kintoneに新しく搭載された注目のAI機能「kintone AI」。検索AIやアプリ作成AIなど、多彩な機能がそろっていますが、「結局どんなことができるの?」と感じている方もいるでしょう。
この記事では、kintone AIの特徴やできること、料金、使い方まで徹底解説します。日々の業務効率化を進めたい企業の担当者様は、ぜひ参考にしてください。
kintone AIとは?
kintone AI(キントーン エーアイ)は、プログラミングスキルがなくてもアプリ作成やデータ活用ができるノーコードツールです。
kintone AIは、約1年間のテスト期間(β版)を経て、2026年6月14日から正式リリースされました。「AIを使って業務を効率化したい」という現場のニーズにしっかり応え、誰もが安心して使えるツールとして進化を遂げています。
ChatGPTやGeminiとの違い
kintone AIとChatGPT・Geminiの最大の違いは、扱うデータの範囲です。ChatGPTやGeminiは、インターネット上の公開情報(オープンデータ)をもとに回答を生成する汎用型AIです。
一方、kintone AIはkintone内のデータだけを対象に処理する、業務特化型のクローズドAI です。そのため、
- 社内データを外部に出さずに安全に活用
- kintoneアプリの情報を理解したうえで回答・生成
- 業務フローやアプリ構造に沿った提案が可能
といった特徴があり、ChatGPTやGeminiなど、一般的に活用されている生成AIとは役割が大きく異なります。
AIの使い分けも完璧!自社仕様で学べる最新AI研修プラン
上記の違いを見て、「kintone AIとChatGPT、自社にはどちらが合う?」「最新AIの魅力を知ってからツールを決めたい」と思った方もいるでしょう。
DX研修・人材育成サービスは、kintone AIの基礎から、ChatGPTやGemini、Copilotといった最新AIの活用法まで、多彩なカリキュラムを自由に組み合わせられる総合型プログラムです。「自社に合わせて柔軟にプランニングしたい」そんな企業様にも最適です。
ChatGPT、Gemini以外でビジネスシーンで人気の生成AIといえば、やはりCopilotです。Copilotについては、以下の記事で詳しく解説しているので、AIツールの比較検討にお役立てください。
kintone AIに搭載している5つの主要機能

kintone AIには、日々の業務効率を圧倒的に高めてくれる便利な機能が揃っています。ここでは、kintone AIに搭載している5つの主要機能をご紹介しましょう。
- 検索AI
- アプリ作成AI
- プロセス管理設定AI
- スレッド要約AI
- 外部連携サービス
①検索AI|自社データから探す
kintone AIの「検索AI」は、社内データを日常言葉で探せる機能です。たとえば、「サイボウズ商事の直近5件の活動履歴は?」と聞くだけで、kintone AIがデータを元に即座に回答。よく使うプロンプト(質問で使う言葉)は、ボタンにすればワンクリックで呼び出せます。
②アプリ作成AI|言葉だけでアプリを作る
kintone AIの「アプリ作成AI」は、会話だけでアプリを自動生成する機能です。たとえば、「顧客情報とそれに関連する活動履歴のアプリを作って」と伝えると、質疑応答しながらkintone AIがアプリを構築します。内容をチェックしたらその場でアプリが完成です。
③プロセス管理設定AI|承認ルートを自動で設定
kintone AIの「プロセス管理設定AI」は、面倒な承認ルートを自動設定する機能です。手順は、「申請・確認・承認の流れで、いつでも最初に戻せるようにして」のように指示するだけでOK。後は、表示されるプロセスのフロー図をチェックして、「反映」をクリックすれば完成です。
④スレッド要約AI|長いやり取りをパッと把握
kintone AIの「スレッド要約AI」は、コメント欄の長いやり取りをまとめる機能です。コメントが膨大にあっても、kintone AIが内容を簡潔に教えてくれるため、内容をサッと確認できます。
⑤外部連携サービス|外部情報のリサーチ・蓄積
kintone AIは社内データに特化しているため、社外の一般情報には答えられません。そこを解決するのが連携サービスの「Smart at AI」です。たとえば、「筋トレに必要なエネルギーは?」という質問のように、社外の一般情報にも回答できます。
ここまではkintone AIの機能を見てきましたが、社内のパソコン作業を自動化したいなら、無料で使える「Power Automate Desktop」もおすすめです。
以下の記事は、Power Automate Desktopのインストール方法や使い方を画像付きで解説しているので、導入手順を詳しく知りたい方もぜひご一読ください。
kintone AIの料金プラン一覧
kintone AIは、kintoneのスタンダードまたはワイドコースを契約していれば利用できます。
つまり、kintone AIは個別の申し込みが不要で、管理者が設定画面で機能を有効にするだけで利用できます。さらに、追加料金なしで毎月「AIクレジット」が付与され、このクレジットはチーム全体で共有可能です。
| 項目 | スタンダード | ワイド |
|---|---|---|
| 月額料金(1ユーザー) | 1,800円 | 3,000円 |
| 年額料金(1ユーザー) | 21,600円 | 36,000円 |
| 最小ユーザー数 | 10名 | 1,000名 |
| アプリ数 | 1,000個 | 3,000個 |
| スペース数 | 500個 | 1,000個 |
| 外部サービス連携・プラグイン | ○ | ○ |
| 大規模向け機能 | × | ○ |
| APIリクエスト数 | 1万/日 | 10万/日 |
| ディスク容量 | 5GB × ユーザー数 | |
| サポート | メール・電話・チャット | |
kintone AIの可能性を広げるプラグイン連携
kintone AIは、プラグインや外部サービス連携と組み合わせることで、標準機能だけでは実現しにくい処理までカバーできるようになります。
「AI・OCR」連携で使えるデータを自動で増やす
kintone AIの土台であるkintoneは、帳票出力、カレンダー、Webフォーム作成など、24カテゴリ・400種類以上のプラグイン・連携サービスがあります。
その中で、kintone AIと特に相性が良く、効果を発揮しやすいカテゴリは「AI・OCR」です。kintone AIはkintone内のデータしか使えない性質がありますが、
- 拡張機能で紙書類からOCRで文字起こし
- AIで分類してkintoneに登録
というルートを作れば、kintone AIが使えるデータそのものを自動で増やすことができます。
プラグイン・連携サービスの種類
続いて、kintoneに搭載されている主なプラグイン・連携サービスの種類(カテゴリ)を見てみましょう。
- 帳票出力・見積作成・印刷(データをPDF等に出力)
- Webフォーム・MA(問い合わせ等の自動連携)
- スケジュール・カレンダー(予定管理の拡張)
- ファイル管理・バックアップ(添付ファイル整理の強化)
- 電子契約(契約処理の効率化)
これらの場合、プラグイン自体をkintone AIが直接操作するわけではありませんが、組み合わせることで業務自動化が叶います。たとえば、Webフォームから入ってきた大量の問い合わせデータを、kintone AIの要約機能で整理する、といった連携が可能です。
kintone AIの活用事例
では、kintone AIを拡張するプラグインや連携サービスは、実際の現場でどのように使われているのでしょうか?ここでは、プラグイン連携によって機能拡張された具体的な活用事例を通じて、kintone AIの活用方法を紹介しましょう。
外部連携サービス「Smart at AI for kintone Powered by GPT」
はじめに紹介するkintone AIの活用事例は、M-SOLUTIONS株式会社が開発した「Smart at AI for kintone Powered by GPT」です。
このkintone AIを用いたツールは、プラグインを組み込むだけでkintone内のデータを活用しながらChatGPTなどの生成AIが使えます。実際の現場では、
- 社内FAQの回答作成日報
- レポートの自動生成
- 顧客情報を元にした企業リサーチ
などで活用されています。当ツールは、API連携を採用しているため、ChatGPTなどの生成AIにデータが漏れる心配も不要。キーワードのハッシュ化機能や出力ログ監視など、業務で安心して使える高いセキュリティ性を備えています。
| プラン | 初期費用 | 年額費用 | 月の制限 |
|---|---|---|---|
| ライト | 50,000円〜 | 84,000円〜 | 500回〜 |
| スタンダード | 50,000円〜 | 672,000円〜 | 500回〜 |
| プレミアム | 50,000円〜 | 1,800,000円 | 100回〜 |
参照:Smart at AI for kintone Powered by GPT
アプリ制作を徹底サポート「レクシン AI for kintone」
次に紹介するkintone AIの活用事例は、株式会社ノベルワークスが開発した「レクシン AI for kintone」です。このkintone AIを用いたツールは、対話を通じて要件定義からシステム設計書、アプリ構成図などを自動生成してくれます。具体的には、
- 会議などのデータからアプリ設計書を自動生成
- 前任者が作った既存アプリの内容を解析・見える化
- 要件に最適なkintoneプラグインの自動選定と提案
などで活用されています。標準のkintone AIだけでは難しいアプリ開発・管理の効率化をサポートしています。
| プラン | 月額費用(税抜) | 利用可能機能 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | クレジットを消費するまで全機能無料 |
| スターター | 15,000円 | 議事録、システム概要書、概算工数見積書、コストメリット |
| スタンダード | 50,000円 | 全ての機能が利用可能 |
kintone AIの設定方法
kintone AIを利用するためには、kintoneのシステム管理者、もしくはcybozu.com共通管理者の事前設定が必要です。では、具体的なkintone AIの設定方法(有効化手順)を見てみましょう。
- kintoneの画面上部にある「設定」アイコン(歯車マーク)を開く
- 「kintoneシステム管理」を選択
- 管理画面内の「AI」にある「kintone AI管理」をクリック
- 「kintone AIの有効化」の「kintone AIを有効にする」にチェック
- 「AI機能一覧」の各種機能から希望機能の「有効にする」をチェック
- 画面右下にある[保存]をクリック
これで、kintone AIの有効化設定は完了です。なお、kintone AI自体が無効化されていると、個別のAI機能にチェックが入っていてもkintone AIを利用できないため注意が必要です。
kintone AIの使い方
続いて、kintone AIの使い方を見てみましょう。ここでは、kintone AIを活用して有給管理などのアプリ作成や連携をよりスムーズに行う手順をご紹介します。
- アプリ作成画面で作成したい「アプリ名」を入力
- 画面左側から必要な「フィールド」を選びドラッグ&ドロップで配置
- 文字列フィールドを配置して「申請者」などの項目を作成
- ラジオボタンを配置して半休や全休などの「区分」を設定
- 複数行フィールドを配置して「申請理由」の入力ボックスを作る
- kintone AIのレビュー機能を使い、設定に抜け漏れがないかチェック
- 罫線やラベルを配置して見た目をわかりやすく調整
このように、kintone AIを活用すると、自分で作ったアプリを最終チェックできるため、設定のミスや項目の過不足を未然に防ぎ、完成したアプリを実務で安心して使えます。
プロの指導で業務アプリの「自社内製化」を目指そう!
上記の手順を見ても「自社の業務にどう当てはめればいいのか…」「実際にkintone AIを使いこなせるのか…」と不安を感じた方もいるかと思います。DX研修・人材育成サービスは、
- kintone AIの基本操作から応用的なアプリ開発
- 一歩進んだkintone AIの活用方法
まで、自社の課題にぴったり合ったプランを構築できます。「現在のスタッフでkintone AIを業務に取り入れたい」「業務アプリの構築や内製化を自社で賄いたい」と考えている企業様にもおすすめのカリキュラムです。
kintone AIの「検索AI機能」を使う際の注意点

kintone AIを使う際には、kintone AIの機能の一つ「検索AI機能」についての注意が必要です。
- kintone AIの参照レコードは5件まで
- kintone AIが検索できないフィールドがある
- 処理中はアクセス権を変更できない
①kintone AIの参照レコードは5件まで
kintone AIが一度に参照できるのは上位5件のデータのみです。全社員など5件以上のデータが必要な集計には、kintone AIではなく標準の「グラフ」機能を使いましょう。
②kintone AIが検索できないフィールドがある
kintone AIは「作成者」「日付」など読み取れない項目があり、これらに関しては検索できず回答もできません。なお、文字列の「計算式」を使って変換すれば、kintone AIの検索対象にできる場合があります。
③処理中はアクセス権を変更できない
kintone AIは、回答の生成中にアクセス権を変更しても反映されません。新しいアクセス権への変更は、kintone AIへ次に新しく質問を送信した際からの適用となります。
kintone AIに関するよくある質問
最後に、kintone AIをご利用中、または導入を検討されている方から寄せられるよくある質問を4つご紹介します。
kintone AIについてまとめ
kintone AIは、kintoneの機能をAIで強化する機能です。たとえば、レビュー機能を使えば、アプリの不備や設定のミスを自動でチェックできます。
こうしたkintoneのAI機能を業務にしっかりと活かすためにも、まずはkintoneを使いこなせるようになりましょう。短期セミナーを活用すれば、無理なくkintoneの実践スキルが身につきます。