急速なAI技術の普及により、E資格の受験者も年々増加してきました。
しかし、「E資格に興味があるけれどどのように学習したら良いか分からない」または「E資格のシラバスについて知りたい」という人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、E資格およびE資格のシラバスについて、E資格のシラバスに対する学習方法について解説します。
E資格のシラバスとは
E資格のシラバスとは、大学などの授業計画を記した冊子のことです。
具体的には、年間の授業計画、取得すべき単位、成績の評価方法などが記されています。
E資格におけるシラバスとは、E資格の出題範囲のことです。
そもそもE資格とは?
E資格とは、AIエンジニアとして必要なディープラーニングの知識および実装技術を保有していることを認定する資格です。E資格に似たAIエンジニアの資格にはG検定がありますが、E資格の方が専門的知識を問われるため難易度が高いといわれています。
近年は、第3次AIブームが到来し、様々な企業や業種においてAI人材の育成に注目が集まってきました。同時に注目され始めたのがE資格です。
E資格は2018年から試験がスタートし、以降受験者数は増加の一途をたどっています。
2024年の受験者数は1,194人で、当初の4倍近くまで増えています。
E資格の受験費用
受験費用は、以下となっています。
受験費用(税込) | |
一般 | 33,000円 |
学生 | 22,000円 |
会員 | 27,500円 |
一般受験をする場合、受験者数が5名以上であれば団体申し込みをすることが可能です。
E資格のシラバスの内容
E資格のシラバス(出題範囲)は、以下の5つに分かれています。
- 数学的基礎
- 機械学習
- 深層学習の基礎
- 深層学習の応用
- 開発・運用環境
E資格を受験する際には、あらかじめ出題傾向をチェックしておくことが重要です。
①数学的基礎
E資格における数学的基礎では、以下が主な出題範囲です。
- 確率・統計
- 情報理論
確率・統計では、ベイズ則などの推計統計学が出題されます。
情報理論とは「情報」を定義した上で、数学的に論じる学問のことをいい、情報量の概念に関する問題が出題されます。
②機械学習
機械学習の基礎もE資格の出題範囲です。具体的には、
- パターン認識
- 教師あり・教師なし学習
- 確率的勾配降下法
- 検証集合
- 学習アルゴリズムや能力
- 過剰適合、過少適合
などが挙げられます。
教師あり・教師なし学習アルゴリズムとは、教師に見立てたデータの有無によって規則性、および異常の有無を発見する手法のことをいいます。
③深層学習の基礎
深層学習の基礎も、E資格の出題範囲です。
深層学習の中でも、
- 順伝播型ネットワーク
- 深層モデルの正則化
- 深層モデルの最適化
- 回帰結合型ニューラルネットワーク
- 再帰的ニュートラルネットワーク
などが主に出題されています。
順伝播型ネットワーク
順伝播型ネットワークとは、入力側から出力側のみに伝達されるニューラルネットワークのことです。E資格では、アーキテクチャの設計、最尤推定による条件付き分布の学習、出力ユニットおよび隠れユニット、線形問題および非線形問題、誤差逆伝搬法が主な出題範囲です。
深層モデルの正則化
深層モデルの正則化とは、係数が増大することを防ぐために制限を加えることです。
深層モデルの最適化
深層モデルの最適化とは、検証したデータの誤差を最小化するためのニューラルネットワークモデルのことです。
回帰結合型ニューラルネットワーク
回帰結合型ニューラルネットワークとは、出力から入力に戻っていく構造を持ったネットワークのことです。
再帰的ニュートラルネットワーク
再帰的ニュートラルネットワークとは、ニューラルネットワークを時系列データとして取り扱えるように拡張したもので、主に翻訳などの言語処理に用いられるアルゴリズムとなっています。
④深層学習の応用
深層学習の応用も、E資格の出題範囲です。
- 画像認識アルゴリズム
- 物体検出
- セマンティックセグメンテーション
などの各アルゴリズムの特徴について出題されます。
資源言語処理は、主に「BERT」や「GPT」の違いなどが出題されます。
深層強化学習については、「DQN」や「A3C」が出題範囲となりますが、特に「方策勾配法」や「行動価値関数」について出題されます。
その他、生成モデルや深層学習の説明性、転移学習などの出題があります。
⑤開発・運用環境
開発・運用環境も、E資格の出題範囲です。具体的には、
- 分散処理
- 深層学習ライブラリ
- 軽量化技術
- アクセラレータ
などが挙げられます。深層学習ライブラリでは、主にNumpyやpandasなどのようなPython用のライブラリが出題されています。
軽量化技術で出題されることが多いのは、データ並列化、モデル並列化などです。
E資格の試験概要
E資格の試験時間は120分で、試験方式はパソコンを使ったCBT方式です。
問題数は毎年105問程度で、解答形式は多肢選択式を採用しています。
受験会場は全国に100か所以上設けられているので、地方在住の人でも受験しやすい試験といえるでしょう。
ただし、E資格を受験するためには、事前にJDLA(日本ディープラーニング協会)が定めた認定プログラムを修了しておかなければいけません。
ちなみに、過去2年以内に修了した認定プログラムでなければ無効なので注意が必要です。
JDLA認定講座の比較の詳細は以下の記事もご覧ください。
E資格のシラバスに対する学習方法
E資格のシラバスに対する学習方法は、講座の受講、もしくは参考書などの書籍を使うなどがあります。
E資格の学習方法1.JDLA認定講座を活用する
E資格のシラバスを学習するには、JDLA認定のE資格講座の活用が挙げられます。
認定講座を利用するメリットは、効率的に学習できること、疑問点・不明点があったときはその場で質問できること、E資格の受験資格を得られることです。
AI研究所が主催するE資格対策ディープラーニング短期集中講座は、わずか4日間・合計学習時間は24時間のスクーリングでE資格合格を目指せる講座です。
数学的基礎やPythonの基礎知識から学習をスタートするので、AIに関する学習が初めてという人でもスムーズに学習をスタートできるカリキュラムとなっています。
受講方法は、対面式で学習する会場受講、ズームでつながりながら学ぶライブウェビナー、アーカイブ動画を視聴して学習するeラーニングの3種類から選択することが可能です。
受講形式 | 受講費用 |
会場受講 ライブウェビナー |
206,800円 →キャンペーン価格138,600円 |
eラーニング | 184,800円 →キャンペーン価格76,780円 |
E資格の学習方法2.書籍を使う
E資格のシラバスに対する学習方法としては、書籍を活用するのも一つの手段です。
E資格のシラバスに対応しているテキストや問題集は数多く発売されているので、初心者でも学習をスタートできる基礎的な書籍も多いです。
書籍を使うメリットは、やはり自分のスタイルで学習できること、学習に要するコストを抑えられることでしょう。
一方デメリットとしては、学習を効率的に進めにくいこと、モチベーションを保ちにくいこと、学習の壁を乗り越えにくいことなどが挙げられます。
E資格のシラバスとは?まとめ
E資格を受験するためには、シラバスをチェックし出題傾向を知った上で対策を取ることが大切です。
E資格受験の学習方法には書籍を使った独学などがありますが、E資格の過去問題をベースとしたセミナーを利用すると効率的に学習を進めることができます。