Autodesk Fusion(旧:Fusion 360)は、3Dモデリングや設計の現場で幅広く使われているソフトウェアです。実現できることは多岐にわたるため、スキルをしっかりと身につけるためには適切なテキストを活用することが重要です。
とはいえ現代ではAutodesk Fusionに関するテキストの選択肢も多岐にわたり、迷ってしまう方が大半でしょう。今回はおすすめテキストを初心者、中~上級者別に紹介するとともに、テキストのメリットや選ぶポイントを解説します。
初心者向けのAutodesk Fusionテキスト
この章では、初心者向けのAutodesk Fusionテキストを、以下のとおり紹介します。
タイトル | 対象者 | 内容の範囲 | 特徴 | 実用性 |
スキマ時間で始める!Autodesk Fusion 14日間入門コース | 初心者 | 14日間の学習プランで基本操作を習得 | スキマ時間を使った学習、短期間での基礎マスター | 基本操作に重点を置いた内容 |
はじめてでもできる Fusion 360入門 | 初心者 | 基本操作、インターフェース、3Dモデリングの基礎 | 優しい解説で初心者でも入りやすい | Autodesk Fusionの基本的な機能全般をカバー |
Fusion360の基本操作を実用3D製品を作りながら覚える本 | 初心者 | 実際の3D製品デザインを通じて基本操作を学ぶ | 実用的なプロジェクトを通して学べる | 実用的なプロジェクトで実用性が高い |
初心者テキスト①スキマ時間で始める!Autodesk Fusion 14日間入門コース
引用:Amazon
「スキマ時間で始める!Autodesk Fusion 14日間入門コース」は、ボーンデジタルから出版された初心者向けのガイドブックで、基本操作からモデリングまでを14日間で学べる構成になっています。
1日1時間の学習で、アカウント作成やインストール、スケッチ、フィーチャ、図面作成など、実践的な作例データを通じてFusionの操作を習得できます。初心者でも挫折せずに学べる内容で、身近なものを作りたい人に最適です。
初心者テキスト②はじめてでもできる Fusion 360入門
引用:Amazon
「はじめてでもできる Fusion 360入門」は、田中正史著の初心者向け書籍で、Autodesk Fusionの基本操作から3Dプリンターへの出力までをわかりやすく解説しています。
身近なカップやボトルなどの作例を通じて、モデリング技術を習得できる内容となっており、練習用のサンプルファイルもダウンロード可能で、実際に操作しながら学ぶことができます。
特に3D CADを初めて使う方に最適で、使い方を丁寧に学びたい人におすすめの一冊です。
初心者テキスト③Fusion360の基本操作を実用3D製品を作りながら覚える本
引用:Amazon
「Fusion360の基本操作を実用3D製品を作りながら覚える本」は、淵上喜弘著の初心者向けの実用書です。400ページ以上の内容で、Autodesk Fusionの操作を画面キャプチャ付きでわかりやすく解説しています。
たとえばペン立て、印鑑、ケーブルドラム、電池ケースなどを制作しながら、設計から3Dプリント用データの作成までの技術が習得できます。印刷を考慮した設計ができるようになり、巻末にはSTLデータのダウンロードも付属しています。
実践的かつボリューミーな内容で、Autodesk Fusionを自分で使いこなしたい方に最適です。
中~上級者向けのAutodesk Fusionテキスト
この章では、中~上級者向けのAutodesk Fusionテキストとして、以下のとおり2冊をご紹介します。
タイトル | 対象者 | 内容の範囲 | 特徴 | 実用性 |
Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編 改訂第2版 | 中級者~上級者向け | Autodesk Fusionのベーシックな機能と設計ワークフローを詳細解説 | 実践的なデザインのステップを詳述、応用にも役立つ | 応用設計やプロフェッショナルな内容なので実用性が高い |
実践で学ぶ! Fusion 360 | 中級者~上級者向け | より高度な機能と実践的な活用法 | 実践を通じたスキル習得、実際のワークフローに即した内容 | 実用的なプロジェクトベースで応用力が向上 |
中~上級者テキスト①Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編 改訂第2版
引用:Amazon
「Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編 改訂第2版」は、中~上級者向けに設計された実践的なテキストです。著者はAutodeskの専門家である小原照記氏と藤村祐爾氏で、2019年のUIアップデートに対応し、Z方向でのモデリングを中心に全章を再編集しています。
ソリッド、サーフェス、フォームモデリングを詳細に解説し、アセンブリやアニメーション、レンダリング、3Dプリント技術もカバー。豊富な動画と提供データにより、学習が容易で、初心者から中級者まで幅広く役立つ内容となっています。
中~上級者テキスト②実践で学ぶ! Fusion 360
引用:Amazon
「実践で学ぶ! Fusion 360 ロボットのモデリングから3Dプリントまで」は、Autodesk Fusionを用いた3Dデータ作成と3Dプリントの技術を学べる大型本です。
著者は水野操氏と毛利宣裕氏で、デアゴスティーニの「週刊マイ3Dプリンター」を再編集。加筆修正された内容に加え、Mixamoを用いたアニメーション作成も新たに収録されています。
ロボットのモデリングを通じて、実践的なスキルを身につけられる一冊で、184ページにわたるボリューミーな内容が魅力です。3Dプリンター導入や製造業支援の経験を持つ著者たちによる、実践的で分かりやすい解説が特徴です。
なお以下の記事でも、実践形式でのAutodesk Fusionの使い方を紹介しています。実践型の学習を求めている方は参考になる内容なので、ぜひご一読ください。
Autodesk Fusionをテキストで学ぶメリット
テキストで学ぶメリットとしては、以下が挙げられます。
- 費用の負担が少ない
- 自分のペースでじっくり学習できる
それぞれ見ていきましょう。
テキストで学ぶメリット①費用の負担が少ない
最大のメリットは、費用の負担が少ない点です。書籍やオンライン教材は、講座やセミナーに比べて手頃な価格で入手できるため、学習を始めるハードルは低くなります。
また特定のテーマに絞った書籍が豊富にあり、自分のペースで学ぶことができるため、必要な知識を効率よく習得できます。さらに繰り返し参照できるため、理解を深めながら自分のスキルを確実に向上させることが可能です。
テキストで学ぶメリット②自分のペースでじっくり学習できる
もう一つの大きなメリットは、自分のペースでじっくり学習できること。オンライン講座や教室での学びとは異なり、テキストは自分のスケジュールに合わせて進められるため、理解が深まるまで何度でも読み返すことができるからです。
また難しい箇所や特に興味のあるトピックに時間をかけて取り組むことができるため、より確実に知識を吸収でき、実践的なスキルを身につけられるでしょう。
Autodesk Fusionテキストを選ぶ際のポイント
選ぶ際のポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 内容が目的・目標に沿っているか
- 最新のバージョンに適応しているか
- レベル感は自分に適しているか
それぞれ見ていきましょう。
テキストを選ぶポイント①内容が目的・目標に沿っているか
Autodesk Fusionのテキストを選ぶ際の重要なポイントの一つは、その内容が自分の目的や目標に沿っているかどうかです。やりたいことや実現したいことが明確にあるのに、それが実現できないテキストを選んでも仕方がありません。
「このテキストの内容は、自分の目的を達成するのに役立ちそうか」という視点で選ぶことをおすすめします。
テキストを選ぶポイント②最新のバージョンに適応しているか
Autodesk Fusionに限らずソフトウェアは頻繁にアップデートされて、新機能や改良が加えられるため、古いテキストを使用すると実際の操作や機能が異なることがあります。
最新のバージョンに対応した教材を選ぶことで、現在のユーザーインターフェースや機能を正確に学ぶことができるので、実際の作業に役立つスキルを身につけやすくなります。
テキストを選ぶポイント③レベル感は自分に適しているか
レベル感が自分に適しているかどうかも、テキストを選ぶ際の重要なポイントの一つです。たとえば初級者の場合、レベルに沿った教材を選ぶことで、基本的な操作や概念をしっかり理解できスムーズに学習を進められるからです。
難しめの難易度のテキストに挑戦するのもいいですが、あまりにそのレベルがかけ離れていると、モチベーションの低下による挫折につながってしまうので、注意が必要です。
Autodesk Fusionをテキスト以外で学ぶ方法
テキスト以外で学ぶ方法としては、以下が挙げられます。
- 動画サイトを活用
- ITのセミナーを活用
それぞれ順を追って解説します。
テキスト以外の方法①動画サイトを活用
Autodesk Fusionをテキスト以外で学ぶ方法の一つとして、動画サイトを活用することが挙げられます。たとえばYouTubeやUdemyなどのプラットフォームでは、専門家やインストラクターによる視覚的な解説が提供されており、実際の操作を見ながら学ぶことができます。
動画はリアルタイムで進行するため、ツールの使い方や技術を実際に体験しながら視覚的に理解を深めることができます。また動く図解だったり実際の画面で解説されるケースが多いため、難しい概念もわかりやすくなることが多いです。
上記のように、無料かつ良質な動画もたくさんあるので、使わない手はないでしょう。なお以下の記事では、Autodesk Fusionのチュートリアルを動画で学ぶことができるので、興味のある方はぜひ併せてご一読ください。
テキスト以外の方法②ITのセミナーを活用
ITのセミナーを活用することも、テキスト以外の学習法として非常に効果的。専門家によるセミナーでは、最新の技術や業界トレンドについて直接学ぶことができ、質疑応答の時間も設けられるため、具体的な疑問を解消する絶好の学習となるからです。
またセミナーでは実践的なデモンストレーションが行われることが多く、実際の操作を目の前で見ることで理解が深まりやすくなります。
Autodesk Fusionセミナー講習では、未経験者向けに3DCADの基本から応用までを2日間で学べます。対面、ライブウェビナー、eラーニングの3形式から選べ、実務に即した技術を習得可能ですので、学習に時間をかけたくない方や、短期で重点のみ学びたい方はぜひご検討ください。
Autodesk Fusionセミナー講習のスケジュール/お申し込みはこちらから
Autodesk Fusionテキストまとめ
Autodesk Fusionテキストを選ぶポイントとしては目的やスキルレベルの他、最新バージョンに対応しているかも挙げられます。また実践的な演習が豊富で、操作手順が丁寧に説明されているものを選ぶと効果的です。
適切なテキストを使いこなすことで学習効率が加速し、設計の幅が広がるでしょう。
