます。
美術館のカフェ、公園のベンチ、旅先のホテルなど五感を刺激する場所に持参できれば、想像を超えるアイデアが生まれる可能性もあるでしょう。
オフライン環境に対応できるので、外出先でも創作意欲を保ったまま作業を継続できます。
電車やバスでの移動時間を有効活用したい方にもおすすめです。
メリット②操作が簡単
iPadでBlenderを使うメリットは、簡単で使いやすい操作性にあります。
パソコンのようにショートカットキーを覚える必要がなく、画面タッチだけで手軽に操作できます。
遠隔ツールを使えば、iPad画面下部に仮想マウスが表示され、オブジェクトの移動、回転、スケーリングなど、複雑な操作もスムーズに行えます。
さらに、Apple Pencilを使えば、細かい3Dモデリングや手描きアニメーションも思いのままです。このように、iPadを利用することで、クリエイティブな作業がより楽しく効率的になります。
メリット③アプリと連携できる
iPadでBlenderを使うメリットは、他のiPadアプリとのシームレスに連携できることです。
クリップボード機能を使うと、参考画像や素材データを他のアプリから簡単にコピー&ペーストできます。AirDropでMac/iPadとファイルを共有すれば、チームメンバーとリアルタイムで作業を進められます。
分割画面機能を使えば、Blenderとメモアプリやブラウザを同時に表示し、情報収集しながら作業することも可能です。
作業の効率化やマルチタスク環境の強化を目指す方におすすめのツールといえるでしょう。
Blenderの操作方法を覚えるには
Blenderの可能性を最大限に引き出すには、基本を押さえたうえで応用的な操作方法を理解することが重要です。
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遠隔操作を活用してBlenderをiPadで使用してみよう
iPadでBlenderを使うには、Splashtopなどの遠隔操作ツールを活用する必要があります。
「別のツールを併用するのは面倒」と感じるかもしれませんが、導入手順はとても簡単です。
Blenderの本格的な機能を気軽にiPadで楽しみたい方は、本記事を参考にしてiPadでBlenderを使う方法をマスターしてみませんか?