Blenderでの面張りは、3Dモデリングにおいて基礎的な操作の一つです。
特に、オブジェクトの形状を整合するためには、効率よく面張りを行うことが求められます。
本記事では、Blenderに標準されている操作を活用した面張り方法や、効率化を図るアドオンを利用した方法などについて紹介しているので、気になる方は本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。
Blenderの特徴
Blenderは、無料で使えるオープンソースの3Dモデリングソフトです。
Blenderで制作された作品は商用利用が可能で、作成した作品を収益化できる点が魅力です。
また、Windows、Mac、Linuxの3つのプラットフォームに対応しているため、さまざまな環境でも使用できます。
さらに、Blenderの利用者は日本でも多く、解説記事やチュートリアル動画が豊富にあることから、初心者でも学習を始めやすいのもメリットです。
なお、Blenderの特徴をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
Blenderの機能や基本的な使い方について解説しています。
Blenderのフィルで面張りを行う方法
Blenderの面張りとは、フィルで面を作成して張りつける機能のことをいいます。実際にBlenderのフィルで面張りを行う方法について見ていきましょう。
1.面の抜けたオブジェクトを作成する
まず、Blenderを新規で立ち上げたら、初期で用意されている立方体を選択して、Deleteキーで削除しましょう。
続いて、3Dビューポート上部にあるメニューの「追加」にある「メッシュ」から「円」を選択してください。
すると、3Dビューポート上に円のオブジェクトが追加されます。
2.円を全選択する
円が作成できたら、Tabキーを押して、オブジェクトモードから編集モードへ移行します。編集モードになったら、Aキーを押して円を全選択しましょう。
円の周りがオレンジの線と点で囲まれたらOKです。
3.面張りをする
円が全選択された段階でキーボードのFキーを押すと、面張りがされます。このとき、頂点や辺を選択した状態でFキーを押していくことで、連続での面張りが可能です。
さらに、AltキーもしくはOptionキーとFキーを同時に押すことで、三角形の面張りもできます。用途に合わせて使い分けてみてください。
また、Blenderの使い方を学ぶならチュートリアルの利用がおすすめです。
以下の記事では、Blenderを学べるおすすめのチュートリアルについて紹介しています。
そのほか学習のコツなどについて紹介しているので、Blenderをどうやって学べばよいか知りたい方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
Blenderのグリッドフィルで面張りを行う方法
オブジェクトに空いている穴を埋める際に便利なのがグリッドフィルです。
続いては、グリッドフィルを使って面張りを行う方法について見ていきましょう。
1.UV球を用意する
まず、Blenderを新規で立ち上げたら、初期で用意されている立方体を選択して、Deleteキーで削除しましょう。
続いて、3Dビューポート上部にあるメニューの「追加」にある「メッシュ」から「UV球」を選択してください。
2.UV球に穴を開ける
Tabキーで編集モードに移行したら、テンキーの「1」で正面からの視点に切り替えましょう。中心から2×2、もしくは4×4になるように頂点を選択します。
選択したらXキーで表示されるメニューから「頂点」を選択して、アクティブの頂点を削除しましょう。
これで穴の空いたオブジェクトができたので、グリッドフィルを適用させていきます。
3.空いた穴に面張りをしていく
面張りしたい周りの辺をすべて選択しましょう。Shitキーを押しながら個別で選択してもよいですが、AltキーもしくはOptionキーを押しながら辺を選択することで、穴の周りの辺が一括で選択されます。
続いて、3Dビューポート上部にある「面」から「グリッドフィル」を選択することで、穴を埋めるように面張りが適用されます。
また、3Dビューポートの左下にはグリッドフィルのプロパティが表示されており、以下のような設定ができます。
項目 | 説明 |
スパン | グリッドの分割数を変更できる |
オフセット | グリッドが回転する |
空いた空間を自然に埋めたいケースでは、グリッドフィルを活用しましょう。
Blenderのアドオンから面張りを行う方法
アドオンとは、Blenderの機能を拡張して使いやすくするツールです。そんなアドオンを活用すれば、面張りも手軽に行えるようになります。
Blenderのアドオンを活用して面張りを行う方法について見ていきましょう。
1.平面を追加する
まず、Blenderを新規で立ち上げたら、初期で用意されている立方体を選択して、Deleteキーで削除しましょう。
続いて、3Dビューポート上部にあるメニューの「追加」にある「メッシュ」から「平面」を選択してください。
平面が追加できたら、テンキーの「7」で上からの視点に変更しておきます。
2.面を細分化する
Tabキーで編集モードに移行したら、右クリックで表示されるメニューから「細分化」を選択しましょう。
続いて、画面左下に表示されているプロパティから「分割数」を「3」に変更します。
面が分割されたら中心から3つ好きな位置の頂点をアクティブにし、Xキーから「頂点」を選択して削除しましょう。
3.アドオンを追加する
画面上部のメニューの「編集」から「プリファレンス」を選択しましょう。
続いて、左側のメニューから「アドオン」を選択し、検索窓に「F2」と検索します。
すると、「F2」がヒットするので、ボックスにチェックを入れて有効化したら、プリファレンスの画面は閉じましょう。
このとき、アドオンから「F2」が出てこない場合は、プリファレンスの「エクステンションを入手」からアドオンを追加する必要があります。「エクステンションを入手」で「F2」を検索して「インストール」ボタンをクリックしましょう。
また、インストールする際は、初回のみ「オンラインアクセスを許可」をする必要があります。
4.面張りをする
空いた面の頂点を一つ選択した状態でFキーを押すと、アドオンが適用されて面が作られます。面が作られたら右クリックで確定します。
空いている面すべてにFキーを試して、面張りができるか試してみましょう。
Blenderでオブジェクトに沿って面張りを行う方法
オブジェクトの形に沿って、別のオブジェクトを面貼りしたいケースでは、モディファイアーのシュリンクラップを使います。
モディファイアーのシュリンクラップを使って、Blenderでオブジェクトに沿って面張りを行う方法について見ていきましょう。
1.オブジェクトを2つ用意する
まず、Blenderを新規で立ち上げたら、初期で用意されている立方体のオブジェクトを選択して、Deleteキーで削除しましょう。
今回は、球体に平面を貼り付けたいので、3Dビューポート上部にあるメニューの「追加」にある「メッシュ」から「UV球」と「平面」をそれぞれ追加しましょう。
追加した平面のオブジェクトは、UV球と被らないようにGキー+ZキーでZ軸方向に移動をかけておきます。
2.平面を細分化する
続いて、平面のオブジェクトをアクティブにしてからTabキーで編集モードに移行したら、右クリックから、「細分化」を選択しましょう。
画面左下に表示される細分化のプロパティから、カット数を「32」に変更します。
細分化をしておくことによって、球体に沿った形で貼り付けができるようになります。
3.シュリンクラップを適用させる
細分化ができたら、プロパティにあるモディファイアープロパティのアイコンから「モディファイアーを追加」をクリックします。
「変形」の中にある「シュリンクラップ」を選択しましょう。
続いて、「ターゲット」のスポイトアイコンをクリックして、UV球を選択することで、貼り付けるターゲットをUV球に設定できます。
最後にモードをオブジェクトモードに変更して、オフセットの値を「0.001m」にすると、球体に沿った面張りの完成です。
オフセットの値の大きさによってUV球と平面の間の距離が決められます。
Blenderで面張りをする際の注意点
Blenderで面張りをする際は、以下の点に注意が必要です。
- モードの切り替えを間違えないようにする
- グリッドフィルは頂点の数を偶数にする
- アクティブな頂点が間違っていないか確認する
これらの注意点について見ていきましょう。
注意点①モードの切り替えを間違えないようにする
オブジェクト自体の選択はオブジェクトモード、面張りの操作は、編集モードでのみ行えます。
間違えたモードのまま操作すると、オブジェクトを選択や、頂点や辺の編集ができません。
ショートカットキーのTabを使用すれば、簡単に切り替えられるので、必要な操作に合わせて適切なモードに切り替えるようにしましょう。
注意点②グリッドフィルは頂点の数を偶数にする
グリッドフィルを使う際、選択している頂点の数が奇数だと、エラーが表示されて面張りが行えません。そのため、選択する頂点は偶数になるように注意しましょう。
どうしても頂点が奇数になってしまうケースでは、細分化で頂点を追加してください。
また、画面上部にある「オーバーレイ」のアイコンをクリックし、ガイドの中にある「統計」にチェックを入れることで、現在選択している頂点の数を統計情報として確認できます。
注意点③アクティブな頂点が間違っていないか確認する
面張りが思い通りいかないケースでは、アクティブな頂点が間違っている可能性があります。
特に、ドラッグ操作で頂点を選択した際に、意図とは異なる箇所を選択していたり、一箇所選択が漏れていたりといったことが珍しくありません。
面張りがうまくいかないケースでは、Shiftキーで一つずつ選択してみるなどして、アクティブな頂点が間違っていないかを確認しましょう。
Blenderの基礎を一から学びたいなら
面張り機能は、Blenderを使ううえで基本的な操作の一つです。このような基本操作を理解していないと、モデリングを行う際に、使い方のリサーチで時間を取られてしまいます。
Blenderを効率良く使うためには、基礎をしっかり押さえておくことが大切です。
Blender基礎セミナーなら、Blenderの画面構成から基本操作といった、基礎的な内容を重点的に学習できます。
また、身につけた基礎を踏まえて、実際に作品作りにも挑戦するため、応用スキルも身につけられるでしょう。
さらに、講座は2日間で終わるので、仕事が忙しくまとまった時間を確保できない方にもおすすめです。Blenderの基礎を一から学びたい方は、ぜひBlender基礎セミナーをチェックしてみてください。
Blenderで面張りを行う方法についてのまとめ
今回は、Blenderで標準的な面張りの方法から、便利なアドオンを使った方法まで紹介しました。面張りは、オブジェクトの形状を整えるのに欠かせない操作です。
Blenderの操作に慣れることで、より高度なモデリングが可能になります。
モデリング作業を効率よく進めるためにも、ぜひ今回の内容を参考にして活用してみてください。