サイボウズが2026年6月より「kintone AI」を正式提供すると発表しました。これにより、「検索AI」や「アプリ作成AI」など、すべてのAI機能へスムーズにアクセスできるようになります。
この記事では、次世代型の業務改善ツール・kintoneの概要、業務を効率化する5つの注目機能、料金や無料版の使い方までわかりやすく解説します。「自社に適したシステムが見つからない」と感じている企業の担当者様は、ぜひ参考にしてください。
kintoneとは?
kintone(キントーン)は、自社の業務に合わせたアプリをプログラミング不要で作成できるクラウドサービスです。
kintoneがリリースされたのは2011年11月。開発元は、「サイボウズ Office」で知られる日本のソフトウェア企業・サイボウズです。
日本・海外で名称が異なるkintoneのブランド展開
kintoneは、日本・海外・中国で異なるブランド名が使われています。
- 日本:「kintone」(すべて小文字)
- グローバル市場(アメリカなど):「Kintone」(先頭大文字)
- 中国市場:「才望云」(サイボウズに由来する名称)
そのため、「kintoneとKintoneはどちらが正解?」と迷う必要はありません。どちらもそれぞれの地域における正式なブランド名であり、単に対象とするマーケットによって表記を使い分けているだけなのです。
AI×ノーコードによるスピーディな業務改善
kintoneが、業務アプリをスピーディーかつ低コストで作れるのは、AIを活用したノーコードプログラミングを用いているからです。
ノーコードとは、専門知識がなくてもアプリを作れる開発手法で、世界的な人口減少やIT人材不足、そして予測困難な「VUCA時代」への突入を背景に、近年ひときわ注目が高まっています。
セミナーでAIスキル×業務改善を実現しよう!
kintoneのように、AI×ノーコードで業務改善を加速させるスキルは、今や業界を問わず必須になりつつあります。
DX研修・人材育成サービスでは、生成AIの基礎からプロンプト技術、AIエージェントによる自動化まで、「現場視点」のAIスキルを網羅的に学べます。研修項目は「オフィスアプリケーション」「DX系のプログラミング・開発」まで幅広く、ニーズに合わせて柔軟に設定可能です。
ルーチン作業の効率化にはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールも役立ちます。以下の記事では、おすすめのRPAツールを複数紹介しているので、「RPAでさらに高度な自動化を実現したい」という方はぜひご一読ください。
kintoneは何がすごい?5つの注目機能を紹介
kintoneがすごいのは、現場が必要とするアプリを自分でつくれるからです。kintoneを使えば、「課題の発見→業務アプリ作成→業務の改善」までをスピーディーに進められます。
その結果、PDCAやOODAといった改善サイクルも、一気に迅速化します。ここでは、そのサイクルを支えるkintoneの機能を5つ見ていきましょう。
- 情報を「見える化」してチームで共有
- 「検索AI」で必要な情報を一瞬で確認
- 「プロセス管理設定AI」でワークフローをサッと構築
- 「レコード一覧分析AI」でデータの傾向・要点を把握
- 「プラグイン・連携サービス」で標準機能をさらに強化
①情報を「見える化」してチームで共有
kintoneは、顧客情報やプロジェクトの進捗といったチームに必要な情報を、統一フォーマットで一元管理・リアルタイム共有できます。これにより、以下のような効果が得られます。
- 「誰がどの案件をどこまで進めているか」をその場でチェック
- プロジェクトの進行やワークフローの承認状態を即座に把握
このように、バラバラだった情報を一つにまとめることで、状況確認の手間が大幅に減り、チーム全体の判断と行動がスムーズになるのです。
②「検索AI」で必要な情報を一瞬で確認
kintoneは、複数のアプリに散らばる情報を一括で検索・適切な回答を提供する「検索AI」機能を搭載しています。この機能を使うと、
- この顧客の最新の対応履歴を知りたい
- この案件の見積・請求・進捗を一度に確認したい
といった場面でも、複数のアプリをまたいでサッと情報を確認できます。さらに、検索結果にはアクセス権が反映されるので、非公開情報が漏れる心配もいりません。
③「プロセス管理設定AI」でワークフローをサッと構築
kintoneの「プロセス管理設定AI」を使うと、実現したい業務の流れをチャットで伝えるだけで、AIが以下のようなワークフローを提案・設定してくれます。
- 経費申請プロセス(社員→上長→経理→社長)
- 月次報告書の確認フロー(担当者→チームリーダー→部長→確認完了)
さらに、専門的な用語がわからなくてもAIが適切な言葉を補ってくれるので、「ビジネス用語や業務プロセス」に不慣れな新入社員にも最適です。
④「レコード一覧分析AI」でデータの傾向・要点を把握
kintoneの「レコード一覧分析AI」は、蓄積されたデータをAIが自動で分析・要約し、次に取るべきアクションまで提案してくれる機能です。具体的には、
- 案件履歴を分析し、失注の傾向や改善策を提示
- 問い合わせ内容から、クレームや重大な問題の兆候を検出
といった対応を行います。膨大なデータの中から「新たな気づき」や「改善のヒント」を誰でも簡単に引き出せるため、データ活用を強化したい企業にとって非常に心強い機能です。
⑤「プラグイン・連携サービス」で標準機能をさらに強化
kintoneは、プラグインや外部サービスを組み合わせることで、標準機能だけでは叶わない高度な仕組みを実現できます。これにより、
- 帳票出力やカレンダー、Webフォームなど専用機能を追加
- 電子契約やファイル管理など、様々なクラウドサービスと連携
- 業種に特化した専用アプリパッケージで、1から作らず即導入
といった拡張も可能です。これらは、プログラミングなしで簡単にできるため、開発期間やコストを大幅に抑えつつ、自社の業務に100%フィットしたシステムへと進化させられます。
参照:kintoneとは
セミナーでkintoneの魅力的な機能を最大限活用しよう!
kintoneは「その場でアプリを作れる」魅力的なツールですが、やはり、DXリテラシー・IT基礎・AI活用力といった「基盤スキル」がないと、アプリ設計・データ管理・業務改善の最適な判断はできません。
「現場力の向上」をモットーにしたDX研修・人材育成サービスは、自社開発のハンズオン研修や実務ベースのワークショップにより、学んだ知識を現場レベルに引き上げます。DXのスキルアップに貢献するコースは多彩で、
- DXリテラシー・IT/クラウド基礎
- kintone・Excel・オフィスアプリ
- AIエージェント・RAG・コーディング
- CAD・CGデザイン
- 実践PDCA講座
といった全9コース・計102プログラムをラインナップしています。さらに、初心者から実務レベルまで幅広くカバーする「レベル1〜3」の段階別構成も特長です。
こちらの研修では、事前に「DXスキルチェックテスト」を行い、社員一人ひとりのDXレベルを可視化・階層別に最適なコースを提案するので、初めてDX研修を導入する企業様でも迷わずスタートできます。
ビジネスシーンで活用される思考法「PDCA」は、DX研修・人材育成サービスでも学べます。「PDCA」は以下の記事で紹介しており、比較されやすいOODAとの違いも解説しています。
kintoneの料金プラン
kintoneの料金プランは、利用規模や目的に合わせて選べる3コース制です。すべて初期費用は不要で、1ヵ月から柔軟に契約できます。
| コース | 月額料金(税抜) | 最小ユーザー数 | アプリ数 | スペース数 |
|---|---|---|---|---|
| ライト | 1,000円 / 1ユーザー | 10 | 200 | 100 |
| スタンダード | 1,800円 / 1ユーザー | 10 | 1,000 | 500 |
| ワイド | 3,000円 / 1ユーザー | 1,000 | 3,000 | 1,000 |
全プランとも、メール・電話・チャットサポートがついています。また、kintoneの各コースには、以下のようなオプション料金も設定されています。
| オプション | ライト | スタンダード | ワイド | 月額料金(税抜) |
|---|---|---|---|---|
| ゲストユーザー | ○ | ○ | ○ | 700円 / 1ユーザー |
| メール共有 | – | ○ | ○ | 5,000円 / 5,000件 |
| セキュアアクセス | ○ | ○ | ○ | 250円 / 1ユーザー |
| ディスク増設 | ○ | ○ | ○ | 1,000円 / 10GB |
kintoneの料金プランは3種類あるため、利用の際には以下の基準で選びましょう。
- ライト:基本機能でスモールスタートしたい
- スタンダード:自動化や外部連携をフル活用したい
- ワイド:多くのアプリを管理する大規模な組織で使いたい
迷ったときはライトからスタートし、必要に応じて上位プランに移行するとよいでしょう。
kintoneの無料版の使い方
kintoneには無料お試し版があり、30日間・スタンダードコースの全機能を制限なく利用できます。ここでは、kintoneの無料版の使い方をご紹介します。
- kintone公式サイトにアクセス
- 画面右上の「無料お試し」をクリック
- 「お試し申し込み」が開いたら会社名を入力→「次へ進む」
- 「お試し申し込み」の画面が開くので、該当する会社名を選択→「次へ進む」
- 必要事項を入力(勤務先メールアドレス、氏名、会社名など)→「次へ進む」
- メール本文内のURLにアクセスして試用開始
なお、試用期間が終わっても自動課金はされないため、安心してお試しサービスを活用できます。
kintoneのログイン方法
続いて、kintoneの利用者側のログイン方法、およびkintoneの管理者がメンバーへログイン情報を送る手順を解説します。
利用者(ユーザー)がログインする方法
kintoneへログインするには、会社ごとに割り当てられた サブドメイン(https://◯◯.cybozu.com) を使います。このログインURL、およびログイン名・パスワードは、管理者がユーザーにメールで案内する、というシステムです。
- 管理者からログインURL、ログイン名、パスワードを入手
- ログインURLにアクセスしてログイン名、パスワードを入力
- ログイン後に「パスワードを変更してください。」と表示
- パスワードに使える文字が表示
- パスワードを設定後「保存」をクリックしてログイン
なお、パスワード設定は、管理者の設定により不必要なこともあります。
管理者がメンバーにログイン情報を送る手順
次は、管理者がkintoneのログインURLを利用者に送る手順です。kintoneのログインURLはメールを使って送付します。
- kintoneにログイン
- 右上の設定アイコンから「cybozu.com共通管理」を開く
- 画面が切り替わったら上部の「組織/ユーザー」をクリック
- 「組織とユーザーの設定」の画面で、「ユーザーを追加」をクリック
- 「ユーザーを追加」の画面が開く
- 追加するユーザー情報を入力(名前やログイン名、メールアドレスなど)
- 画面上部の「保存」をクリックして登録を確定
- 「設定してメールを送信」をクリック
- 宛先が表示されるので必要事項を入力して「送信」をクリック
管理者は、この設定後に追加メンバー全員に対して「メールがきちんと届いているか」を確認しましょう。
kintoneを使う際の注意点

kintoneを使う際には、データ量・条件の複雑さ・アクセス集中に注意しましょう。
データ量が増えると動作が重くなる
kintoneは柔軟に使える反面、レコード数やフィールド数が増えるほど動作が重くなります。特に以下は注意が必要です。
- レコード数が数十万〜100万件規模
- フィールド数が100件以上
- テーブルや関連レコードの多様
kintoneの負荷を抑えるためには、不要データの整理やアプリの設定を変えた軽量化が有効です。
条件が複雑すぎると処理が遅くなる
kintoneは、検索条件やアクセス権の設定が複雑になるほど、判定処理に時間がかかり遅延します。特に以下は重くなりやすいポイントです。
- 「いずれかを満たす」の絞り込み条件の利用
- 文字列(複数行)やリッチエディターを条件に使う
- アクセス権の対象ユーザーが多い
これらの状況を回避するには、必要以上の「絞り込み条件」の利用を避け、「最軽量のアクセス権」を使ってアクセス権の簡素化を行いましょう。
アクセスが集中すると遅延が発生しやすい
kintoneは、始業・終業などアクセスが集中する時間帯や、REST APIを多用するカスタマイズは負荷が増え、処理が遅くなりがちです。特に以下は注意しましょう。
- ポータルで毎回APIを呼び出す設計
- ループ処理・並列処理を多用したカスタマイズ
- データ量が多いアプリへのリクエスト実行
これらの状況は、「お知らせ」アプリ、およびAPIの呼び出し回数を減らす(ボタン更新・タブ切替の活用)ことで軽減できます。
参照:性能上の考慮点と改善策 | kintone SIGNPOST
kintoneでよくある質問

kintoneでは、アプリ管理・ゲストユーザー・権限設定などでつまずきやすいポイントがあります。ここでは、特に問い合わせの多い内容をまとめました。
kintoneについてまとめ
kintoneは、自社の業務に合わせたアプリを手軽に作れるのが大きな魅力です。現場で課題が見つかれば、その場でkintoneでアプリを作成・修正し、すぐに業務改善へつなげられるため、PDCAやOODAといった改善サイクルを一気に加速できます。
とはいえ、「最初は操作や設計に迷う」といった声も少なくありません。もし、kintoneの使い方に不安を感じるのであれば、専門の研修サービスを活用してみましょう。実務に直結する使い方を効率よく身につけられ、無駄なく業務改善を進められます。