エクセルは、Microsoft社が提供している高機能な表計算ソフトです。
そんなエクセルで、印刷範囲を作成する時に出る点線は、印刷領域を明確に示すために便利な機能の一つです。
点線を調節することで、印刷されるデータの範囲を確認し、必要な情報のみに絞って印刷できます。
本記事で、エクセルの印刷範囲作成時に出る点線の使い方や追加方法を確認していきましょう。
エクセルの印刷範囲設定時に出る点線とは?
エクセルの印刷範囲設定時に出る点線は、ページの区切り箇所をビジュアル的に表している境界線です。点線で示される領域が、実際に1ページに印刷される範囲となります。
点線が表示される領域を調節することで、必要な部分だけを印刷して、意図しない部分が同じページに含まれないように設定可能です。
ほかにも、表の範囲をすべて含むように印刷することもできます。
エクセルの印刷範囲の点線と実線の違いは?
エクセルの印刷範囲を設定する際に、点線と実線が表示されます。点線は自動的に挿入された改ページの範囲を表現しており、実線は全体の印刷範囲を表現しています。
また、ユーザーが手動で設定した改ページの範囲の場合も、実線で表現されるのが特徴です。
そのため、点線でも実線でも、1ページもしくは全体の印刷範囲を表していることに変わりありません。
エクセルの印刷範囲の点線を表示する方法
画像のガントチャートに印刷範囲の点線を表示して、改ページの位置を設定しましょう。
印刷範囲の点線は、表示タブ内の「ブックの表示」から「改ページプレビュー」をクリックすることで表示できます。
初期状態ではガントチャートの途中で区切りが入っており、3枚の紙に分かれる設定になっているので、項目のすべてが1つのページに収まるように調節を行います。
G列とH列の間に挿入されている青い点線にマウスを合わせると十字のポインターが左右の矢印に切り替わるので、ドラッグでR列の右側まで移動させましょう。
すると、点線が実線に変化して改ページの位置が変更になり、AからR列までを1ページに収めることができました。
また、改ページのプレビュー画面は作業スペースの右下にあるアイコンからも切り替えが可能です。一番右に設置されているアイコンをクリックすることで、リボンを辿らず簡単にプレビュー画面にアクセスできます。
エクセルの印刷範囲の灰色の点線をリセットする
エクセルで一度改ページプレビューを表示したら、標準のレイアウトに戻しても作業スペース内に灰色の点線が表示されてしまいます。そんなときにリセットする方法を紹介していきます。
改ページプレビューから操作
残ってしまった作業スペース内のグレーの点線は、改ページプレビューから青い点線を印刷領域の一番端までドラッグすることで非表示にできます。
しかし、この方法だと印刷時に作業スペースが一枚に収まってしまうため、複数枚に分ける場合は後から再編集が必要な点に注意が必要です。
エクセルを一度閉じる
もう一つの方法は、一度エクセル自体を閉じることです。エクセルを再度立ち上げるとグレーの点線もリセットされます。
作業中に点線が邪魔だと感じる場合は、ぜひ上記の方法を試してみてください。
エクセルの改ページを削除や追加する方法
設定した改ページを削除や追加したい場合もあるかと思います。ここでは、設定した改ページを削除や追加する方法を解説していきます。
改ページを消す方法
設定した改ページを削除したい場合は、改ページプレビュー画面で削除したい行や列番号、もしくはセルの上を右クリックして「改ページの削除」を選択することで行えます。
列の場合は対象の線よりも右のセルを、行の場合は対象の線よりも下のセルを選択しましょう。
すべての改ページを一度に削除したい場合は、同じメニューから「すべての改ページを削除」を選択してください。
また、改ページの削除はページレイアウトタブ内の「ページ設定」にある「改ページ」からも行えます。
改ページを追加する方法
改ページプレビュー画面を表示した状態で、追加したい行や列番号の上で右クリックし、「改ページの挿入」を選択することで、好きな箇所に改ページの追加ができます。
削除の際と同じで、列の場合は対象の線よりも右のセルを、行の場合は対象の線よりも下のセルを選択しましょう。
また、エクセルで使えると便利な機能の一つに条件付き書式があります。条件付き書式を使えば、条件によって自動的に背景色や文字色を変えるといった流動的なシステムの構築が可能です。
以下の記事で条件付き書式を解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。
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エクセルの印刷範囲の点線が反応しない理由
印刷範囲の点線が反応せず、意図した箇所に設置できないケースでは、以下の理由が考えられます。
- シートが複数選択されている
- 設定が解除されている
それぞれの理由が当てはまっていないか確認していきましょう。
反応しない理由①シートが複数選択されている
印刷範囲の点線を動かそうとしても叶わない場合は、シートが複数選択されている可能性があります。シートは作業スペースの下に表示されているシート名をクリックすることで切り替えができますが、WindowsならCtrlキーを、MacならCommandキーを押した状態で開いているシートとは別のシートをクリックすると複数選択になります。
そのため、点線が自由に動かせない場合は、シートが複数選択になっていないかチェックしましょう。シートが選択されていると、シート名の背景色が白くなり、緑の下線が引かれます。
複数選択されている場合は、開いていないほうのシートをクリックして選択を解除しましょう。
反応しない理由②設定が解除されている
エクセルの設定によって、点線の操作ができない場合があります。
そのような際は、ファイルタブの「その他」から「オプション」を選択して、詳細設定の項目の「フィル ハンドルおよびドラッグ アンド ドロップを使用する」のボックスにチェックが入っているか確認しましょう。
入っていなければチェックを入れてOKボタンで変更してください。
また、エクセルで作成したテーブルやグラフの印刷時に残したコメントも一緒に印刷したい際は、以下の記事が参考になります。ぜひ、こちらもあわせてご覧ください。
エクセルの印刷で使える便利機能
エクセルで印刷する際に覚えておきたい便利機能は以下の3つです。
- 内容を中心に配置して印刷
- すべてのページに見出しを適用して印刷
- サイズを指定して印刷
それぞれの機能について確認していきましょう。
便利機能1.内容を中心に配置して印刷
印刷時に左右や上下に余分なスペースがあると、仕上がりの見栄えが悪くなります。デフォルトでは左上に揃うように印刷されるため、内容を中心に配置したいケースでは設定を変更する必要があります。
内容を中心に配置して印刷する手順は以下のとおりです。
- ページレイアウトタブ内の「ページ設定」の右下にある矢印の小さなアイコンをクリックする
- 専用のダイアログボックスが開いたら、余白タブに切り替える
- ページ中央の項目から「水平」と「垂直」のボックスにチェックを入れる
また、上下左右にそれぞれ任意の数値を指定することで余白の細かな調節ができるので、レイアウトに納得いかない場合は試してみましょう。
便利機能2.すべてのページに見出しを適用して印刷
すべてのページに見出しを適用して印刷する手順は以下のとおりです。
- ページレイアウトタブの「印刷タイトル」をクリックする
- 専用のダイアログボックスが開いたら、シートタブの「タイトル行(列)」にほかのページにも適用したい見出しを指定する
- OKボタンで確定する
大規模な表を印刷する際にネックとなるのが、内容のわかりづらさです。デフォルトの設定では、2ページ以降は見出しが省かれてしまうため、何に対してのデータなのかが一目でわかりません。
そのため、複数ページに跨る表を印刷する際は、上記の手順ですべてのページに見出しを適用させましょう。
便利機能3.サイズを指定して印刷
印刷サイズが事前に決まっている場合に便利な機能です。ページレイアウトタブ内の「サイズ」から好みのサイズを自由に指定できます。
サイズを変更しても作業スペースに変化は現れませんが、印刷の設定画面では反映されているので、印刷のプレビュー画面から確認してみましょう。
また、指定できる項目とサイズは以下のとおりです。
項目 | サイズ |
Letter | 21.59cm × 27.94cm |
Tabloid | 27.94cm × 43.18cm |
Legal | 21.59cm × 35.56cm |
Statement | 13.97cm × 21.59cm |
Executive | 18.41cm × 26.67cm |
A3 | 29.7cm × 42cm |
A4 | 21cm × 29.7cm |
A5 | 14.8cm × 21cm |
B4(JIS) | 25.7cm × 36.4cm |
A4(JIS) | 18.2cm × 25.7cm |
用途に合わせて活用しましょう。
エクセルの印刷範囲の点線のまとめ
今回は、エクセルで印刷範囲を設定する際に表示される点線について紹介しました。印刷範囲の設定時に表示される点線は、エクセルが自動で挿入した改ページの範囲を示しています。
そのため、点線の位置を編集することで、切り替えの位置を自由に設定可能です。エクセルで文書などを印刷する際に知っておきたい知識なので、ぜひ押さえておきましょう。
また、就職や転職に有利になる資格が欲しい方は、MOS対策短期集中講座がおすすめです。MOS対策短期集中講座を受講することで、Microsoft社が提供しているMicrosoft Office Specialist(マイクロソフト オフィススペシャリスト)という資格試験の合格レベルまでエクセルのスキルを高められます。
Microsoftのスキルは働くうえで欠かせないスキルの一つなので、時間に余裕のある方は、ぜひMOS対策短期集中講座をチェックしてみてください。