建築CADを使いたいけれど、「どのソフトを選べばいいのかわからない」「資格は必要?年収は?」と迷う方は多いのではないでしょうか。実際、建築CADは選び方を間違えると、数十万円の無駄なコストや学習時間のロスにつながることもあります。
そこで本記事では、建築CADの基礎から種類・おすすめソフト・選び方・資格や年収までをわかりやすくまとめました。最後まで読むことで、自分に最適な建築CADが明確になり、失敗せずに選べるようになります。
建築CADは「目的別」で選べば失敗しない

建築CADは、「とりあえず有名なソフトを選ぶ」のではなく、自分の目的に合ったものを選ぶことが重要です。用途に合わない建築CADを選ぶと、操作が難しかったり、必要以上にコストがかかったりと、結果的に非効率になってしまいます。
そこで本記事の結論として、おすすめの建築CADソフトを整理しました。
- 初心者・無料で始めたいなら「Jw_cad」
- 実務で使う・転職を見据えるなら「AutoCAD」
- 3D設計やBIMを扱いたいなら「Revit」
- コストを抑えて高機能を使いたいなら「IJCAD」
このように、「誰が・何のために使うのか」で最適な建築CADが変わります。
建築CADソフトは種類や無料(フリー)・有料など選択肢が多いため、目的別に整理して選ぶことが重要です。
まずは自分の目的を明確にし、それに合ったソフトを見つけ出せば、建築CADソフト選びの失敗を避けられます。
建築CADとは?初心者向けにわかりやすく解説
建築CADとは、建物の設計や図面作成を行うためのソフトウェアです。
従来は手描きで行っていた平面図や立面図、断面図などを、正確かつ効率的に作成できるのが大きな特徴です。
また、建築CAD上で寸法の修正や配置変更も行うことができ、設計ミスを減らしながら作業を効率化できます。特に建築設計などでは発注者との打ち合わせのたびに、微調整や要求が出てくる場合もあるので、建築CADを活用して効率よく設計業務を進行することが欠かせません。
さらに近年では、RevitやArchicadなど、3DモデルやBIM(建物情報モデル)に対応した建築CADも増えています。設計から施工までを一元管理できることから、建築業界に欠かせないツールとなっています。
建築CADの種類(2D・3D・BIMの違い)
建築CADは「2DCAD」「3DCAD」「BIM」の3種類に分けることができ、それぞれ役割やできることが異なります。目的に合った種類を選ばないと、作業効率が下がるほか、不要なコストが発生するため、以下の比較表を参考に自社向けの建築CADがどれなのかを把握しておきましょう。
| 建築CADの種類 | 特徴 | 向いている企業 | 代表ソフト |
|---|---|---|---|
| 2DCAD | 平面図・立面図などを作成 | 初心者・一般的な納品に対応したい企業 | Jw_cad、AutoCAD |
| 3DCAD | 立体モデル・パース作成 | 視覚的にわかりやすい3Dモデルを用意したい企業 | SketchUpなど |
| BIM | 3D設計+情報管理(設計〜施工まで連携) | 建設DXを推進する企業/公共工事関連のBIM業務の獲得を目指す企業 | Revit、Archicad |
特に建築設計の場合は、業者間のやり取りだと2DCADとBIM、受発注者間のやり取りだと3DCADとの相性が良いです。まずは自社の業務がどこまで求められているかを整理し、それに合った種類を選ぶようにしましょう。
建築CADでできること

建築CADは、設計・確認・提案まで幅広い業務を効率化できるのが特徴です。
次のような機能を活用することで、手作業では時間がかかっていた作業を、正確かつスピーディーに進められます。
- 平面図・立面図・断面図などの図面作成
- 寸法や配置の修正・自動調整
- 3Dモデル・建築パースの作成
- 面積・数量の自動計算(積算)
- 法規チェックや構造確認
- データ共有・クラウド連携
たとえば、AutoCADではモデル空間とレイアウト空間を分けることで、図面作成と印刷作業の負担を減らせます。モデル空間で作成した図面を調整すれば、レイアウト空間に配置された図面も自動で修正されるイメージです。

また、BIMのRevitでは、壁や窓を配置するだけで図面が自動的に整い、数量やモデルの形状などがリアルタイムで反映されます。設計変更が発生しても図面全体の整合性を保ったまま作業を進めることが可能です。

このように建築CADは、設計作業の効率化だけでなく、ミスの削減や提案力の向上にもつながるツールです。従来の手描き作業と比べて、スピード・精度・再現性のすべてを高められる点がメリットだと言えます。
おすすめの建築CADソフトを徹底比較(おすすめ順)
建築設計で活用しやすい建築CADソフトを比較しながら、目的別に最適な製品を紹介します。
| 建築CADソフト | 特徴 | 2D | 3D | BIM | 費用の目安(税込) | 向いている企業 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| AutoCAD | DWG互換で図面共有しやすい汎用型の建築CAD | ◎ | 〇 | × | 月額6,784円~ | 業界標準で幅広い案件に対応したい企業 |
| Revit | モデル変更が図面・数量に自動反映される | △ | 〇 | ◎ | 月額41,892円~ | BIM導入で設計〜施工まで一元管理したい企業 |
| Archicad | 直感操作で高品質な3D設計が可能 | △ | 〇 | ◎ | 月額29,750円~ | 意匠設計やデザイン性を重視する設計事務所 |
| Jw_cad | 軽量動作で基本作図に特化した無料の建築CAD | ◎ | × | × | 無料(フリー) | コストを抑えて2D図面を中心に扱う企業 |
| SketchUp | 直感的な操作で3D形状を素早く作成できる | × | ◎ | × | 無料(フリー)~ | 施主向け提案やパース作成を重視する企業 |
| IJCAD | AutoCADに近い操作性で移行しやすい | ◎ | 〇 | × | 月額4,180円~ | AutoCAD互換でコスト削減したい企業 |
| ZWCAD | 高速動作で大規模図面も快適に扱える | ◎ | 〇 | × | 一括113,300円~ ※バージョンアップは追加料金 |
買い切りで運用コストを抑えたい企業 |
本記事では「利用実績・機能性・コスト・汎用性」をもとに総合的に建築CADソフトを評価しています。以下では、目的で判断しやすいようにおすすめの建築CADの特徴を整理しました。
定番の建築CADソフトはこれ
「建築CADの導入・運用で失敗したくない」「実務や転職でも通用するソフトを選びたい」という方は、業界で広く使われている定番の建築CADから選ぶのが安心です。
AutoCAD(2D・3D)
AutoCADは建築業界で広く使われている定番の建築CADであり、2D図面から簡易的な3D作成まで対応できます。
DWG形式を標準としており、他ソフトとの互換性が高い点が強みです。
設計事務所やゼネコンでも採用されており、実務や転職を見据えるなら優先的に検討したいソフトです。
また、導入後はAutoCADの基本操作と実践的な使い方を学ぶために、セミナー講習に参加するのがおすすめです。以下のセミナー講習では、企業向けの演習なども用意されています。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Revit(3D・BIM)
RevitはBIMに特化した建築CADで、設計から施工までの情報を一元管理できます。
モデル変更が図面や数量に自動反映されるため、大規模案件やチーム設計に最適です。
近年は公共工事でもBIM活用が進んでおり、将来性の高いスキルとして需要が高まっています。
なお、Revitは独学で学習するのが難しいBIMソフトのひとつです。
社内教育が難しい場合には、講師サポートを受けられる以下のセミナー講習の利用も検討してみてください。
| セミナー名 | Autodesk Revitセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 45,100円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Archicad(3D・BIM)
Archicadは、直感的な操作性と高いデザイン性を兼ね備えたBIMソフトです。
意匠設計との相性が良く、建築パースやプレゼン資料の作成にも強みがあります。
設計の自由度が高いため、デザイン重視の設計事務所や建築士に選ばれることが多いソフトです。
無料で使える建築CADフリーソフトはこれ
「まずはお金をかけずに建築CAD試したい」「操作感を確認してから判断したい」という方は、無料で使える建築CADから始めるのがおすすめです。
Jw_cad(2D)
Jw_cadは無料で使える国産の2DCADで、建築業界では定番の存在です。
平面図や施工図の作成に強く、軽量で動作が速いのが特徴です。
コストをかけずにCADを始めたい方や、小規模案件を扱う企業に向いています。
また、Jw_cadは独特なUIが特徴の建築CADであるため、従来のCADソフトと操作感が異なります。誤った使い方を覚えないためにも、以下のセミナー講習などで基本の使い方を学習するのがおすすめです。
| セミナー名 | Jw_cad基礎セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
SketchUp(3D)
SketchUpは直感的に操作できる3DCADであり、初心者でも簡単に建物モデルを作成できます。
視覚的に分かりやすいパース作成に強く、施主への提案やプレゼン用途に最適です。
無料版もあり、3D設計を手軽に始めたい人に向いています。
コスパに優れるAutoCADの代替CADはこれ
「AutoCADを選びたいが高い」「同じような操作性でコストを抑えたい」という方は、互換性の高い代替建築CADを選ぶことで無駄なコストを削減できます。
IJCAD(2D・3D)
IJCADはAutoCADと高い互換性を持つ国産の建築CADで、操作性も似ているため移行がスムーズです。
AutoCADよりも価格が抑えられているので、コスト削減を重視する企業に適しています。
DWG・JWW対応など建築業界での実用性も高く、導入しやすい点が魅力です。
また、IJCADの基礎・応用を体系的に学習したい方は、セミナー講習の活用がおすすめです。
以下のセミナー講習では、実際に図面作成を行いながらハンズオン形式で建築CADの操作を学習できます。
| セミナー名 | IJCAD基礎セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
ZWCAD(2D・3D)
ZWCADは、軽快な動作と高いコストパフォーマンスが特徴のCADです。
大規模図面でもスムーズに動作し、AutoCADとの互換性も高いため実務でも使いやすい点が強みです。買い切り型で運用コストを抑えたい企業に向いています。
また、建築だけにとらわれず、業種全般におけるおすすめのCADソフトもチェックしたい方は、以下の記事がおすすめです。
建築CADソフトの失敗しない選び方
建築CADソフトを比較して選びたい方は、以下のポイントを見て自社向けかどうかを判断しましょう。
- 用途に合っているか(2D・3D・BIMなど)
- 操作性は直感的か(初心者でも扱えるか)
- 価格は予算に合っているか(無料・買い切り・サブスク)
- データ互換性があるか(DWG・JWWなど)
- サポート体制が整っているか
上記ポイントのなかでも最初に用途を確認すれば、建築CADソフトを数種類まで厳選できます。
なぜなら、2D図面が中心ならJw_cadやAutoCAD、BIMまで扱うならRevitのように、目的によって最適なソフトが違うためです。
「何に使うか」を基準に選び、そのうえで操作性やコスト面をチェックしていけば、「社内で使いやすくコストも抑えられる」という相性の良い建築CADソフトを見つけられます。
CAD初心者によくあるソフト選びのミス
CAD初心者がよくやりがちなのが、「有名だから」「安いから」といった理由だけでソフトを選んでしまうことです。無料・低価格な建築CADソフトは費用を抑えられる分、機能性や柔軟性に限界があることを理解しておきましょう。
また、特に注意したいのが、建築向けではなく機械系や製造系など他業種のCAD(SOLIDWORKSやAutodesk Fusionなど)を選んでしまうケースです。操作性や機能が異なるため、かえって作業効率が下がることがあります。
建築CADの資格は必要?意味ないと言われる理由

建築CADの操作に資格は必須ではありません。未経験者や初心者でも扱えるケースが多いです。
ただし、クライアントへの営業提案などに活用できることを理解しておく必要があります。
たとえば設計者が無資格だった場合、クライアントに不信感を与えてしまいますが、次のような資格があれば、信頼を裏付けることにつながります。
- 建築CAD検定試験
- CAD利用技術者試験
- オートデスク認定資格プログラム(AutoCAD・Revitなど)
つまり、資格取得は無駄ではありません。
ただし「意味ない」と言われるケースもあります。これは、資格だけでは実務で通用しないケースが多いためです。現場では図面理解や設計意図の把握、修正対応など実践力が重視されるため、資格を持っていても即戦力とは限りません。
また、使用ソフトや業務内容は企業ごとに異なるため、資格内容と実務が直結しないこともあります。そのため、資格はあくまで入口と考え、実務スキルとセットで身につけることが重要です。
なお、3DCADとして建築CADの資格を取得したい場合には、以下のセミナー講習で効率よく試験対策ができます。
| セミナー名 | 3次元CAD利用技術者試験2級対策講座 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 27,500円〜 |
| 受講形式 | eラーニング |
建築CADオペレーターの年収と将来性
新たに人材採用をして、自社で建築CADを扱える人材を増やしたいと考える方も多いでしょう。
まず厚生労働省の「job tag」によると、建築CADオペレーターの年収は、一般的に300万〜500万円程度が中心だと言われています。ただし、経験やスキル、扱うソフトによって大きく差が出る点に注意が必要です。
特にRevitなどBIMを扱える人材は希少性が高く、企業側でも採用ニーズが高まっているため、年収条件がさらに高くなりやすいことを理解しておきましょう。
また将来性について、建築業界はDX化や人手不足の影響により、CAD人材の需要が今後も安定して続くと考えられます。ただし、少子高齢化によって建築CADを扱える人材が減っていくのも事実です。
人材採用で建築CADのオペレーターを増やすことには限界があるため、セミナー講習などを利用して社内人材の育成に力を入れていくことも重要です。
建築CAD人材の社内育成について詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
建築CADについてまとめ
建築CADは、建築設計や図面作成に特化したソフトのことです。
目的に合う製品を選ぶことで作業効率や設計精度を大きく向上しやすくなります。
ただし2D・3D・BIMなど種類が複数あるほか、製品数も多いため、自分の用途に最適なツールを選ぶことが重要です。また、資格だけでなく実務スキルの習得も欠かせません。
迷った場合は、まず無料ソフトや体験版から触れてみるのがおすすめです。
実際に操作しながら、自社や自身に合ったCADを見極めていきましょう。