日本では急速なIT化に伴ってエンジニア職を担う人材のニーズが高まっています。
特にAIの分野は将来性が高く、企業からもエンジニア志望者からも注目度が高いです。
今回はAIエンジニアを目指す上で取得しておきたい資格の1つである「E資格」について、基礎知識やおすすめの講座などを紹介します。
E資格とはどんなもの?
E資格は日本の一般社団法人日本ディープラーニング協会(通称JDLA)が認定・運営するAIエンジニア向けの資格試験です。
機械学習のクオリティを向上させるために重要な情報処理技術であるディープラーニングへの理解度を深め、その知識と実力を証明することが主な目的となっています。
AIは今後の大きな成長が見込まれている技術である共に人材不足が深刻化している分野でもあるため、E資格を取得しておくと就職や転職において大きな武器になり得るでしょう。
また、JDLAはE資格の他にもG検定と呼ばれる資格も運営しています。
E資格のEが「エンジニア」を指すのに対して、G検定のGは「ジェネラル」の頭文字です。
どちらもAIのディープラーニングを中心とした学習内容になっていますが、E資格がAIエンジニア向けとなっているのに対してG検定は一般的なビジネスパーソンを主な対象としています。
いきなりE資格に受験するのはハードルが高いと感じる場合は、G検定からチャレンジしてみるのも1つの選択肢です。
E資格の試験に関して
E資格を受験するには、まず基礎知識を身に付けるためにJDLAの認定プログラムを受講する必要があるので注意しておきましょう。
有効期間はプログラムの修了から2年以内となっており、プログラムは大学や民間企業などで提供されています。
学習範囲は各プログラムによって異なり、基礎から応用まで幅広いので必要に応じて自分に適したものを選択しましょう。
E資格の資格試験は年2回、通例2月頃と8月頃に全国各地の会場で開催されています。
試験時間は120分で100問程度の四択式、コンピューターを用いたCBT方式です。
受講料は一般参加者の場合税込み3万3000円、学生の場合は税込み2万2000円となっています。
なお、JDLAの会員になっていると税込み2万7500円の優待価格で受験することが可能です。
E資格の合格率は例年70%前後となっており、数値上の難易度はさほど高くありません。
ただし試験時間120分に対して設問数が100前後となっているため、1問あたりに割ける時間はそう長くないという点には注意が必要と言えるでしょう。
また、過去問が公表されていないためいわゆる試験対策を練って合格するというタイプでもありません。
ディープラーニングに関する知識を網羅的に身に付けて、即座にアウトプット出来るようにしておくことが重要です。
また、合格基準は公開されていませんが受験者の平均得点率は約65%となっています。試験範囲は以下の4つです。
- 数学的基礎
- 機械学習
- 深層学習の基礎分野
- 深層学習の応用分野
- 開発・運用環境
E資格講座を選ぶ際のチェックポイント
E資格の合格を目指すためには、試験範囲の内容に対応した講座を受講するのがおすすめです。
しかし多種多様な講座が展開されている中で、何を基準にして選べば良いのか分からないという人も多いでしょう。
以下ではE資格講座を選ぶにあたってチェックしておきたいポイントをいくつか紹介します。
受講費用
E資格講座の受講費用は安いもので7万円前後、高いものだと50万円程度かかるものもあります。
それぞれでパッケージングされているカリキュラムやオプションが異なるため、一概に値段で判断するのは難しいです。
講座は自分の学習に必要な要素とコストのバランスを見極めて選ぶようにしましょう。
プログラムの提供元が展開しているキャンペーンの時期を狙えばお得に受講出来る可能性もあるので、気になる講座の公式ホームページはこまめにチェックしておくのがおすすめです。
国の給付金制度を利用出来る講座もあります。
学習スタイル
E資格の講座には「対面」「オンライン」「eラーニング」など様々な受講パターンがあります。
各プログラムによって選択可能な受講スタイルが異なるため、自分の学習方法にマッチしたものが選べる講座を探してみてください。
講座によっては複数の受講スタイルから任意のものを選択可能な場合もあります。
カリキュラムの内容
各講座では独自にカリキュラムを組んでいるため、学習ペースが大きく異なります。
短期集中型のものだと1ヶ月程度、時間をかけてゆっくり学習を進めていくタイプだと6ヶ月間のコースが一般的です。
E資格試験の受験時期から逆算して、自分の学習ペースに合わせて講座を選びましょう。
また、プログラムによって内包されている学習単元が異なるため事前によく確認しておくことも大切です。
サポート体制
講座を活用して学習を進めていくには、運営側のサポート体制も重要なポイントになります。
「学習中の質問は受け付けているのか」「コードの添削はしてもらえるのか」「復習ツールはあるか」など、快適に学習出来る環境が整っているかどうかをチェックしてみてください。
講座によっては有料オプションとしてこれらのサポートを提供しているところもあります。
おすすめのE資格講座6選
E資格は注目度や需要の高さ故に、開設されている講座の数も多いです。
ここではユーザーからの支持が厚いおすすめのE資格講座を厳選して6つ紹介します。
なお、ここで紹介する価格はすべて2023年4月時点のものです。
株式会社アイデミー
株式会社アイデミーが提供しているE資格講座Aidemyは予備知識0からでもディープラーニングの学習を始められるとあって、特にAI分野未経験者からの人気が高くなっています。
チャットサポートやコードレビューなどサポート体制も充実しているため、安心して学習に取り組める講座と言えるでしょう。
学習スタイルはオンラインのみ、費用は3ヶ月コースの場合で税込み32万7800円からとなっています。講座に満足出来なかった場合の8日間全額補償制度や専門実践教育訓練給付金制度など、費用面に関するケアも万全です。
AI研究所
AI研究所のE資格対策ディープラーニング短期集中講座は1ヶ月間の短期集中型カリキュラムとなっています。
「会場受講」「ライブウェビナー」「eラーニング」の3つのが学習スタイルが選択可能な点が大きな特徴です。
eラーニングの場合は最短4日間でカリキュラムを駆け抜ける超短期集中型プランも用意されています。
何かと忙しい現代人にとって、学習プランの選択肢が豊富であることは大きなメリットです。
分かりやすいカリキュラムで修了率約99%、E資格の合格率約83%をマークしています。
最安のプランはeラーニングで税込み76,780円からです。
株式会社AVILEN
オンライン学習に特化した講座を探している場合は、株式会社AVILENの全人類がわかるE資格コースをチェックしてみましょう。
メインコンテンツは講義形式の動画であり、1本あたり7分前後とスキマ時間の学習に適した長さに調整されているのがポイントです。
無制限のコード添削や質問などサポート体制が充実しているため、オンラインながらも学校に通っているのと遜色ない学習環境が提供されています。
人気のディープラーニング+機械学習のセット講座は税込み18万2600円で受講可能です。
エッジテクノロジー株式会社
エッジテクノロジー株式会社では深層学習の専門家である巣籠悠輔氏が監修したAIJobColleを展開しています。
「実務に役立つ知識」をモットーにしているため、E資格取得後にも生きるノウハウを身に付けることが可能です。
演習や体験を通じて知識の定着と運用力向上を図るハンズオン学習を積極的に導入しています。
受講料は単元ごとに細かく料金が設定されており、ディープラーニングのみの場合は税込み12万3024円です。
株式会社 zero to one
株式会社 zero to oneのE資格講座はビデオ教材と演習問題を中心にカリキュラムが組まれており、自分のペースで学習したい人に適した講座となっています。
各専門分野の大学院教授が監修した学習内容が提供されているため、洗練された質の高い知識が身に付けられるでしょう。
米国発の最先端教育手法を取り入れるなど、アカデミックな根拠に基づいたコース設計が大きな魅力です。
60~100時間で修了する講座の料金設定は税込み16万5000円となっています。
スキルアップAI株式会社
国際的にも評価されているAI研究の第一人者である杉山将氏の監修によるE資格講座は、スキルアップAI株式会社で受講することが出来ます。
上辺だけで記憶する知識ではなく、原理や背景を理解することで体系的かつ定着率の高い知識を身に付けられる講座です。
チャットでの質問・学習計画・充実したQ&Aなど専門教育機関さながらの学習環境が用意されています。
学習期間はコースによって3ヶ月から7ヶ月前後を比較的長めに設定されているので、じっくり学習を進めたい人におすすめです。
eラーニング・ライブ配信授業・総合サポートを組み合わせたスタンダードコースは税込み16万5000円となります。
もっとさまざまなE資格講座を比較したい方は下記サイトも参考にすると良いでしょう。
E資格を取得してAIエンジニアとしての一歩を踏み出そう
AI分野の学習は独学のハードルが高いため、一般的には講座の受講やスクールへの通学で知識を身に付ける人が多いです。
オンライン講座の普及に伴って自宅で効率的に学習したり、移動時間やスキマ時間に知識を吸収したりすることも難しくなくなりました。
E資格講座を有効活用して、需要の高まるAIエンジニアを目指してみてください。
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