E資格とは「AIのディープラーニング分野に関する資格」のことで、AI系の職種へ転職する際に注目されることが多いです。
そこで今回は、E資格は実際の転職時に使えるのか、転職時のE資格の活用方法やE資格の合格方法などを解説していきます。
まず「E資格」とは?
E資格が転職にどう役立つのかを知りたい方は、2分で終わりますので上記の動画をご覧ください。
E資格は、簡単に言うと「ディープラーニングが扱えるAIエンジニア」として証明することができる資格の名前です。
合格すると実際に履歴書の資格欄に書くことができるので、ディープラーニングの知識があると相手にも分かりやすくなります。
E資格の合格者数
2024年のE資格の合格率は72.61%で、受験者は1,194人おり867人が合格しています。
2021年は合格者が1,000人を超える試験日もありましたが、大体は700人前後の合格者となっています。
E資格はAI業界の転職に使える
E資格は、主にAI開発に使用される、ディープラーニングに関する資格です。
そのため、AI業界への転職に活用することが可能です。
E資格を取得するためには、JDLA認定のE資格講座を受講し、修了者番号を取得、そしてE資格試験に合格する必要があります。試験では、AIの基礎的な内容だけでなく、機械学習やディープラーニングに関する豊富な知識も必要となります。
そして、専門家レベルでなければ試験に合格することは難しく、E資格は誰にでも取得できるものではありません。したがって、E資格を保有しているだけで、AIやディープラーニングに関する豊富な知識を持っている、限られた人材であることを証明できます。
E資格取得の難易度を知っている企業に転職する場合には、有効活用できるでしょう。
転職用にE資格を取得するメリット
転職時にE資格を取得するメリットは後ほど詳しい解説もありますが、
- 転職や就職に使える
- AI系の企業にスカウトされやすくなる
- 高度なAI事業を任せてもらえる
- 昇給が期待できる会社もある
こういったポイントにメリットが現れます。
AI系の仕事がしたい人や、今の職場より高給を目指す人にはぴったりの資格でしょう。
E資格の取得に必須!JDLA認定講座
E資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。
ただ、誰でも簡単に試験を受けられるわけではなく、日本ディープラーニング協会の認定プログラムを受けなければなりません。
つまり、試験に合格できる知識を得た上で、認定プログラムを受けるという、2つのステップが必要となります。それをまとめて行えるのが、AI研究所が提供する、E資格対策ディープラーニング短期集中講座です。
名前の通り、比較的短い期間でE資格の取得を目指せる講座で、日本ディープラーニング協会から認定を受けているため、修了することで受験の資格も得られます。
そして、会場受講とライブウェビナー、eラーニングの3通りから、自らのスタイルに合わせて選択可能です。
カリキュラムはいずれも共通で、講座は合計24時間です。
事前に8.5時間の学習を行うことで、その短さで済むようになっています。事前学習では、ディープラーニングや数学に関して基礎から学べる上に、講座が終了した後は、eラーニングによる復習も可能です。
そのため、初心者であっても、合格を目指すことは不可能ではないでしょう。
また、期間が短いため、受験資格を取得する目的で利用するという選択肢もあります。
E資格を活用して転職する手順
E資格を活用し転職するために何をしていけばいいでしょうか。順に説明していきます。
1.「E資格」で求人を探す
E資格を活かした転職をする場合、求人サイトを使用するのであれば、「E資格」というキーワードを元にして探すのが手軽です。E資格に関して知っている企業が、早い段階で見つかるでしょう。
また、「機械学習エンジニア」や「データサイエンティスト」など、職種から求人を探すこともおすすめします。その他には、転職エージェントを利用するという方法もあります。
E資格を有効活用したいのであれば、E資格の重要性を理解できる、AIに強いエージェントを選ぶようにしましょう。
2.履歴書にE資格のことを記入
求人が見つかった後は、書類選考や面接へと進みますが、E資格を保有していることをアピールするためには、履歴書の資格欄に記載する必要があります。
その際には、ただ「E資格」と書くのではなく、
- E資格(一般社団法人日本ディープラーニング協会)
- 一般社団法人日本ディープラーニング協会 E資格
という風に、協会名を一緒に書いておきましょう。また、企業によっては、英語表記の「JDLA Deep Learning for ENGINEER」の方が好ましい場合もあります。
履歴書への記載は、協会と資格の名前だけで特に問題はありません。
そして、履歴書とは別に、ポートフォリオを用意して、より詳しい情報を書くようにしましょう。
3.ポートフォリオでE資格をアピール
ポートフォリオとは、自らのエンジニアとしての経歴やスキルを記載した、より詳細な履歴書です。
IT業界からAI業界に転職する場合は、自らの経歴をポートフォリオに記載すべきです。
また、IT業界への就職経験がない人であっても、ポートフォリオは必要です。
E資格に関して、どういった知識やスキルを持っているのかを記載して、しっかりアピールしましょう。
E資格に関するポートフォリオでは、プログラミング言語であるPythonを使えるということを、アピールするのが大切です。特に、Pythonのフレームワークが使えるということは、良いアピール材料になります。
E資格を取得する上で、Pythonやフレームワークに関する知識は習得できるはずなので、その知識を元にプログラムのサンプルを作りましょう。そして、それを紙に印刷してポートフォリオにしても良いですし、サイトを作成して、Webポートフォリオとして公開する方法もあります。
Webポートフォリオの場合は、URLを記載して企業側にアクセスしてもらう形になります。
4.面接でE資格をアピール
面接では、ポートフォリオに書いている情報を元に、アピールをしていきましょう。
E資格を保有していること、どういった認定プログラムを選んだのか、どのようなスキルがあるのかを説明します。
ただE資格を保有しているというだけでなく、それをどう仕事に活かせるかを示した方が、採用される確率は高くなるでしょう。もし、面接官がE資格を知らない場合は、AI開発に関する資格であることや、取得するまでの難易度が高いことなどをアピールすべきです。
転職でE資格が使える主な職種
転職でE資格が使える主な職種は、AIエンジニアである、機械学習エンジニアとデータサイエンティストです。
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアは、AI開発において、AIの精度を高める作業を行う職業です。
AIに大量のデータを与え、機械学習させていきます。
E資格で取り扱っているディープラーニングも機械学習の一種であるため、機械学習エンジニアとして働く場合、E資格取得のために得た知識が活かせる可能性が高いです。
機械学習エンジニアの仕事は、機械学習を用いたAI開発以外にも、使用するデータの分析や、開発したAIの保守など、多種多様です。いずれの仕事もAIや機械学習に関する豊富な知識が必要となるため、転職時にE資格が使えるでしょう。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、AIを使用して、大量のデータを分析する仕事です。
人では扱いきれないほどの膨大なデータを、AIを使用して分析し、ビジネスで活かせる形にまとめます。また、分析結果から、経営における問題点を見つけたり、経営のアドバイスをしたりすることもあります。
データ分析をする際には、機械学習が必要となり、高度な分析であればディープラーニングも求められます。そのため、データサイエンティストへの転職にも、E資格が活かせる可能性が高いです。
データアナリスト
また、データアナリストへの転職時にも、E資格が使える場合があります。
データアナリストは、AIが分析した結果を用いて、経営のサポートを行う仕事です。
データサイエンティストと似ている部分がありますが、分析の作業を行わないため、ディープラーニングは必要ありません。
しかし、データアナリストがディープラーニングに詳しければ、どういった分析が必要なのかが判断しやすいです。さらに、データサイエンティストとデータアナリストを兼任することも可能となります。したがって、データアナリストへ転職するために、E資格を取得するというのも、間違いではありません。
E資格はあくまでも、AIに関する資格です。
そのため、AIに関係のない業界への転職では、使いにくいことは覚えておきましょう。
IT業界以外の業界はもちろんのこと、IT業界内であっても、AIを取り扱っていない企業であれば、E資格は重要視されない可能性が高いです。
AI分野に携わっていないIT企業が、E資格に関してあまり詳しくなく、転職で資格が活かせないということも、珍しくはありません。ただ、難易度の高いIT関係のスキルを保有しているということをしっかりアピールできれば、IT業界以外への転職で活かせる可能性はあります。
E資格は転職に使えるのかについてまとめ
E資格は、AIのディープラーニングという、範囲が限られる分野に関する資格です。
そのため、IT業界全般の転職に有利になるとは限りません。
しかし、AIを活用する企業は、ディープラーニングが必要とされることが多いため、E資格が活用できる可能性が高いです。よって、AI業界への転職を考えるのであれば、E資格の取得を考えると良いでしょう。