情報セキュリティの知識が必要だとわかっていても、何から学べばいいのかわからず足踏みしている方は少なくありません。情報セキュリティ管理士はそうした悩みを解決する民間資格です。
この記事では、情報セキュリティ管理士の試験概要や難易度について解説します。情報セキュリティ管理士を取得するメリットや効率的な勉強方法もまとめているため、受験を検討している方はぜひ参考にしてください。
情報セキュリティ管理士とは

情報セキュリティ管理士とは、組織内のセキュリティ対策を任される人に向けて作られた民間資格です。情報漏洩や不正アクセスなどの脅威に対応するための技術知識に加え、リスクマネジメントやリスク対応なども習得できます。情報セキュリティ管理士はIT部門の担当者だけでなく、事務職や営業職など別の職種からセキュリティの基礎を学びたい方にも適した資格といえるでしょう。
ここでは情報セキュリティ管理士認定試験の基本情報や、情報セキュリティマネジメントとの違いについて詳しく解説します。
情報セキュリティ管理士認定試験の基本情報
情報セキュリティ管理士を取得するには、一般財団法人 全日本情報学習振興協会が実施する認定試験に合格する必要があります。受験のタイミングは年に4回設けられており、会場でのマークシート受験のほか、自宅で受けられるIBT方式や提携テストセンターでのCBT方式も選択できます。
| 主催団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
|---|---|
| 試験日程 | 年4回(2月・5月・8月・11月) |
| 受験方法 | 公開会場受験・CBT会場受験・オンラインIBT受験 |
| 試験時間 | 120分 |
| 出題数 | 180問 |
| 合格基準 | 正答率70%以上 |
| 受験料(税込) | 一般11,000円/学生8,800円 |
情報セキュリティ管理士認定試験は、ライフスタイルや勤務先の状況に合わせて受験方法を選べるため、働きながらでも比較的挑戦しやすい認定試験です。公式サイトから申し込みの手続きができるため、試験日程や最新の出題範囲を事前に確認しておくとよいでしょう。
情報セキュリティ管理士認定試験の出題範囲
情報セキュリティ管理士認定試験の出題範囲は以下の3分野です。
| 出題分野 | 主な内容 |
|---|---|
| Ⅰ.情報セキュリティ総論 | 情報セキュリティの3要素、リスクマネジメント、リスク対応、情報セキュリティ関連法規など |
| Ⅱ.脅威と情報セキュリティ対策 | 従業員・委託先への監督、SNSやモバイル機器の利用管理、入退管理、システム障害や災害への対策など |
| Ⅲ.サイバーセキュリティ対策 | 本人認証や暗号技術、不正アクセスへの対策、クラウド・API、ランサムウェア・標的型攻撃など |
参考:試験内容・試験日程│情報・サイバーセキュリティ認定試験
情報セキュリティ管理士認定試験のうち、Ⅲの分野は2026年2月度試験より出題項目が広がっているため、最新の脅威動向にも目を通しておくことをおすすめします。
情報セキュリティマネジメント試験との違い
情報セキュリティ管理士と混同されがちな資格として、情報セキュリティマネジメント試験が挙げられます。セキュリティの知識を測る試験という点では共通していますが、運営団体や重視するポイントが大きく異なる点には注意が必要です。
| 情報セキュリティ管理士 | 情報セキュリティマネジメント試験 | |
|---|---|---|
| 資格の分類 | 民間資格 | 国家資格 |
| 主催団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 | 独立行政法人 情報処理推進機構 |
| 重視するポイント | 事務・バックオフィス業務における管理面の対策 | 部門の情報セキュリティ管理を担うための基礎スキル |
| 対象者 | これからセキュリティを学び始める人、専任の管理者がいない企業の担当者 | 組織内で情報管理を担当するすべての人、情報セキュリティ管理の知識・スキルを身につけたい人 |
参考:情報・サイバーセキュリティ認定試験、IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
社内の実務担当者として情報漏洩対策や社内教育を主導したい方は情報セキュリティ管理士、部署や役職を問わず情報セキュリティの基礎知識を身につけたい方は情報セキュリティマネジメント試験のほうが適しているでしょう。
どちらを選ぶか迷う場合は、自身が目指すキャリアの方向性から判断してみてください。例えば「まずは実務の現場で役立つ知識を身につけたい」という方は、情報セキュリティ管理士から学び始めるのがおすすめです。
情報セキュリティマネジメント試験については、以下の記事で詳しく解説しています。過去問や難易度、合格率などもまとめているため、気になる方はぜひこちらも合わせてご覧ください。
情報セキュリティ管理士の難易度・合格率
全日本情報学習振興協会の公表データでは、情報セキュリティ管理士認定試験の令和5年度合格率は42.3%、過去の平均は49.6%という結果が出ています。
情報セキュリティ管理士認定試験受験者の約半数が合格点に届く計算になるため、丁寧に対策を進めれば十分に合格を狙いやすい試験といえます。ただし合格には7割以上の正答率が必要なため、得意分野だけを伸ばす学習では不合格になりやすい点には注意が必要です。情報セキュリティ管理士の合格を目指すなら、苦手分野を残さず、バランス良く学習を進めましょう。
情報セキュリティ管理士を取得するメリット

情報セキュリティ管理士には、知識面とキャリア面の両方で複数のメリットがあります。具体的なメリットは以下の3つです。
- 情報セキュリティについて体系的に学べる
- キャリアアップやキャリアチェンジを目指せる
- 待遇への好影響が期待できる
ここでは情報セキュリティ管理士を取得する上記3つのメリットについてそれぞれ解説します。
①情報セキュリティについて体系的に学べる
情報セキュリティ管理士の学習を通じて得られる大きなメリットの一つが、情報セキュリティに関する知識を一つの体系としてまとめて身につけられることです。例えばニュースやSNSで見聞きする程度だったサイバー攻撃の手口や情報漏洩の事例を、対策の仕組みごと整理しながら理解できます。
具体的に情報セキュリティ管理士の学習範囲には、リスクを見積もって優先順位をつけるリスクアセスメント、組織全体でセキュリティを運用するための情報セキュリティマネジメントシステム、情報セキュリティ関連法規などが含まれます。これらをまとめて学べるため、現場で何かが起きたときに「なぜその対策が必要なのか」を説明できる人材になれるのです。情報セキュリティ管理士の知識は、IT部門に限らずどの職種でも応用しやすい点も魅力です。
情報セキュリティについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
②キャリアアップやキャリアチェンジを目指せる
情報セキュリティ管理士に合格することで、キャリアアップやキャリアチェンジを目指せます。情報セキュリティ管理士の知識を裏付けとして、管理職やセキュリティ担当としての立場を任されやすくなるのです。
情報セキュリティ管理士の合格者が目指せるキャリアとして、情報システム部門の責任者やセキュリティコンサルタント、内部監査員などが挙げられます。また、情報セキュリティ管理士の合格者は情報セキュリティ監査人の講習を受けられるようになるため、ここからさらに専門性を高めることも可能です。他の職種から情報セキュリティ分野へ移りたい方にとっても、情報セキュリティ管理士は足がかりとして使いやすい資格といえるでしょう。
③給与・評価への好影響が期待できる
情報セキュリティ管理士の資格取得が、給与や評価に良い影響を与えるケースも少なくありません。企業によっては、取得者に資格手当を支給したり、人事考課の評価項目に組み込んだりする場合があります。
特にセキュリティ専任の担当者を置きにくい中小企業では、情報セキュリティ管理士の資格を持つ人材が社内のセキュリティ窓口として重宝されやすく、評価につながりやすい傾向があります。
情報セキュリティ管理士の勉強方法
情報セキュリティ管理士認定試験の主な勉強方法は以下の3つです。
- 公式テキストや公式問題集で学ぶ
- 公式サンプル問題を有効活用する
- 情報セキュリティに特化した講座やセミナーを受講する
ここでは上記3つの情報セキュリティ管理士の勉強方法について解説します。
①公式テキストや公式問題集で学ぶ
情報セキュリティ管理士の対策における基本的な勉強方法が、公式テキストと公式問題集の活用です。情報セキュリティ管理士の出題範囲を網羅的にカバーしているため、独学でも迷わず学習を進められます。
最初に公式テキストを通読して全体像をつかみ、その後は公式問題集で問題演習を繰り返す進め方が効率的です。問題集は1回解いただけで終わらせず、2〜3回繰り返すことで、知識の抜けが少なくなっていきます。また、テキストや問題集を購入する際は最新の出題範囲に対応した版かどうかを必ず確認しましょう。
②公式サンプル問題を有効活用する
情報セキュリティ管理士の学習を進める際は、公式サンプル問題も有効活用しましょう。サンプル問題は全日本情報学習振興協会の公式サイトで無料公開されており、費用をかけずに出題形式や難易度を確認できます。
情報セキュリティ管理士のサンプル問題を一通り解いてみると、すでに理解できている分野と曖昧な分野がはっきり見えてきます。思った以上に苦戦したら公式テキストでの基礎固めに時間を多めに割き、手応えを感じられたなら早めに問題集での演習に移ってもよいでしょう。本格的に学習を始める前に、まずは一度サンプル問題に目を通しておくことをおすすめします。
③情報セキュリティに特化した講座やセミナーを受講する
独学だけでは不安な場合は、情報セキュリティ管理士の試験内容に特化した講座やセミナーを受講する方法もあります。講師から要点を直接教わることで、学習の効率が上がりやすくなります。
情報セキュリティ管理士の学習でつまずきやすい分野を重点的に解説してくれる講座であれば、独学では気づきにくい理解の漏れに早い段階で対応できるでしょう。さらに、わからない点をその場で質問できるのも、参考書だけの学習にはない大きな強みです。情報セキュリティ管理士の合格を目指すうえで独学に限界を感じたら、こうした講座やセミナーの活用を検討してみてください。
おすすめの情報セキュリティセミナー

GETT Proskillの情報セキュリティセミナーは、情報セキュリティの基礎から、情報資産を守るための考え方や代表的なリスク、実践的な対策まで幅広く学べます。
これからセキュリティを学び始める方はもちろん、講師から体系的な解説を受けながら、実務に直結するポイントを効率よく学べまるので、業務で必要な知識を身につけたい方にも最適です。基本を理解し、安心して業務に取り組める力を養いましょう。
| セミナー名 | 情報セキュリティセミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 5,500円〜 |
| 受講形式 | eラーニング |
情報セキュリティ管理士まとめ
情報セキュリティ管理士は、初心者からでも十分合格を目指せる資格です。これから情報セキュリティ管理士を目指す方は、まず公式サンプル問題で現在の理解度を確かめてみることから始めてみましょう。独学で進めるのが不安な場合は、講座やセミナーを取り入れながら学習を進める方法もおすすめです。
情報セキュリティ管理士の学習で体系的な知識が身につけば、日々の業務でも自信を持ってセキュリティ対策に向き合えるようになるでしょう。