AI技術は、車の自動運転やエアコン制御など私たちの日常に欠かせないものとなりました。
そんな中注目を集めている資格がE資格です。
しかし、「E資格について詳しく知らない」という人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、E資格の難易度、E資格に合格するためのポイントなどを解説していきます。
E資格とは
2分でE資格の難易度の要点を把握したい方は、こちらの動画をご覧ください。
E資格とは、AIエンジニアとして活躍するために必要なディープラーニングの知識、および実装スキルを習得していることを証明する資格です。
AI技術は2000年頃から一般に広がりはじめ、昨今では製造業をはじめとして、旅客業やサービス業など様々な業種で活用されるようになりました。
AI導入を検討する企業が増え続けると共に、AIエンジニアの需要も増加の一途をたどっています。ちなみに、今後もAIを活用する分野・業種はさらに増えると予想されています。
AIニーズの高まり、および将来性の高さに合わせて、具体的なAIエンジニア向けの資格の必要性も問われる様になってきました。
その様な背景のもと、誕生したのがE資格です。
E資格を主宰しているのは、一般社団法人日本ディープラーニング協会です。
英語で表記すると「Japan Deep Learning Association」となり、「JDLA」の略称で親しまれています。
日本ディープラーニング協会の設立は2017年6月1日で、所在地は東京都港区です。
E資格は年に2回試験を実施し、主に2月中旬と8月下旬に試験日程を組んでいます。
E資格を受験するためには、受験日の過去2年以内にJDLA認定プログラムを修了していなければいけません。E資格の試験時間は120分、問題は多岐選択式の知識問題が約100問です。
G検定とは
E資格と似た資格にはG検定があります。
G検定も同じく日本ディープラーニング協会が主催した資格試験ですが、難易度や受験項目、対象者が若干異なります。
具体的には、AIエンジニアとして必要なディープラーニング実装に関する資格がE資格で、AIを事業に活用するためにエンジニアの知識を広範囲に習得するのがG検定です。
E資格を取得するメリット
E資格を取得していると、IT企業やAI事業に関する企業に転職・就職する場合に有利となります。
通常では、AIエンジニアとして転職・就職する場合、実務経験を問われることが多く見られます。
しかし、E資格を取得していると、AIエンジニアの即戦力として評価されるケースが多いので、実務経験がなくても採用される確率が大幅にアップするのです。
また、転職しない場合でも、年収アップや待遇面の向上が期待できるでしょう。
先述したようにAIエンジニアの需要は年々増え続けていて、2021年に経済産業省が発表した「我が国におけるIT人材の動向」では、AIエンジニアなどのデジタル人を新卒、もしくは中途採用する際の報酬水準は通常よりも高く設定している事例が顕著でした。
日本の報酬水準が高まってきたのはAIエンジニアに対するニーズの高まりだけではなく、アメリカなどの世界各国がAIエンジニア採用時に高額の報酬を提示していることが背景にあります。
ちなみに、実際の求人をチェックすると、年収1,00万円を超える新卒求人、30代の中途採用で年収3,000万円を提示する企業も複数見られました。
E資格の難易度はどれぐらい?
E資格は、AI関連の資格の中で最も高難易度といわれています。
G検定の場合はディープラーニングの基礎的な知識のみを問われますが、E資格は
- 微分・統計などの数学的知識
- ディープラーニングの専門的知識
- プログラミングによる実装手順
- データベースやデータモデリングの知識
など、AIエンジニアに特化した専門知識が必要です。
E資格の具体的な合格率は以下になります。
開催回 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2018年 | 342 | 337 | 234 | 69.44% |
2019年1回目 | 396 | 387 | 245 | 63.31% |
2019年2回目 | 718 | 696 | 472 | 67.82% |
2020年1回目 | 1,076 | 1,042 | 709 | 68.04% |
2021年1回目 | 1,723 | 1,688 | 1,324 | 78.44% |
2021年2回目 | 1,193 | 1,170 | 872 | 74.53% |
2022年1回目 | 1,357 | 1,327 | 982 | 74.00% |
2022年2回目 | 917 | 897 | 644 | 71.79% |
2023年1回目 | 1,131 | 1,112 | 807 | 72.57% |
2023年2回目 | 1,089 | 1,065 | 729 | 68.45% |
年々受験者は増え続け、合格率も徐々に高まっています。
このように、E資格はAI関連資格で最高難易度といっても、E資格の合格率は約70%なので比較的難易度が低いようにも感じます。
また、AI関連資格自体が少ないので、実際の難易度が分かりにくいです。
そこで、一般的な資格試験と比較してみましょう。
E資格と難易度が近い資格には「応用情報技術者試験」があります。
2023年秋に行われた応用情報技術者試験の合格率は23,2%でした。
一般的な資格試験と比較すると、やはりE資格は比較的難易度が低めであることが分かります。
しかし、約半数程度の受験者が、E資格取得までに200~300時間の学習時間を要したと回答しています。学習時間はあくまでE資格取得者を対象としているので、元々G検定を取得している人や実務経験者も含まれています。
つまり、初心者であればさらに学習時間がプラスされるということになり、合格率だけで難易度が低いとは決して言えない資格といえます。
G検定の難易度
G検定の難易度は、一般的にE資格よりも低いといわれています。
G検定で最も合格率が低かったのは2017年の56.84%、逆に最も高かったのは2024年の72.87%でした。
合格率だけで比較するとE資格とほとんど同じですが、専門的内容が少ないので難易度は低めです。
ちなみに、G検定合格までに要した一般的な学習時間は約30~40時間といわれています。
E資格に合格するポイント
E資格に合格するポイントは、まずJDLA認定プログラムを修了しておくことです。
JDLA認定プログラムを修了していなければ受験できないので、あらかじめ専門機関を通じてJDLA認定プログラムを受講しておきましょう。
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E資格合格には、学習を計画的に進めていくことも大切です。
E資格は、ディープラーニングに関する知識を専門的かつ深く学んでいくので、漠然と学習を進めていると非常に効率が悪くなってしまいます。
そのため、あらかじめ受験日から逆算してスケジュールを作成し、計画通りに学習を進めるようにしましょう。計画的に学習を進めるためには、自分自身にとって無理がないスケジュールを立てることも大切です。
ちなみに、一般的な学習時間は先述したように300~400時間といわれていますが、やはり事前にディープラーニングに関する知識がどの程度あるかによって異なってきます。
もし、完全な初心者であれば、通信教育やスクールを利用すると良いでしょう。
E資格は過去問に関するテキスト類を一切販売していないので、独学で学習した場合は具体的な出題傾向を探ることが難しいです。
そのため、受験に関するプロの知識を得られる通信教育やスクールを活用すると、合格率がグッと高くなります。
E資格取得を目指すなら計画的に学習しよう
AI関連の資格では最高クラスの難易度といわれているE資格を取得するためには、計画的に学習を進めることが重要です。もし学習に不安に感じる場合は、E資格取得を目指せるスクールや通信教育を利用するのも良いでしょう。