AutoCADは、設計や図面作成において広く使われるプロフェッショナル向けのCADソフトウェアです。
AutoCADを利用することで、設計の品質向上と生産性の向上が期待できます。今回は、AutoCADのプランや価格、安く使う方法などをご紹介します。
AutoCADの概要
AutoCADは、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアの一種です。このソフトウェアは、建築、製造、エンジニアリングなどの分野で使用され、2次元および3次元の図面を作成および編集するために利用されます。
AutoCADは、専門家やデザイナーがさまざまなプロジェクトの設計に取り組む際に利用されることが多いです。
例えば、建築業界では、建物の平面図、立面図、断面図などを作成するために使用されます。また、製造業では、機械部品や製品のデザイン、組立手順の作成などに活用されます。
直感的なインターフェースと多機能性を備えており、豊富な図形や編集ツールを使用できるのが特徴です。
これにより、ユーザーは効率的に図面を作成し、必要な修正や変更をおこなうことができます。
また、正確な寸法や比率の管理、レイヤーや色の設定、テキストや注釈の追加など、詳細な設計要素を扱うことも可能です。
さらに、AutoCADは他のソフトウェアやデータ形式との互換性も高く、他のCADソフトウェアとの連携やデータの共有が容易です。
また、プラグインやカスタマイズ機能を利用して、特定の業界やユーザーのニーズに合わせてソフトウェアを拡張することもできます。
AutoCAD Plusの概要
AutoCAD Plusは、AutoCADの機能に加えて、下記の7項目が追加されています。
1.建設設計ツールセット(Architectureツールセット)
建築設計ツールセットは、建築設計と作図を迅速におこなうことができるツールです。
このツールセットには8,500種以上のインテリジェントなオブジェクトとスタイルが含まれています。建築設計ツールセットは作業を効率化し、設計の一貫性を確保するのに役立ちます。
2.機械設計ツールセット(Mechanicalツールセット)
機械設計ツールセットは、機械エンジニアリング向けのツールであり、生産性を高められるできるのが特徴です。
このツールセットには70万以上のインテリジェントな部品やフィーチャが含まれています。
3.地図情報ツールセット(Map 3Dツールセット)
地図情報ツールセットは、GISデータを活用して地図情報の作成、編集、表示をおこなうツールです。
機能には、地図情報データベースの管理、データの取得・作成・更新・削除・検索、データのエクスポートが含まれます。地図情報を効果的に管理し、他のアプリケーションで利用可能な形式に変換することができます。
4.業種別ツールセット(MEPツールセット)
業種別(機械、電気、配管)ツールセットを利用することで、建物システムの設計とドキュメント作成が容易になります。
AutoCADの環境内でエンジニアリング設計図面を作成可能です。このツールセットの使用により、生産性を最大85%向上させることができます。
5.電気制御ツールセット(Electricalツールセット)
電気制御ツールセットは、電気制御システムの設計と作図に必要な機能を提供します。電気制御シンボルを使って図面を作成し、PLCモジュールを利用してPLC図面を作成可能です。
また、電気配線図機能とパネルレイアウト機能を使ってそれぞれ電気配線図とパネルレイアウト図面を作成することもできます。
さらに、シンボルライブラリを使ってカスタムシンボルを作成できます。電気制御シンボルとPLCモジュールのリストを自動的に生成できるのが特徴です。
6.プラント設計ツールセット(Plant 3Dツールセット)
プラント設計ツールセットは、迅速なプラント設計と作図に役立つ機能を提供します。
パイプルーティング機能、標準部品ライブラリ、ビューポート、レイアウト、オブジェクトスナップ、ブロック、シートセット機能などが含まれています。これらの機能により、効率的なプラント設計が可能となります。
7.ラスター画像処理ツールセット(Raster Designツールセット)
ラスター画像処理ツールセットは、ラスター画像の作成、編集、表示に関するツールを提供します。
機能には、画像作成、編集、表示、変換、圧縮、解析が含まれます。これにより、効果的なラスター画像処理が可能となります。
AutoCADの価格は?
AutoCAD
AutoCADは、サブスクリプションプランで利用することができます。契約する期間によって価格が異なります。
- 1ヶ月/8,800円(税込)
- 1年間/71,500円(税込)
- 3年間/214,500円(税込)
AutoCAD Plus
AutoCAD PlusもAutoCADと同じで、サブスクリプションプランで利用ができます。
- 1ヶ月/28,600円(税込)
- 1年間/231,000円(税込)
- 3年間/693,000円(税込)
以下の記事にてAutoCADのサブスクリプションの利点や手続き方法について詳しく解説しておりますので参考にしてみて下さい。
AutoCADを安く使う方法
AutoCADを安く使うには、以下の方法があります。
割引キャンペーンを利用する
Autodesk(AutoCADの開発元)は定期的にキャンペーンを実施し、期間限定の割引サービスなどを提供しています。
キャンペーン情報はAutodeskの公式ウェブサイトや販売代理店から入手できます。ウェブサイトをチェックすることで、最新のキャンペーン情報や割引価格を確認することができるため、見逃さないようチェックしましょう。
また、Autodeskの情報を入手できるメール通知に登録することで、キャンペーン情報を直接受け取ることもできます。
割引キャンペーンを利用する際には、期間や適用条件を注意深く確認しましょう。また、ライセンスの種類や使用期限などの詳細も確認することが重要です。
割引価格が適用される期間内に購入手続きを完了することで、通常よりもお得にAutoCADを入手することができます。
教育機関限定ライセンスを利用する
教育期間限定ライセンスであれば、学生や教員が1年間無料でAutoCADを利用できます。ただし、教育期間限定ライセンスでの利用は、教育目的に限定されます。
1年間の有効期限が切れた後は、ライセンスを更新することで継続して使用することが可能です。
ライセンスを更新しないと、ファイルにアクセスすることはできますが、ファイルの編集やアップロードといった機能が使えなくなります。
以下の記事では、AutoCADを無料で使えう方法を解説しております。参考にしてみてください。
他のCADとの価格を比較
AutoCAD他のCADソフトとの機能や性能、価格を評価していきます。
Vectorworks
Vectorworksは、建築、インテリア、ランドスケープ、エンターテイメント、照明、舞台設計などの分野で使用されるCADソフトウェアです。
MacとWindowsの両方で利用可能であり、2Dおよび3Dの設計をサポートしています。
建築家、ランドスケープアーキテクト、エンターテイメントデザイナーなど、さまざまな専門家が使用するために、Vectorworksには業界向けの専門ツールが含まれています。
下記は、Vectorworks製品の価格の例です。
- Vectorworks Design Suite 2023 スタンドアロン版(永続ライセンス)/612,700円(税込)
- Vectorworks Design Suite スタンドアロン版(サブスクリプション1年間)/306,350円(税込)
DRA-CAD
DRA-CADは、国内で開発された建築設計CADソフトウェアであり、設計者の使いやすさと柔軟性を重視しています。
さらに、デザイン、シミュレーション、プレゼンテーション、基本設計、実施設計、申請、施工図作成、維持管理など、建築プロジェクトの全工程をサポートしています。
下記は、DRA-CAD製品の価格の例です。
- DRA-CAD21 新規購入(永続ライセンスですがバージョンアップには費用が必要です)/209,000円(税込)
- DRA-CAD21 LE 新規購入(永続ライセンスですがバージョンアップには費用が必要です)/104,500円(税込)
AutoCADに永続ライセンスはなく、サブスクリプションプランでの利用となります。他のCADと比べても価格が高すぎるといったことはありません。
AutoCADの価格のまとめ
AutoCADは、月額プランや年間プランが提供されており、ユーザーのニーズに合わせて選択できます。
設計において効率性と正確性を向上させるために不可欠なツールであり、AutoCADを導入している企業も多いです。
自身に合ったプランを選び、設計業務に役立ててみてはいかがでしょうか。