近年は3Dプリンターの普及により、個人でも3Dモデリングを手軽に楽しめるようになりました。しかし、3Dモデリングに必要な3D CADソフトは高価なイメージがあり、手を出しにくいと感じる方も多いのではないでしょうか？
そこでこの記事では、フリーで使える3D CADソフトを5選、特徴や機能、選ぶポイントまで徹底解説します。記事後半では、無料期間のある3D CADソフトも紹介しているので、これから3Dモデリングを始めたい方や複数のソフトを試したい方もぜひ参考にしてください。
3D CADソフトとは
3D CADは、設計物の形状や構造を3次元データで表し、仮想空間上で立体的なモデルを構築する設計支援ソフトウェアです。モデルを回転・拡大してあらゆる視点から確認できるため、設計ミスを未然に防止できます。
3D CADソフトは、機能や価格によってハイエンド、ミッドレンジ、ローエンドに分かれ、さらに機械、建築、土木、電気などの分野に特化した種類があります。
3D CADソフトは1980年代に登場しましたが、当時は高価なため導入が限られていました。しかし、近年パソコンの性能向上とソフトの低価格化により、さまざまな企業で3D CADの導入が拡大しています。2020年には、機械用3D CADの国内企業導入率が約67%に達しました。
3D CADソフトの需要が高まる中、圧倒的なシェアを誇るのがAutoCADです。世界中の設計者から長年選ばれ続けているAutoCADについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
3D CADのフリーソフトを選ぶ方法
3D CADフリーソフトは、使える機能やサービス内容がそれぞれ異なります。自分に合ったソフトを選ぶために、以下のポイントをチェックしましょう。
- 機能性
- 料金形態
- サポート体制
機能性
3D CADフリーソフトを選ぶ際には、機能性を確認することが重要です。
3D CADフリーソフトには、用途や目的に応じてさまざまな機能が提供されています。例えば、3Dモデルを作成するためのソリッドモデリングやサーフェスモデリング機能、形状の修正や寸法変更のための編集機能、そして3Dモデルを画像に描き出すレンダリング機能などがあります。
適切なソフトを選ぶためには、まず必要な機能をリストアップし、自分のニーズに合ったものを選びましょう。
料金形態
3D CADフリーソフトには、完全に無料で利用できるものと、一部機能が有料のものがあります。完全に無料のソフトはFreeCAD、Blender、一部機能が有料のソフトはFusion 360、Onshape、SketchUp Freeなどです。
通常、基本機能は無料版で使えますが、全機能を利用するためには有料版に移行します。3D CADフリーソフトを選ぶ際には、必要な機能、使用頻度を考慮して選ぶことが重要です。
サポート体制
3D CADフリーソフトを選ぶ際には、サポート体制も重要です。一般的に、フリーソフトのサポート体制は充実していないことがあります。
具体的には、公式サイトにマニュアルやチュートリアルが提供されているか、ユーザー同士で情報交換できるオンラインフォーラムが存在するかなどを確認しましょう。ちなみに、Fusion 360やOnshapeなど、一部のフリーソフトは有料サポートを提供しています。
フリーの3D CADソフトおすすめ5選
それでは、フリーの3D CADソフトおすすめ5選を紹介します。
- Fusion 360
- Onshape
- SketchUp Free
- FreeCAD
- Blender
Fusion 360
Fusion 360は、3Dモデリングから製造まで対応できるフリーの3D CADソフトです。モデリング、CAD、CAM、CAE、PCBなど豊富な機能がそろい、製品の形状や適合性を検証しながら効率的に設計できます。
クラウドベースなので、データ共有や同時編集、チームでの作業がスムーズにできるのも特徴です。商用利用は有料なので、企業が利用する場合は注意しておきましょう。
BIZROADの「Fusion 360入門セミナー」は、3DCAD未経験の方でも2日間で3DCADの基礎を習得できます。詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。
Onshape
Onshapeは、ブラウザ上ですべての作業ができるフルクラウド3D CADです。インストール不要で、データ共有、同時編集、自動クラウド保存など豊富な機能を使えます。
SolidWorksの元開発者が設計したため、操作性がSolidWorksに似ているのも特徴。無料で利用できるのは個人利用や学生のみで、商用利用の場合は有料プランが必要です。
3D CAD初心者からプロの設計者まで、幅広いユーザーに支持されているOnshape。詳しい特徴やメリット、活用方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
BIZROADの「Onshape CADセミナー講習」は、Onshape初心者でもわずか2日間で基礎から応用操作まで完全制覇できます。
受講形式は、講師と直接対話できる会場受講、自宅からオンラインで学ぶライブウェビナー、自分のペースで動画学習するeラーニングの3種類。実務に即したカリキュラムなので、現場の即戦力として活躍したい方にもおすすめです。
詳細は以下の公式サイトでご確認ください。
SketchUp Free
SketchUp Freeは、インストール不要の無料アプリです。ブラウザ上で手軽に3Dモデリングができ、建築、インテリア、DIYなど、幅広い用途で活用できます。
豊富なチュートリアルと直感的な操作性は、3D CADをはじめて使う方にも最適。基本的な機能は無料で、有料ライセンスを取得すればアップグレードできます。
FreeCAD
FreeCADは、無料で使えるオープンソースの3D CADソフトです。機械工学やプロダクトデザインなど、幅広い分野で利用されています。
Creoなどの高機能なCADソフトと類似したツールを備えながら、商用利用も含めてすべて無料です。世界中のユーザーによる活発なコミュニティがあるため、情報交換やサポート体制も充実しています。
Blender
Blenderは、有料のCADソフトにも匹敵する多機能なオープンソースのソフトウェアです。アニメーション制作に活用する3DCGソフトとして広く知られていますが、実は無料の3D CADソフトとしても活用できます。
3D CADソフトとして使う場合は、以下の手順が必要です。
- 単位の設定をメートルに変更する
- 表示と実際のプリントサイズを一致させる
- オブジェクトの大きさを変更する
- 辺の長さを確認する
- STL形式で3Dプリント用のデータを作成する
Blenderは機能が豊富にあるため、経験者のスキルアップにもセミナーが活用されています。BIZROADの「Blender基礎セミナー」は、2日間でBlenderの技術が習得できます。詳しい情報は以下の公式サイトをご覧ください。
フリー期間のある3D CADソフト
人気の3D CADソフトの中には、購入前に無料で試せる「フリー期間」を設けているものがあります。期間内であれば、機能制限なくソフトを試用し、他のソフトと比較検討できます。
- AutoCAD
- Creo
- SolidWorks
それぞれ順番に解説していきましょう。
AutoCAD
AutoCADは、2D/3D設計に対応する高機能な汎用CADソフトです。業界最高レベルのドキュメント機能で精密な図面・モデルを作成し、機械設計、建築設計、土木設計など広範な分野で活用されています。
AutoCADは、30日間の無料体験版を提供しています。また、学生・教育機関関係者であれば、AutoCAD無償版を利用可能です。
BIZROADの「AutoCAD基礎セミナー講習」では、わずか2日間でCAD初心者の方でもスムーズに理解できるカリキュラムで、CAD人材育成の一環として利用する企業も多いです。
詳しい情報は以下の公式サイトをご確認ください。
Creo
Creoは、製造業や設計業界で広く使用されている高機能な3D CADソフトです。高度なパラメトリックモデリングやサブディビジョナルモデリング機能を搭載し、複雑な形状も効率的に設計できます。
Creoは、14日間の無償試用版と、初心者や学生向けの無料版を提供しています。
SolidWorks
SolidWorksは、世界でトップクラスのシェア率を誇る3D CADソフトです。シンプルで見やすいインターフェース、データ共有がスムーズにできる高い互換性が特徴で、世界中にユーザーがいるため情報やサポートが充実しています。
SolidWorksは、最大2時間の無料体験版と、学生向けの無料ライセンスを提供しています。
BIZROADの「SOLIDWORKSセミナー講習」は、受講者1万人突破！満足度97.8％の圧倒的な実績を誇る2日間集中セミナーです。
基礎から応用操作まで幅広く学習するため、実務ですぐに使える技術を習得できます。受講形式は3種類（会場受講・オンライン・eラーニング）で、会場受講では、SOLIDWORKSのライセンスインストール済みパソコンを貸し出しています。
詳しい情報は以下の公式サイトで確認してください。
フリー3D CADソフトまとめ
3D CADソフトは、設計やモデリングに欠かせないツールですが、高額な費用がネックとなる場合もあります。そのようなときは、フリーの3D CADソフトを活用すれば、気になる費用をグッと抑えられます。
「自由度の高いモデリングや設計をしたい」という方も、この機会にぜひフリーの3D CADソフトに挑戦してみてはいかがでしょうか？
