G検定は、AIやディープラーニングのスキルを有していることを証明できる試験です。
G検定の合格率を知って、おおまかな難易度を把握したい方も多いでしょう。
本記事では、過去17回分のG検定の合格率を一覧で紹介しています。
さらに、G検定が難しいと言われる理由や、勉強方法も解説しているので、最後まで読んで合格を目指しましょう。
G検定とは

G検定の合格率を紹介する前に、そもそもG検定とは何かを解説します。
AIの基礎知識を問われる試験
G検定とはジェネラリスト検定の頭文字を取ったもので、JDLA(一般社団法人日本ディープラーニング協会)が主催する資格試験です。
主に、AIの基礎知識やディープラーニングについて問われる試験で、AIに関心がある人やビジネスでAIを活用したい人に向いています。
また、AIエンジニア以外にデータ分析や企画など、AIの基礎を理解することでビジネスの発展に役立てたい人にもおすすめです。近年、AIの技術が著しく進歩していることからも、多くのビジネスパーソンに注目を集めている試験です。
同じくJDLAが主催する試験に、E資格があります。
G検定と比較・混合されやすいため、違いを把握したい方や難易度・合格率を知りたい方は、ご覧ください。
試験概要
G検定の試験日や費用、受験資格などは、以下のとおりです。
| 受験資格 | 制限なし |
|---|---|
| 試験頻度 | 年に6回 |
| 試験時間 | 120分 |
| 出題数 | 200問程度(多肢選択式) |
| 受験方法 | オンライン(自宅受験) |
| 費用(税込) |
|
G検定に受験資格は定められておらず、年齢や学歴に関係なく誰でも受験が可能です。
試験頻度は年に6回で、2ヶ月に1度のペースで開催されます。
受験方法はオンラインで実施され、自宅からでも受験できるのが特徴です。
JDLAの公式サイトから、G検定の申し込みができます。
直近10回分のG検定の合格率
直近に行われた2025#4の開催回から、過去17回分のG検定の合格率を表にまとめたので、ご覧ください。
| 開催回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2022 #2 | 6,398 | 3,917 | 61.22% |
| 2022 #3 | 7,502 | 4,964 | 66.17% |
| 2023 #1 | 7,150 | 4,705 | 65.80% |
| 2023 #2 | 3,052 | 2,075 | 67.99% |
| 2023 #3 | 4,518 | 3,106 | 68.75% |
| 2023 #4 | 3,309 | 2,390 | 72.23% |
| 2023 #5 | 5,330 | 3,662 | 68.71% |
| 2024 #1 | 3,291 | 2,398 | 72.87% |
| 2024 #2 | 5,527 | 3,760 | 68.03% |
| 2024 #3 | 3,044 | 2,236 | 73.46% |
| 2024 #4 | 4,140 | 3,080 | 74.40% |
| 2024 #5 | 4,917 | 3,689 | 75.03% |
| 2024 #6 | 6,850 | 5,027 | 73.39% |
| 2025 #1 | 4,633 | 3,414 | 73.69% |
| 2025 #2 | 6,401 | 4,776 | 74.61% |
| 2025 #3 | 4,284 | 3,501 | 81.72% |
| 2025 #4 | 7,440 | 5,833 | 78.40% |
上記の表からもわかるとおり、G検定の合格率は60~80%程度で推移しており、2025 #3では80%を超える合格率となっています。10人に6~8人合格している計算のため、ハードルの高い試験ではありません。
しかし、G検定は難しいとの声もあり、合格率だけで判断するのはおすすめできません。
合格率のわりに難しいと言われる理由は、次で解説していきます。
合格率のわりにG検定が難しいと言われる理由

G検定の合格率は例年60~80%程度ですが、難しいとの声も少なくありません。
その理由として、以下の4つが挙げられます。
- 出題範囲が広い
- 問題数が多い
- 過去問が販売されていない
- エンジニアの合格率が高い
合格率が高く見える一方で、多くの受験者が苦労する理由を解説します。
①出題範囲が広い
G検定は、AIやディープラーニングについて主に問われますが、基礎から応用まで広範囲が出題されます。2024 #6から適用されているシラバスを掲載したので、ご確認ください。
| 範囲 | 概要 |
|---|---|
| 人工知能(AI)とは | 人工知能の定義 人工知能研究の歴史 |
| 人工知能をめぐる動向 | 探索・推論 知識表現とエキスパートシステム 機械学習 ディープラーニング |
| 人工知能分野の問題 | 人工知能分野の問題 |
| 機械学習の具体的手法 | 教師あり学習 教師なし学習 強化学習 モデルの選択・評価 |
| ディープラーニングの概要 | ニューラルネットワークとディープラーニング 活性化関数 誤差関数 正則化 誤差逆伝播法 最適化手法 |
| ディープラーニングの要素技術 | 全結合層 畳み込み層 正規化層 プーリング層 スキップ結合 回帰結合層 Attention オートエンコーダ データ拡張 |
| ディープラーニングの応用例 | 画像認識 自然言語処理 音声処理 深層強化学習 データ生成 転移学習・ファインチューニング マルチモーダル モデルの解釈性 モデルの軽量化 |
| AIの社会実装に向けて | AIプロジェクトの進め方 データの収集・加工・分析・学習 |
| AIに必要な数理・統計知識 | AIに必要な数理・統計知識 |
| AIに関する法律と契約 | 個人情報保護法 著作権法 特許法 不正競争防止法 独占禁止法 AI開発委託契約 AIサービス提供契約 |
| AI倫理・AIガバナンス | 国内外のガイドライン プライバシー 公平性 安全性とセキュリティ 悪用 透明性 民主主義 環境保護 労働政策 その他の重要な価値 AIガバナンス |
引用: JDLA G検定の試験範囲(シラバス)と例題
なお、G検定のシラバスは定期的に改定されるため、最新の情報をご確認ください。
上記のシラバスからもわかるとおり、技術に関する内容から法律関係まで、幅広く出題されます。
そのため、受験者はそれぞれの分野をバランスよく理解する必要があり、短期間で習得するのは難しいと感じます。G検定の難易度を、合格率だけで判断しないように注意してください。
②問題数が多い
G検定の試験時間は120分ですが、200問程度と多くの問題が出題されます。
1問あたり約36秒しかかけられないため、じっくり考える余裕はありません。
結果的に、最後まで回答できずに不合格となる受験生も多く、合格率が下がる要因となっています。試験本番では問題をスピーディーに解く力と、不正解の選択肢に惑わされない集中力も必要です。
③過去問が販売されていない
G検定は一般的な資格試験と異なり、テキストやインターネットで過去問は発売されていません。過去の出題傾向や問題を事前に把握できないため、どのような内容が出題されるかを予測しにくくなります。
基本的なテキストや参考書に頼るしかないのも、合格率が下がる要因の1つです。
なお、JDLAの公式サイトに例題は公開されているため、うまく活用しましょう。
④エンジニアの合格率が高い
受験生の職種別の合格率も発表されていますが、専門性の高い人の割合が高いことがわかります。
| 職種 | 合格者数 | 全体の割合 |
|---|---|---|
| コンピュータ及び周辺機器製造または販売業 | 147 | 2.52% |
| サービス業 | 312 | 5.35% |
| ソフトウェア業 | 968 | 16.60% |
| 医療・福祉業 | 49 | 0.84% |
| 運輸・通信業 | 198 | 3.39% |
| 卸売・小売業、飲食店 | 644 | 11.04% |
| 官公庁、公益団体 | 96 | 1.65% |
| 教育(学校、研究機関) | 33 | 0.57% |
| 金融・保険業、不動産業 | 706 | 12.10% |
| 建設業 | 99 | 1.70% |
| 情報処理・提供サービス業 | 1,203 | 20.62% |
| 製造業 | 572 | 9.81% |
| 調査業、広告業 | 57 | 0.98% |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 72 | 1.23% |
| 農業、林業、漁業、鉱業 | 6 | 0.10% |
| 大学院生 | 67 | 1.15% |
| 大学生 | 224 | 3.84% |
| 専門学校生 | 96 | 1.65% |
| 高等専門学校生 | 4 | 0.07% |
| 高校生 | 12 | 0.21% |
| 中学生 | 2 | 0.03% |
| 無職、その他 | 113 | 1.94% |
| 不明 | 153 | 2.62% |
| 総計 | 5,833 | 100.00% |
合格者のうち、ソフトウェア業や情報処理・提供サービス業の職についている人の割合が、40%近くを占めています。
基礎知識を持っている受験生の合格率が高く、AIやディープラーニング初学者にとっては難しい可能性があります。合格率に左右されず、しっかりと対策しましょう。
G検定に合格するための勉強方法4選

G検定に合格するための勉強方法を4つ紹介します。
- G検定の対策講座を受講する
- テキストを購入する
- 問題集で対策する
- アプリを活用する
上記の学習方法にはメリットと注意点があるので、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
それぞれ解説するので、G検定に合格するためにも確認しておきましょう。
①G検定の対策講座を受講する

独学に不安を覚える方や、AI・ディープラーニングに苦手意識がある方は、G検定の対策に特化した講座を受講するのも良いでしょう。
試験に出やすい分野をわかりやすく解説し、さらにポイントを押さえて効率よく勉強できるため、時間をとれない方にも適しています。
中でもおすすめの講座は、GETT ProskillのG検定対策講座です。
G検定対策講座は受講期間がたった1日のため、短期間で集中して知識を習得できます。
受講形式は複数ありますが、eラーニングはリーズナブルでかなりお得です。
さらに226ページにもわたるオリジナルPDF教材や、全100問の模擬試験を配布するため、試験直前まで対策が可能です。費用を抑えてさくっと勉強したい方や、要点を押さえて効率よく勉強したい方は必見です。
セミナー名 G検定対策講座 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 38,500円〜 開催期間 1日間 受講形式 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング
②テキストを購入する
G検定に合格するための勉強方法2つ目は、テキストを購入することです。
前述のとおり、G検定の出題範囲は広いため、基礎から応用までを網羅しているテキストでの勉強がおすすめです。
テキストであれば、難しい内容もわかりやすく解説されているため、理解が進みやすくなります。JDLAが公式で発売しているテキストもあるため、どれを購入すべきか迷う方はチェックしてみてください。
③問題集で対策する
テキストだけでなく、問題集で対策するのも効果的です。
テキストで学んだ知識をアウトプットすることで理解が深まり、知識も定着しやすくなります。
また、問題集は試験形式に慣れるだけでなく、自分の理解がどこまで進んでいるかを把握する際にも役立ちます。試験当日までに理解が曖昧な部分や、弱点となっている分野を発見して、自信を持って試験に臨んでください。
さらに、G検定の模擬試験を開催しているサービスもあります。
詳しくはこちらの記事で解説しているため、あわせてご覧ください。
④アプリを活用する
G検定に特化した、学習アプリを活用するのも効果的です。
アプリは手軽に学習できるのがメリットで、通勤や休憩時間などのスキマ時間にも学べます。
また、クイズ形式で出題されたり丁寧に解説されていたりするアプリも多く、短時間で知識を確認する際にも便利です。スマートフォンでの学習は場所を選ばずに行えるため、とくに忙しい人におすすめです。
G検定合格率のまとめ
G検定の合格率は、例年60~80%程度で推移しています。
ハードルが高い試験ではないものの、合格率のわりには難しいとの声もあります。
特に出題範囲が広い点や、出題される問題数が多く最後まで解ききれないことが、合格率を下げる要因です。例年の合格率だけを見て油断するのではなく、しっかりと勉強して試験に挑みましょう。
勉強方法に悩んでいる方は、GETT ProskillのG検定対策講座をご検討ください。
受講期間はわずか1日ですが、G検定の出題範囲を網羅しており、最短で合格を目指せる講座です。G検定対策講座を受講して、G検定に合格しましょう。