近年では、AIやディープラーニングの技術が急速に発展しています。それにともない、「E資格」が注目されるようになりました。
今回は、E資格を取得した人の年収相場を職業別に紹介したうえで、E資格のメリットや受験にかかる費用について解説します。
どんな仕事が待っている?E資格の取得で目指せる職業とその年収
「E資格」とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定する、AIやディープラーニングについての資格です。E資格を取得すればどのような職業に就くことができ、年収はどれくらいなのでしょうか。
データサイエンティスト
「データサイエンティスト」は、集められたデータを元に、分析手法や統計学を用いて、企業の課題解決や戦略立案などをします。
データサイエンティストは、ECサイト・ソーシャルゲームサービス・ウェブポータルサイトなど、膨大なデータの処理と蓄積が行われる環境で広く求められています。
年収は500万円から900万円ほどです。経験やスキルによって年収に大きな差がでるようです。機械学習エンジニアとしての経験やコーディング業務経験があると、より厚遇になりやすいでしょう。
データアナリスト
「データアナリスト」とは、データやシステム実績を集計・分析し、自社やクライアントが持つ課題の解決を手助けします。「データサイエンティストと同じでは?」と感じた人もいるでしょう。
たしかに、データサイエンティストとデータアナリストの境界線は曖昧です。一般的には、データサイエンティストは分析のためのシステム構築を業務とし、データアナリストはクライアントに提出するための分析を行うことが多いです。
年収は1,200万円から1,400万円。データサイエンティストよりも年収が高く設定されている理由は、通常データアナリストは管理職待遇で迎えられるためです。
E資格のほかに、AI(人工知能)システムに関するクライアント向けの上流プロジェクの参加経験や、AIシステム設置の経験、データの分析設計や分析経験が求められることもあります。
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、AIの中核をなす機械学習のアルゴリズム構築や実装、あるいはモデリングを行います。
機械学習およびディープラーニングを用いたAIアルゴリズムを設計する場合もあります。
機械学習エンジニアは開発経験が年収に大きな影響を与えます。年収は800万円から1,000万円ほどです。ただし、開発経験が浅い場合にはこの額面よりも下回ることがあります。
AIエンジニア
AIを用いたシステムの開発を主な仕事とするのが「AIエンジニア」です。機械学習やディープラーニングを使い、クライアントから求められるAIシステムそのものを構築します。
AIについての知見やスキルのほか、数学知識・ITスキル・論理性が高レベルで必用とされる、難易度の高い職業です。
年収は450万円から700万円。実務経験の長さが評価されやすい職業なので、長く続けるほどに年収は上がっていくでしょう。
AIエンジニアの職業の性質上、プログラミング言語のスキルや、データベースに関する知見が求められることもあります。
研究員
近年では、研究コストの低減や研究期間の短縮を目的に、研究開発にAIが用いられるようになりました。
そのため、E資格取得者が研究員として求められることが増えています。研究員の平均年収は約530万円です。
また、以下の記事にてE資格所有者の年収事情について職業別に紹介しております。ご参考にしてください。
E資格受験にかかる費用はいくら?
E資格の取得試験を受けるには、一般で33,000円(税込)、学生なら22,000円(税込)、JDLA会員は27,500円(税込)の受験費用が必要です。
また、E資格の取得試験には「過去2年以内にJDLA認定プログラムを修了していること」という受験資格が設定されています。
JDLA認定プログラムとは、高等教育機関や民間事業者が行うAIやディープランニングに関する教育プログラムの中で、JDLAが定めた基準に従ったもののことです。
JDLA認定プログラムの価格は、講座を開講する企業によってそれぞれ異なります。以下では主だったJDLA認定プログラムの最も安いプランの価格を一覧で示します。なお、すべて税込価格です。
企業名 | コース名 | 価格 |
---|---|---|
AI研究所(株式会社VOST) | E資格対策ディープラーニング短期集中講座 | 138,600円 |
エッジテクノロジー株式会社 | E資格受験対策パッケージプラン・JDLA認定ディープラーニング講座 | 229,900円 |
スキルアップAI株式会社 | E資格対策コース・E資格対策+基礎講座セットコース | 55,000円 |
株式会社アイデミー | E資格対策講座 | 327,800円 |
株式会社すうがくぶんか | Deeplearning 入門 | 122,500円 |
株式会社AVILEN | JDLA「E資格」向け認定プログラム | 165,000円 |
株式会社Fusion One | ディープラーニング講座(E資格対応) | 440,000円 |
株式会社Present Square | E資格講座 | 最安値プラン 65,800円 |
株式会社zero to one | JDLA「E資格」向け認定プログラム | 165,000円 |
Study-AI株式会社 | 3ヶ月で現場で潰しが効くディープラーニング講座 | 495,000円 |
ほかに雑費として参考書代金が1万円から3万円、模擬試験の受験料が1万円から3万円かかります。すべてを合計すると、E資格受験には20万円から70万円ほどかかるでしょう。
実際にE資格の合格者の生の声をこちらの動画でご紹介しております。
以下では、E資格を取得するためにはかかる費用について詳しく紹介しております。また費用を安く済ませるおすすめの講座も紹介しておりますのでご参考にしてください。
https://bizroad-svc.com/eshikaku-hiyo/
E資格を取得する4つのメリット
E資格がなければAIやディープラーニングに関わる仕事に就けないわけではありません。
では、E資格の取得にはどのようなメリットがあるのでしょうか。以下ではE資格取得による代表的なメリットを4つ紹介します。
E資格にはアピール力がある
AIやディープラーニングをはじめ、ITについてのスキルというのは外からはわかりにくいものです。ですが、E資格があれば、AIやディープラーニングに関する知識を、客観的な基準をもって証明できます。
就職や転職をする際に、強力なアピールポイントとなるの年収アップも可能でしょう。
AI人材として活躍の場が広がる
AIやディープラーニングは、さまざまな業種において活用が進んでいます。その際に求められるのがAI人材(機械学習・ディープラーニング・データサイエンスといった事柄に関する深い知識を有する者)です。
プロフィールや名刺に「E資格」を表記しておけば、自らをAI人材であることを示すことができます。E資格取得者であることが伝われば、AIを活用した新しいビジネスに参加するチャンスが広がるでしょう。
E資格取得でスキルが身に付く
E資格を取得すれば、実際に仕事で使えるスキルが身に付きます。E資格の取得のための勉強は、単なる知識の詰め込みではありません。
JDLAが定めたシラバスを基本にしながら、実務に直結する知識や実践的なテクニックも学びます。
そのため、E資格取得を目指すことでスキルアップが期待できます。すでにAIやディープラーニングの知識やスキルを持っている方であっても、資格取得を目指すことは無駄ではありません。
E資格取得のための勉強をすることで、最新のトレンドを知り、知識をアップデートする機会となるからです。
JDLAのコミュニティに参加できるようになる
JDLAは資格取得者向けのコミュニティを主催しています。E資格を取すれば、コミュニティに参加できるようになります。
コミュニティは、AIやディープラーニングのさらなる知識の獲得や人脈作りに役立つことでしょう。
以下の記事では、E資格を受験するならぜひ受けておきたい講座や基礎知識、メリット・デメリットについて解説しております。
https://bizroad-svc.com/eshikaku-merit/
E資格取得を目指してみよう
E資格の取得には、20万円から70万円ほどの金銭的負担と学習時間が必要です。
ですが、資格取得で目指せる職業の年収や、取得によるメリットを考えれば、E資格はかなり魅力的な資格であるといえます。
もし、AIやディープラーニングについての学習に興味があるのならば、E資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。