E資格の取得を目指している人の中には、どのように学習を進めればよいか悩んでいる人もいるかもしれません。
今回は、そういう人に向けてE資格取得に必要になる勉強時間や、勉強方法について詳しく解説していきます。
E資格とは
まずE資格とは、AIエンジニアとしての優秀な知識を持っていると証明するための資格です。
面接時にも所有資格として書くことができて、就職や転職・ビジネスとしても利用できます。
ただし、似たような資格のG検定よりも難易度が高く、合格するハードルも少々高めです。
E資格の問題数は105問前後あり、全て選択形式で会場のパソコンを使って答える形式となっています。E資格を受ける際には、JDLA公認の講座を受ける必要があるので注意しましょう。
E資格の合格率
2023~2024年のE資格の合格率は以下となっています。
E資格2023#1 | 72.57% |
E資格2023#2 | 68.45% |
E資格2024#1 | 72.61% |
初開催の2018年から合格率は上がってきていはいますが、ここ数年では70%前後を推移しています。しっかりと勉強時間を確保することが大事であり、ある程度勉強していれば合格できるといったような資格ではないことが分かります。
E資格とG検定の違い
E資格とG検定との違いは、G検定はジェネラリスト検定とも呼ばれておりAIの基本的な知識をはかる検定となっています。
E資格よりも比較的難易度が中ぐらいのAI問題が出るので、AI知識を広く浅く網羅するような資格が欲しい方はG検定を選ぶと良いでしょう。
E資格合格のための勉強時間は?
E資格を取得するために、どれくらい勉強時間が必要になるかは個人差がありますが、平均で100時間~200時間程度です。
2021年2月に開催されたE資格試験の受験者を対象に、Study-AI 社が勉強時間についてアンケートをとったところ、100時間~200時間という回答が最も多く、次いで200時間~300時間という結果になりました。E資格を目指す人のほとんどが、100時間~300時間程度は勉強しているということなので、このくらいの勉強時間は必要になると考えてよいでしょう。
E資格の合格率は、毎年70%前後を推移しています。
10人に7人程度は合格しているということなので、決して難易度は高くありませんが、簡単な資格とは言えません。
200時間の勉強が必要だとすると、1日2時間勉強しても3ヶ月程度はかかる計算になります。
学習時間を逆算して、なるべく早く試験対策の準備を進めたほうがよいでしょう。
E資格で勉強時間を割くべき内容
E資格の試験の範囲は広いですが、主に以下の5つの分野から出題されます。
- 数学的基礎
- 機械学習
- 深層学習の基礎
- 深層学習の応用
- 開発・運用環境
一つずつ詳しく解説いたします。
E資格の試験分野①数学的基礎
数学的基礎は、確率や統計、線形代数や情報理論に関する分野です。
マルチヌーイの分布やベルヌーイの分布といった一般的な確率分布、ベイズ則などについてしっかり学んでおきましょう。
線形代数は特異値分解の内容が、E資格の出題範囲になっています。
Pythonのsvd関数を使って、特異値分解を実装するための知識やスキルを身につけておくことが大切です。
情報理論は「情報とは何なのか」を定義したもので、E資格ではエントロピーといわれる内容が出題されます。
E資格の試験分野②機械学習
機械学習に関しては、学習アルゴリズムや過剰適合・過少適合、確率的勾配降下法などが出題範囲です。
教師あり学習や教師なし学習のアルゴリズムなど、機械学習の基礎をしっかり学んでおかなければなりません。
E資格の試験分野③深層学習の基礎
深層学習の基礎は、順伝播型ネットワークや深層モデルのための正則化・最適化、畳み込みネットワークなどから出題されます。
順伝播型ネットワークは深層学習において重要なもので、線形問題と非線形問題、アーキテクチャの設計、コスト関数などについての知識が問われます。
E資格の試験分野④深層学習の応用
深層学習の応用は、画像認識や物体検出、セマンティックセグメンテーションなどから出題されます。
E資格の試験分野⑤開発・運用環境
開発・運用環境は、エッジコンピューティングや分散処理、アクセラレータ、環境構築などが含まれます。
Numpyやpandas、matplotlibなど様々なライブラリについてしっかり勉強しておきましょう。
軽量化の技術に関しては、モデル並列化やデータ並列化などの知識も必要です。
E資格を受験するメリット
それではE資格を受験する具体的なメリットについて解説していきます。
E資格を会得するメリットは、
- ディープラーニングやAI実装の知識を証明できる
- 転職や就職に便利
- 起業した際にE資格所持者としてアピールすることができる
- AI系の企業で昇給しやすい
などがあります。既にAI系の企業で働いている場合は、E資格を所持すると昇給が期待できたり役職が上がったりするのかどうか事前に聞いておくと良いでしょう。
また、以下の記事にてE資格所有者の年収事情について職業別に紹介しております。
参考にしてください。
E資格を目指す人におすすめの勉強方法
次に、E資格受験におすすめの勉強方法をご紹介します。
JDLA認定E資格講座を受講する方法
E資格の取得を目指している人には、JDLA認定のE資格講座をおすすめします。
E資格の試験対策ができる講座は数多くありますが、受講する一番のメリットは試験の勉強をしながら試験の条件も満たせるということです。
講座の中には、JDLAに認定されているものが多くあります。
そういった講座であれば、カリキュラムをこなすことで「JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること」という試験の条件を、満たすことができます。
また、E資格に詳しいプロが最短で合格を目指せるカリキュラムを組んでくれているので、効率的に学習を進められます。
最もおすすめ!E資格対策ディープラーニング短期集中講座
色々な講座があってどれを選べばよいか分からないという人に最もおすすめなのが、AI研究所が提供しているE資格対策ディープラーニング短期集中講座です。最短でE資格の合格を目指せます。
受講形式 |
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受講費用(税込) |
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備考 |
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本講座は、会場受講、ライブウェビナー、eラーニングの3つの受講形式が用意されていています。
会場受講は講師と対面で指導が受けられる形式です。
東京など主要都市を中心に、定期的にセミナーが開催されているので、対面でしっかり学びたいという人は参加してみるとよいでしょう。
オンラインで学習できる、ライブウェビナーとeラーニングもあるので、会場が近くにない人も安心です。ライブウェビナーなら、オンライン上で講師に質問をしながら学習できるので、自宅でも問題なく本格的な指導を受けられます。
会場受講とライブウェビナーは、基本的に4日間でE資格合格レベルに到達できるカリキュラムになっていますが、eラーニングは自分のペースで学習できるカリキュラムが組まれています。
申し込みをした後、1年間はいつでも会場受講と同等内容の動画を視聴できるので、じっくり学習を進めたい人におすすめです。
一人で勉強を進めることに不安を感じている人は、講座を上手く活用しましょう。
参考書を使って勉強する方法
E資格を目指す時の勉強方法として、参考書などを用いて自分で勉強する方法があります。
ディープラーニングのことを分かりやすく解説した参考書や、機械学習のことを取り扱った参考書など、様々な書籍が販売されているので、それを利用して学習することができます。
独学で勉強する時は、まずE資格の試験に合格するために何を学んでおけばよいのかはっきりさせることが大切です。試験の出題傾向を理解し、必要なことを効率的に学ぶことが合格率を高めることにも繋がります。
E資格を独学で勉強する時の注意点
独学で勉強するときに注意しなければならないのが、試験の条件についてです。
E資格の試験は誰でも受けられるわけではなく、条件が決まっています。
一番問題になるのが、「JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること」という条件です。
独学でどんなに知識を身につけても、JDLA認定プログラムを修了していなければ、試験を受けることができません。
独学のみでE資格を得ることは不可能なので、JDLA認定プログラムを受けながら、より理解を深めるために独学で勉強するという形になります。
ネット上の練習問題や模擬試験を利用する方法
E資格の過去問題は公式で公開されていませんが、ネット上にはE資格の練習問題や過去問例、模擬試験が出されています。それを活用して、試験勉強するのもよいでしょう。
ただし、あくまで非公式の練習用問題となるので、過信しすぎるのは禁物です。
自分がどの程度まで理解できているか確認したり、模擬試験で試験の感覚をつかんだりするのに利用するとよいでしょう。
E資格に合格するなら勉強時間の確保が大切
E資格の試験に合格するために重要になるのが事前準備です。
試験に向けてしっかり計画を立て、効率的に学習を進めなければなりません。
E資格の試験は、例年2月中旬と8月下旬の年に2回開催されています。
自分が好きなタイミングでチャレンジできるわけではないので、受験するタイミングを決めたら、なるべく早めに準備を進める必要があります。
AI研究所のE資格対策ディープラーニング短期集中講座のように、短期間でE資格の取得を目指せる講座もあるので、上手く活用してください。
E資格の勉強時間は?まとめ
E資格を取得するためには、平均で100時間~200時間程度の勉強時間が必要になります。
試験を受けるためには、「JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること」という条件も満たす必要があるので、効率的に学習を進めるためにE資格向けの講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか。