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無料で使える2D・3DCADソフトはある?ソフトの選び方やメリット・デメリットを紹介

2D/3DCADを始めてみたいけど、有料ソフトは高くて手が出せない。そんなお悩みをお持ちの方におすすめなのが、無料CADソフトです。

今回の記事では無料でありながら優れた機能を持つ無料CADソフトを複数紹介いたしますので、是非参考にしてください。

CADの無料ソフトのメリット・デメリット

CADの無料ソフトのメリット・デメリット

CADソフトは大きく、無料のものと有料のものに分けられます。無料にも関わらず高機能なソフトも多く、実際の業務に導入されるケースことも珍しくありません。一方、無料ソフトならではの注意点もあります。
ここでは無料ソフトのメリットとデメリットについて解説していきます。

無料で導入できるのはやはり大きい

無料CADソフトの最大のメリットは、やはり無料であることです。CADソフトの中には毎年数万円~数十万円のライセンス料が永続的にかかるものもありますが、無料CADソフトなら費用の心配はありません。
仮に合わなくてもサービスの利用を停止すればよいだけであり、ローリスクで始められます。

テキスト・書籍が意外と充実している

無料ソフトはマニュアルが貧弱で操作に詰まりやすい、というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、最近は無料CADソフトの操作方法を指南する書籍も増えてきています。例えば無料ソフトの代表格であるJw_cadでGoogle検索すると

  • Jw_cadで学ぶ建築製図の基本: Jw_cad8対応版
  • できるゼロからはじめるJw_cad 8超入門
  • 今すぐ使えるかんたん Jw_cad 完全ガイドブック困った解決&便利技
  • できるJw_cad

などの書籍が見つかるはずです。はじめて無料CADソフトを導入する際には、こうした書籍も合わせて活用すると良いでしょう。

実務に耐えうる高性能な無料ソフトも多い

前述の通り、無料でも高性能なCADソフトは多数存在します。例えば、Jw_cadは建築の実務でもよく使われています。実務にも耐えうるほど機能が充実しているということです。

ただ、高性能であるということが必ずしも使いやすさにつながるわけではありません。むしろできることが多すぎて正解がわからなくなることもあるでしょう。初心者のうちはあまり機能が多すぎないものを選んだほうがよいでしょう。

サポートは期待できない

無料CADソフトは通常、開発者からのサポートは全く、あるいはほとんど無い場合が大半です。不明点やトラブルがあっても、基本的には自力で解決するしかありません。
書籍があるとはいえすべてのトラブルへの対応策が網羅されているわけではないので、本当に初心者で何もわからないという場合は有料のものを選んだほうがいいかもしれません。

作成物が公開されるなどの制限があることも

無料CADソフトの中には、無料の対価として作成物が公開されるものがあります。導入の前にはよく規約を確認しておきましょう。

3DCADについてさらに詳しくなりたい方はこちらが参考になります。

3DCADはどんなCAD?できることや種類、学習方法を解説

無料CADソフトの選び方

無料CADソフトの選び方

無料CADソフトと一口に言ってもその種類は多種多様です。数が多すぎて、どれをインストールすればいいのかわからないという方も多いでしょう。ここでは具体的な無料CADソフトの選び方を解説いたします。

2D・3Dどちらを選ぶ?

CADソフトは大きく2Dと3Dに分けられます。2DCADは主に平面図や断面図など、建物や商品をある一部分・一方向から見た図面を作成するためのものです。一方、3DCADは仮想空間上に建物や商品を製図するものです。自身の設計・制作したいものに応じて選びましょう。

日本語マニュアルがあるソフトがおすすめ

CADソフトの中には海外企業産のものもあります。その場合、日本語マニュアルはあったりなかったりとまちまちです。
基本的には、日本語マニュアルがあるものを選んだほうがいいでしょう。有志が日本語化パッチを作成しているものもありますが、その場合でも問い合わせの際には英語が必要になることもあるので注意が必要です。

利用環境もしっかり確認する

CADソフトによって操作環境は異なります。Windowsだけでしか動作しないものも多いので注意が必要です。特に3DCADの場合はある程度パソコンのスペックが求められます。事前に

  • CPU
  • メモリ
  • ディスプレイ解像度
  • 空き容量

などは確認しておいたほうがいいでしょう。

おすすめの無料CADソフト4選

おすすめの無料CADソフト4選

ここからは、無料で使えるおすすめのCADソフトを全部で4つ紹介したいと思います。

Jw_cad

Jw_cadは、Windowsで動作する無料2DCADです。平成3年に開発された歴史あるソフトで、2人の日本人技術者によって開発されたため日本語マニュアルがあるのが大きな特徴です。
特に建築に特化した作りになっており、日影図や天空図なども作れます。商用利用も可能なため、ユーザー数も非常に多いです。

サポートなどはないためトラブルは自分で解決する必要がありますが、前述の通り書籍が多く発売されているほか、公式掲示板での意見交換も可能です。操作方法が独特なため、他のソフトから移行する際には少し時間がかかるかもしれません。

Jw_cadについて詳しく学びたい方はこちらのセミナーが参考になります。

Root Pro CAD Free

Root Pro CAD Freeは、株式会社ルートプロが提供する無料2DCADです。無料版のRoot Pro CAD Freeと有料版のRoot Pro CAD Free Professionalがありますが、今回は前者について解説します。無料版ではありますが機能は十分充実しており、他のCADソフト(AuctoCAD、Jw_CADなど)で制作したファイルの読み込みも可能です。

公式ホームページに無料で見られる基本操作チュートリアルがあるため、初めてのCADにも合っています。

FreeCAD

FreeCADは、Window、Mac、さらにはLinuxにも対応している無料3DCADソフトです。オープンソースソフトウェアであり、世界中のプログラマーの手によって継続的にアップデートされてきました。

主に製品設計、機械工学向けではありますが、建築などにも使えます。有限要素解析 (FEA) ツールや実験用CFDなどの機能も備わっており、無料でありながら非常に高性能です。海外製品ではありますが、大部分は日本語化に対応しています。

Tinkercad

Tinkercadは、ウェブブラウザ上で使える無料3DCADです。ソフトウェアをパソコンにインストールする手間がかからないため、気軽に始められます。積み木を組み合わせる感覚でデザインができるため、初めての3DCADソフトとしてぴったりです。

無料お試し期間のある有料CADソフト

無料お試し期間のある有料CADソフト

CADの中には、一定期間無料で使えて、その後有料になるタイプのものもあります。期間中にサービスの利用をオフにすれば料金がかからないので、気軽に試せるのが大きな特徴です。
気に入った場合は、課金すればその後も使えます。ここでは無料お試し期間のある有料CADソフトを全部で3つ紹介します。

AutoCAD

AutoCADは、建築業界を始め様々な分野で使用されている汎用性の高い2D/3DCADです。拡張性が非常に高く、このソフトを作っているオートデスク社の他製品やアドオンソフトなどとの連携も可能です。

無料お試し期間は30日で、その後は有料となります。ライセンスは3年、1年、1ヶ月があり、最も人気の1年は7万1500円となっています。

AutoCADについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

AutoCADの初心者向け使い方!基本操作のコツも徹底解説

Vectorworks

Vectorworksは、建築やデザイン向けの2D/3DCADソフトです。AutoCADと並ぶ知名度の高いCADソフトで、豊富なBIMツールが揃っています。BIMとは、立体モデル上に実際の建築物を再現することによって、業務を効率化する仕組みです。

無料お試し期間は30日で、その後は有料となります。買い切り版(永続ライセンス)、サブスクリプション版(1年更新)、ネットワーク版などがあり、買い切り版は39万3800円~67万6500円です。

Archicad

Archicadは、建築業界に特化した3DCADです。ハンガリーの企業が開発しており、現在は日本語を含む27言語に対応しています。多くの解析ツールが組み込まれており、他ツールとの連携も可能で、生産性を大幅に向上させることが可能です。

無料お試し期間は30日で、その後は有料となります。ライセンスは1ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月があり、最も人気の1年は38万円です。

Fusion 360

Fusion 360は、オートデスク社の提供する3DCADです。データを全てクラウド上で管理するのが特徴で、データの共有がしやすく、複数人での作業に向いています。

無料お試し期間は30日で、その後は有料となります。ライセンスは1ヶ月、1年、3年があり、1年の場合料金は9万6800円です。

より詳しくFusion 360を学びたい方はこちらも参考にしてください。

OnShape CAD

OnShape CADは、オンライン上で操作できる3DCADです。Fusion 360と異なり、ソフトウェアのインストールすら必要ありません。操作性も良好で、タブレット端末などからのアクセスも可能です。

無料お試し期間は2週間で、その後は有料となります。Professionalバージョンは年間2500ドル、Standardは年間1500ドルです。

さらにOnshapeについて学びたい方はこちらもどうぞ。

無料CADソフトまとめ

無料CADソフトまとめ

無料CADソフトは2D/3D問わず数多く存在しており、それぞれ得意なことややれることが違っています。CADソフトを選ぶ際は自分の目的にあったものを確認してダウンロードしましょう。

 

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