オンライン研修を導入したいけれど、「自社で運営するべきか外部サービスを利用するべきかわからない」「eラーニングやZoom活用で本当に効果が出るのだろうか」と悩んでいないでしょうか。
近年はDX推進や生成AI活用の広がりにより、多くの企業がオンライン研修を取り入れるようになりました。しかし、初めて導入する企業の場合、研修形式の選び方を間違えたり、受講後のフォローが不足したりして、期待した成果につながらないケースも少なくありません。
そこでこの記事では、オンライン研修の基本から実施方法の違い、メリット・デメリット、社内運営と外部委託の判断基準、失敗しない導入ポイントまでわかりやすく解説します。
オンライン研修とは
オンライン研修とは、インターネットを利用して実施する企業向け研修の総称です。
従来の研修は、現地開催する方法が主流でした。しかし、参加者数が多い企業や地域ごとに支店や営業所を持つ企業の場合、会場の確保やスケジュール調整などに負担がかかります。また、各参加者の移動費なども高額になりやすいのが特徴です。
一方でオンライン研修は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを通じて受講でき、場所を問わず参加しやすいのが魅力です。近年は、働き方改革やテレワークの普及により、会場での集合研修の代替手段として活用されるなど、研修のオンライン化が加速しています。
eラーニングとの違い
オンライン研修とeラーニングは、次のように講師とのコミュニケーション面に大きな違いがあります。
| 比較項目 | オンライン研修 | eラーニング |
|---|---|---|
| 受講形式 | ライブ・録画両方 | 主に録画視聴 |
| 質問 | ○ 可能 | △ 基本的に不可 |
| グループワーク | ○ 可能 | △ 難しい |
| 向いている内容 | 演習・討議・実践 | 知識習得 |
特にeラーニングは、あらかじめ用意された動画や教材を受講者が視聴して学ぶ形式です。
独学に近い学習方法であることから、リアルタイムの質疑応答や演習には向いていません。
一方、オンライン研修はライブ配信やグループワークなどを含み、講師や受講者同士がリアルタイムでコミュニケーションできる場合もあります。「複数名を同時に教育したい」「同じタイミングで知識やノウハウを共有したい」という場合には、オンライン研修が向いています。
Zoom研修との違い
Zoom研修はオンライン研修の実施手段のひとつであり、基本的な意味は同じです。
あくまで「Zoom」を利用したオンライン研修という意味である点に注意してください。
なお、オンライン研修はほかにも「Google Meet」「Teams」などを使う場合があるほか、不特定多数を対象とした研修の場合には「YouTubeライブ」を活用する企業もあります。
オンライン研修には3つの実施方法がある

オンライン研修について、多くの企業ではライブ配信型・オンデマンド型・ハイブリッド型のいずれかを採用しています。ここでは、それぞれの違いと向いている研修内容について紹介します。
| 実施方法 | オンライン研修の特徴 | 向いているオンライン研修 | 運営負荷 | 学習効果 |
|---|---|---|---|---|
| ライブ配信型 | 講師がリアルタイムで実施 | DX研修・生成AI研修・管理職研修など | 高い | 高い |
| オンデマンド型 | 録画教材を好きな時間に受講 | 情報セキュリティ・コンプライアンス・基礎知識習得など | 低い | 中程度 |
| ハイブリッド型 | ライブと録画を組み合わせる | 新入社員研修・全社研修・実践研修など | 中程度 | 高い |
ライブ配信型
ライブ配信型は、ZoomやTeamsなどを使ってリアルタイムで実施するオンライン研修です。
講師へその場で質問できるほか、グループワークやディスカッションも行えるため、生成AI研修やDX研修など実践的なテーマに向いています。
オンデマンド型
オンライン研修のオンデマンド型は、録画された動画や教材を好きな時間に受講する形式です。
時間や場所を選ばず学習できるため、新入社員教育や情報セキュリティ研修など、多人数への基礎教育に適しています。
ハイブリッド型
オンライン研修のハイブリッド型は、オンデマンド学習とライブ配信を組み合わせる方法です。
事前に動画で知識を学び、当日は演習や質疑応答を行うことで学習効果を高められるため、近年多くの企業で採用されています。
たとえば、何度も学習が必要なCADやBIMなど、ソフト操作の研修に向いています。
オンライン研修のメリット
オンライン研修のメリットは、時間や場所の制約を減らしながら教育を実施できることです。
近年はテレワークや複数拠点での勤務が一般化したこともあり、多くの企業が人材育成の手段として活用しています。ここでは、企業がオンライン研修を導入するメリット紹介します。
- 会場費や交通費を削減できる
- 全国どこからでも受講できる
- 教育品質を均一化できる
- 受講履歴を管理しやすい
会場費や交通費を削減できる
オンライン研修は会場の手配が不要なため、会場費や交通費、宿泊費を削減できます。
特に、複数拠点を持つ企業なら移動コストの削減効果を期待でき、同じ予算でより多くの社員へ教育機会を提供できます。
全国どこからでも受講できる
オンライン研修は、インターネット環境があれば、自宅や地方拠点からでも受講できます。
受講場所に制限がないため、テレワーク中の社員や遠方の拠点へも同じ内容の研修を提供できることがメリットです。
教育品質を均一化できる
オンライン研修は、同じ教材や講師による研修を全社員へ提供できるため、拠点や担当者による教育内容のばらつきを抑えられます。特に新入社員研修や情報セキュリティ研修では効果を発揮しやすいのが特徴です。
受講履歴を管理しやすい
オンライン研修に合わせてLMS(学習管理システム)を活用すれば、受講状況やテスト結果を一元管理できます。未受講者への案内や理解度の把握もしやすくなり、研修担当者の運営負担軽減にもつながります。
オンライン研修のデメリットや注意点
オンライン研修には多くのメリットがありますが、すべての研修に向いているわけではありません。実際に導入した企業の中には、「受講者の集中力が続かなかった」「思ったほど現場で活用されなかった」といった課題に直面するケースもあります。
重要なのは、以下のオンライン研修のデメリットを理解したうえで適切な形式を選ぶことです。
| デメリット・注意点 | 内容 |
|---|---|
| 通信環境に左右される | 回線トラブルや機器不具合で受講に支障が出る場合がある |
| 受講者の主体性が必要になる | 動画視聴中心だと集中力が続かず学習効果が下がりやすい |
| 実技研修には不向きな場合がある | 現場作業や機器操作などは対面研修の方が適している |
| 受講者同士の交流が生まれにくい | 雑談や偶発的なコミュニケーションが減少する |
| 研修設計によって成果が大きく変わる | ツール導入だけでは教育効果は高まらない |
ただし、上記の課題の多くは事前準備や研修設計によって改善できます。
たとえば、オンライン研修のオンデマンド学習とライブ配信を組み合わせたハイブリッド型を採用したり、演習やグループワークを取り入れたりすることで学習効果を高めることが可能です。
オンライン研修は社内運営と外部委託のどちらがいい?

オンライン研修を、社内で運営すべきか外部サービスに任せるべきかお悩みなら、以下の比較表をもとに、自社がどちら向きなのかを確認してみてください。
| 比較項目 | オンライン研修を社内運営 | オンライン研修を外部委託 |
|---|---|---|
| 研修内容 | 自社独自の内容に向く | 専門知識が必要な内容に向く |
| 講師 | 社内担当者 | 専門講師 |
| 教材作成 | 必要 | 不要または最小限 |
| 最新情報の反映 | 担当者次第 | 比較的早い |
| 運営負担 | 大きい | 小さい |
| 費用 | 抑えやすい (教育担当者の労務時間がそのままの費用になる) |
一定のコストが発生 |
特に「社内教材を作る時間がない」「社内に教えられる人材がいない」「実践レベルまで習得させたい」といった場合は、外部研修の活用を検討する価値があります。
なかでも、生成AI活用のオンライン研修やCAD・BIMのオンライン研修のように実務ノウハウが求められる分野では、専門講師による外部研修のほうが短期間で成果につながりやすい傾向があります。
オンライン研修に向いているテーマ一覧
社内に取り入れるオンライン研修に迷っている担当者の方向けに、オンラインでの実施と相性の良い研修テーマを整理しました。
| オンライン研修テーマ | オンライン研修が向いている企業 |
|---|---|
| DX研修 | 業務改善やDX推進を進めたい企業 |
| 生成AI活用研修 | AI活用を推進したい企業 |
| CAD・BIM研修 | 建設・設計・製造業 |
| 情報セキュリティ研修 | 全業種 |
| ITリテラシー研修 | 新入社員が多い企業 |
DX(デジタルトランスフォーメーション)研修
DX研修は、座学と演習を組み合わせやすいためオンライン研修との相性が良いテーマです。
DXの基礎知識や業務改善の考え方を学んだうえで、グループワークやケーススタディを実施することで理解を深められます。業務効率化やデジタル活用を推進したい企業に向いており、実際の業務課題を題材にした演習を取り入れることで現場への定着を図れます。
実際、私もDX推進の担当者として動いた経験がありますが、ひとりだけでDXに対応することには限界があります。企業全体の理解が重要となるため、オンライン研修を通じて共通認識を持つことが大切です。
なお、DXのオンライン研修を外部サービス活用で実施するなら、以下のサービスがおすすめです。企業課題に合わせて最適な研修内容をカスタマイズできます。
加えて、社内のDXスキルを高めたい場合には、以下のサービスがおすすめです。
データドリブンな意思決定やDXで用いるツールの活用例などを学べます。
| セミナー名 | DXビジネススキルセミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | eラーニング |
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生成AI活用研修

生成AI活用研修は、画面共有を使いながら実際に操作できるためオンライン研修との相性が良いテーマです。
ChatGPTやGeminiなどの生成AIツールを使いながら、プロンプト作成や業務活用方法を学べます。生成AIの導入を進めたい企業や業務効率化を目指す企業に向いており、オンライン研修を通じてハンズオン形式で実践することで日常業務への活用を定着させやすくなります。
実際、私もChatGPTやGeminiを業務活用することがあります。
非常に簡単に扱えるソフトですが、プロンプトひとつで出力結果が変わるため、初心者こそ最初に正しい知識を持つべきだと考えています。たとえば、上の画像のように抽象的なプロンプトで指示を出しても、回答が抽象的になります。
一方で、以下のようにAIの設定や具体例を挙げると、出力結果が詳細になります。

また企業の場合、機密情報といったデータとの取り扱いなども理解しておく必要があるため、研修として基礎を学んでおくことが大切です。
なお、生成AIの基礎知識や、生成AIサービスの使い方などを体系的に学びたい場合は、以下のサービスがおすすめです。オンラインで実践的な活用方法を学べます。
| セミナー名 | 生成AIセミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
生成AIのおすすめ研修をお探しの方は、以下の記事もチェックしてみてください。
CAD・BIM研修

CAD・BIM研修は、ソフトウェアの操作画面を共有しながら学習できるためオンライン研修との相性が良いテーマです。
講師の操作手順を確認しながら受講者も実際に手を動かせるため、理解度を高めやすい特徴があります。設計業務の効率化や人材育成を進めたい企業に向いており、演習課題を繰り返し実施することで実務レベルのスキル習得につなげられます。
特に、CAD・BIM系のソフトは製品によって操作性が違うほか、初心者だと理解が難しい場合もあります。実際、CAD・BIMの操作経験がある私も独学で挫折しかけたことがあるため、社員の理解度を高めたい場合にはオンライン研修の実施が向いています。
なお、2DCADソフトとして広く活用されている「AutoCAD」をオンライン研修として学びたい場合は、以下のサービスが向いています。講師の説明を聞きながら、ハンズオン形式で実践的な使い方を学べます。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
また、3DCADソフトの「Autodesk Fusion」の使い方を学びたい場合には、以下のサービスが最適です。モデリングから解析まで製造業の必須スキルを学べます。
| セミナー名 | Autodesk Fusionセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 45,100円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
さらに、BIMソフトとしてシェア率の高い「Revit」の使い方を学びたい場合には、以下のサービスで効率的に学べます。独学だと理解しづらい属性情報の取扱いやソフト連携なども学べます。
| セミナー名 | Autodesk Revitセミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 45,100円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
情報セキュリティ研修
情報セキュリティ研修は、全社員へ同じ内容を提供しやすいためオンライン研修との相性が良いテーマです。
情報漏えいやフィッシング詐欺、パスワード管理などの基礎知識を効率的に学習できます。
セキュリティ事故を防ぎたい企業やコンプライアンスを強化したい企業に向いており、テストや理解度チェックを組み合わせたオンライン研修を行うことで知識の定着を図れます。
新入社員向けITリテラシー研修
新入社員向けITリテラシー研修は、基礎知識を体系的に学べるためオンライン研修との相性が良いテーマです。
クラウドサービスやビジネスツール、情報管理の基本などを効率的に習得できます。
ITに不慣れな新入社員が多い企業に向いており、動画学習と演習を組み合わせたオンライン研修を実施することで、実務で必要となるITスキルの定着につなげることができます。
外部オンライン研修でよくある失敗事例と成功のポイント
外部のオンライン研修は導入するだけで成果が出るわけではありません。
実際には、研修内容や実施方法の選び方を間違えたことで「受講しただけで終わった」「現場で活用されなかった」といった失敗も見られます。オンライン研修の導入前に確認しておきたい代表的なポイントを見ていきましょう。
安さだけで選ばず研修目的との相性を確認する
オンライン研修は、費用だけを基準に選ぶと、自社が解決したい課題と研修内容が合わず、期待した成果につながらないことがあります。
たとえば、DX推進が目的なのに基礎知識中心の研修を導入しても現場は変わらないため、まずは研修の目的を整理し、その目的を達成できるオンライン研修かを確認することが重要です。
動画視聴だけでなく演習の有無を確認する
動画を見るだけのオンライン研修は理解したつもりになりやすく、実務で活用できないケースがあります。特に、生成AIやCAD・BIMなどの実践スキルは、実際に操作する演習を行わなければ理解を深めにくいのが特徴です。
そのため、知識習得だけでなく、手を動かしながら学べるオンライン研修を選ぶことが定着率アップに欠かせません。
受講後の効果測定に対応しているか確認する
オンライン研修を実施しても、参加者一人ひとりの成果を測定しなければ効果を判断できません。
たとえば、本人は理解したつもりになっていても、実際の現場では学んだことを活かせていないケースもあります。オンライン研修のなかでも、研修後の振り返りやフォローアップがあるサービスは、学習効果を継続しやすい傾向があります。
自社業務に合わせてカスタマイズできるか確認する
汎用的な内容だけの外部オンライン研修だと、自社の業務課題に直結しないことがあります。
たとえば、建設業であればCAD・BIMの実務事例、製造業であれば現場のDX事例など、自社に近い内容で学べるオンライン研修が実践しやすくなります。
オンライン研修についてまとめ
オンライン研修は、場所や時間の制約を減らしながら効率的に人材育成を進められる手法です。
ただし、成果を出すためには研修形式やテーマ、実施方法を自社の目的に合わせて選ぶことが重要になります。
まずは、社内運営と外部委託を比較したうえで、自社に最適なオンライン研修を検討してみてください。