Blender(ブレンダー)は、強力な3Dコンピューターグラフィックスソフトウェアであり、アニメーション、ゲーム、映像制作などのさまざまなプロジェクトに利用されています。
本記事では、Blenderを使ってオブジェクトに色付けする方法を基礎から詳細に解説します。
マテリアルを活用することで、作品をより鮮やかに、高品質に色付けすることが可能です。
Blenderのマテリアルを理解し、使いこなすことで、自由自在な色付けが可能となるでしょう。
Blenderの色付けを学ぶには
Blenderの勉強したいという方はBIZROADの「Blender基礎セミナー」講座の受講をおすすめします。
Blenderのマテリアル設定は調べながらでも作れますが、独学は根気が必要でなかなか進まないことも多いです。こちらの講座では、1日目のマテリアル設定のレクチャーにて色付けを実践方式で学習します。
受講方法が会場・ウェビナー・eラーニングから選択することが出来ますのでご自身のライフスタイルにあった受講方法をお選びくださいませ。
Blenderの色付けについて
Blenderはパワフルで使いやすい3Dモデリングとアニメーションツールです。
さまざまな色付けや、質感をオブジェクトに追加してリアリティを追求することが可能です。
Blenderのマテリアル機能
Blenderでオブジェクトに対して色付けする場合は、Blenderのマテリアルを使用します。
マテリアルは、3Dオブジェクトの見た目を制御する設定の一種です。
Blenderのマテリアルは、マテリアルエディタで作成および調整できます。
これは、物体の色やテクスチャ、光沢感、透明性など、物体がどのように見えるかを制御するための多数の設定を提供します。
マテリアルは基本的には色とテクスチャからなりますが、ブレンダーではこれに加えて物理的な属性も設定できます。これには反射性、透明性、屈折率、電気的な性質などが含まれます。
これらの属性を組み合わせることで、金属、ガラス、皮膚、木材など、あらゆる種類の素材を色付け・模倣することができるのです。
Blenderの操作を習得すると仕事の幅も広がります。
Blenderを使った仕事に興味がPhotある方は、以下の記事について詳しく解説しておりますので参考にしてください。
Blenderでオブジェクトに色付けする方法
それでは、Blenderの基本的な機能であるマテリアルを使用して、3Dオブジェクトに色を付ける方法について学びましょう。
このガイドを通じて、Blenderを使用して3Dオブジェクトに色を追加する方法や、その色をカスタマイズする手法やオブジェクトの表示モードについて習得することができます。
オブジェクトにマテリアルを追加して色付けする
以下の方法でオブジェクトに色付けできます。
大雑把に言えば、マテリアルをオブジェクトの設定に追加することで色付けをします。
- Blenderを開きます。
- 最初に色を付けたい3Dオブジェクトをクリックして選択します。
- オブジェクトを選択したら、画面の右下にある「マテリアルプロパティ」タブをクリックします。これは球体のようなアイコンで表示されています。
- 「新規」ボタンをクリックします。
これにより、選択したオブジェクトに新しいマテリアルが作成され、適用されます。
色付けした色を変える
- マテリアルが作成されると、その下に様々な設定オプションが表示されます。
その中にある「表面(Surface)」セクションの「ベースカラー(Base Color) 」を探します。 - 「ベースカラー」の右側にある色の四角をクリックします。
- 色選択のポップアップが表示されます。
- ここで好きな色を選択するか、RGB値を直接入力します。
RGB値は0から1までの範囲で入力します。 - 色を選択したら、「OK」ボタンをクリックします。
これにより、オブジェクトに選択した色が適用されます。
ただし、ソリッドだと色が表示されません。
マテリアルプレビューモードを選択しましょう。
オブジェクトの指定部分のみ色を変える
オブジェクトに色を付ける方法、色を変える方法を解説しました。
次は、オブジェクトの一部分だけ色を変える方法を解説します。
1. 新規マテリアルを追加
- 任意のオブジェクトを作成・選択した後、「マテリアルプロパティ」タブで、「新規」ボタンクリックします。
- これにより、新しいマテリアルが作成され、リストに追加されます。
- もし既存のマテリアルをコピーして使用したい場合は、「マテリアル」ドロップダウンリストから既存のマテリアルを選択し、「複製」ボタン(二重四角形のアイコン)をクリックします。
2. 割り当て(assign)
- 画面の左下にある「編集モード」をクリックします。
これにより、オブジェクトの個々の面を選択できます。 - 3Dビューポート(大きな中央のパネル)で、新しいマテリアルを適用したいオブジェクトの部分をクリックします。
- シフトキーを押しながらクリックすると、複数の部分を選択できます。
- 選択した面に新しいマテリアルを割り当てるには、「マテリアル」リストで新しいマテリアルを選択し、「割り当て」ボタンをクリックします。
3. 色を変える
- 「ベースカラー」の設定を繰り返し、新しいマテリアルの色を選択します。
- 選択した色は、前述の手順で割り当てた面に適用されます。
- 以上の手順を繰り返すことで、オブジェクトに一つまたは複数の色を追加することができます。
全ての色が変わってしまう場合
マテリアルを一部分だけに適用するためには、メッシュを分割してそれぞれに異なるマテリアルを割り当てる必要があります。
以下の手順に従って、オブジェクトの一部分だけにマテリアルを適用してみてください。
- オブジェクトを選択します。
- 編集モードに切り替えます(Tabキーを押すか、3Dビューポート左下の切り替えアイコンをクリックします)。
- マテリアルを適用したい部分を選択します(選択モードを「Face Select」に切り替え、Shift + 右クリックで面を選択)。
- 選択した面を新しいオブジェクトとして分離します。
- 「P」キーを押して、「Selection」を選択して分離します。
これで、選択した面が新しいオブジェクトとして分離され、元のオブジェクトとは別のメッシュになります。
新しいオブジェクトには選択した面のみが含まれているため、以下の方法で、この部分に異なるマテリアルを適用することができます。
- 新しいオブジェクトにマテリアルを適用します。
- 新しいオブジェクトを選択します。
- マテリアルタブを表示します(モディファイアプロパティウィンドウのアイコンをクリック)。
- 「+」ボタンをクリックして新しいマテリアルを作成します。
- マテリアルの設定を調整します(色や反射など)。
これで、新しいオブジェクトに異なるマテリアルが適用されたはずです。
元のオブジェクトとは別にマテリアルが設定されているため、異なる部分に異なるマテリアルを持つオブジェクトを作成できます。
オブジェクトの表示モードを選択
Blenderのマテリアルエディタを使用して色付けをするとき、どの表示モードでオブジェクトを表示するかを覚えることも重要です。
表示モードは、どのように3Dビューポートがオブジェクトを描画するかを制御します。
ソリッドモード
最も基本的な表示モードで、テクスチャーやライティングは表示されません。
代わりに、すべてのオブジェクトは単色で表示されます。
マテリアルプレビューモード
これは、シェーディングとテクスチャーを表示するモードです。
しかし、完全なライティングや環境は反映されません。
レンダード表示モード
これは、最も詳細な表示モードで、完全なライティング、シェーディング、および環境を反映します。
これは、レンダリングの最終結果をリアルタイムで確認するのに最適なモードです。
Blenderの色付け便利機能
Blenderのマテリアル設定では、以下の項目がよく使われます。
- Metallic(メタリック)
- Roughness(ラフネス)
- Subsurface Scattering(サブサーフェス・スキャッタリング)
それぞれの項目を調整することで、オブジェクトの外観を変化させることができます。
Metallic(メタリック)
金属的な質感を調整します。
マテリアルプロパティーズタブを開き、「Metallic」(メタリック)という項目を探します。
スライダーを調整して、オブジェクトの金属的な特性を制御します。
右にスライドさせるほど、オブジェクトはより金属的に見えます。
Roughness(ラフネス)
表面のざらつきを調整します。
マテリアルプロパティーズタブ内で、「Roughness」(ラフネス)という項目を探します。
スライダーを調整して、マテリアルの表面のざらつきを制御します。
右にスライドするとざらつきが増し、左にスライドすると表面は滑らかになります。
Subsurface Scattering(サブサーフェス・スキャッタリング)
透明なマテリアルの厚みを表現します。
マテリアルプロパティーズタブを開き、「Subsurface Scattering」(サブサーフェス・スキャッタリング)という項目を探します。
スライダーを調整して、マテリアルの透明性を制御します。
右にスライドすると透明性が増します。
こちらの記事ではBlenderの基本操作や入門知識について紹介しております。
基礎から知りたい方はぜひあわせてご覧ください。
Blenderで色付けできない場合の解決方法
マテリアルの設定で問題が発生した際のトラブルシューティング方法を解説します。
以下の問題への対処法を紹介します。
- 色が反映されない
- 設定がうまくいかない
- マテリアルが見つからない
色が反映されない
オブジェクトに色が反映されない場合は、以下の手順で解決できるか試してみてください。
- オブジェクトをクリックして選択し、右側の「マテリアルプロパティーズ」タブを開きます。
- 「マテリアル」リストから適用したいマテリアルを選択します。
- これでマテリアルがオブジェクトに適用されます。
- 画面の右上にあるレンダリングエンジンの選択肢を確認します。
Blenderには「Cycles」と「Eevee」の2つの主要なレンダリングエンジンがあります。
マテリアルの表示が変わらない場合は、これらの設定を切り替えてみてください。
設定がうまくいかない
特定のマテリアル設定が期待通りに機能しない場合、その設定が選択したレンダリングエンジンと互換性があることを確認してみてください。
一部の設定は「Cycles」あるいは「Eevee」のどちらか一方でのみ機能する場合があります。
マテリアルが見つからない
作成したマテリアルがなくなってしまったと感じる場合は、以下で確認してみてください。
「マテリアルプロパティーズ」タブを開き、マテリアルリストのドロップダウンメニューから該当のマテリアルを探します。
それでもマテリアルが見つからない場合は、間違ってマテリアルを削除してしまった可能性があります。その場合は、再度マテリアルを作成する必要があります。
Blenderで色付けをして鮮やかな作品を作る
この記事では、Blenderを使ってオブジェクトに色を付ける方法を詳しく解説しました。
マテリアルの基本的な設定から複数色の付け方、よく使われる項目の説明、トラブルシューティングまでを網羅しています。
これらの知識を活用して、自由自在にオブジェクトの外観をカスタマイズしてください。