イラストレーターでは、画像を挿入する際の方法として、フォルダーからドラッグ&ドロップする方法と、配置機能を使う方法の2つがあります。
本記事で、これらの画像を挿入する方法について見ていきましょう。また、挿入した画像は「リンク配置」にするか「埋め込み配置」にするかを決める必要がありますが、二つの配置方法の違いについても見ていきます。
イラストレーターで画像を挿入する方法2ステップ
イラストレーターへの画像挿入は、以下2つの方法から行えます。
- ドラッグ&ドロップ
- 配置
これらの方法について見ていきましょう。
挿入方法①ドラッグ&ドロップ

イラストレーターへの画像挿入は、ドラッグ&ドロップで簡単に行えます。
これは、WindowsのエクスプローラーやMacのFinderから画像ファイルを直接ドラッグし、イラストレーターのアートボード上にドロップする方法です。
この方法はメニューを選択する必要がないため、スピーディーに画像挿入ができます。
ただし、画像はデフォルトでリンク配置され、ファイルの保存場所を変更するとリンクが切れる可能性があるため、画像管理には注意が必要です。
挿入方法②配置

イラストレーターの画面上部にあるファイルメニューの「配置」から画像を挿入する方法です。
配置を選択するとエクスプローラーもしくはFinderが立ち上がるので、対象の画像を選択して「配置」ボタンをクリックしましょう。
選択した画像を配置したい場所でクリックすることで、アートボード上に挿入されます。
イラストレーターの画像挿入の種類
イラストレーターで画像を挿入する際は、リンク配置と埋め込み配置という概念を押さえておく必要があります。リンク配置と埋め込み配置の違いは以下の表のとおりです。
| リンク配置 | 埋め込み配置 | |
| 特徴 | フォルダー内にあるファイルのパスを通して画像を表示させる方法。 | ソフト自体に画像の情報を持たせて配置する方法。 |
| メリット | 元の画像ファイルを編集するとソフト側にも反映される。ファイルデータが軽い。 | 画像ファイルを消したり、フォルダーの場所を移動したりしても変わらず表示される。 |
| デメリット | ファイルを消したり、フォルダーの場所を移動したりすると、パスが切れて画像が表示されなくなる。 | 元の画像ファイルが編集されても反映されない。ファイルデータが重い。 |
印刷会社に入稿する際やクライアントにデータを送付する際は、リンク配置では画像が表示されないため、必ず埋め込み配置にする必要があります。
それぞれの特徴を考慮したうえで、用途に合わせて適切な配置形式で画像を挿入するようにしましょう。
リンク配置の方法

画像をリンク配置する方法は、以下の2つです。
- ドラッグ&ドロップで画像を挿入する
- ファイルメニューの「配置」から挿入する際に「リンク」の項目にチェックを入れる
イラストレーターでは、ドラッグ&ドロップで挿入した画像はデフォルトでリンク配置になります。
また、ファイルメニューの「配置」から挿入した場合でも、「リンク」の項目にチェックを入れておくことで、リンク配置ができます。
基本的に、設定をいじらない限りはリンク配置になると覚えておきましょう。
埋め込み配置の方法

画像を埋め込み配置する方法は、以下の2つです。
- ファイルメニューの「配置」から挿入する際に「リンク」の項目のチェックを外す
- リンクパネルのメニューから「画像を埋め込み」を選択する
ファイルメニューの「配置」から挿入する際、「リンク」の項目にチェックが入っている場合は、チェックを外して「配置」ボタンをクリックすることで最初から画像を埋め込んだ状態で挿入できます。
また、リンク配置で挿入した画像は、ウィンドウメニューの「リンク」にチェックを入れることで表示されるリンクパネルから、埋め込み配置に変更できます。
リンクパネルから埋め込みたい画像をクリックし、パネルから右上にある三本線のメニューから、「画像を埋め込み」を選択しましょう。
すると、リンク配置の画像が埋め込み配置に変換されます。
イラストレーターで特定の領域に画像を挿入する方法
イラストレーターで、この領域にのみ画像を挿入したいという場合もあるでしょう。
その際は、クリッピングマスクを使うことで作成されたオブジェクトにはめ込む形で画像を挿入できます。
クリッピングマスクで特定の領域に画像を挿入する方法は、以下のとおりです。
- 画像をイラストレーターに挿入する

- 画像を入れたい領域のオブジェクトを長方形ツールで作成する
- オブジェクトと画像をドラッグで囲んで選択する
- レイヤーパネル右上にある三本線のメニューから「クリッピングマスクを作成」をクリックする


クリッピングマスクを使えば、領域と同じサイズに画像サイズを変更する手間がかかりません。
また、クリッピングマスクについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。クリッピングマスクがうまくいかない場合の対処法についても解説しています。
イラストレーターで画像を貼り付けて挿入する方法
Photoshopなど、ほかのソフトで作成した画像をイラストレーターに持ってきたい場合もあるでしょう。
そのような場合は、画像を選択した状態でWindowsならCtrl+Cキー、MacならCommand+Cキーを押し、イラストレーター上でCtrl+Vキー、もしくはCommand+Vキーで貼り付けしましょう。
このとき、コピペで持ってきた画像は必ず埋め込み画像になる点には注意が必要です。
また、イラストレーターでは画像への編集としてグラデーションを付与することもできます。
以下の記事では、画像に対してグラデーションをかけて、段々と透明になるような表現をする方法について解説しています。
イラストレーターで挿入した画像のサイズを変更する方法
イラストレーターで挿入した画像は、以下の方法でサイズ変更ができます。
- 拡大・縮小ツールで変更
- バウンディングボックスで変更
それぞれの方法について見ていきましょう。
①拡大・縮小ツールで変更

ツールバーにある拡大・縮小ツールから画像サイズを変更する方法です。
拡大・縮小ツールのアイコンをダブルクリックするとダイアログボックスが開くので、「縦横比を固定」にチェックを入れて、100%になっている比率を変更しましょう。
100%より高くすると拡大、低くすると縮小されます。
縦横比を変更では、水平方向と垂直方向それぞれで数値を指定できますが、縦と横の比率が崩れて間延びしたような画像になってしまうため、画像サイズを変更する際は、縦横比を固定の方で行うようにしましょう。
②バウンディングボックスで変更

比率ではなく感覚的に画像のサイズを変更したい場合は、バウンディングボックスから変更しましょう。画像をクリックで選択すると、周りに長方形の枠が表示されます。
上下をドラッグすることで縦幅を、左右をドラッグすることて横幅を変更できます。そして、四隅をドラッグすることで、縦幅と横幅を同時に変更可能です。
しかし、ただドラッグするだけでは縦横比が崩れてしまいます。変更する際はShiftキーを押しながらドラッグして縦横比を維持しましょう。
このように、感覚的に画像のサイズを変更したい場合は、バウンディングボックスを活用するのがおすすめです。
イラストレーターで挿入した画像の色を変更する方法
イラストレーターに挿入したpngやjpg画像は、画像トレース機能でベクター化することで、色の変更ができます。
イラストレーターで挿入したイラストの色を変更したい場合は、以下の方法を試してみましょう。
- オブジェクトメニューの「画像トレース」から「作成して拡張」をクリックして画像をベクター化する

- オブジェクトメニューの「ライブペイント」から「作成」をクリックする
- ツールバーのライブペイントツールを選択する
- 塗りを設定して、対象の領域をクリックする

パスに隙間がある場合は、オブジェクトメニューの「ライブペイント」にある「隙間オプション」から、パスの隙間が検出されるまで塗りの許容サイズを変更してください。
また、隙間オプションでもつなげなられないような広い間隔が開いている場合は、ペンツールでパスを描いて、隙間を閉じるとよいでしょう。
イラストレーターで挿入した画像を明るくする方法
画像の加工は同じAdobeソフトのPhotoshopが向いていますが、Photoshopを持っていなくてもイラストレーターで画像を明るくできます。
イラストレーターで画像を明るくするには、描画モードと不透明度を使います。
イラストレーターで挿入した画像を明るくする方法は以下のとおりです。
- イラストレーターに画像を挿入する

- レイヤーをレイヤーパネル下部の「+」アイコンにドラッグして複製する
- ウィドウメニューから「透明」にチェックを入れて透明パネルを表示させる
- 上側のレイヤーを選択した状態で透明パネルから描画モードを「スクリーン」に変更する

- 透明パネルから不透明度を変更して明るさを調整する
描画モードによって画像の見え方は変わるので、さまざまなモードを試してみましょう。
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イラストレーターで画像を挿入する方法についてまとめ
今回は、イラストレーターで画像を挿入する方法について紹介しました。画像の挿入は、ドラッグ&ドロップや配置機能から行えます。
また、挿入する画像は「リンク配置」にするか「埋め込み配置」にするかによって、ファイルサイズや管理のしやすさが異なります。
配置方法によっては画像が表示されなくなってしまう場合もあるため、画像挿入の基本をしっかり押さえて、効果的に活用していきましょう。